こんにちは。佐藤carboと申します。
皆さんは、チームの環境が大きく変化するとき、どのように対応していますか? 安定した業務フローが確立されると、変化への対応が難しくなることもありますよね。この連載では、2025年でRPA歴8年を迎える私が、1年目から現在に至るまでの成長や失敗の経験を振り返りながら、皆さんにお伝えしています。
今回は、完全リモート化が定着する中での業務の安定、メンバーの入れ替わりによる課題、そしてチームのコミュニケーションを円滑にするための新たな試みについてお話しします。
リモート業務の安定と新たな課題
完全リモートワークへ移行して1年以上が経過し、私たちの業務フローもようやく安定してきました。各メンバーが効率的に業務を進めるためのルールやツールが整備され、リモートならではの利便性を活かしながら、より柔軟な働き方ができるようになっていました。
しかし、リモート環境が当たり前になる一方で、新たな課題も浮かび上がってきました。その中でも特に大きかったのが、チーム内のコミュニケーション不足です。日常的にオフィスで顔を合わせることがなくなったことで、ちょっとした雑談や気軽な質問の機会が減り、情報共有が滞る場面が増えてきたのです。
例えば、以前であればオフィスで隣の席の人に「この仕様、こういう解釈で合ってますか?」と気軽に確認できました。しかし、リモートではチャットやビデオ通話を活用しない限り、そのようなやりとりが生まれにくくなります。その結果、認識のズレが発生しやすくなったり、質問のタイミングを逃して作業が遅れたりすることが増えていきました。
メンバーの入れ替わりとチームの揺らぎ
こうした状況の中で、チームのメンバーにも変化が訪れました。長く一緒に働いてきたメンバーが1名、プロジェクトを離れることになったのです。
そのメンバーは、最初現場に慣れるのに苦労していて、メールも毎回送信前に誰かにしてもらうほどの状態でした。毎日のように指摘を受けつつも、少しずつ少しずつ成長していった彼は、最終的にはきちんと業務を任せることができるようになりました。
確かな成長が見えた、そんなタイミングでの離脱ということもあり、とても残念な出来事でした。また彼が抜けることで業務の進行に影響が出るのではないかとの不安も感じました。
幸いすぐに新しいメンバーが加わることになり、私たちは一安心しました。新メンバーは即戦力として期待されていましたが、リモート環境下での業務に慣れるまでには時間がかかりました。出社を併用しての教育を行ったりと、早く現場になじめるように努めていたのですが、残念ながらそのメンバーもほどなくしてチームを離れることになり、再び私たちは人員不足の状態に直面しました。
こうしたメンバーの入れ替わりが続くことで、また誰かがチームを離れてしまうのではないか、そんな不安な空気が漂っていました。教育マニュアルはしっかりと出来ていたので、迎え入れ事態は問題ないのですが、短期間でメンバーが複数人入れ替わるのは精神的もよくないものです。
1on1ミーティングの導入──コミュニケーションの強化
コミュニケーション不足を補い、またこの状況に歯止めをかけるため、私は「1on1ミーティング」を導入することにしました。これまで、チーム全体の定例ミーティングは行っていましたが、個々のメンバーがどのような課題を抱えているのかを深く理解する場が不足していました。
1on1ミーティングでは、リーダーとメンバーが月1回のペースで個別に話し合う機会を設けました。ここでは、単なる業務の進捗確認だけでなく、仕事の悩みや自身の成長についてなど、幅広いテーマを扱うようにしました。
また、ミーティングの質を高めるために、私は複数の書籍を参考にしながら、スキルや課題を具体的に数値化する資料を作成しました。例えば、「スキル」「コミュニケーション力」「管理・協力」といった項目ごとに点数をつけ、成長の推移を可視化できるようにしたのです。これにより、メンバー自身が自分の成長を実感しやすくなり、不足しがちなコミュニケーションの場も補うことを目的としました。
変化を乗り越えて──これからのチームの姿
こうした取り組みを通じて、私たちのチームはより強固なものへと進化しました。メンバーの入れ替わりによる影響は避けられないものの、1on1ミーティングを活用することで、リモートワーク特有の孤立感も軽減され、業務の話だけでなく、日々のちょっとした雑談や気づきを共有することで、チームの結束力が高まりました。
振り返ると、この時期は「安定」と「変化」の両方を経験した期間でした。リモート業務の安定化に伴い、業務効率は向上しましたが、それと同時に新たな課題も生まれました。特に、メンバーの入れ替わりによる影響は予想以上に大きく、それを乗り越えるための工夫が求められました。
しかし、変化に対応するための仕組みを整えたことで、チームとしての成長を実感できるようになりました。今後も、チームの状況に応じて柔軟に対応しながら、より良い働き方を模索していきたいと思います。
次回:「拡がる世界──新オフィス、新たな仲間、そしてAIの進化」
次回は、リモートワーク環境が整った中で、私たちがどのように新たな技術に挑戦し、業務を進化させていったのかについてお話しします。
では、また次回お会いしましょう。