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こんにちは。ダンデライオン広報担当です。
今回ご紹介するダンデライオンスタッフは、
映像制作室 アニメーションユニット 新リーダー 松井一樹さんです。
— 今の業務を教えてください。
現在は、大きく3つの役割で動いています。
まず1つ目は、アニメーションスーパーバイザーとしての業務です。
アニメーションのスタイルを決めたり、それに合わせたワークフローを整備したりしています。
また、プリビズやステージング用のデータの作成、汎用的に使えるライブラリの構築なども担当しています。
完成したアニメーションの内容チェックも、重要な役割のひとつです。
2つ目は、アニメーターとしての実作業です。
カメラワークの設計やアニメーション作成をはじめ、必要に応じて簡易的なエフェクトの追加も行います。
背景が2D美術の場合には原図の作成も担当することもありますし、作品によっては最終的なレタッチ作業まで携わることもあります。
そして3つ目が、社内アニメーションユニットの業務です。
ユニットの代表という立場で、各種ミーティングへの参加や、他セクションとの連携・調整を行っています。
社内からの要望や相談への対応、技術的な提案、ワークフローの改善などにも取り組んでいます。
— 現在作業的にどのような作業が多いですか?リーダーになって増えた業務などは
現在は、アニメーターとして案件に入っているので、業務の比重としてはアニメーション作業が中心になっています。
ただ、ユニットリーダーを任されるようになってからは、経営やチーム編成、プリプロ案件など、少し上流のフェーズの打ち合わせにも参加する機会が増えてきました。
— 今はどのような案件作業を担当していますか?
現在は『あんさんぶるスターズ!!マスターピースMVシリーズ』の制作にアニメーターとして参加しています。(先日Trickstarの「CELEBRATE!!」が公開。)
― 現在はリード案件は担当されていないのですか?
MV案件のアニメーター業務と並行して、もうすぐ稼働する新案件でSVを担当をします。
別でリードスタッフを立てるのでリードスタッフの育成も兼ねて進める予定です。
— 業務を遂行する上で大切にしていることやこだわりがあれば聞かせてください。
映像作品をつくるうえで一番大切にしているのは、観てくださった方の心に「とっておきの思い出」として残るような作品にすることです。
素敵な映像体験は、受け取った方の人間形成に大きく影響を与えるものではないかと常々感じており、その一助になれるように日々制作を行っています。
観てくれる方に、とっておきのプレゼントを贈れたらいいなと思っています。
ー ダンデライオンの思想とマッチしてますね。
それに伴って実作業時やチェック時に気を付けている点はありますか?
少し抽象的な言い方になりますが、フィードバック(以下FB)を出すときの判断基準としては
最終的に映像を観てくれる方のことを一番に考えています。
自分の感覚も大切にしつつ、これまで応援してくれているファンや、作品を楽しみにしてくれている人たちが納得できるかどうか、そのラインを意識しながらFBを出すようにしています。
― 視聴者目線を大事にされているのですね。これは時間の有無にかかわらずですか?
判断基準としてはそうですね。あとはその時々でクリエイティブに充てられる時間がどの程度あるかによって落としどころは変わります。
— ダンデライオンに入社前はどんなお仕事をされていましたか?
求人広告の制作会社でディレクターのアシスタント業務や、
公園の遊具やベンチなどの商品開発を行う部署でアシスタント業務を行っていました。
基本的には雑務全般を行っておりましたが、今思えばそこで出会えた優秀なディレクターの方たちの仕事を間近で観れたのは、現在の仕事に大きく活きているように感じます。
遊具のモックアップ作製をやらせていただいて、アナログでゼロからモノを作るとても貴重な経験ができました。単純にとても楽しかったです。
— 楽しそうですね!全部ゼロからつくるんですか?
はい、ボードを切り出すところからですね。
設計図が上がって、モックアップの制作を作成して、プロトタイプを作って、何度か改良を重ねて完成させる。
そこから商品を撮影して、カタログに載せるところまでが、当時所属していた部署の仕事でした。
巨大なネット遊具のモックアップを作ったこともあります。
― 大変!!クリエイティブ系の仕事にシフトしたいと思ったのはそのあたりからだったのでしょうか?
興味が向くのがそちらの方でした。
— CG(映像)業界に入った理由、ダンデライオンに入社のきっかけは?
マクロスフロンティアでのCGの空戦シークエンスを観て、自分もミサイルを飛ばしたいと思いCGの勉強を始めました。
半年間スクールに通い、ポートフォリオを作成してダンデライオンに応募しました。
中途入社になるので、年齢的にも若くはなかったのですが幸い拾っていただき現在に至ります。
ただ、今だにミサイルは飛ばせてないので、いつか飛ばしてみたいです。
— 板野サーカス見ごたえあってかっこいいですね。松井さんも飛ばせるといいですね。
ダンデライオンはどこで知ったのでしょうか?
CGのアニメーション会社をネットで検索していたら、たまたまトップに引っかかってきたので会社内容を確認したところ、『ワンピース』や『ホッタラケの島』など面白そうなタイトルに携わっていたこともあり応募しました。
検索ワードが良かったんでしょうかね、縁があったのだと思います。
― 検索ワード秀逸です・・・ご縁ですね!アニメ系に強い会社を志望されていたんですか?
そうですね、且つ、案件の幅が広めでフル3Dモノなどもやっている会社がよかったです。
作画寄りの会社にも応募していましたが、結果的に一番案件の幅が広そうなところとして(ダンデライオンを)選んだという感じです。当時は何でもやっていた印象だったので・・・
ただ、実写案件は自分の関心が薄かったので考慮にいれていませんでした。
— これまで経験した思い出深い案件を教えてください。
キャリアの中で培った人物の表情表現のノウハウを、全てぶつけて作成した
『ツキウタ THE ANIMATION』がファンの方々に一定の評価をいただけて、とてもうれしく感じました。
その技術の延長線上で『THE FIRST SLAM DUNK』にも参加させていただき、井上雄彦監督のクリエイティブを間近で観ることができたのはとても良い経験でした。
— 井上監督には大変刺激を受けたようですね!(こちらに関してはコートサイド#14,#15で)
TVアニメのツキウタ(一期)を皮切りにアイドル案件を定期的に受注するようになりましたね。
あのあたりから、作監修正を反映させる工程を用いるようになったと思いますが、
どこから生まれた話だったのでしょうか。
だいぶ前のことになるので正確にはおぼえていないですが、CGディレクターから1度(作監修正を)描いてもらいましょう。という話が出て、それをどのくらい再現できるかを試みようとしたところで、自分が合わせられますよ。と言っちゃった感じだったと思います(笑)
それまでにAnimShape(※)は既にリリースされていて、前の案件でテストを済ませていたので、「これなら実制作で投入できる。」 という感じはしていました。テストショットをあげて効果が高かったので、実装した感じです。
※ ダンデライオン独自のショット内スカルプトツール。
アニメーション作業後のシーンへの作監修正でも、モデル単位でシルエットを修正できる機能
これによりターゲットとリグだけを使うよりもさらに細かい形状の補正が可能となった。
― 当時から顔だけでなく、体の修正もしていたのでしょうか。
その当時は体の修正も多かったですね。顔に関しては、あの当時は今ほどしっかり寄せて作るって感じではなくて、あくまで参考程度でしたね。
テレビシリーズだったのでスケジュールもかなりタイトでしたし。
最近の案件では、予算やスケジュールとのバランスも踏まえた上で、そういった部分を見直していくことが課題の一つになっています。
— ユニットの雰囲気やリモート環境でのコミュニケーションは?
全体的にマイペースで独自の世界を持っているような方が多いんじゃないかなという印象です。
それぞれ好きなことが割とはっきりしていて、みんな独自の楽しみ方を持っているのではないかなと思います。
最近では出社機会も増えてきているので、フルリモートの時とは違う部分もありますが、班分けをして近況報告なんかを定期的に行っています。
— 松井さん個人としてコミュニケーションで気を付けていることなどありますか?
コミュニケーションにおいて個人的に大事だと思っているのが、案件中のフィードバック(FB)ですね。
単なる修正指示じゃなくて、一種のコミュニケーションツールだと思っています。
監督やリーダーが一方的に「こうして」って言うんじゃなくて、 お互いに「何をやりたいか」「どう見せたいか」っていうのをすり合わせるための会話としてFBを捉えています。
アニメーターが「こういう表現がしたい」っていうのをまず画で出してくれて、 それに対して「自分はこういう意図でこの方向にしたいから、こうしてもらえると助かる」っていうやり取り。
そういうキャッチボールがちゃんとできていれば、大きな問題は起きにくいと思うんです。
逆にそこで噛み合ってないとしたら、何かしら不調が出ているサインかもしれませんね。
— なるほど、やりたいこと引き出すところまで話を聞いてくれるのは、精神的に健全そうですね。
では、そんな松井さんがご自身として今後挑戦してみたい事はありますか?
社内にノウハウが蓄積されてきたことで、技術の体系化も進み、特にアイドルPVのような案件では安定してアニメーションを仕上げられるようになってきました。
その中で、ダンデライオンで行っている作監修正のような手法は、他社さんでも取り入れられていて、今ではある程度一般的なスタイルになってきていると感じています。
もちろん、それぞれのスタジオさんが高いレベルで取り組まれていて、本当に刺激を受けることも多いのですが、そういった中で、ダンデライオンらしさをどう出していくかというのは、ここ最近ずっと意識している課題です。
例えば『THE FIRST SLAM DUNK』のように、従来の表現を一歩超えていくような挑戦は、自分たちにとっても大きな意味があったと思います。
ただ、あの規模感の作品を継続的に作っていくのは現実的にはなかなか難しい部分もあるので、そこで得た知見や技術をベースに、どうやって驚きや感動を生み出せるか。
そういった新しい表現を常に模索しながら、これからも作品づくりに取り組んでいきたいと思っています。
— 作り手側も作っていて楽しい、視聴者の方も観て楽しい、ワクワクできる作品を期待しています!!
— ダンデライオンでの思い出や印象的なことをおしえてください。
忘年会のあとにアイススケートに行って足の骨を折ったのはいい思い出です。
— 確かに印象的、、、病院も終わっているだろう年末の夜に衝撃に一報でした(汗)
— ダンデでの働き方でよいと思う所を教えてください。
自分が二児の父親で育児に参加しているという事もあり、個人の事情に合わせて会社側で働き方を柔軟に調整していただけるところがとても良いと思っています。
少し前まで保育園の子供のお迎えが別々だったのですが、分担ができました。
家庭の事情に合わせて働き方を相談できる点は、業界でも有数なんじゃないかと個人的には思っています。
— ダンデライオンにどんな方に来ていただきたいですか。またどんな方が向いていると思いますか?
アニメーションを思いっきり楽しんで自由な発想で映像を作成していけるような方とご一緒できると嬉しいですね。
その上で個人的な気持ちでいえば、やっぱり同じような思想で受け手側を意識したクリエイティブを考えられる方と一緒に仕事ができると、なお嬉しいです。
また、ダンデライオンに限った話ではないかなとは思いますが、仕事以外の部分でも没頭できる好きな事を持っている方はパフォーマンスにも独自性があり、仕事をしていても余裕があるように感じますね。
自分が中途入社ということもありますが、中途入社で応募していただける方も大歓迎です。別業種で培った強みやノウハウを映像制作に転嫁して、独自の能力を発揮していただけるような方とお仕事ができると、とても刺激になります。
ー 松井さんありがとうございました。
ディレクター 松井 一樹(まつい かずき)
主な実績
映画「THE FIRST SLAM DUNK」
短編映画「あめだま」
あんさんぶるスターズ!!追憶セレクション
映画「HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア
オールスターズメモリーズ」/ED
ピングーin ザ・シティ
龍の歯医者 殺戮虫編
ウィザード・バリスターズ弁魔士セシル ほか