「自分がやってよかったと思えたことを、仲間にも経験してほしい」──。
大変さも喜びも分かち合える仲間がいるからこそ、仕事はもっと楽しくなる。挑戦を楽しみ、成長をつくり出してきた、スケッチ代表・坂根さんのストーリーをお届けします。
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【Profile】
名前:坂根 佑一
好きなこと:家族や仲間とおいしいご飯を食べること、新しい挑戦、たくさん笑うこと、「仲間と会社をつくっている」と感じる瞬間、未来の会社を描く時間
■ これまでのキャリア
これまで私は一貫して、「採用支援」と「組織づくり」に携わってきました。
新卒で入社したのは、求人広告の代理店。法人営業として、企業が抱える採用課題と日々向き合っていました。
その後、人材紹介会社に転職し、キャリアアドバイザーとして求職者支援にも携わりました。ここでは拠点長も任され、マネジメントや組織運営の経験を積むことができました。
さらに、自ら手を挙げて新規事業の立ち上げにも挑戦。医療機関向けのコンサルティング事業立ち上げに取り組んだ時期もあります。
ご縁があって新卒入社した会社に戻ってからは、営業マネージャーや部署立ち上げ、短い期間ですが執行役員として事業運営の一旦も担いました。社内研修の設計や講師も担当し、「組織の中から変える」という取り組みも行ってきました。
ざっくり振り返ると、クライアント向けには一貫して「採用支援」を、
社内的には、さまざまな部署やポジションで「組織づくり」に携わってきたキャリアだったと思います。
■ スケッチで成長できたことは?
スケッチを立ち上げてから、自分自身の成長を感じる場面は本当にたくさんあります。その中でも最も大きな成長実感は、「会社を自分一人で立ち上げた」という経験そのものです。
起業してからの数年間は、まさに「何もかも自分でやる」日々でした。
営業してお客様を獲得し、サービスを提供し、売上を作る。そして請求書も自分で手作りして発行する。パソコンや名刺の準備はもちろん、何もかもが初めてで、必要なことはすべて自分でやるしかありませんでした。
この一連のプロセスを経験することで、これまで自分がいかに「整った環境の中で仕事をしていたか」ということを痛感しました。
同時に、いずれ会社が大きくなったときに、「一人でできることには限界がある」ということも実感しました。そういう意味で、組織としての仕組みや役割分担の大切さにも気づかされました。
また、税金や各種手続きなど、これまで関心を持ってこなかった分野もゼロから学び、社会の仕組みを知ることができたという意味でも、大きな成長だったと思います。
こうしたすべての経験を通じて、強く感じたのは「仕事があることのありがたさ」です。誰かと仕事ができること、自分に声をかけていただけることへの感謝の気持ちが、これまで以上に深く芽生えました。
■ 今の仕事
私の今の仕事は、大きく分けて「会社づくり」と「コンサルティング業務」の二軸で成り立っています。
会社づくりは、自社の成長戦略や組織の土台づくり、リード獲得のためのアライアンス先開拓、メンバーが働きやすい環境を整える仕事。全体の約4割を占めます。
残りの6割はクライアント企業へのコンサルティング。中でも多いのは「人から選ばれる会社づくり」の支援です。
「人」と言ってもさまざまな対象が考えられますが、まずは「働く場所として選ばれること」──つまり、採用力やエンゲージメントの高い企業になるための支援が中心です。
採用戦略の設計、KPIのモニタリングと推進、ブランディングや人事チームへの研修プログラム開発、定着支援などなど実に幅広く支援内容を検討します。限りあるリソースをどこに集中すれば成果が最大化できるのか、実行支援では具体的でわかりやすいロードマップと実施方法まで、考えることに終わりはありません。
■ 人生のバイブル
好きな言葉は「ロマンとそろばん」。
どこで聞いたのかは覚えていないんですが、20代の頃に出会って以来、ずっと自分の中にある言葉です。
ロマンだけでは飯は食えない。実現できない、ただ想像しているだけ。かといって、そろばんをはじいて金勘定だけしていても面白くない。だからこそ、ロマンとそろばん、両方を持った状態でいたいと思うんです。
今、会社を経営していても「売上だけ伸ばせばそれでいい」とは全然思っていません。
むしろ、一緒に働く人たちが「ここに来て良かった」と思えるような、自己実現につながる場所でありたい。
夢を語ることを遠慮しなくていいし、語ったらむしろ会社全体で応援する。
そんな組織にしていきたいですね。
もちろん、夢を叶えるには現実的な部分=そろばんも大事。だからこそ、ロマンとそろばんの両輪を大切にした組織でありたいし、自分自身もそうありたいと思っています。
■ これからの夢
昔から思い描いているのは、「無人島にバーをつくって仲間と語らう」というちょっとロマンのある夢。一年に一度、お世話になった仲間たちを招待して、積もる話をゆっくり語り合う。
そんな、少し非日常な空間をみんなで楽しむ時間を持つのが、ひとつの夢です。
それとは別に、会社を創ってから芽生えた目標もあります。
それは「社長をたくさん生み出したい」というもの。
僕自身、まったくの未経験から経営者になってみて、心から「やってよかった」と思えたんです。
最初は経理も税務もわからないことばかり。でもやってみたら、「知らなかっただけ」で、やればわかる、やればできることがたくさんあると気づけた。
それがすごく面白くて。
社会の仕組みを完全に理解したなんて大それたことは言えませんが、その一端に触れられた実感があって、ますます楽しくなったんですよね。
だから僕は、スケッチの初期メンバーを中心とした社員から子会社の社長をどんどん輩出したいと思っています。
いわゆる「社長」って、世の中では両極端なイメージがついている気がするんですよ。大成功か、借金まみれか。でも実際はその間にもたくさんのリアルがある。
そんなに遠い世界じゃないし、むしろ経験してみたら面白い。
やってみて初めてわかることが、本当に多いと思うんです。
だから、将来的には創業20年で社長を10人以上輩出するのが目標。
巨大企業グループをつくりたいわけでも、上場したいわけでも、大金持ちになりたいわけでもない。
ただ、自分が「やってよかった」と思えたことを、希望する仲間にも経験してもらいたい。
それだけなんです。
たとえば、美味しいご飯を食べたら「あのお店、美味しかったよ」って伝えたくなるじゃないですか。
でも、本当の味は共有できない。だから、一緒にそのお店に行って、「うまいね!」って言い合いたい。
同じ景色を、同じ場所で一緒に見る。
そんなふうに、大変さも喜びも分かち合える仲間が増えていく。
それって、すごく楽しいんじゃないかなと思っています。