今年で創業10周年。 この月日の中で、会社は少しずつ成長や変化を重ねてきたけれども、代表である守岡さんは、この10年をどう振り返り、何を考えているのだろうか。
会社の未来については、いつも話しているが 改めて個人としてこの10年について聞いてみました。(全3回連載/第1回)
※本人希望により顔出しNGです。ミステリアスで居たいらしいw
「10年経って何が変わった?」
ーーまずは創業10周年、おめでとうございます! 10年という大きな節目を迎えて、代表個人として何が一番変わりましたか?
守岡:うーん……どういう回答が正解か分からないけど、率直に言うと「何も変わっていない」というのが本音なんだよね。
10年前の33歳と、今の43歳。細かい考え方や知識は変わっているかもしれないけれど、人間としての土台や、目指している夢、目標は変わってへんな。
ーー表面的にはすごく変わった部分もあるけれど、「本質が変わっていない」というのは確かにその通りかも。とはいえこの10年で意識的に変えたことはあるのでは?
守岡: あえて言うなら、「オーナー気質を消した」ということかな。 特に上場準備(IPO)を意識し始めてから、より強く意識するようになったね。
理由は単純で、「結局、自分1人じゃ何もできない」と心の底から分かったから。 1人で会社を回せるなら気なんて遣わなくていいんだろうけれど、俺にはそんなの無理だから。起業した時から株主をつけたりしてスタートしたのも、「自分1人じゃ何もできないタイプだ」ってはじめから分かってたからなんだよね。
「自分に興味がない」サラリーマン体質な俺
ーー「自分1人でできる」「自分の力で世界を変える」と思って起業する人が多いじゃないですか。当時私からみた守岡さんも起業しそうなタイプじゃなかったんだけど、改めてどうして起業したの?
守岡:根本的な前提として、「守岡一平」という個人にあまり興味がないんだよね。 自己分析をすると、俺はどちらかというと「サラリーマン体質」なんだと思う。会社の中で上司や誰かに認められたくてその結果、出世していくタイプ。
それがただ「承認欲求の矛先」が、会社(社内)から『社会』に変わっただけなんだと思う。
サラリーマンは会社から評価されるけれど、俺の場合は「社会からどう評価されるか」を求め出したのが起業しようと思ったきっかけだった。だから、会社として社会から評価されたい対象が、数字や事業のインパクト、株主からの信頼、IPO(上場)とレベルアップしていった当然の結果なんだよね。
逆に「上場企業の創業者・社長」という肩書き自体には全く興味がなくて。 ただ、IPOをして、毎年成果を出して、株価を上げて社会の期待に応えていく。その「社会からの評価(課題解決と数字)」を獲得していくプロセスに、俺のやりがいとやる気が出てくるんだと思う。
10年間の自己採点は「50点」。
ーー起業した当時、思い描いていた「10年後の姿」と照らし合わせて、今のshabellは自己採点で何点ですか?
守岡: 赤点ではないけれど……「50点」くらいかな。
10年会社を続けてこられたこと自体は0点や赤点ではないけれど、理想の姿には全然届いていない。 当時の理想を言うなら、「今頃マザーズ(現グロース)に行ってるよ」って話だから。
プラットフォームを作ろうとして、結局は自分たちの強みである「営業」からいまひとつ抜け出しきれなかった。プラットフォームをヒットさせる難しさはあるけれど、経営者としての引き出しも含めて、成し遂げられてへんなっていう悔しさは個人としてすごくあるね。
ただ、この10年で全勝はできていないないかもしれないけど、どんな逆風のときにも打席に立ち続けてきた。 おかげさまで、今は「営業が強い会社」という自分たちらしい強みと軸がある。ここから見とけよ、という感じだね。
📝 ヘレンの編集後記
「俺、起業しようと思っているんです。」12年前、マイナビの営業担当だった守岡から突然そう打ち明けられた日のことを、今でも鮮明に覚えている。起業するタイプだとは思っていなかったので、当時はものすごく驚いた。
あれから12年。思い返せばいろんな事があったけど、困難を乗り越えるたびに少しずつ成長し、会社らしく、社長らしくなってきた。
自身の承認欲求を隠さず、「俺はサラリーマン体質だ」と分析しながらも、歳を重ねるたびにより客観的に、より俯瞰して社会からの評価に真摯に向き合い続けているように思う。
10年で50点。理想には届いていないけれど、倒れずに打席に立ち続けてきた。 次回(第2回)は、守岡さんの心を支える信念と価値観についてズバリ聞いてみようと思う。