目指すは世界一の法務組織!『Have Fun』を合言葉に、仕事を楽しむリーガル集団 | PEOPLE×WORKS
今年4月、シャープ法務部はより経営に近い「法務本部」へと格上げされました。これまで以上に経営戦略や事業展開に深く関わり、経営層の意思決定をサポートする部署となったわけです。経営を支える"強い法務...
https://www.wantedly.com/companies/company_1113142/post_articles/1003685?status=success
法務部門は、一人ひとりが多様なバックボーンをもつ“プロフェッショナル集団”。世界中にビジネスを展開するシャープ全社の法務案件に70数名のメンバーが対応しています。日々何を思い、どんな環境でどんな業務を担っているのか。弁護士としても豊富な経験をもつ神田さんと、子育てをしながら第一線で活躍する浅山さんにお話しをしていただきました。
〈PROFILE〉
神田 洋一/法務本部 参事(大阪弁護士会 会員)
2007年に大阪弁護士会に登録。法律事務所で6年間勤務した後、近畿財務局にて、弁護士の任期付公務員として金融機関に対する検査・監督業務を4年間経験。任期終了後のキャリアとして“企業法務”を選択し、シャープに入社。現在、法務本部が新たに挑む「コンプライアンス・戦略企画部」のマネージャーとして活躍中。
浅山 直子/法務本部 参事
大学で法律を学び、2003年に新卒でシャープに入社。2010年からグループ会社の法務部門で幅広いスキルを身につけ、2015年からは再び本社の法務部(現法務本部)にて、大手企業とのライセンス契約などを数多く担当。母として愛娘を育てながら存在感大きく活躍する女性リーダー。
――なぜ、企業法務の道を選択したのですか?
神田: 大阪の法律事務所で弁護士としてのキャリアをスタートし、その後、近畿財務局に入り金融機関に対する検査業務を担当しました。この時に、組織の中でチームで取り組む仕事が自分には向いていると感じました。また、財務局で大手企業の監督業務に関わる中で、“民間企業”に興味が湧いてきました。任期後の進路として、できるだけ大きなグローバル企業に転職したいと考え、シャープへの入社を決めました。
――転職後に驚いたこと、新たな発見は?
神田: それまでは公的機関に所属していましたから、民間企業のスピード感には少なからず驚きました。民間の方が、物事の進め方が圧倒的に早い。様々な状況に合わせて、こんなにも柔軟に組織のカタチを変えながらビジネスを進めていくんだと衝撃を受けました。
もうひとつ、裁判など法律事務所時代の経験を、民間企業の中で、ここまで活かせるとは思っていませんでした。異なる職場で当たり前だった知識や経験こそが、ここでは重宝される。言い換えれば、「業界経験がないからこそ、思わぬところで役に立てる」のかもしれません。これは、キャリア入社で入られる方全員に言えることだと思います。
――神田さんが今取り組んでいることは?
神田: 私は、2025年4月に発足した「コンプライアンス・戦略企画部」に所属しています。それまでは訴訟紛争のチームに所属していました。シャープの法務部門ではこれまでも、競争法、贈収賄防止、個人情報保護などのコンプライアンス施策を実施してきました。シャープがブランド事業に軸足を移し新たな挑戦をしようとしている今、法務としても、さらに実効性の高い対策を進めていこうとしていて、新たにコンプライアンスに特化した部門が立ち上がったわけです。
たとえば、個人情報保護の分野では、お客様の情報を収集するIoT製品と個人情報保護の関係はとても重要です。とりわけ欧州などでは、日本よりも規制が厳しいため、グローバル市場に展開する我々としては、この分野への対応は戦略的に不可欠です。スタートしたばかりですが、チーム内には「さあ、これからだ!」という高揚感がありますよ。
――浅山さんのこれまでの経験を教えてください
浅山: キャリアの基盤になっているのは、2010年から在籍した、グループ会社での経験です。本社ではいくつかのチームに分業されていますが、ここでは社内の法務に関わる相談にすべて対応していたので、一気に知識の幅が広がりました。すごく成長できた5年間だったと思っています。
シャープ本社に戻ってからは、主に大手企業とのライセンス契約や売買契約などを担当しています。「この条件だけは譲れない。どうしても取りに行きたい!」という場面で、想定通りに進んだ時は、達成感がありますね。やりがいもひとしおです。
――シャープだからこそ味わえる、醍醐味とは?
浅山: 間違いなく、経験値が上がり、法務スキルが磨かれます。特にグローバル感覚が磨かれると思いますね。私は今「テレビシステム事業本部」を担当しているのですが、販売網は世界各国に広がっています。そうしますと、昨日はオランダ今日はマレーシアと、日々いろんな国に関する様々な相談が寄せられる。もちろん国ごとにビジネスのやり方が違えば、トラブル処理の方法も変わってくるので、自分の引き出しがどんどん増えていく感覚ですね。
神田: そこは本当に共感します。たとえば、東南アジアやアフリカなど、“どんな法律なのか”さえ想像つかないほど馴染みのない国もありますしね。海外の法律実務について知りたい時は、社内の知見のある人を探したり、外部の弁護士に問い合わせたりして確認します。その一つひとつが貴重な経験ですよね。
浅山: 経験値でいえば、“契約審査”だけでなく、“コンプライアンスチーム”と一緒に取り組むこともあるので、知見が広がります。
神田: そうですね。チームの枠を超えて横断的に関わっていく場面は、新たな知識や経験を得る大切な機会ですよね。コンプライアンス対応もそうですが、社内研修や人材育成などの法務内施策の対応でも、自分の担当する事業・業務では得難い学びを得ることができますし、リーガルパーソンとしてのバランス感覚も養えます。
――さらに磨きたいスキルは?
浅山: やはり、グローバルスキルです。私は今、テレビ事業本部と直接つながる部門責任者でもあるので、国際感覚がかなり求められますから。特に今、語学力UPに力を入れているところです。
神田: 私ももっと語学力を伸ばしたいと思っています。コンプライアンス・プログラムに取り組むときには、まず現状をしっかり把握することが大事です。海外の関係者ともきちんとコミュニケーションが取れることが、私にとって次の課題だと思っています。なお、先日、会社からの派遣で米国ロースクールのサマープログラムで勉強をする機会を得まして、英語が少し身近になりました。さらにスキルを磨きたいと思います。
――キャリア形成の中で、家庭と仕事の両立は可能ですか?
浅山: 私は10年前に娘を出産しました。正直、産休から復帰するにあたっては不安もありましたね。シャープは産・育休取得制度が充実していて、私も約1年10カ月という長期間、仕事から離れていましたから。また、ちょうど産休に入る前に部署異動があったことも、少し不安でした。
けれど実際に復帰してみると、多くの場面で配慮があり、本当に助けられました。たとえば、職場までの通勤時間が長いため育児支援勤務制度を活用して「16時退社」していたことから、参加するミーティングの時間を上司が調整してくださったり、自宅に近い“出張者用のオフィス”を使わせてもらったりということもありました。コロナ禍以降は、在宅勤務が可能となり、現在も週に2回在宅勤務が可能なため、子育てもムリなく両立できています。
そもそもこの職場は、キャリアを描く上で「性別を意識する」ことはないですね。『やりたい人にやりたい仕事を任せる風土』があり、もしもその人が子育て中ならば、周りがサポートをするということが、ごく自然にできている。実際、子育てをしているメンバーも多いですよ。
神田: 私も子どもが2人いますが、転職後は家族と過ごす時間がグッと増えました。ワークライフバランスという点では、かなり充実した職場だと思います。コロナ禍では、上司が率先して安心して仕事ができる環境づくりを進めてくださったことをよく覚えています。恵まれた職場にいるなと感じました。今も、働き方の改善に取り組んでくださっているので、非常にありがたく、安心できます。
――最後に、シャープ法務本部の魅力を教えてください
神田: 『Have Fun!』 これは、コンプライアンス・戦略企画部の掲げるスローガンです。つまり、楽しんでやろう!ということ。そもそも、うまくいかないこと、悩ましいことを扱うのが法務の仕事なので、そうであれば、それこそを、みんなで面白がってやろうじゃないかというわけです。今、どんなことで問題が起きているのか。これからどうしたいのか。では、何をすればいいのか。まるで「謎解き」をするように、起こっていることを理解し、解決の道筋を探っていく。そんなふうに楽しみながら仕事をしたいですね。みんなが明るい気持ちで仕事に取り組んでいる、そういう組織は居心地がいいですよね。集中力の高い仕事を支えるのは、快適・安心な職場だと思います。
浅山: 法律相談の答えは一つではないですよね。どこに進むのが一番いいのかを、みんなで相談し合って考える、それ自体がすごく楽しいこと。もし違う選択をした方が結果的に良かったとしても、それはそれで次につながる教訓になっていく。知識欲も好奇心も満たされるこの場所が、私は好きです。
※記事内の部門名、役職名、内容はインタビュー当時ならびに掲載当時のものです。