*本記事は、以下noteの転載になります。
https://note.gaudiy.com/n/nde8aa979e00f
未来へのワクワクと不安に満ちた最高におもしろい時代に、最高に無謀な探求を続けるGaudiy社員に話を聞くシリーズ「#今こそ無謀に」。
現在、社員70名ほどのGaudiyには、スタートアップや上場企業の役員経験者が5名ほど在籍しています。他にも、起業経験者や事業責任者、界隈で有名なエンジニアなどが多数在籍するGaudiy。
今回は、その謎を解き明かすべく、スタートアップや上場企業の経営層を経験されてきた3名の社員に、CEOの石川からインタビューを実施しました。
役職も名もない、PMFすらしてないGaudiyに、なぜ入社することを決めたのか──。その理由を紐解いていくうちに、国益、宇宙、国連加盟の話まで(!)発展しました。
元経営層から見た、Gaudiyの特異なカルチャーと魅惑の引力とは…?
左:橋本さん、中央:松岡さん、右:跡部さん(以下、敬称略)
跡部三太|Santa Atobe @santaasaservice
慶應義塾大学卒。サポート行政書士法人(法務コンサルタント)、ドローンスタートアップ、株式会社ペイミー(取締役COO)を経て、2021年2月にGaudiyに入社。Gaudiyでは事業開発担当として、パートナー企業との共創及びコミュニティマネジメント業務に従事。次男なのに三太。
橋本健郎|Takeo Hashimoto
慶應義塾大学卒。公認会計士。大手監査法人で監査業務に従事し、数社を経て大手事業会社で経理・税務実務を経験。その後、現マザーズ上場会社に上場前に入社し、上場後は執行役員CAOとして経理財務、法務、M&AおよびIRの責任者を務め、2021年8月にGaudiyに入社。Gaudiyではコーポレート(経理財務、法務、労務、総務、情報システム)を担当。よく「公認会計士らしくない」と言われるが、褒められているのか・・・
松岡洋平|Yohei Matsuoka @yoheimatsuoka
京都大学教育学部にて認知/臨床心理学を専攻。アーサー・D・リトル、ライフネット生命立ち上げマーケティング部長、Dickies日本法人立ち上げ副社長、SmartNewsマーケティングディレクター、RIZAP GROUPにてM&A(湘南ベルマーレ含む3社買収、上場企業を含む2社売却)、PMIなどを担当し上場企業を含む数社の取締役を兼務の後、LINE Payにてマーケティング・事業開発・データアナリシス統括、および暗号資産×Fintechのグローバルプロジェクトに関わったのち、Gaudiy参画。 デジタル庁にてマイナンバー/マイナンバーカードのマーケティングに携わった経験を持ち、現在も外資戦略コンサルティングファームのディレクターとして大企業向けWeb3戦略コンサルティングおよび政策提言等を行いつつ、上場企業の社外取締役を務めている。20代の頃は60代の社長によく反抗していた
インタビュアー Gaudiy CEO 石川 裕也
目次
ここならコンフォートゾーンに居られないと思った
お金で仕事を選ばない。外からみたGaudiyの特異性
"一回壊して、再構築できる人" が活躍できる
"謎に包まれた会社" が人を惹きつける
ファン国家を、国連に加盟させたい
ここならコンフォートゾーンに居られないと思った
石川:これまで経営も経験されてきたなかで、なぜGaudiyを選んだのかっていう話を聞いていければと。跡部さんからどうですか?
跡部:私は、一番活躍できるイメージが湧かない会社だったから、ですね。それまでビジネス主導の企業でキャリアを歩んできたので、最初はFinTech系のスタートアップで、BizDevや新規事業責任者などのポジションを実は探していたんですけど。
それからGaudiyと出会って思ったのは、Gaudiyのようなプロダクト中心組織でも、私はちゃんとパフォーマンスを出せるんだろうか?ということ。今後のキャリアを積んでいく上では、ここから逃げちゃいけないと思ったんです。
もう一つは、ビジョンを聞いてめちゃくちゃワクワクはするんだけど、そこに到達するまでの道筋をイメージできなかった。だからこそチャレンジしがいがありそうだと思いましたし、 ここならきっとコンフォートゾーンに居られないだろうなと思って決めましたね。
石川:あえてコンフォートゾーンから脱した。 入ってみてどうでした?
跡部:思ったより活躍できる場所はあるなって安心できた部分はありつつ、 そこに留まっている時間が長ければ長いほど、事業成長に寄与できないなとも思っていて。
Gaudiyってポジションを守るみたいな社内政治が全くないじゃないですか。自分で居場所を考えるとか学習するとかを繰り返していかないと、いちビジネスパーソンとしては評価されたとしても、Gaudiyで求められる水準には全然満たない。ちゃんと成長し続けないといけないっていう感覚がずっとあるので、実際、コンフォートゾーンに居させてくれないですね(笑)。
BizDev兼コミュニティマネージャー 跡部 三太
石川:ありがとうございます。松岡さんはどうですか?
松岡:最近、「国益」ってのをすごく考えてるんですよ。子供が生まれてから特にそれしか考えてないんですけど、その観点でいえば、日本が勝てる領域で外貨を稼ぐこと以外の何ものでもなくて。
もう一つ、自分にとってのキーワードとして「億超え」があります。これはユーザー数としての「億」です。自分はこれまで「toC×マス」をキャリアの一つの軸にしてきましたが、国の仕事に携わっていた時に、9500万ほどのユーザー数に到達した経験があるので、これ以上のチャレンジはもう「億」しか残ってないんですね。
そして国益をきちんと確保しながら、億を目指すとなると、今のタイミングだとWeb3の領域しかないと思っていて。なので、まず「この領域を選んだ」というのが前提にあります。
その上で、どうすれば一番レバレッジをかけられるのか。それが、IP(知的財産コンテンツ)だと考えました。でも、 先ほどのコンフォートゾーンの話じゃないですけど、既存のIP企業には大きな経営リスクを取ってまでチャレンジする必要性は一ミリもないんですよね。
でも、国益で考えたら、もっとIPをレバレッジさせて広げていかないと困ります。 なので、Web3とIPの領域に、自分のリソースを一番投じるべきだと思った。そこに向き合ったら、Gaudiyと出会った感じですね。
石川:国家レベルでみた時に、この領域でこの切り口しかないんじゃないか、という結論になったと。
松岡:今、一番ポテンシャルがある領域、という感じですかね。もっと確実に儲かる領域もあると思うんですよ。でも、それは頭の良い人たちにやってもらえればいいかなって(笑)。
石川:ありがとうございます。最後に、橋本さんはどうですか。
橋本:松岡さんほどの広い視野は持ててないですが、でも近いことは思っています。業務がラクになるとか生活が便利になるとか、それはそれで大事なんですけど、 それだけじゃ日本は何も変わらないよね、と。漠然とですが、新しい世界観を創り、世界を変えるようなことができればと考えてました。
エンタメって生活の必需品ではないかもしれないですが、いつの時代も人々に求められ、人々を幸せにしてきたものだと思っていて。Gaudiyは、そのエンタメという領域において、Web3という新しい技術・概念を使いながら日本発で世界を変えるようなチャレンジをしていて、かつ世界の人々が幸せになることを一番に考えているなと感じたのが、根幹にある理由ですね。
あとは正直、Web3については全然知識がなくて、だからこそあえて飛び込むことによって少しばかりは吸収していけるんじゃないかと思った。「英語を学びたいなら、海外にいくのが一番早い」みたいな話と一緒で、 自身のメイン領域である管理部門で貢献しながらも、未知の領域を選ぶことで成長していきたいと思い、入社を決めました。
お金で仕事を選ばない。外からみたGaudiyの特異性
石川:今まで様々な会社を経験されてきたと思うのですが、それらの会社とGaudiyを比べてみて、どんなところが違うと感じますか?
橋本:ビジョンが本当に大きいのと、全員がそれを信じて走っているところは、スタートアップだからかもしれないですけど間違いなく違うなと感じます。あとは自分の業務にも繋がりますが、 やるべきことを普通にやるのも結構大変ですけど、Gaudiyの場合は、何事もスクラッチから考えて、本当に理想追求してるなって。
コーポレート 橋本 健郎
正直なところ管理部門としては本当にこれで回るんだっけとか、課題はたくさんあるんですけど(笑)、そこを本気でやっているのがいいなと思うし、他社ではそこまでやれないので、大変だけど楽しいところだと思いますね。
石川:「バカなる(バカみたいに見えるが、よく聞けばなるほどと思わせるアイデア)」みたいなところまで追求しますもんね。
松岡:良くも悪くも、こんなにお金に対して無頓着な組織はなかなかないと思ってます。人によっては、この状況が気持ち悪すぎて一秒もいられないんじゃないかなと(笑)。
例えば、ある大手企業との商談で、新規性の高い取り組みに対して金額の提案がほしいと言われたんですね。その時、「社内に持ち帰って検討してもおそらく出てこないから、この金額でいきましょう」ってその場で僕が決めたんですよ。
これって普通の企業じゃあり得ないじゃないですか。営業は「プライシングが決まってないものは売れない」と言うし、会社も「なんで勝手に決めてるんだ」となりますよね。「それって儲かるんだっけ」としか言わない会社も事実あるので、そこが全然違う。
Gaudiyは、お金で仕事を選ばないところがあると思ってます。意思決定の判断軸がお金だけじゃない。だからこそIPホルダーからの信頼が積み重ねられた一方で、今のように大型IPを受注し続けるのは難しいので、着実なものもいるんだろうなと感じます。
石川:事業のマイルストーンとして、ユニコーン企業を目指す中では、売上も一定作らないといけないという意識はあります。でも、たしかに売上を目的にはしていないので、他社さんとは全然違うかもしれないですね。跡部さんはどうですか。
跡部:別の観点をあげると、Gaudiyは主語が違うと感じますね。例えば「マーケットがこうだから、何割ぐらいのシェアを取りたい」とか「競合サービスがこうだから、自社もこうしたい」とかってよくあると思うんですけど、Gaudiyではそういう話を聞かない。「ファンを主語にする」のがカルチャーになっていて、なんというか「己との戦い」に近いんですよね。
実際、他社の状況を見ながらリアクティブに戦略を練るようなことはしないじゃないですか。 ファンやIP企業が求めていることだったり、Web3業界やテクノロジーの大きな潮流は見ているんだけれど、 あまり横を意識してない。それ故に競合して負けたこともあるので、やるべきことは着実に始めてるとは思うんですけど、建前じゃなく、真に届けるべきユーザーを見て動いている感覚がすごくあります。
"一回壊して、再構築できる人" が活躍できる
石川:僕は他の会社に勤めたことがないのでおもしろいです。それを聞くと、Gaudiyって一定カルチャーが特殊なんだろうなと思うんですけど、どんな人がGaudiyに向いていると思います?
松岡:冷静に熟考する人よりも、熱量のある人。一歩踏み出す勇気があるというか、ジャンプインできる人が向いてるんじゃないかと思います。
お試し入社期間の終わりに実施する、「お試し共有会」ってあるじゃないですか。部署によっては期間中に一切の絡みがなかったとしても、その発表を見てて思うのが、なんかこう、Gaudiyの人って溢れるものがあるなと。
ベースとなるエネルギー量が大きくて、それぞれが “弾み車” みたいに勝手に進んでいく力があるというか。そういうタイプの人が、Gaudiyには向いてる気がします。
BizDev 松岡 洋平
橋本:熱量はおっしゃる通りだと思いつつ、私見では、熱量だけの人もおそらくGaudiyには難しいと思っていて。プロトコルチームの存在がまさにそうだと思うんですけど、結構しっかりと思考して、構築していく文化が強いじゃないですか。
なのでどちらかと言うと、「とりあえずやってみなよ」っていう右脳的文化が強すぎる人には合わない。もちろん両方のバランスが大事なんですが、青い炎というか、赤い炎だけだと厳しいだろうなという感覚です。
松岡:たしかにその通りですね。先ほどの発言を補足すると、Gaudiyで活躍するには「あいまい耐性」が必要だと思っていて。白黒つけずにある種の気持ち悪さを抱えた上で、それをそのまま受け止める力。
橋本:それはすごく思いますね。何事に対しても普通はなく、新しいことにチャレンジする組織なので、今後の不確実性も含めた「今」を受け止めて、そこに自らちゃんと参画できる人。それが第一条件かなと私も思います。
松岡:あとは、最初から自身の役割を規定しすぎないのも大事ですよね。
実際、組織の変化に応じて「何にでもなれる」ような適応性の高いメンバーが活躍してますけど、組織自体がそういう形態だし、個人もそういう有り様の方が合っているんだろうなと思っていて。
教育の世界では「啐啄同時(そったくどうじ)」という言葉を使いますが、Gaudiyもそういう組織なんだろうなと。ヒナが内側から殻をつつく音を聞いた親鳥が、外側からつついて殻を破る手助けをするように、組織からの働きかけと本人が殻を破ろうとする意思とがタイミングよく協同する。
なので、スキルが明確にある人の方が、最初は苦労すると思うんです。よく言われる「アンラーン」とも少し違っていて、 再構成するみたいなイメージなんですよね。
石川:生物学でいう「オートファジー」ですよね。自己の細胞を一度破壊して、再生成するみたいな。それができる人は、スキルがあるタイプの人でも強いなって思います。
"謎に包まれた会社" が人を惹きつける
石川:4月は10人に入社いただきました。最近どんどん強くてユニークな人たちがGaudiyに集まってきてますが、その引力ってなんだと思いますか?
跡部:ある種、すごく賭けがいがあるというか。そこに籍を置くことでしか得られない経験、キャリアのギャンブル性みたいなものはある気がしてます。
あとは、外からみた時の「欠陥」がいい感じにあるのかなと。勢いはすごくありそうなんだけど、Web3というよくわからない領域にいて、その不確実性だったり、伸びしろみたいな部分が、逆に魅力になっているんじゃないかなと思います。
石川:松岡さんはどう思います?
松岡:一つは、自分と同じで、Web3の領域に魅力を感じる人は間違いなくいるでしょうね。
二つ目は、わりと真面目に、石川裕也だと思ってます(笑)。SmartNewsでCEOの鈴木健さんとも一緒に働いていたことがあるんですが、ビジネスだけじゃない、哲学のある経営者って、なにかこう明らかに違うんですよね。その魅力は確実にあります。
最後は、跡部さんもおっしゃる通り、”謎の会社”だから。狙ってないと思いますけど、”謎の会社”ほど魅力的なものはないと思うんですよ。これってエンタメでも証明されてると思ってて、 謎の存在って最高にチャーミングだし、セクシーじゃないですか。
Gaudiyの場合は、ガンダムとかサンリオとか「なんかすごそう」と思わせる片鱗は見えてるわけです。でも先が読めないからこそ、「これってどうなるんだろう」「続きを見てみたい」っていう、エンタメとしての純粋なおもしろさがある。
それなりに名の知れた人が「〇〇に転職しました」ってネットで見ても「ああ、そういうことね(”ビジネス”で選んだのね)」って大体合点がいくので、たぶん周りからその後そんなに聞かれることはないと思うんですけど、Gaudiyだと「え、そこ!?」「あそこって実際何やってるの?」といろいろと聞かれるんじゃないかと(笑)
橋本:冒険心を持っている方は、まさにそこに惹かれますよね。
加えて、やはり実現したい世界観じゃないですかね。スケールの大きなことができるし、人々に幸せを与えられる。ワクワクするなっていうところ。
あと私も思うのは、石川さんの存在は間違いなく大きい。ビジョンを描くだけじゃなくて、それをちゃんと実現できるとも思うんですよね。仮に打算的に考えても、Web3とエンタメの領域を掛け合わせれば日本は勝てるよねっていう側面もあるかもしれませんね。
ファン国家を、国連に加盟させたい
石川:最後に、Gaudiyを使い倒してでも実現したい、自分の野心みたいなものはありますか。
橋本:Gaudiyは新しい世界観、価値観を提供することを目指してると思うんですけど、それができたら本当におもしろいなと思っているので、そこに貢献したいなと思ってます。 個人的には、その最前線で働いていける自分でありたいと思ってますし、会社としても最前線で走っていきたいなという感じですかね。
跡部:個人的な野心は特にないんですけど(笑)。私も、今後もコンフォートゾーンに入ることなく、成長し続けられるような環境に居続けたいなと思いますね。あとは子供が大人になった時に、こういう会社やサービスが日本にあってよかったとか、むしろ、ここで働きたいと思えるような企業を目指したいです。
松岡:僕はさきほど話した、億超えのユーザーにサービスを届けたい。あとは、祭りをつくりたいです。
石川:祭り、ですか?
松岡:お祭りにすごく興味があるんですよ。Gaudiyと関係なくてもいいんですけど、新しい祭りを作りたいと思っています。小さい地域の祭りじゃなく、もっと大きな祭り。
もう一つ、小さい頃に宇宙飛行士になりたかったんですけど。今は文系でも宇宙飛行士の試験を受けられるようになったので、宇宙で祭りとかできたら最高だなって思ってます。
メタバース上の宇宙だったらすぐにできると思うし、本当にフィジカルでやるかわからないですけど、例えばガンプラを宇宙に飛ばしてみんなでミートアップしたらおもしろそうだなとか。それはやってみたいですね。
石川:いいですね、超好き。
僕も、宇宙はすごくロマンがあっていつかやりたいなって思いますね。今の野心でいうと、Gaudiyがつくるファン国家を、国連に加盟させたいです。
「ゴミの島」を国連認定の国として申請するプロジェクトが以前ニュースになっていましたが、僕は本気で、ファン国家を国連に加盟させたいと思ってます。数百万、数千万の人口を抱えるファンコミュニティが、自治できる経済圏を回して、国として承認される。そんな未来を創っていきたいですね。
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(取材:石川裕也、企画・編集:山本花香、撮影:HIROSHI TSUNODA)