【今回のインタビュイー・白木さん・西奥さんの紹介】
<左>
- 名前:白木駿(しらきしゅん)
- 役職:代表取締役
<右>
- 名前:西奥洋平(にしおくようへい)
- 役職:取締役CTO
理念を再定義したきっかけとは?
ーー今回、ミッションやビジョンなどを新しく作り直したきっかけを教えてください。
白木:昔から、ミッション・ビジョン・バリューについては、かなり重要視していました。なので、心を込めて、時間をかけて作りたいとずっと考えていました。でもなかなかその余裕がなく、社内で共有する信念みたいなものはありましたが、経営理念として明文化することなく、時間が経ってしまっていました。
ただ社員が8〜10名になってきた今、この軸を一刻も早く明確にしないといけないと思い、ミッション・ビジョン・バリューの明文化に踏み切りました。もともと「居心地の良さ」はキーワードでしたが、それを新しく作り直すきっかけにもなりました。
※デジタルマーケティングは最先端かつ有効な手段でありながら、幅が広く奥深く、実態はブラックボックス。 そんな業界だからこそ、クライアントとのコミュニケーションを密に取り、「どんな施策をなぜやっているのか」がクライアントにわかるようにする。つまり、クライアントが”居心地の良い状態”を作る。これは、Cominkaの創業当初からの想いであり、居心地が良い場所=古民家=Cominkaというように、会社名の由来にもなっています。
ーー重要視されていたということですが、会社を経営される上で経営理念とは、具体的にどういった役割を果たすものだと思いますか?
白木:これはもう、会社の軸そのものですね。僕らが、会社が「どうあるべきか」を明確化して、統一していくためのものだと思っています。
ーーありがとうございます。いつごろから作成に取りかかっていたんですか?
白木:そうですね・・・去年(2024年)の末くらいからですね。そこから半年以上かけて考えてきました。その間ずっと、ああでもない・こうでもない・・・と悩み続けて、ようやく形にできたという感じです。
ミッション「縁を発明する」が生まれた理由ーーCominkaが大切にしてきたものを言葉に。
ーーそれでは、実際に作成したミッションについて伺いたいのですが「縁を発明する」という言葉を選ばれた理由や思いを教えてください。
白木:そうですね、これは経営理念全体に関してですが、新しく何かを構築したというより、元々自分たちが持っていたものを言語化してキャッチーにしたイメージです。「縁を発明する」に関しても、僕ら自身が、お客様や市場に対してどうあるべきかに関して、今まで持っていた思いを言葉に落とし込んだ感じですね。
そこでしっくり来た言葉が「縁を発明する」というものだったんですね。
Cominkaとお客様の縁をつなぐ取り組み、お客様とエンドユーザーの縁を繋ぐ取り組みなどですね。だからこそ「縁を発明する」という言葉は、すごくしっくりきたんですよね。
ーーミッションの中には、「デジタルの重力」というユニークな表現もありましたね。
白木:これ、実はお気に入りなんです(笑)デジタルマーケティングの業界って、どうしても「最新技術を追求する」とか「新サービスを導入する」みたいな話になりやすい。でも、それってお客様にとっては、もはや当たり前のことな気がするんですよ。
だから、そこだけを価値として打ち出していくのではなく、僕らとしては「誰にとってもわかりやすく、成果にフォーカスしたサービスを届ける」ということを価値として追求すべきだと思っています。
技術の進歩が、結果的にデジタル格差を生んでしまっている。たとえば資金力のある企業は、どんどん新しいデジタル技術を取り入れていける。でも、中小企業は体力的にも厳しいし、そもそもデジタルマーケティングの専門用語や仕組みが難しくて、とっつきにくい印象を持たれがちなんです。だからどんどん消極的になってしまう。
だからこそ僕らは、誰にとってもわかりやすく、成果にフォーカスしたサービスを届けたい。そうすることで、デジタルに苦手意識を持つ人たちも、ちゃんと使いこなせるようになる。これが「デジタルの重力からの解放」というイメージです。
ーー込められた想いがよくわかりました。Cominkaさんで開発されたSEOツール「yoriai」も、SEOを始めてみたいお客様に向けに作られたツールですよね。ぜひ開発に携わった西奥さんからも、そのこだわりについて聞かせてください。
西奥:僕自身は、海外製のツールでもなんでも難なく使えますが、普通はそうじゃないと思うんです。それに日本市場って、海外発のサービスをローカライズしただけの売るためのツールが多くて、正直使いにくいことも多い。だから使いやすくて、現場に本当にフィットするものを作ろうと「yoriai」を開発しました。
ーー 本当に欲しい機能だけを厳選して、操作画面も非常にシンプルにし、使いやすさに徹底的にこだわっている印象がありますね。
西奥:まさにそれがこだわりであり、狙いです。SEO施策をやってみたいけど、難しくて今まで手をつけられなかった。そんな方とSEOを繋ぐ役割を果たしているので、「縁を発明する」というミッションにも直結していると思っています。
Cominkaが提供するSEOツール「yoriai」の導入事例
>>https://yori-ai.com/yoriaiseo/#jirei
信頼を得るために掲げたビジョンは「結果にこだわる」こと
ーー ありがとうございます、次はビジョンについて質問をさせてください。「大阪で一番結果にこだわるビジネスパートナーへ」というビジョンにした理由を教えてください。
白木:ビジョンって、普通は壮大な理想や未来像を掲げるものだと思うんです。でも正直、僕らにはそういうものがなかったんですよ。これって本当に必要なのかな?ないのってダメなのかな?って悩んだ結果、なくてもいいよねってなったんです。
ただ、ミッションで掲げた「縁を発明する」ことを遂行していくには、自分たちがどうなっていたいのか?を真剣に考える必要があるなと。そして「結果にこだわる姿勢」が一番自分たちらしいと感じました。
これはビジョンでもあり、中期目標としての意味合いもあります。社内向けには、このビジョンの達成を目指して具体的な数値目標にも落とし込んでいます。
ーー ビジョンの中で使われている「理屈的で不透明で無機質な業界」という言葉も印象的でした。
白木:ミッションでお話ししたことにも近いんですが、デジタル業界って専門用語ばかりで、感情が入る余地がほぼないんです。だけど、僕たちはどれだけ優秀な技術力があったとしても、それをただ機械的に無機質に提供するのではなく、密なコミュニケーションを通して心を込めて届けたい。そこにすごく意味があると思ってます。
僕たちのお客様には、ネットリテラシーが高い方ばかりではなく、むしろ「これからデジタルを始めよう」という方が多い。そういう方々に、専門的な手段の話をしてもピンとこないと思うんです。だからこそ、「その対策の結果、サイトがどうなるのか」「どういう未来が期待できるのか」といった目的の話をしっかり伝えたい。お客様の心をしっかりつかめるような、伝わりやすいコミュニケーションを大切にしていきたいと思っています。
Cominkaが大切にしたい6つの行動指針(バリュー)
ーー ありがとうございます。続いては、6つのバリューについて教えてください。
白木:僕らが掲げているミッションを実現するには、こういう人材でないと難しいよね、という感覚があったのでそれを言語化しています。
その上で特に大事だと感じているのが、3つ目に書いている「やったことないことをやる」。これは個人的にもすごくお気に入りで、僕らのスタンスを象徴しているバリューだと思っています。
ーー 「やったことないことをやる」は確かにとても力強い言葉ですね。
白木:はい、僕も西奥も、全部が初めてだったんですよ。僕は経営が初めてだったし、西奥はyoriaiのようなツール開発をするのが初めてだった。だけど、そういった新しいことをものすごく積極的にやってきたことで、今こうして会社が残っていけているのだと思います。そして新しいことに挑戦する姿勢は、ミッションで掲げた”縁”をつくる上でも大事だと信じてます。
ーー 6つ目の「時間は信頼の出発点」という言葉や「スピード&ダーティ」の考え方もまたユニークで素敵ですね。
白木:このスピード&ダーティという考え方、大事なんです。特に技術者って完璧を目指しがちだけど、完璧なんて現実にはほぼない。納期が明後日なら、明後日の朝にいきなり100%を出すよりも、前日に80%で一旦出して、フィードバックをもらったほうが絶対に良いものが出来上がると思っています。
ーー 西奥さんのお気に入りのバリューはありますか?
西奥:僕も同じで、3つ目の「やったことないことをやる」と6つ目の「時間は信頼の出発点」の2つですね。
白木も話していたスピードアンドダーティって、まさになんですけど、まず出して、お客様と話して、そこから改善していったほうが絶対に良いものができます。1発で完璧なものを出そうとするのって、正直自己満足でしかないな、とまで思いますね。
言葉にしたからこそ、責任が生まれる。これからのCominkaが目指す未来
ーーありがとうございます。ミッション・ビジョン・バリューについて詳しく理解することができました。今回、経営理念を明文化したことで、今後の会社づくりにどう影響していきそうですか?
白木:これまでは僕たちの思いをちゃんと明文化していませんでしたが、今回はしっかり言葉にして、表に出しました。この理念がもし「技術を追求する」みたいなものだったら、無機質で分かりにくかったと思います。でも僕らの理念は、「縁を発明する」から始まって、6つのバリューのように、具体的にどう行動するべきかまで書いてある。これを社外に向けて公表している以上、僕たちCominkaのメンバーはこの経営理念を体現できていないと、周りから不信感を抱かれるわけです。
このことによって、社員全員が言動や態度、クライアントへの向き合い方により一層責任を持たなければいけなくなり、会社としての強さにも、お客様に提供するサービスの質にも、良い影響が生まれると考えています。
ーー西奥さんは、どういう会社を目指していきたいですか?
西奥:「こういう会社にしたい」という理想の根幹は、実はもうなんとなく達成していると思うんです。それをきちんと言語化して出せたのが今回の経営理念です。
ただ根幹は達成されていても、クオリティや規模感を理想の状態に近づけていくにはまだ時間がかかります。それに、人間って固定された存在じゃないから、ズレたりブレたりすることもありますよね。そのときにこの経営理念に立ち返って、自分たちを律する戒めとして機能してくれたらと思っています。常に理想を追いかけていきたいですね!