就職氷河期の波に飲まれてスタートした社会人生活。未経験のIT業界、研究職、そして経理職と、まったく異なる領域を渡り歩きながらも、ひとつひとつの選択を「自分らしく」重ねてきた耳井さん。現在は株式会社Cominkaで、経理として社内の仕組みづくりや基盤整備を担いながら、会社の成長に貢献しています。「新しいことを面白がれるかどうか」が働くうえで大切だと語る耳井さんに、これまでのキャリアとCominkaでの日々、そして今後一緒に働きたい人のことまで、じっくり伺いました。
【今回のインタビュイー・耳井優さんの紹介】
- 名前:耳井優
- 入社時期:2024年4月
- 出身地:大阪府生まれ、鳥取県育ち(高校卒業まで)
「とりあえずの就職」から始まった社会人生活
ーーまずは、耳井さんのご経歴について教えてください。
耳井さん:もともとは、色々な製品に含まれる物質を分析する専門学校に通っていました。だから、学んだ知識を活かせる職に就きたいなと思ってたんですが…当時は就職氷河期だったので、なかなか希望した企業に就くのが難しくて。
ーー働く場所を選べない、そんな時代だったんですね
耳井さん:そうなんです。なので、「とりあえず働かないと」と思って、まずはライン工場に就職しました。でも正直、そこの環境が自分には合わなかったんですね。なので、しばらくして退職しました。
ーーその後はどうされたんですか?
耳井さん:IT系の企業に就職して、カスタマーエンジニアとしてパソコンの設定やサーバーのインストールを担当していました。ネットワーク系の経験もその会社で積みましたね。だいたい1〜2年くらいでしょうか。
ーー文系理系にとらわれない幅広いキャリアですね。
耳井さん:そうですね。ただ、やはり「分析」や「研究」をやりたい気持ちが強くて、研究職に戻ろうと思ったんです。その後、大阪ガスの研究所に派遣として3年、さらに子会社に正社員として入社して、トータルで10年くらい研究職をしていました。
ーー専門性が活かせたんですね。
耳井さん:はい。当時は燃料電池の評価や、ガスを使った分析をしていました。海外製の冷蔵庫の評価もしてましたね。
「経理はまったくの未経験」からの挑戦
ーーそこから経理職に転職されたと伺いましたが……。
耳井さん:知り合いの税理士さんに「顧問先で経理で働ける人探してるよ」と声をかけていただいて。未経験でしたが、紹介ならと飛び込んでみました。
ーー不安はありませんでしたか?
耳井さん:特になかったですね。「なんとかなるでしょ」と思っていたので(笑)。もちろん、簿記の勉強とかはしましたよ。
ーー実際に働いてみて、どうでしたか?
耳井さん:実は、入社して7年その会社で働いていましたが、最初の3〜4年はほとんど経理らしいことをしていなかったんです。前任の方が定年で辞められる予定だったんですが、実際にはずっと在籍されていて。
ーーずっとですか?
耳井さん:はい、ずっと(笑)。結局私が会社を辞めるまでいらっしゃいましたね。
結果、ポジションが空くという話で入ったはずなのに、最初はDX推進がメイン業務になっていました。紙からデジタルへの移行期だったので、過去の経験を活かして、社内のDX化を進めていました。
ーーその後、経理にシフトできたのは?
耳井さん:3~4年経った頃に「そろそろ経理の仕事もさせてください」と伝えて、少しずつ引き継いでいきました。システムも前任の方のやり方と自分のやり方をすり合わせる形で整えていって、最終的には業務をひとりで回せるようになりました。
ーーでも、転職を決断されたんですね。決め手になったのは人間関係ですか?
耳井さん:いえ、1番の理由は給与面です。子どもが中学・高校に進学することを考えると、当時の給料では将来的に厳しいなと。
人間関係は、正直なところ前職でもいろいろあったので慣れてましたし、それ以上に生活とのバランスを考えた結果ですね。
Cominkaとの出会い
ーーCominkaとは、どういった経緯で出会われたのでしょうか?
耳井さん:実は前職に入社してすぐの頃に、白木さん、西奥さん、杉田さんとお会いしていたんです。当時はまだCominkaではなく、別の会社で働かれていたんですけどね。
その会社は、当時私が在籍していた会社がSEOのコンサルをお願いしていた会社だったんです。なので、そのSEOの定例会に参加させてもらっていて、白木さん、西奥さん、杉田さんとは月1回くらいのペースで会っていました。
▼白木さん、西奥さん、杉田さんのインタビュー記事
>>「数日間寝られないことも・・・」|会社員時代にどん底を経験した男の復活劇と、起業にかける想いとは?(CEOインタビュー)
>>技術への好奇心と信頼の絆が生んだ挑戦|大阪トップレベルのSEOスキルを持つ男のキャリアとは?(取締役CTOインタビュー)
>>自分の”得意”を全力で活かして|信頼されるSEOディレクター杉田育久さんのスタンスとは?
ーーそれがきっかけだったんですね。
耳井さん:そうですね。そのうち、白木さんと西奥さんが会社を辞めたと聞いて、次に杉田さんも辞めるという話も耳に入って。
その時に白木さんと西奥さんが会社を起こそうとしているという話も聞いていたんですが、杉田さんもそこにジョインするのかと聞いたら、「その予定はない」とおっしゃっていたんですよね。
でもその後、名刺アプリで杉田さんの名刺を見たら「株式会社Cominka」と書いてあって。「あれ、どういうことだ?」と思ったのを覚えています(笑)。
ーー予想外の再会でしたね(笑)。
耳井さん:その後、定例会の雑談タイムに、私が転職活動をしている話をしたところ、会が終了して20〜30分後に白木さんから電話がきて、「ちょっと話しませんか?」って。
そこからカジュアル面談をして、条件面も合いそうだったので、入社を決めました。
ーー他社からも内定があったと伺いましたが、なぜCominkaに決められたのでしょうか?
耳井さん:そうですね、正直に言うと、Cominkaより好条件のところもありました。
でも、自分が本当にやりたいことや興味があるのは何かと考えたときに、長い間顔馴染みで、信頼もある白木さんや西奥さん、杉田さんと働きたいという気持ちがあったので、Cominkaを選びました。
「SEO×経理の両立」のはずが…!?入社直後に直面した現実
ーーCominkaでは、現在どのような業務をされているんですか?
耳井さん:入社時は「SEOディレクターと経理の両立で」と言われていたんですが、ふたを開けてみたら、そんな余裕はなかったですね。
まず直面したのは、Salesforceの整備でした。CominkaではすでにSalesforceを導入していたんですが、当時は「入れただけ」で、誰も本格的に活用できていない状態だったんです。
※Salesforce・・・営業活動の進捗状況などを可視化するシステム
しかも導入費用もそれなりにかかっていたので、「これはちゃんと使えるようにしないと」と急いで着手することになりました。
さらに追い打ちをかけるように、ちょうど入社直後に決算対応のタイミングが重なっていて。しかも会計システムをfreeeに切り替えたばかりで、データも仕組みも混乱状態。何から手をつけたらいいのか、という状況でした。
そんなこんなで、最初の2か月は本当にバタバタで。ひたすら社内の基盤整備に明け暮れていましたね。
ーーそれは、大変な船出でしたね……。
耳井さん:はい(笑)このこともきっかけとなって、結局私は経理専門の役職につくことになりました。
経理と他部署の“ちょうどいい距離感”を目指して
ーーお仕事をするうえで、大事にしていることは何ですか?
耳井さん:そうですね……私が思うに、経理って、他部署と仲悪くなりがちなんです。特に営業とは。
でも、Cominkaではそういう空気にしたくないと思っているので、経理の立場から「こうしろ」みたいな押し付けはしないようにしています。
ただお金を扱う以上、ミスは許されないですし、一定の緊張感は必要だと思うので、厳しさと親しみやすさのバランスは意識していますね。
ーーその距離感の調整は、なかなか難しそうですね。
耳井さん:たしかにそうですね。でも、その案配がちゃんとできている会社って少ないと思うんです。前職も正直、営業と経理の仲はよくなかったです。
ーーその原因は、やはりお金の使い方ですか?
耳井さん:ざっくり言えば、そうです。会社として必要なら使えばいいと思いますけど、「お客さんがこう言ってるから……。」みたいな流れで裏付けなしに支出されると、経理としては困っちゃうんですよね。
ーーなるほど、そのような部分での難しさがあるんですね。
「数字の向こうに、人がいる」というやりがい
ーー仕事のやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか?
耳井さん:やっぱり、数字がピタッと合ったときですね。あとは営業や制作のみなさんが頑張った成果が請求書や給与として表れて、「みんなで今月もがんばったなぁ」と実感できる。会社の成長を数字で感じられるのが楽しいです。
ーー醍醐味ですね。
耳井さん:あと、Salesforceの構築も担当しているので、営業から「助かった!」と言ってもらえると嬉しいです。
直接的に自分の成果が数字に現れるわけではないですが、こういったお礼の言葉をもらえると、自分も会社の”成長”に貢献しているんだと実感できて、すごく嬉しいですね。
特にCominkaは、メンバーのみなさんがちゃんと感謝を口にしてくれますから・・・、これはCominkaだからこそより強く感じられる経理のやりがいだと思います・・・!
ーーそれは確かに嬉しいですね。その他、Cominkaさんの働く環境としての面の魅力は、どこにあると思いますか?
耳井さん:一番は人で、あとは立地も良いです(笑)。駅から近くて通いやすいし、働いてる人もいいと思います。
みんな努力家で、かつ柔軟に動ける人が多い。やりたいことがあれば手を挙げれば「じゃあやってみよう」ってなるのもいいですね。
ーー「枠にとらわれない働き方」ができるんですね。
耳井さん:最終的に決定するのは白木さんですけど、「こういうことがしたいです」と言えば、耳を傾けてもらえます。
提案しやすい雰囲気があるんです。
そして会社の方針や、メンバーの意向も交えて検討し、GOとなればすぐに実行にうつしてもらえる。
ものすごく良い仕組みだと思います。
「変化を楽しめる人」と、一緒に歩いていきたい
ーーCominkaで働くなら、どんな人が向いていると思いますか?
耳井さん:新しいことを「面白そう」と感じられる人は向いていると思います。逆に、変化にストレスを感じるタイプの人は難しいかもしれません。
ーー耳井さんも、やはり一緒に働くなら「変化を楽しめる人」の方がいいと思いますか?
耳井さん:そうですね。私自身、新しい仕組みを作ったり、整えたりすることが多いので、そういう前向きな姿勢の人がそばにいると、こちらも刺激を受けますし、自然と楽しくなります。
ーー楽しむ気持ちが、まわりにも伝染していくんですね。では最後に、Cominkaで働くことに興味がある方へメッセージをお願いします。
耳井さん:Cominkaはまだまだ駆け出しの企業なので、何でもきっちり整ってるわけじゃないけれど、だからこそ「一緒につくっていける楽しさ」があります。
時代の変化も速いし、「何が正解か分からないけど、とりあえずやってみたい!」という気持ちを持っている人なら、仲間としてすごく心強いです。
経験があるかないかよりも、「面白そうだから飛び込んでみたい」と思える気持ちがあれば十分です。迷っているなら、まずは1歩踏み出してみてほしいですね。
若い世代が増えて、いろんな世代が混ざって、いろんな視点がある会社になったら、もっと面白くなると思います!
ーー耳井さん、貴重なお話をありがとうございました!