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「“法”とは願い!」(漫画「キングダム」より)。働く時間も場所も自由な人事制度を形づくる行動指針「UNICO」をCHRO白坂が解説

ワーキングファザー・マザーが約5割を占めるカジーでは、「働く場所と時間を自ら選ぶ」「自分に必要な制度を自ら提案して創ることができる」という思想に基づく人事制度を打ち出しています。それらを支えるのが、社員に求める行動指針「UNICO(ウニコ、以下UNICO)」。「他に類をみない(ユニーク)」という意味の、スペインの至宝と呼ばれた赤ワインになぞらえ名づけられたUNICOに込めた思いを、CHRO(人事最高責任者)の白坂ゆき(しらさか・ゆき)が解説しました。

行動指針は「社員にどうあってほしいか」という願い

はじめまして、白坂です。リンクアンドモチベーションやリクルートなどで主に組織人事戦略分野での経験を積んだあと、カジーにジョインし、昨年CHROに就任しました。

みなさん、「キングダム」読んでますか?いきなり漫画の話でごめんなさい(笑)。「“法”とは願い!国家が国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものだ!」とは、登場人物の一人・秦国の法律家である李斯のセリフですが。私たちも同じ思いでUNICOを策定しています。

ルールは縛るために存在するものではないと考えています。この集団に属する人に、どう生きていってほしいのか、何を大切にどんな風に考えて行動してほしいのか、そんな願いを形にしたものがルール。そのルールに共感してもらった結果、チームの一員となって一緒に同じ夢やヴィジョンを見ることができる。



社員にも、「大切なことを大切にできる時間」を持ちながら働いて欲しい

UNICOを語るなら、最初にカジーの掲げるミッションの説明をする必要がありますね。私たちは、「大切なことを、大切にできる時間を創る。」をミッションにサービスをご提供しています。だからこそ、その会社の社員が大切な時間を持てない暮らしをしていたら、お客様にその価値観を広めることはできないと考えました。社員一人ひとりもまた、家族や友人との時間、自分自身が大切にしている時間を大切にしながら働いてほしいと。

そこで、カジーでは働く時間と場所は自分で選んでいい、ということにしました。カジーは徹底的に、時間や場所ではなく成果の総量に着目して、それに報います(Pay for Parformance)。ですからフルタイムでも時短でも成果の総量が同等であればお給料は同じです。こうした人事制度は私たちにとってもチャレンジングでしたが、働き方改革など時流の変化も踏まえ、実現したい世界への願いを込めました。

UNICOの全項目を解き明かす

さて、こうした自由度の高いルールの中で成果を出し続けていくためには、私たち社員一人ひとりが自分を律しながら働く必要があります。そこで社員のための行動指針として、創業者の思いや願いに、外部環境への接続・適応要件を織り合わせてUNICOを策定しました。一つずつ解説していきます。



Unique & Positive

遊び心と外からの刺激にあたらしいアイディアを得る。すぐに答えが出ない試行錯誤の中でも、自らを強く前向きに保つ。

「明るさとは性格ではなく意志である」という考えが土台になっています。家事代行は市場の8割が認知しているのに、使ったことのある人はまだ5%しかいない、日本ではまだ誰も勝ち筋を見いだせていないビジネス。だからたくさんの試行錯誤が必要です。そんな中で困難や失敗を経験しても、明るく自らを奮い立たせ、社内外の英知を集めながら次のチャレンジをしてほしい、ということです。

No Lie

うそはいらない。誠実に、正直に、心を見つめて向き合うことであたらしい関係を生み出す。

私たちのサービスは、お客様のご自宅に入れていただく、人と人との関係性の中で成り立つもの。信頼が損なわれることは最もあってはなりません。社員は誠実であるべきだし、相対する人が誰でどんな発言だろうと、それが善意から始まっているということを疑わないでほしい。

様々なステークホルダーが関わり合うビジネスの中では、一筋縄に実行することが難しいと思われる局面があることも事実です。しかしそれでもどんなときでも「まず相手を信じる」ことを意識してやっていきたい。「信じるから相手も信じてくれる」とは、これまでの私たちがお客様やキャストさんと向き合う中で学ばせていただいたことでもあります。どんなに大きな組織になっても忘れずにありたい態度です。

Impressive Performance

身の丈を超えてチャレンジした、自分も仲間も泣けるほどの成果こそがすばらしい。こだわりを熱量に、不退転の前進を迫力に、大きなダイナミズムを生み出していく。

私たちは暮らしを支えるインフラになりたい。市場の中で圧倒的な覇権を取りに行く。そのために「身の丈を超えた挑戦」を奨励しています。挑戦しないで成功した人より、挑戦して失敗した人をカジーは評価します。挑戦しない人にはもたらされない学びこそが珠玉と考え、学びを得て次に活かすことこそが成果とみなしています。

Change the Meaning

かけがえのない日常の中に、あたらしいあたりまえを提案する。無意識の前提やこれまでの思い込みを見つけて、ずらし、置き換え、刷新する。

カジーのやりたいことは、価値観を変えることです。日本では、他人を家の中に入れることや家族以外を頼ることにまだまだ心理的抵抗感が強い。「家の中のことを誰かに助けてもらっていいんだ」という価値観を世の中のあたらしいあたりまえにすることなしに、私たちのサービスが浸透していくことはないと考えます。暮らしを誰かに支えてもらう日常は、これまでよりもかけがえのない時間をもたらすと信じています。あたりまえの価値観を変えるために、いつも自分自身の常識を疑い、これまで慣れ親しんだ成功パターンや、積み上げてきたベストプラクティスと思われるやり方さえも刷新していこう、ということです。

One by one, Faster and faster

やってみないと分からないことは試してみて、不透明に視点を見出す。どんどん速く、どんどん学びを得て、次につなげる。いちばんに生み出すから、あたらしい。

イエナカのサービスは、心理的なスイッチングコストが高いと思っています。「いいサービスだな」「素敵なスタッフが来てくれたな」と思ったら、むやみに他を探すことなく継続してもらえる。だからこそお客様にとって最初に使ってもらうサービスでありたい。そのためにスピードを重視します。あたらしい“あたりまえ”をいちばんに生み出すために、一つ一つスピーディに試していきましょう、という意味です。


傍でメインディッシュを彩るワインのように

実はひそめた思いも。カジーには「OPATH(オーパス)」という組織ポリシーもあるのですが、UNICOと同じようにワインの名前から名づけました。交響曲第一番という意味を持つナパバレーの名門ワイン「オーパス・ワン」から来ていて、個性豊かな一人ひとり(UNICO)が発揮する音律がハーモニーとなり、交響曲のように組織に響き渡るように、という意味を込めています。ワインでつなげたのは、いつもメインディッシュの隣にあるワインのように、お客様の人生の傍らでその一瞬一瞬を彩る私たちでありたいという思いから。うちの人事制度のグレード(役割期待)の名称が「ヌーボー」「ルビー」「レンガ」…など赤ワインの熟成プロセスを表現する色に由来するのもそのためです。


CaSyでは半期に一度、UNICOに照らして目覚ましい活躍をした社員を讃える「UNICO AWARD」も実施。

ここまで読んでくださったみなさんならお気付きの方もいると思いますが、これら制度の策定にあたって、私たちは大きな成長痛も味わいました。これまでカジーが大切にしてきた価値観や要素を拾い集め、言語化していく過程の中で、強く共感するメンバーもいれば、違和感や痛みを伴うメンバーもいたと思います。「そもそもこうしたルールが今のカジーに必要なのか」という議論もある中、ボードメンバーも悩み迷いながら、成長していくために今必要と考えての意思決定でした。

カジーを選び人生の大切な時間を懸けてくれるメンバーには本当に感謝しています。

こんなUNICOに共感してくれる方のジョインを、私たちは心待ちにしています。一緒に固定観念を変え、あたらしいあたりまえを創りましょう。


白坂はサウナーです。サウナーの皆様もぜひCaSyに遊びに来てくださいね。
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