総合職採用でビービットに新卒入社し、様々な部署で経験を積んできた村田さん。
日々の仕事に向き合う中で、「そもそも」や「何のために」を問い続ける姿勢を獲得したといいます。本質をとらえた仕事にこだわりを持ちながら、一人のコンサルタントとして、また、ビービットの組織づくりでも活躍している村田さんの変化の軌跡をたどります。
村田智也(むらた ともや)/ UXインテリジェンス事業本部 / UXデザイン部 / リーダー
早稲田大学卒業後、新卒でビービットに入社。
コンサルタントとしてUXグロース(Ops / Lite)部・UXデザイン部で多様な案件を経験。現在は大手金融機関における業務システムのリニューアルという大型案件にて、ユーザの実態把握から機能定義、画面設計までの一連伴走プロジェクトを主導。自身の携わるプロジェクトと並行して、新卒研修のマネージャとして、若手メンバー育成にも貢献している。
サークル代表での挫折と、2周目の就活でこだわった「正しい仕事」
—— 村田さんのキャリアを振り返ってお話を伺うにあたって、まずは学生時代に没頭していたことについて教えてください。
はい、大学時代はダンスサークルに所属していて、ストリートダンスに没頭していました。ストリートダンスは体格や性別による影響を受けにくく、平等に挑戦する権利が与えられるような競技です。表現力を武器に、「自分なりの正解」を追求できる。「解」を研ぎ澄ましていくことの奥深さに魅了されました。
大学2年の秋からは代表を務めましたが、ちょうどコロナ禍の1年目と重なり、サークルの存続自体が危ぶまれる状況でした。「自分が前に立って旗を振ればみんなついてくる」と必死に突っ走っていたのですが、ふと振り返ると誰もついてきていない状態に陥ってしまったんです。
ダンスサークルといっても、全員がダンスのスキル向上だけを求めているわけではなく、「友達と過ごす空間が楽しいから」という理由で所属している人も多かったんです。当時はその構造というか、サークルメンバーの事情みたいなものを、とらえきれていなかったのだと思います。ビービットっぽくいうと、「ユーザ(当事者たち)」の置かれた状況になるのでしょうか。
「自分だけの考えで前を突っ走っても、組織全体は幸せにならないんだ」という苦い挫折を味わいました。その経験があったからこそ、一方的なリードではなく、全員が納得して進めるための「環境づくり」や「構造への働きかけ」にこだわりを持つようになったのだと思います。
—— 就職活動においても、一度立ち止まって、考え直して、再スタートを切ったとお聞きしました。
そうなんです。最初は周りと同じように一般的な時期に就活を始めていたのですが、自分一人で「自己分析とは何ぞや」と悩みながら進めていたら、全然うまくいきませんでした。内定を1社いただいたものの、将来何十年とその会社で働くイメージや納得感が持てなかったんです。
そんな時、サークルの先輩が自主留年をして、もう一度新卒として就活をし直しているのを知り、「自分も妥協せず、1年間かけて本当に納得できる会社を探そう」と決意して『2周目の就活』をスタートさせました。
—— 「2周目の就活」を経て、最終的にビービットを選んだ決め手は何だったのでしょうか?
一番の決め手は、「自分が思う、『正しい仕事』に愚直に向き合えそうだな」と感じられたことです。ビービットの選考でユーザ体験を考えるワークに取り組んだ際、「マイナスをゼロ」にする仕事ではなく、人の感情や体験を「プラス」まで持っていこうとするアプローチが純粋にすごく楽しかったんですよね。
また、リクルーター※1としてついてくださった先輩社員が、他社の内定先(大手コンサルやデータ分析会社)とビービットのメリット・デメリットをフラットな比較表にしてまとめてくれて、一緒に悩んでくれたことも大きかったです。「この会社は本当に自分という人間をリスペクトして、一人の人間として向き合ってくれているな」と心から思えました。
さらに、新卒入社でありながらも、個人の事情に合わせて「10月入社」という選択を柔軟に受け入れてくれたことも、ビービットならではの懐の深さだと感じました。
※1 ビービットにおける「リクルーター」とは、内定者がビービットという会社の実態をフラットに把握した上で意思決定ができるよう、内定者一人一人の伴走相手となる社員のこと
「ユーザの生の声」から始まった、「ビービットのコンサルタント」としての原点
—— 入社されてから半年ほどの研修期間の中で、特に印象に残っていることはありますか?
はい。ビービットでは、入社後半年間ほどは、実案件に近いお題に対して研修マネージャとチームを組んで挑む実践型の研修が行われます。
研修時の出来事として一番印象に残っているのは、「ユーザ」となる人々に話を聞きに行って、その視点に立ってものごとを考えていくことの深みと面白さを体感したことでしょうか。
当時は「毎日家族のために料理をする専業主婦」を「ユーザ」として捉えたサービス検討がお題でした。良い機会だと思い、母や学生時代のバイト先で知り合った主婦の方々にヒアリングをしてみたんです。正直なところ、それまでの人生で主婦の方々の日常や心境に深く思いを馳せたことはありませんでした。 ただ、現場の生の声を聞いてみると、「そりゃ、家族から『晩御飯は何でもいい』とか言われると、苦しいよな」と心から思えて。自分とは異なる立場にある人の視点に徹底して立つことの奥深さと重要性を知る、大きな契機となりました。
弊社のコンサルティングの価値は、「ユーザに直接触れ、一次情報を通して実態を知ること」、そして「常にユーザ視点に立ち返り、本当に役に立つモノを生み出すことにこだわり続けること」にあります。研修の段階でその本質と重要性を痛感できたからこそ、今もブレずにユーザに向き合い続けられているのだと感じています。
泥臭い現場で揉まれ、「推進力」と「業務設計力」を体得した日々
—— 研修後は、具体的にどのようなプロジェクトを経験されたのでしょうか?
最初に担当したのは、UXグロース※2領域のプロジェクトです。生命保険会社様の案件などを担当し、クライアントの現場に入り込んで、施策推進やアプリ・ウェブサイトの改善に挑みました。当時はまだ全貌が見えておらず、「与えられたタスクをどう打ち返すか」で必死だった記憶があります。ただ、泥臭く向き合う中で、自分がオーナーシップをもってプロジェクトを推進していくという感覚が身につきました。
※2「UXグロース」とは、既存のWebサイト・アプリのユーザ体験の継続改善によるビジネス成長と、クライアント企業のUXに関するノウハウ・プロセスの獲得を支援するサービス
次のステップでは、2〜3個のプロジェクトを同時に走らせる環境での挑戦でした。これが自分にとって大きな転機になりましたね。1日の午前と午後で頭を切り替え、デッドラインから逆算して「今日は何をどこまで進めるか」を設計・コントロールしなければ、容易にパンクしてしまうシビアな環境だったんです。上司からも「自分で業務設計をしないと崩れるぞ」と助言があり、ここで徹底的にスケジュールとタスクを推進する「業務設計力」の基礎筋力が鍛えられました。
自身の力不足で業務を崩せば、本来ユーザに届けるべき価値や体験を提供できずに終わってしまう。それは自分が就活のときに思い描いていた「正しい仕事」ではないという強い想いが、踏ん張る原動力でした。
「業務の設計」に向き合った結果として、自分が提案した改善施策が実際にリリースされ、ユーザのもとに届く手応えを初めて掴んだ、そんな時期になりました。
答えのない中で「自分の基準」をアップデートしていく
—— さらに、その後、UXデザインコンサルティング※3のチームでも様々なお仕事に挑んでいるかと思います。特に印象深いプロジェクトはありますか?
※3「UXデザインコンサルティング」は、デジタル領域(ウェブサイト・アプリ)を中心に、店舗・生活空間の更新や、IoT製品活用など、幅広い領域の新サービス開発から継続改善を支援するサービス
はい、大手通信会社様のアプリの最初の画面をリニューアルするプロジェクトを引き継いだ際に、大きな壁にぶつかったことが印象に残っています。
このプロジェクトは、クライアント企業の他に、デザイン会社など複数のステークホルダーが絡む案件でした。関係者一同が集まるミーティングの場で、「何を達成したいのか」を描けていないまま施策の提案を持っていってしまって。「また来週話しましょう」と同じ論点を議論し続ける日々が2ヶ月ほど続いたんです。また、マネージャからも「村田くんは、何が言いたいんだろう?」と芯を食うフィードバックを受け、「できない自分」と向き合いながら、落ち込むことも多々ありました。
「達成したいゴールに向かうにあたって、何をどの順に決めていくのか」という意思決定のフローを設計できておらず、ただ中身のアイデアだけを作って持っていってしまっていたのが、当時、うまくいかなかった要因だったのです。
「終わりが見えない」という苦しみを味わう中で、自分に足りないのは『中身のアイデア』ではなく、『何をどの順に決定させるか、という議論の進め方の設計』なのだと痛感させられた経験でした。
—— そうした困難を、どのようにして乗り越えてきたのでしょうか?
上司からかけてもらった「村田くんという人間を否定しているのではなく、提出されたアウトプットに対してフィードバックをしているだけだよ」という言葉に救われました。
それまでは「フィードバック=自分の能力の否定」と受け取って落ち込むこともあったのですが、人格と成果物を切り離して捉えられるようになったんです。「自分がダメだったのではなく、今回の問いの立て方や業務設計の枠組みがダメだったんだ」と冷静に捉え直し、次への改善策に集中できるようになりました。
ビービットには、年次に関わらず背伸びした打席を用意してくれるだけではなく、壁にぶつかった時に『何がダメだったのか』を感情論ではなく構造的に一緒に振り返ってくれるカルチャーがあります。逃げずに泥臭く打席に立ち続けることで、ビジネスパーソンとしての基盤が確実に鍛えられていきました。
まずは「プロジェクト内の推進力」、次に「複数の仕事を回すための業務設計力」、そして「意思決定までもっていく論点設計力」と、各ステージで壁にぶつかりながらも、一つひとつ自分の武器を増やしていけた時間だったと感じています。
新卒研修マネージャとして感じた「責任」と「手応え」
—— 直近の半年間は、ご自身のコンサルティング案件と並行して、新卒研修のマネージャを務めていたそうですね。
はい、自分自身の案件を主導しながら、並行して、新卒メンバーの研修を設計し、日々のマネジメントを行う役割を担当しました。これまでは「1人のプレイヤー」として成果を出すことに集中していましたが、研修マネージャの立場を経験したことで視野が大きく広がりました。
自分自身も研修マネージャとして関わる中で、「自分自身が案件に100%コミットできない中で、どこを押さえればプロジェクトの品質を担保できるか」「マネージャの視点からは見えていない進捗に対してどうアラートをあげてもらうように設計するか」という、マネジメントに必要な勘所やコミュニケーションの取り方を身をもって学べたのは非常に良い経験でした。
—— 研修メンバーと日々関わる中で、意識していたことはありますか?
研修メンバーには、とにかく「中身を詰める前に、まず業務を設計すること」を口酸っぱく伝えました。自分の実体験も踏まえて、実案件にアサインされた際にゴールから逆算して動く「仕事の進め方」が身についていないと、本人たちが一番苦しむことになるからです。
同時に、研修の段階から、「ビービット品質」を見せるフィードバックを心がけていました。研修を終え、現場に出てから求められる水準のギャップに苦しんでほしくなかったからです。ただ、その高い水準だけを提示した結果、研修メンバーが「自分は全然そこに到達できていない…」と思い悩んで落ち込んでしまっていたことに後から気づかされてはっとしました。「ただ高い基準を見せるだけでなく、『なぜ』このレベルを求めているのかという意図を含めて言葉にする」ことが大事なのだと痛感しました。必要な視点に気づかせてくれた後輩には感謝しています。
半年間の研修が終わり、自分が手塩にかけて向き合った研修メンバーたちが無事に現場の案件へとアサインされ、羽ばたいていった姿を見た時は胸が熱くなりました。個人の成果だけでなく、組織や後輩の成長に貢献する手応えを知れたのは大きな財産です。
「作ること」の楽しさから、「意思決定」を動かす面白さへ
—— 改めて、入社からこれまで、さまざまなクライアントとプロジェクトを経験してきた中で、ご自身の仕事への向き合い方にはどのような変化がありましたか?
入社したばかりの頃は、とにかく「ユーザ体験(UX)の中身を詰めること」や「具体的に画面やUIを作ること」が楽しくて、そこに夢中になっていました。自分の描いた画面やアイデアが目に見える形になる作業に価値を出そうとしていたんです。
ですが、様々な現場を経験する中で、徐々に自分自身の視点がシフトしてきた感覚もあります。今は「そもそも、なぜこの検討が必要なんだっけ?」「このプロジェクトを前に進めるために、いつまでに何を『決定』すべきなんだっけ?」といった、プロジェクトの前提や構造そのものを解き明かし、意思決定をリードすることに一番の面白さを感じています。
—— 単に「ユーザにとって良い体験を作る」だけでなく、その手前にある「意思決定」や「構造」に目が向くようになったきっかけは何だったのでしょうか?
今年に入って、組織の中で自分自身に求められる役割がアップデートされた際、自分のこれから進むべき方向性やそれを踏まえた課題について、AIに夜な夜な壁打ちをしていた時があったんです(笑)。
その時にAIから、「あなたは今、体験(画面やUI)の中身を作ることに時間を使っている。でも、同時に必要な視点は『意思決定のための構造化』だ」と突きつけられて。めちゃくちゃはっとさせられる体験だったんですよね。
自分はこれまでご提案の中身を作ることで精一杯だったけれど、本来一番大事にすべきなのは、いつまでに何を「決めなければいけないか」という点なんだと。自分はものごとの意思決定を動かすことに貢献すべきなんだ、という発見があったんです。
どれだけ素晴らしい画面やUIを作っても、その目的や進め方が曖昧なままだと、我々の提案に賛同いただくことは難しくなってしまいます。クライアントとのミーティングを行う時も、ただ資料を持っていくのではなく、「次のミーティングで何を確定させるか」から逆算してアジェンダや骨格を設計する。自分の投げかけた問いによってプロジェクトが正しい方向に動く手応えを知ってから、仕事のスケールとやりがいが一気に広がりました。
本質的な問いを立て、現実的な「正解」をつくれる存在へ
—— 新卒でビービットに入社して、数々の挑戦に向き合ってきた村田さんですが、今後はどのような挑戦をしていきたいですか?
最近は「UX(ユーザ体験)デザイン」だけに閉じず、ビジネスとしての成立性やシステム構造・コストまでを含めたサービスデザインができるようになりたいと考えています。
どれだけユーザにとって素晴らしい体験であっても、システム開発に莫大なコストがかかったりビジネスとして成り立たなかったりすれば、会社やユーザを永続的に幸せにすることはできません。「UXとしての正解」「ビジネスとしての正解」「システムとしての正解」という3つの軸が交差するポイントを見極め、現実的で本質的な「正解」を作り出せるビジネスパーソンになりたいです。
また、単に与えられた課題を解くだけでなく、「そもそも何が本質的な問いなのか」を自ら設計し、組織やクライアントの課題を解決していきたいですね。
—— 最後に、今就活を進められている学生の方々に届けたい言葉はありますか?
ビービットに新卒で入社すると、年次に関係なくチャレンジングな環境と本質的な思考力を問われる打席がたくさん回ってきます。
壁にぶつかって悩むこともありますが、そこには挑戦を本気で受け止め、壁を一緒に乗り越えてくれる先輩と組織体制が存在しています。
「言われた作業をこなす」のではなく、「そもそも何のためにやるのか」という問いから向き合い、個人の成長を超えて組織や社会に本質的なインパクトを与えたいと思っている方なら、間違いなく刺激的で面白い経験が積める環境です。
ぜひ一緒に挑戦しましょう!