「BASE SPACE」では、BASEの取り組みの裏側や組織のなかのことについて発信していき、みなさんにもっとBASEのことを知ってもらうことを目指しています。
今回は、今年発足したばかりのDataStrategyチームを統括する鈴木 僚に、チームの成り立ちや仕事の内容についてお話を聞きました。最近話題の「機械学習」を扱うお仕事内容は必見です!
【Profile】
鈴木 僚 BASE株式会社 BASE Product Division DataStrategyマネージャー
1998年日本アイ・ビー・エム入社。ThinkPad及びその生産システムの開発に携わり、PC事業売却後は全社購買システム構築に従事する。その後コンサルティングファームにてコスト戦略・事業再編等を中心に担当し、独立後は中華圏にて新規事業の展開を行う。2014年DMM.comにて3Dプリント事業及びロボット事業の設立と技術担当を兼任し、ロボット開発企業での人工知能開発(NLP)に従事したのち、2017年10月にBASEにジョイン。データ分析から事業戦略までを担うDataStrategy部門を率いている。
Q. DataStrategyチームは2018年1月に正式に発足したチームですが、まずチームのミッションについて教えてください。
そもそも、「BASE」は"宝の山"だと思っているんですね。50万店舗のショップさんと400万人のアプリユーザーがいるのですから。
BASEのミッションは、「価値の交換をよりシンプルにし、世界中の人々が最適な経済活動を行えるようにする」です。"価値の交換を最適化"するために、データでアプローチするのがDataStrategyチーム(以下、DS)のミッションです。
具体的には、機械学習・統計学に基づいたデータ解析や学習モデルの作成を行い、テクノロジーによって「BASE」ショップの運営効率向上につながる機能構築を推進し、ショップオーナーや購入者の体験をより良くしていきます。
Q. DSという組織はどのような背景でできたのでしょうか。
DSという組織の成り立ちについてお話ししますと、巷では人工知能ブームですが、BASEでも2年ほど前からデータの重要性を認識し始め、私の前任の者がBIのチームを作りました。
BIだとデータを出すまではできるのですが、その先は行えないので、BIでデータを出してそこから分析しないといけないんですよね。
例えば、こういうデータを出してくださいと依頼があった際に、BIを使って様々なデータを出すわけですが、実際にデータを渡してみるとデータを出す側と渡される側だと課題の認識が違う、という事態が起きていました。
そこでデータを出すことにとどまらず、データから見えた課題とそれに対する解決案までもっていく、つまり社内コンサルタントのようなアプローチをすることにしました。DSが正式に組織になったのは、今年の1月ですね。
一般的なデータサイエンティストというと、データ解析を専門にしていると思うのですが、BASEのDSではそこから一歩踏み込んで、課題の提示と解決案の提案をし実装まで担っています。
例えばキュレーションをやっているチームと、具体的なキュレーションのツールまで落とし込んで、時にはアプリのエンジニアも一緒に巻き込んで一気に完成のところまでに持っていっちゃう、そういうところまでやっています。
Q. 最近のDSの取り組みについて、具体的に教えてください。
最近は、ショッピングアプリ「BASE」のリコメンドエンジンを開発に注力しています。例えば、アプリ内のおすすめショップの枠に出てくるショップの内容を、ロジックを作って自動制御しています。
実は、以前ここのおすすめショップはコンテンツを作るチームが売上などを見て人力でピックアップして、手作業で登録してたんですよ。
おすすめのショップを人力でピックアップすること自体はいいことだと思っていて、機械でできることも限界があるので、自動化できるところは機械学習で担い、うまく組み合わせています。
その他には、検索のリコメンドエンジンも開発しています。検索もただ単に文字が一致するものを結果として出すのではなくて、売上やレビューの評価、配送までの対応時間などをを基にした、要はBASEの考える「よいショップ」が出るようにしています。加えて、いま旬のものやよく売れているものを考慮して検索でよく出るようにしています。
こういったレコメンドエンジンの開発も自社内で行うことで、スピーディに開発ができています。
また、先日から「BASE DataStrategyチームブログ」を開始しました。というのも、せっかくDSができたのにあまり外部にアピールできていないな、というのもあって(笑)それから先ほども申し上げましたが、「BASE」は"宝の山"なので、出せる範囲の中でなにか役に立つデータを外に出す方法はないかと代表の鶴岡と相談して、そこでブログをやろうとなりました。
もちろんコンプラに反しない範囲という前提にはなりますが、Eコマース界隈は数値を言わない傾向にあると思っているので、Eコマースの中でもデータを出す第一人者になりたいと思っています。
いまの「BASE」のショップオーナーさんや、これからショップを始めたいなという方に向けて数値の根拠となるものを提供できればよいですね。
Q. 募集要項には「機械学習エンジニア」と記載がありますが、DSが求めている人物像について教えてください
他のチームの課題をピックアップできるエンジニアがいいですね。
募集要項に「データサイエンティスト」と記載していないのは、DSの仕事がサイエンスするだけにとどまらないからです。BASEのVALUEの中に「Move Fast」ともあるように、課題を発見してその解決をどんどん先に進めるというのが重要なので、そこにどんどん提案できる人がよいですね。
「機械学習エンジニア」と記載しているのは、データを見て提案し、そこからツールの開発まで自分でできる人材を求めているという意図です。
私自身やメンバーの中にもコンサルタントの経験がある者もいますが、現在のチームメンバー中には、画像の機械学習の専門家で自分でアプリやシステム自体つくっちゃう人もいますね。そういった自分で開発までできるメンバーが必要です。そういう意味では、経歴として画像処理や自然言語処理、例えばチャットボットを自分で作っていた人なんかはぜひ来てほしいですね。
DSはまだまだ始まったばかりの組織なので、データの力で価値交換を最適にしたいという方は、ぜひ下記の募集をご覧ください!