はじめまして。
JIDAI -The Japan Experience bar- でジェネラルマネージャーを務めています西原大智です。
JIDAIは2024年4月から立ち上げのプロジェクトが始まり、9月からオープンしました。
目指すのは、「ローカルとトラベラーによる文化交流の場」。インバウンドブームを単なるビジネスチャンスとしてでなく、日本の社会・文化に風穴を開けるチャンスと捉えています。
事業の始まりは、「弊社に銀座の11階の居抜きを活用してほしい」という依頼です。
中央通りに面する好立地でありつつ、上層階ゆえに外から様子を窺えないことで集客に苦戦し、銀座でもますます増えるインバウンド旅行者むけに運営してくれないかという打診でした。
※訪問先は、「渋谷」が67.1%と令和4年に続き1位となった。2位以下は、「新宿・大久保」が57.4%、「銀座」が50.1%と続いている。(東京都産業労働力 令和5年国・地域別外国人行動特性調査結果)
きっかけとなった違和感
当時、僕は築地のツアーガイドとしても働いており、半年で500名ほどの訪日外国人旅行者をアテンドしていました。彼らと接する中で、日本の外国人対応に対して感じている課題意識があったのです。
- ツアーガイドに会って、やっと意思疎通できる人に出会えたと言われ、素朴な質問をたくさんぶつけられる(そしてその疑問の角度がとても面白い!)
- 英語で日本の「ローカルな」店や体験を探すことがとても難しく、「観光向け」に仕立てられたサービスしか受けられない
- 東京-京都-大阪のいわゆる「ゴールデンルート」が強力で、オーバーツーリズムと地方の経済不振が拡大し続ける
つまり、インバウンド需要をビジネスチャンスと捉え、素早くアジャストすることのできる事業者や地方は利益を上げることができているが、その反面で本当に文化を知りたい人が見たいもの、本当に深い日本の文化にはスポットライトがますます当たりづらくなっているのです。
この実態を掘り下げるべく、有楽町駅前に立ち、訪日旅行者と思しき外国人100名に声をかけてインタビュー調査を行いました。
数字で可視化されたニーズ
以下が、"What do you expect to experience in Japan?"に対する回答です
まず、当たり前なのがこちら⇩
「楽しい時間」と「ローカルな体験」が最も大きな割合で期待されています。
僕にとって意外だったのは以下の3つの項目でした。
①ラグジュアリーな経験はほとんど求められていない
②文化について、言語的に説明してほしい、話を聞きたいと思われている
③ローカルとの出会いがほしい(定性的な情報として、店員とのコミュニケーション以外、ローカルと交わることがないと残念がる人が多く見られた)
ちなみに、選択肢には「禅のような体験」もありましたがほとんど選択されませんでした。
インタラクションを生むための仕掛け
このアンケート結果、ガイドとして感じていた不足感から僕が銀座のバーで実現したいと考えたのが、冒頭でお示しした「ローカルとトラベラーによる文化交流の場」というコンセプトです。
英語で文化について話せるスタッフやお客さんがいるが、格式ばっていたり西洋的な装いではなく、enjoyableな雰囲気ではあるが居酒屋のように盛り上がるだけでなく、議論に花が咲くような、、、
そんな文化交流の場が実現できれば、わざわざ日本に足を運んでくださる異文化の方にとっても、社会の閉塞感を打破したい日本社会にとっても、価値ある事業ができるのではと思いました。
そして、活気ある交流を生むには、会話のフックが店内に仕掛けられ、全てが本物であって五感に訴える何かがあることが不可欠です。
日本産のワイン・酒・ジン・ウイスキー・焼酎・ノンアルコールドリンクを、各分野の有識者の意見を集め、骨董市を巡って本物の酒器を集めました。私たちは山崎や響のような世界に名の知れたドリンクは置いていません。私たちが集めたのは、「日本で最も生酛づくりにこだわる酒蔵の日本酒」「日本の種麹のシェア8割を持つ発酵のプロが作る焼酎」「『呼継ぎ』という、金継ぎの技術で現代のガラスと400年前の伊万里焼がコンビネーションされているグラス」などです。
ぜひ、一緒に働きませんか?
このように、日本にまだまだ眠る本物を発掘し、情報溢れる外国人旅行者に訴求し、インタラクティブな文化体験を生む私たちのバーに携わってくださる方を募集しています。
英語などの言語力を生かしたい方、日本の文化を改めて捉え直したい方、異文化や美しいものに触れたい方、是非ともご応募をお待ちしております。
西原大智