BAKERUは社会実験推進カンパニーです。
そんなBAKERUで場を仕掛けていく執行役員の安東さんにお話を伺いました。
BAKERUがこだわる本当の「場づくり」
--現在の職務内容と、その具体例を教えてください。
安東:
私の主な職務は、新規企画の提案や店舗設計および立ち上げ業務、事業マネジメントに関わる数値管理などです。BAKERUで企画した事業を実装まで持っていくために必要な要件整理や、各事業における立ち上げから運営管理をしています。もちろん、事業を広げるためのジャッジや、将来のパートナー企業に対する新たな提案も引き続き行っています。過去には商業ビル屋上のイベント&BBQ施設「BACKYARD」や、複合宿泊施設「渋谷文化進化」、京都市勧業館みやこめっせ内のカフェレストラン「ABURU」などの立ち上げに携わってきました。
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「Cafe&BBQ TERRACE ABURU(https://aburu.jp/)」
--店舗の企画を考える際に、最も重視していることは何ですか?
安東:
企画の軸となるクリエイティブのポイントを決めて、それをコンパス(羅針盤)にすることを重視しています。特にパートナー様(物件所有者や出資者)が求めるブランドやお店づくりの意図を汲み取るところが重要で、ここが最も難しい部分でもあります。ただし、単なる受託事業になってはいけませんし、既存の成功モデルを再現する存在にならないように気をつけています。
また、クリエイティブやデザインには譲れない部分、失ってはいけない部分があります。その重要性を相手に伝えて説得することも必要です。例えば、予算の制約の中でお店を作る際も、必要なものから順番に積み上げていくと、往々にしてクリエイティブの予算枠が少なくなってしまいます。しかし、「この場所はこうなるかも!」といった実験の場として捉えて新たな場づくりを仕掛ける場合には、本来あるべき優先順位を正しく設定するのも大切です。
ただ人が集まる箱や場所をつくっているのではなくて、そこにどんなコミュニティができるかを考えるのが、BAKERUがこだわる本当の「場づくり」です。場所や不動産というよりも、「人」が場をつくると捉えた時に、どんな人がそこに来たり、関わったりするのかが本当の存在価値であるはずで、だからこそ想定しうるお客様にどんな感情を持ってもらえるのかが重要だと考えています。
自分自身が本当に面白いと思うものをカタチに
--新しいアイデアはどのように得ていますか?
安東:
日々の生活の中で「遊ぶ」ことを意識的に取り入れ、その中で出会う「面白い」と感じることに対して、ビジネス視点で収益性や再現性を見極めるようにしています。新しい施設や店舗、サービスの開業情報はネット記事やSNSでチェックしていますが、何より自分自身が興味を持てること、面白いと感じることを大切にしています。
というのも、自分自身が本当に面白いと思えないものは提案できませんし、実現も難しいんです。仮にできたとしても、イメージが十分に沸いていないものは良い結果につながりにくいように感じています。ですから、BAKERUでは提案するものに対して「これは本当にいいものです」と心から思えているかどうかが特に重要ですね。
私自身も実際に経験したり見たりして、その面白さをどれだけ引き出せるかを考えます。例えば飲食店やアミューズメント施設などに行ったとき、「なぜここは面白いんだろう?」「なぜ人がたくさん来るんだろう?」「なぜ喜ばれるんだろう?」といった部分を中長期的な視点で具体的に考えるようにしています。
BAKERUの事業で例えるなら、サバゲーフィールド「ASOBIBA」の存在価値でしょうか。サバゲーが都内で楽しめる、という大前提がありつつも、深掘りしていくと大人でも日頃では味わえないようなスリルや非日常的な体験を提供できること、友達と遊べるツールとして優れていることなどがポイントになっている考えられます。このとき、単に「何かをして楽しかった」「美味しかった」だけでなく、「なぜこの感情になったのだろう?」という部分まで掘り下げて考えるようにしています。正解かどうかはわかりませんが、常にそういった思考を心がけ、考えたことを周りの人に聞いたり、意見をぶつけ合ったりしています。
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「BACK YARD -Brooklyn Park Yokohama-(https://backyard-playeat.com/yokohama)」
オープン日がスタート地点
--BAKERUチームでの企画立案プロセスについて教えてください。どのように意見をまとめていきますか?
安東:
企画立案は大きく3つのステップで進めています。まず最初に決めたクリエイティブの核となる部分を土台として固めたあとに、実現に向けてのリソースや予算感を調査し、理想に対してどの程度まで実現できるのかを収益計画と併せて検討します。その上で各分野のプロフェッショナルから意見やアイデアをもらい、ブラッシュアップしていきます。
具体的なプロセスとしては、まずSTEP1として、パートナー企業からの相談に対して、実現したいことを丁寧にヒアリングします。そこからBAKERU内で企画案を出していき、パートナー企業とのディスカッションの上で資金面や実現可能性といった部分の合意形成を図ります。
STEP2では、予算の見通しが立った段階で具体的なスキームを決めていきます。リスク、責任、金銭的なフォローなど、必要な要件を詰めていきます。クリエイティブや企画の核となる方向性もこの段階で握っておくイメージです。
STEP3では、例えば店舗案件であれば、店舗運営する人員を立てて、具体的な実行計画を立てます。PR計画の策定や、必要な人員の採用計画、マニュアル化の方針などを、チームとして検討していきます。
BAKERUの場合、面白いのは、通常のプロジェクトではオープン日がゴールになるところ、私たちはそれをスタート地点と捉えている点です。実証実験としての要素が強いため、スタートして初めて様々なケースが出てきます。人が来るのか、受け入れられるのか。来店者が増えれば、その層に対して新たにできることは何か。逆に来店が少なければ、どんな策が考えられるのか。
プロジェクトの本来の意味や実験的な要素を常に意識しながら進めていくため、企画を作って終わりではなく、継続的に関わり続ける体制を取っています。
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「渋谷文化進化 サウナ&宿泊(https://bunkashinka.com/)」
--これまでに手がけた企画の中で、最も印象に残っているものは何ですか?その理由も教えてください。
安東:
特に印象に残っているのは「BACKYARD」2店舗の立ち上げですね。店名からメニュー、内装まで全てを自分たちで作り上げ、しかも2店舗同時のブランド展開だったので、規模感も含めてかなり大変でした。
こだわったのは、屋上にBBQ場を作るだけでは面白くないので、横浜の地元のカルチャーであるアートや音楽、地元の文化を組み合わせることです。ステージでイベントを行うなど、様々なイベントを仕掛けました。現在ではパートナーを探したり、DJのブッキングをしたりと、多くの方に協力していただける体制を整えることができています。
そのおかげか、最近では、BACKYARDでイベントやコラボレーション、撮影をしたいといった問い合わせが増え始めています。0から作ったものが認知され、利用されていく。出来上がった空間で行われるイベントやパーティーで楽しむお客さんを見ると、「BACKYARD」で目指していた場づくりが少しずつ実現できてきていることを実感でき、大きなやりがいになっています。
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「Back Yard -Roof Garden Minatomirai-(https://backyard-playeat.com/minatomirai)」
特別な資格が必要ではないからこそ大事なこと
--BAKERUで企画職に就くにあたって、どのようなスキルや資質が重要だと感じていますか?
安東:
これまでにないものを作る、やったことないことに挑戦することがBAKERUの一番の魅力であり、大変な部分だと思います。だからこそ、困難な状況や課題が生まれた時にこそ成長のチャンスと捉えてトライできる気力と、実際の業務で出てくる泥臭い仕事や細かい仕事にも楽しんで取り組めるポジティブさが重要ですね。
というのも、企画職自体は特別な資格が必要な職業ではないからです。企画自体は誰でもできますし、好きなものや思いがあったり、「もっとこんなことがあればいいのに」という考えは、みんなが持っています。ただ、それを実際のお店など形にする時に重要になってくるのが、以下の3つのポイントです。
1つ目は、相手に想いを持って伝えられるかどうか。正しいかどうかは誰もわからないけれど、思いがあるかどうかが大切です。「少なくとも私は嬉しいです!」でもいい。目の前の1人、10人を喜ばせることができないのに、1000人を喜ばせることはできません。「〜〜で困ってるんですよね」という需要を見つけられることも、企画として面白い。なにかのソリューションがあること自体が、ビジネスになり得ると考えています。
2つ目は、「それがない理由は?」と分析ができるかどうか。「そんなことやったらお金がかかるから無理だよ」、「事業として採算が合わないから」など、その理由がわかるかどうか、もしくはそこまで調べられるか。実は、発想するよりも分析できる力のほうが重要かもしれません。
3つ目は、正直に言えば役員クラスに求められる能力ですが、事業に落とし込めるかどうか、です。実際にやるときに、どんな要素やリソースが必要か、予算はいくらかかるのか、時間はどのくらいかかるのか、リスクは伴うのか。ここまでくると、もはや企画職の範疇を超えて、経営的な視点が必要になってきます。これは必ずしもはじめから必要な能力ではなく、経営陣から学んでくれれば良いと考えています。
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「BAKERU経営陣(https://bakeru.co.jp/)」
誰もやっていないことをやる会社が見据えていること
--BAKERUに興味を持っている方に向けてメッセージをお願いします。
安東:
BAKERUには様々な職歴やスキルを持つ人材が活躍しています。組織が大きくないからこそ、やりたいことや変えたいことがあれば、立案するのも旗を振るのも自分です。良くも悪くも自分の積極性と頑張り次第ですが、その分、成長できる可能性は大いにあります。
我々は社会実験ベンチャーとして、すでにあるものや再現性のあるものをあえて作ろうとはしません。誰もやっていないことをやったり、一般的には儲からないと言われることに挑戦したりします。ですから、正直楽な道や正解はない中でビジネスをしていくことになります。だからこそ価値があると思ってパートナー企業が集まってくれているのも事実です。「何か面白いことやりたい」だけではなく、プロセスを通じて、効率化やよりよい運営のための仕事ができる人を求めています。
個人的には、特に求めているのはジェネラリストよりもスペシャリストです。例えば、マーケティング経験者ならそれと何かを掛け合わせて新しい事業を考えられますし、ゲーム業界経験者なら、「XX業界でゲームの要素を入れたらこうなりませんか?」という提案ができると考えています。他にも、「このままでは事業が続けられない」といった経験を持つ人に対して、「なら、BAKERUで一緒にお金にする方法を考えよう」と言える環境があります。
夢はあるが叶え方がわからない、何か面白そうなことをやってみたい、今までのキャリアやスキルを活かして次のステージや別の業界で働いてみたい、といった方は、ぜひBAKERUに来て試してみましょう。
やる気と想いのある方を、お待ちしています。
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