こんにちは!法人向けにAI研修と伴走支援を行う株式会社AX(エーエックス)です。
AIが当たり前になりつつある時代に、私たちはAIとどう向き合うか?人はどんな価値を発揮できるのか?
この連載では、AIと共に働くAXメンバーの、それぞれの探究と成長を掘り下げます。
第1回は、AIコンサルタント・吉村智裕さん。
未経験ながら自社のLINE運用システムづくりに挑み、AIと何百回も対話を重ねる中で、“分からない”が“分かる”に変わる瞬間を体験しました。その経験が、今のAIコンサルタントとしての原点になっています。
プロフィール
吉村 智裕 / AIコンサルタント
ロジックと思考力を軸に、クライアントから日々共有される課題を構造的に整理し、チャットサポートやミーティング、勉強会などを通して最適な解決策を導き出しています。
前職ではディズニーランドで接客を経験し、ブロガーやYouTuberとしても活動。多様なバックグラウンドで培った発想力を生かし、仕事に“楽しさ”と“仕組みづくり”の両面から向き合っています。
みんなからは“よっしー”と呼ばれてます!
「分からない」から始まったAIとの対話
「正直、マーケティングの仕事に手応えが持てなかったんです」
そう語る吉村さん。AXの前身・株式会社アフタースクールで、顧客インサイトを掴もうと奮闘していた当時、どんな記事を出せば響くのか、主人公のキャラ設定をどう作ればいいのか……その感覚がいまひとつ掴めなかったといいます。
「ナーチャリングの業務で成果が出ず、周りとの違いに悩んでいました。どうすれば自分らしい形で価値を出せるのかを考えていた時期ですね」
その時、社内で新しいプロジェクトが立ち上がります。
マーケティング施策で使っていた外部のLINE運用ツールは高額で機能制限も多く、「自社で作った方が良いのでは?」という話に。そして、誰が作るかという話になったとき……
「もう僕しかいなくね?ってなったんですよ。機械の気持ちは分かるかもしれない。そう思って、やってみることにしました」
誰にも頼れない開発現場で……
着手したのは2024年10月。AIスキルは、ChatGPTの研修を一度受けた程度。まさに「未経験」からの挑戦でした。
「AIスキルでいえば、いま弊社で提供しているクライアント向けカリキュラムの一番最初の章レベル。ゼロからですね。CursorというAI開発ツールを使いながら、分からないことがあれば全部ChatGPTに聞いていました」
頼れる人が誰もいない中、唯一の相棒はAI。不安しかなかったけど、誰もいないからこそやるしかなかったといいます。
「“今こういうエラーが出てるんだけど”“こうしたいんだけど”と、AIに話しかける。そしてAIが返してくれたコードを試して、うまく動いたら“よし”って。
でも動かない時も多くて、そういう時は“この言い方じゃ伝わらないのか。じゃあ別の言い方でいこう”って。その繰り返しです。うまくいったら、その構文を付箋にストックしていく。エラーが出たらこのプロンプト、成功したらこの指示、と全部自分で整理してました」
社内で定期的に行う振り返り会では、他のメンバーがマーケティング成果を報告する中、自分だけが開発の進捗を発表する。「すごい孤独だった」と笑う吉村さんですが、その期間が今の仕事の礎になっています。
「もしあの時、人に聞ける環境があったら、多分成長できなかったと思う。誰にも頼れなかったからこそ、“AIに聞けばなんとかなる”という感覚が身につきました。それが、今も自分の中の核になっています」
わずか4か月でLINE運用ツールの本体を完成。その後1か月でAI機能も実装し、自動返信やSlack連携などを整えました。
「使っていくうちに、“AIってこういう仕組みで動いてるんだ”というのが分かってきて、データベースの設計とか、どんな質問をしたら精度が上がるかとか、体感で理解できるようになりました」
「AX」という場所の変化と、本質にあるもの
AX(旧アフタースクール)には、創業初期のころから断続的に関わってきた吉村さん。立場や役割が変わっても、何度も戻ってきたのには理由があります。
「この会社とは、出たり入ったりしながらもずっと関わってきました。やっぱり一緒に働くメンバーが好きなんですよね。どの時代も“本質を考える”という姿勢が共通していて、それがAXらしさだと思います」
吉村さんは入社前、会社の文化を理解するために、当時のメンバー全員に「何が楽しくてここにいるのか」を一人ずつインタビューして回ったといいます。
「話を聞いていくうちに、“この人たちとなら仲良くやっていけそうだな”と思えました」
あれからメンバーの顔ぶれも少しずつ変わってきました。それでも吉村さんの中では、変わらず流れ続けているものがあります。
「根っこにある“本質思考”はずっと残っている。みんなも無意識のうちに、それを大事にしていると思います。」
AIを活用しながらも、人間の思考や本質を見つめ続ける。吉村さんにとってAXは、そんな「人とテクノロジーの間にあるもの」を追いかけられる場所です。
「AIに聞けば分かる」その実感を、クライアントにも
現在は、AI導入の伴走支援を担うAIコンサルタントとして活躍する吉村さん。クライアントへの関わり方には、彼自身の経験から生まれた哲学があります。
「僕自身、最初はAIのことなんて全然分からなかった。でも、ひたすらAIに聞き続けているうちに、“聞けばなんとかなる”という感覚がつかめてきたんです。
その成功体験を、今はクライアントにも味わってほしいと思っています」
だからこそ、吉村さんが意識しているのは「いかにAIと触れ合う時間を増やしてもらうか」。AIの使い方を一方的に教えるのではなく、クライアントが自分で考え、試し、学べる環境をつくることを大切にしています。
「最初からうまくいかなくても大丈夫。僕もまったくの未経験から始めて、試行錯誤を繰り返してきたので。クライアントがAIを使ってやりたかったことができるようになるまで、寄り添いながら支援しています」
自分が体験したように、AIと対話することで世界が広がる……そのきっかけを一緒につくるのが、彼の考える“伴走”なのです。
「筋トレ」は自分を整える時間
「AIと向き合ってない時間で大事にしているのは、筋トレですね」
吉村さんはなんと13年間、筋トレを続けています。きっかけは、俳優のヒュー・ジャックマンへの憧れだったそうです。
「あの身体になりたいと思って始めたんです。最初は完全に憧れからでした」
カレンダーの予定には「メンタルケア」と書かれたトレーニング時間。その理由を尋ねると、こう話してくれました。
「仕事は失敗があっても、筋トレは絶対に成功する。やった分だけ結果が出るから、自己効力感が上がるんですよ!精神が整う感覚がある。裏切るとしたら、やらなかった自分だけですからね」
そのストイックな姿勢は社内にも広がり、今では多くのメンバーがジム通いやスポーツの習い事をしています。
「最初は自分だけだったけど、この1年でみんな急にやり始めましたね。そんな“整える文化”が会社にも根づいてきてるのは嬉しいです」
「人生のテーマ」を見つける旅の途中で
AIも筋トレも、吉村さんにとっては“自分を知るための手段”だといいます。そして今、彼が見つめているのは「人生単位で打ち込めるテーマ」。
「プライベートのゴールはもう決めましたが、仕事に関してはまだ“これだ”というテーマが見つかってなくて。“お金を稼ぎたい”“人の役に立ちたい”みたいな言葉はよく聞くけど、僕にはまだしっくりこないんです。
だから、暇を見つけてはAIと対話して、自己分析しています。どうやったら自分の中に腹落ちするテーマが見つかるか。最近はそれを探すこと自体も、一つの挑戦になってますね」
そんな彼が大切にしているのが、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の登場人物・ドクの言葉。
“If you put your mind to it, you can accomplish anything.”──「本気で取り組めば、何だって成し遂げられる」。
「この言葉はずっと心に残っていて。まだ明確なテーマが見つかっていなくても、目の前のことに本気で取り組んでいれば、必ず何かを掴めるはずだと思っています」
AIと友達になることから始めよう
最後に、AIコンサルタントという仕事に興味を持つ人へのメッセージを聞きました。
「まずは、AIと友達になること。“AIを使って何をしたいのか”を自分の中に持つことが大事です。AIって言ってもいろんなジャンルがある。僕は動画とか画像が好きだから、そこを深掘りしています。自分の“好きなAI”があるだけで、自然とスキルは伸びるんですよ」
AIを通して“自分の中の問い”を見つめること。それは、AXが目指す「AIと人が共に成長する組織づくり」にも通じています。
この「AXメンバーインタビュー」シリーズはまだ始まったばかり。次は別メンバーの視点から“AIと人の成長“を追いたいと思います!
正解のない時代に、問いを磨きながら進む。そんな仲間と共に、“AIと働く未来”を一緒に描いていきませんか?