anveil社員にフォーカスする「anveilではたらく」。
公共建築の世界から商業プロダクトへ~入社3ヶ月プロダクトデザイナーの現在地vol.1 に続き、プロダクト開発の新規メンバーへのインタビューです。
vol.2では、PIECE OF SIGNでの開発における「編集者視点」への思考の転換や、
代表 音田康一郎の側で働いてみて、今感じることについて伺いました。
PROFILE
建築学部を卒業後、建築設計事務所へ勤務。ギャラリーなどの公共建築を手がける経験を積んだのち anveil入社。現在は、主にPIECE OF SIGNのサインプロダクト開発、既存商品の改善などの商品開発業務に幅広く関わる。
前職とは真逆の環境での「編集者視点」でのプロダクト開発
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ーー前職とは真逆の環境とのことで、思考の転換も大変だったのではないですか?
これまでの仕事と比べると、根本的に構造が異なることは強く感じています。特に、公共性の高いギャラリーなどを対象としていた頃とは違い、PIECE OF SIGNでは完全に“商業”の領域。売上という明確な目的があって、それをどう実現するかという視点で動いていくので。
ーー頭の使いかたが全然違いますものね
そうですね。全然違うので音田さんと話していても、
「そこにそんなにお金はかけられないよ。」といった話は、 最初の頃はありましたね。いわば、予算感覚みたいなものです。
デザイナーというよりは「編集者視点でやって欲しい」ということは、段階を追って肌で感じるようになりました。
「顧客の真の願いは何か?」を問う ”これでいい” の肌感覚
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これまでの仕事での思考の型は、どちらかというと“ゼロから物をつくる”ということでした。けれど今ここで求められているのは、「ゼロからのデザインというより、”編集”なんだ」ということをようやく理解し始めたところです。
以前、すべて木製のベンチを提案したことがありました。
でもそのとき、「すべてを木材で作るのはコストが高すぎるから、スチールの部分があっても良いんじゃない?」という意見を頂いて。
その時に気づいたのは、「すべてを木で作りたい」という思いは、たぶん本質ではないんだということです。重要なのは“見た目として木っぽく見えること”や、“空間の中で木の温かみが感じられること”だったり、つまりは素材そのものではなく与える印象や意味であって。
音田さんは、常に「その真の願いは何なのか?」という視点で物事を捉えています。
そして圧倒的なコスト感覚の軸を持って判断されています。
完全にゼロから目に見えないところまで緻密に設計していた僕からしたら、「そこに落としていくんだ」という気づきでした。
ゼロからプロダクトを生み出すというよりは、世の中にすでにある”1”とか”2”を丁寧に見渡して、それらを組み合わせ、余計なものをそぎ落としながら「ちょうどいい」を探していく。
必要な情報や素材はすでに目の前にあって、それを編集者的な視点で拾い上げて作り上げていく。そんな作り方が、PIECE OF SIGNでは求められているのだと体感しました。
ーー徐々にその思考には慣れてきましたか?
正直、今はまだ調整の途中だと感じています。
むしろ“全部を合わせきらない”という選択も、自分にとっては大事なのかもしれないとも思っています。
音田さんの意見に、ただ「いいですね」と同調するだけでは、思考が浅くなってしまう気がしていて。
完全に環境に溶け込んでしまうと、見えなくなるものもある。
だから少し距離をとって、自分なりの目線をしっかり保っておきたい。それが、今の自分にとっての“バランス”なのかなとも思っています。
代表 音田康一郎の側で働くことで感じること
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音田さんと接していて感じるのは、人に対してとても誠実で、配慮の深い方だということです。
たとえば、音田さんは打ち合わせの後など相手の方に「今日はありがとうございます。」と伝えています。たったひと言それを言えるかどうかで、関係性ってまるで違ってくると感じます。
これから話が始まる時にも、ほんの少し顔を傾けて聴いてくれる、目線を合わせてくれる。その出発点の傾きが上がった状態で始まるんです。
これは、自分の大切にしているマインドと重なる部分があります。
何気ないやり取りの中での小さな動作のひとつひとつが、音田さんの誠実さを表していると感じます。
vol.1 前編はこちら
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