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今年 2025 年の 7 月にアンドパッドのデザイン部 部長にデザイナー出身である 四倉 昇平 が就任しました ! そこで今回は、その四倉とアンドパッド歴 9 年のベテランデザイナー 後藤 啓之 に、デザイン部に起こった変化や、改めてアンドパッドのデザイナーの仕事やスキル、今後の展望を多いに語ってもらいました !
アンドパッドのデザイナーの成長環境がわかる内容なので、デザイナーとしての成長を模索している方にはピッタリです !
四倉 昇平 note: yotsukura X: _yotsukura
音響機器のメーカーでハードウェアエンジニアを担当。 iPad の登場により、 iPad アプリのデザイン・要件定義担当者がいなかったことから UI デザイナー・UX デザイナーにキャリアチェンジした。アンドパッドでは最も歴史が長いプロダクトから新規プロダクトの開発まで、幅広く対応している。 iOS/Android アプリのデザイン原則に詳しい。
後藤 啓之
前職は映像制作会社でアシスタント PM を担当。ものづくりの現場に興味を持ち、 UI デザイナー・UX デザイナーへキャリアを転換した。アンドパッドでは、デザイナーとして様々なプロダクトの新規立ち上げに携わる。また、会社ロゴおよびミッションの刷新プロジェクトも担当した。直近では、 AI 関連プロダクトのデザインをいくつか行っている。
デザイナー出身の部長とスペシャリストキャリアの新設
―― まずは、お二人の自己紹介を兼ねてアンドパッドでの役割とこれまでのキャリアをお聞かせください。
四倉: 2020 年 7 月にアンドパッドに入社したのですが、実は、私の入社面接は後藤さんに担当していただきました。 それ以降、主に ANDPAD施工管理 の Web / ネイティブアプリを中心とした様々なプロダクトの UI デザイン、 UX デザイン、プロダクトによってはプロダクトマネージャー ( PdM ) の仕事も担当してきました。 そして、今年 7 月からはデザイン部の部長に任命され、現在は組織マネジメントと、 UI デザインの実務両方を行っています。
―― アンドパッド入社前のキャリアについてはいかがでしょうか?
四倉: toB 向けの業務アプリケーションの設計経験が長く、音響メーカーで音響機器を操作するアプリの UI デザイン、ハードウェア設計でキャリアをスタートしました。転職を経て飲食店向けの POS レジ、 toC 向けの金融サービスを提供する会社などにも在籍した経験もあります。
―― デザイナーで toB 向けのプロダクトの経験が長いのは珍しいですね。 ありがとうございます。 続いて、後藤さん、お願いします。
後藤: アンドパッドは 2016 年 8 月に入社したので、かれこれ 9 年になります。 現在は主に ANDPAD図面 と ANDPAD BIM のデザインを担当していますが、さらに遡ると、プロダクトデザインに加えてプロモーション・マーケティングにも携わっていて、グラフィックデザインやアンドパッドのリブランディング(ミッションや社名変更、ロゴ変更など)のプロジェクトも担当しました。
四倉: そう、アンドパッドは 2020 年頃まではプロモーション・マーケティングの部署とプロダクトのデザインの部署が分かれていなかったのですよね。
後藤: そうですね。当時は手分けして色々なことをやっていました。 リブランディングプロジェクトは大変でしたが、良いものを作れたと思います。
デザイナーの成長できる環境づくり
―― 今年の 7 月にデザイン部の部長に四倉さんが昇格されましたが、組織にどのような変化がありましたか。
四倉: 私が部長になって最初に実行したこととしては、これまで取りまとめたままになっていて埋もれてしまっていたミッション・ビジョン・バリューをスライドにまとめなおして、もう一度進むべき方向性を周知しました。 建築・建設業界ですでにたくさんのユーザーに利用されている ANDPAD のプロダクトデザイン組織は、表層部分だけではなく、業界の未来の俯瞰やユーザーペインの解消など深い洞察が必要だということを、メンバー間でも他部署との間でも目線を合わせたかったんです。
後藤: 今までデザイナーだったメンバーが部長になったことで、ビジョン・ミッション・バリュー (MVV) をボトムアップで再確認した感じでよいですよね。 アンドパッドは、プロダクトごとに前提や文脈が大きく異なるので、デザイン部の価値を擦り合わせるのは大事だなと思いました。
四倉: 2つめに現時点でのデザインの悩みと、次のアクションが気軽に相談できるように、全デザイナーを 2 チームに分けて定例ミーティングを週 3 回、 30 分間設定してみました。最初はうまくいくか不安だったので、両チームの定例会をファシリテーションしていたのですが、今は自走してファシリテーションもメンバー間で行われていて、すごくうまくいっている感触があります。
後藤: そうですね、とてもよい雰囲気だと思います。デザイナーだからこそ各プロダクトで踏む問題は、同じようなことも多いんですよね。 それを解決するには、デザインをいかに言語化して、他メンバーと連携するかにかかっています。 ミーティングと言っても、ある意味、ナレッジシェアとトレーニングの場になっています。
―― デザイナー出身であり、メンバーから生え抜きの部長ならではの施策ですね。 そして、今回マネージャー以外のキャリアパスも新設されたと聞きました。
四倉: マネジメントの委譲と同時に UI/UX デザインのスペシャリティを追求することも重要であるという考えから、 スペシャリスト職(プリンシパルデザイナー) も新設されました。
まだ、走りながら考えている面はありますが、保留しているデザイン負債・デザイン課題の解消や、Vertical SaaS における理想的なデザインプロセスの発見を期待しています。
後藤: マネジメント職とスペシャリスト職、どちらにも既存のデザイナーが就いたことが、重要だと思いますね。以前は、全員がフラットにそれぞれのデザインに取り組む形になっており、デザイナーとしての明確なキャリアパスがイメージしにくい状況だったかもしれません。 四倉さんの部長就任と、プリンシパルデザイナーというポジションの新設により、キャリアパスの道筋ができたのが大きな変化です。 2 つが同じタイミングだったことも、どちらの観点も大事なんだという組織からの期待を感じました。
―― 後藤さんはどちらを目指そうとお考えですか?
後藤: 個人的には、ユーザーやプロダクトに向き合うことが大好きなので、スペシャリスト職に興味があります。 組織拡大によりマネジメントが必要になるのは理解できますが、「 UI/UX デザインも極めていいよ」というメッセージはバランスが取れていて良いと感じています。 アンドパッドはエンジニア組織で先んじて専門性を尊重・奨励しているので、そういう文化があるのかも知れません。 ただ、「マネジメントも楽しそうかも」と、新任メンバーのオンボーディングを先日行ったときに思えました。 新しい仲間が入ってきてくれたことで楽しさに気づけましたね。
四倉: 私は今まで 4 回転職した経験がありますが、メンバーマネジメントも行っている人でないと UI/UX デザイナーは給与アップができないのかな?という漠然とした不安がありました。私自身は今回はマネジメントを選びましたが、未上場スタートアップのデザイン組織にもスペシャリストが新設されたことはすごく良いメッセージだと感じています。
要件に沿った絵を描き起こすだけではない、アンドパッドのデザイナーの価値
―― では、話題をもう少しデザインによった方向に進めます。デザインと一口に言っても、組織内でどういうデザインを「良いデザイン」と定義するかはすごく難しい問題だと想像しています。 改めて、プロダクト本部デザイン部のデザイナーの担当範囲を伺えますか。
四倉: まずデザイン部が所属するプロダクト本部は「ANDPAD の SaaS 価値の最大化」 のために活動しています。 具体的にはSaaS の価値を機能の網羅性、提供時期、利用者数、そして プロダクトの品質 といった要素に因数分解していて、デザイン部は主にこの 「プロダクトの品質」 の価値を最大化する組織と定義しています。
さらに部内ではその「品質」を「良いユーザー体験」と「品質の高いデザイン」の 2 つに因数分解してビジョンを定義しています。「良いユーザー体験」 とは、単に見た目が良いデザインのことではなく、建築・建設業界のユーザーの業務フローを深く理解し、顕在化・潜在化しているユーザーペインを定義し解決に繋がる機能設計を行うことを指しています。
それと対照に 「品質の高いデザイン」 とは、デザイナーが一般的に学ぶレイアウト原則、色彩、アクセシビリティ対応、等々の要素を建築・建設業界向けのプロダクトにも適用することで、ユーザーのプロダクトへの感動を生み出すことを目指しています。
後藤: 建設業界では、昔からあるシステムも存在し、ユーザーの要望には応えているが、デザインや使用感に改善の余地があるものも散見されます。 その中で、アンドパッドは業界のナンバーワンとして、ユーザーに訴えかけられるデザインを目指しています。
―― それを生み出すために、アンドパッドのデザイナーがこだわっていることはありますか?
四倉: 現段階では前職でも SaaS の設計経験がある中途入社のメンバーがほとんどなので、 UX デザインの定義から UI デザインに落とし込む力を全員が身につけています。 その上で、能力のあるデザイナーには、要求整理のさらに前段である、 事業戦略理解、市場調査、ユーザー調査といったプロダクトに対する要望把握や、ユースケースやペルソナ作成といった要求整理フェーズにも積極的にチャレンジしてもらっています。
―― アンドパッドのデザイナーは表層のデザインだけではないスキルも求められているということですね。
後藤: アンドパッドのような建設業界に特化したバーティカル SaaS の場合、オフィスだけではなく、様々な建設現場で使われます。ユーザーも、現場監督や職人など様々なため、よくある UI をただ持ってきてもフィットしないのですね。 このため、建設業界のお客様が何に苦しんでいて、本当にこの機能で楽になるのかを想像し、仮説を立てられる、それがアンドパッドでは求められています。
そして、デザイナーだけで仕事が閉じず、お客様だけでなく、社内にも PMM/PdM との要件定義があり、デリバリーするにもエンジニアやカスタマーサクセス、カスタマーサポートといったポジションとの対話が重要になります。
デザイナーの成長とプロダクトをまたいだ共通課題
―― 求められるスキルと業務範囲が理解できたところで、アンドパッドの今後とデザイナーはさらにどのような成長が見込まれるか、伺えますか。
四倉: アンドパッドはユーザー数も事業結果の数字も勢いよく伸びているため、短期的にはプロダクトの UI 設計/ UX 設計の質の向上でユーザーペインをどんどん解決していくことがメンバー全員の成長に繋がっていると感じています。
加えてプロダクトや事業の急拡大に伴い、共通のデザイン課題を解決するというミッションが重要になってきていることを強く感じています。 今後はプロダクトを横断した課題の発見と解決も各メンバーに求められるようになってきます。
―― プロダクト横断の課題というのは、具体的にどのようなものでしょうか?
四倉: 例えばデザインシステムへの取り組みだと、アクセシビリティ対応方針の言語化や、個々のプロダクトで発生したデザインをデザインシステムへ取り込むサイクルの構築など、解決したいデザインの課題や仕組みの問題があります。これまではプロダクト個別のデザインを優先し棚上げになりがちでしたが、今後はデザインのスペシャリストポジションであるプリンシパルデザイナーを中心に、デザイン部全員で共通課題にも取り組めるようになると考えています。
―― 後藤さんからみて、デザイナーの成長環境としてアンドパッドの将来をどのように見ていますか?
後藤: アンドパッドのプロダクトは一つひとつ「図面」や「施工管理」もあれば、「金融」「経営管理」といった特殊なドメインを扱い、それをデザイナー一人で担当します。 さらに、同じプロダクトでも、プロダクトの成長に伴い利用する会社の規模が変わっていくのですが、そのたびに全く違うドメインに対応するような難しさがあります。 この難しさ・複雑さを楽しみ、お客様の解像度を上げてプロダクトと向き合い、課題を解決していくことが、デザイナーの成長に繋がっているように思います。
私がアンドパッドに入ったのは 9 年前で、当時は全社で 10 名ほどでした。それから組織もプロダクトも急成長しましたが、やることは「お客様と向き合いデザインで課題を解決すること」と変わっていません。だからこそ、純粋にスキルとキャリアの成長を実感できているんだと思います。
事業の急拡大をデザインの力で支えていくのが楽しい !
―― 今後、お二人が特に注目している課題やプロダクト領域についてお聞かせください。
後藤: 私はやはり AI 関連プロダクトに注目しています。 これまで紙でやっていた業務を PC やスマートフォンに置き換えることで楽になる、という価値を提供してきましたが、業務自体に大きな変化はないんですよね。 AI は、その業務ごと大きく改善できる、魔法に近い強力なツールだと思っています。 AI 関連プロダクトを通じて、お客様の仕事をどんどん楽にしたいと考えています。
四倉: 私はプロダクトの UI/UX にとどまらず、組織的なデザイナーの能力向上と採用活動の推進に興味が向いています。プレイングマネージャーなので自身の担当プロダクトの UI/UX を最高のものにしたいという想いは持ちつつ、新製品を含めると 30 個近いプロダクトを設計しているデザイン部でメンバー全員が連動しながらアウトプットの品質を向上できたら、これ以上楽しいことはないなと思いながら働いています。
―― では、最後に、この記事を読んでいる方に向けてメッセージをお願いします。
四倉: アンドパッドのデザイン組織は建築・建設業界向けという特性からか、SaaS の価値・事業の価値と比較してまだまだ注目を集められると思っています。社会課題の解決に強い共感がある方、また今回デザイン組織がアップデートされたこともあり、ベンチャー企業の中でデザインのスペシャリスト、またはマネジメントと、キャリアを構築していくことにも興味を持っているデザイナーの方にも是非注目していただきたいです。
後藤: 自分がデザインしたものがユーザーに届き、業界に対してポジティブな影響を与える流れを、 会社の成長と共に間近で見られる のがアンドパッドの非常に良いところだと思っています。 自分の仕事で誰かの手助けをしたい、という方には向いている会社だと思います。
―― 四倉さん、後藤さん、本日はいいお話をありがとうございました。
四倉・後藤: ありがとうございました。
アンドパッドのデザイン組織とデザイナーの仕事と将来について、新任部長の 四倉 と ベテランデザイナーの 後藤 に語ってもらいました !
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