【役員インタビュー】「リアルとオンラインをつなぎ、移動のハードルを下げる」akippaのプロダクト開発部門が目指すVisionと現在地とは?
「人々がリアルで会うときの困りごとを、世界中で解決する。」をMissionに掲げるakippa。
今回はMissionの実現に向けて、プロダクト開発を牽引するCherf Product Officer(以下CPO)の井上さんに「akippaが社会や業界にもたらすインパクトは?」「現在抱えている技術課題は?」など気になるお話を盛りだくさんでお聞きしました。
現在転職を考えられている方はもちろん、「アキッパを利用したことがある」「スタートアップの開発組織に興味がある」という方にもおすすめの内容です。ぜひ最後までご覧ください!
井上 直登さんプロフィール
1983年生まれ。株式会社ドリコムに新卒で入社し、主にサービスの企画職として、新規事業の立ち上げや推進を担う。2016年よりakippaに入社しプロダクト開発部門のマネジメントとPdMを担当。2024年4月よりCPOに就任。
目次
プロダクト開発では「あいたいがつながり続ける」を目指す
ユーザーファーストな組織体制と変化に柔軟なカルチャー
レガシーな技術的課題を解決するおもしろさとは?
akippaのMissionにわくわくできる方に、仲間になってほしい
プロダクト開発では「あいたいがつながり続ける」を目指す
— 井上さんが管掌している部門では、どのような価値観でプロダクト開発を進めていますか?
ユーザー体験をより良いものにし、アキッパを通じて多くの人々のあいたいがつながる体験を提供することを目指しています。
プロダクト開発部門の中期的なVisionとして、「10万拠点、1000万ドライバーが参加し、あいたいがつながり続けるマーケットプレイスを作る」ことを掲げています。
特に、「あいたいがつながり続けるマーケットプレイス」の実現が最も重要だと考えており、メンバーそれぞれが「Visionを実現していくためにプロダクトとして何をすればいいのか?」と強い思いをもって、日々の業務に取り組んでいます。
— akippaのプロダクトが、社会や業界に対してどのようなインパクトを与える存在になれると考えていますか?
私たちが目指すのは、「どこでもスマート駐車場」という言葉に表されるような、究極の移動ツールです。まるで「どこでもドア」のように、行きたい場所に車でさっと行ける、そんな世界を実現したいと考えています。
どこにでもアキッパの駐車場があり、それらをスマートに使える「どこでもスマート駐車場」を実現することで、移動のハードルを極力下げ、誰もが行きたい場所に自由に行けるようになることが、社会に与える最大のインパクトだと捉えています。
IT業界の文脈で言えば、アキッパのようにオンラインで検索・予約し、実際の駐車体験はリアルに行われるといったような、オンラインとリアルが結びついたサービスはまだ珍しく、伸びしろがある分野だと思います。
UberやAirbnbのように、海外でこの分野で成功しているスタートアップはありますが、体験設計・プロダクト開発・オペレーションの難易度から、日本ではまだ成功していると呼べる規模のサービスはありません。
akippaは引き続き駐車場というネットワーク基盤を拡大しながら、将来的にEVステーションの設置や自動運転EVとの連携といった取り組みも視野に入れ、オンラインとリアルをうまくつなげながらサービスをスケールさせていきたいと考えています。
また、このような取り組みは決してakippaだけで展開できることではありません。自動車メーカーや駐車場機器メーカーと言った大手企業や、モビリティテックや不動産テック関連のスタートアップとも連携しながら事業を拡大していくことで、これまでのIT業界にはなかった「新しい成功パターン」が見えてくるのではないでしょうか。
ユーザーファーストな組織体制と変化に柔軟なカルチャー
— プロダクト開発部門の組織体制や文化について教えてください。
組織モデルとしては、向き合うユーザーさんごとにプロダクトチームを分けています。大きく分けると、ドライバーさん向けのドライバーチーム、オーナーさん向けのオーナーチーム、そして社内オペレーターの管理画面やインフラシステムの構築・運用を担うコアシステムチームがあります。
ユーザーさんが持つ顕在・潜在的なニーズをそれぞれ深く理解したうえで、最適なプロダクトを提供するために、向き合うユーザーさんごとにチームを分けています。
また、チームはPdMを中心に構成されており、PdMが各チームのマネジメントも兼任する形になっています。というのも、PdMを中心にメンバー全員でユーザーさんのニーズを深く考え、最適なソリューションをプロダクトで届けるという考え方を重視しているからです。
もちろん、PdMだけが考えるのではなく、デザイナーやエンジニアも等しくユーザーさんの課題と向き合い、解決策を一緒に考えることを大事にしていて、PdM兼マネージャーはその旗振り役になってもらっています。
プロダクト部門独自の組織文化を一言で表すのは非常に難しいですね。組織独自の確立された文化があるかと言えば、正直なところ今はまだありません。
むしろ今のakippaのプロダクト部門は確立されたカルチャーに染まるのではなく、メンバー一人ひとりが自ら文化を創っていくフェーズだと捉えています。実際に、新しいメンバーがこれまでの経験から良いものを「輸入」し、akippaを発展させてくれています。例えば、オーナーチームでは、オーナーさんから直接ご意見をいただく「オーナー理解会」を隔週で開催しており、チームビルディングにも役立っています。
このような取り組みの積み重ねが、これから1、2年かけてカルチャーと呼べる形になっていくと思います。新しく入社される方々には、ぜひそのカルチャーを共につくる一員になってほしいと願っています。
一方、プロダクト部門独自のカルチャーはまだ手探りではあるものの、会社として大事にしていて、私たちが最低限守りたいカルチャーとして「ホスピタリティーカルチャー」と呼ばれているものがあります。具体的には「相互尊敬、謙虚さ、性善説」です。
それらを大事にした上で、個々の良さを出し合い、積み重なっていくことで、一年後には「akippaらしいカルチャー」として語れるようになることを目指しています。
— オーナーさんやドライバーさんの声に触れる機会はどれくらいの頻度でありますか?
先ほどお話しした隔週の「オーナー理解会」だけでなく、オーナーさんからのフィードバックはアプリ内の「ご意見ボックス」を通じてリアルタイムでSlackに通知されるので、常に最新の声に触れられます。
加えて、半期に1回、全オーナーさん向けにアンケート調査も行っています。ユーザーインタビューも随時実施しており、エンジニアやデザイナーも参加して直接お話を聞ける機会もありますし、その結果は全員に共有しています。
特に印象的なのは、オーナーさんが積極的にサービス改善に協力してくれることです。「自分たちもサービスを一緒に作り上げている」と考えてくださる方が非常に多く、様々なご意見や提案をいただいています。そのため、エンジニアやデザイナー、PdMは皆、オーナーさんがどのような方で、どのような課題やニーズがあるかを自分の言葉で語れますし、プロダクトを開発するうえで大きな強みだと感じています。
ドライバーさんに関しても駐車場を利用した際にレビューを投稿いただいており、それらが投稿されるslackチャンネルを私も随時確認しています。ドライバーさんへのインタビューも定期的に開催していますし、花火大会やフェスなどの公式駐車場の予約システムにアキッパを導入した際には、私もイベントの現地に赴いて、直接ドライバーさんと交流する機会も作るようにしています。
また、新しく入社した方には、オンボーディングの一環で「駐車場ツアー」に参加してもらっています。入社後にアキッパに掲載されている駐車場を巡りながらオーナーさんと交流したり、時には現地でドライバーさんと直接交流できることもあります。プロダクトが利用されるリアルな場面を肌で感じられるので、今後も続けていきたいですね。
オーナーさんやドライバーさんの顔を見たり声を聞いたりすることで、プロダクト開発が開発者の独りよがりなものにならず、結果的により良いものを生み出すことにつながります。まさにCtoCサービスの醍醐味の一つですね。
レガシーな技術的課題を解決するおもしろさとは?
— 現在抱えている技術的な課題やボトルネックについて、どのように捉えていますか?
大きく分けて2つの課題があります。
1. レガシーな技術的課題:アキッパは約10年以上も運営しているサービスなので、率直にいうとレガシーな技術負債は存在します。過去に最適だった実装が、時間の経過や事業の変化とともに現状に合わなくなり、開発のボトルネックになることもあります。
しかし、一概にネガティブなものと捉えてはいません。これまでの開発メンバーが積み重ねてきた努力へのリスペクトを忘れず、前向きに取り組むべき課題だと捉えています。
2. ソフトウェア、ハードウェア、データの活用:アキッパは現在、主にソフトウェアだけで体験を提供していますが、今後はハードウェアとデータの活用が不可欠になると考えています。例えば、すでに設置済みの駐車場と連携したり、カメラセンサーを使って利便性を向上したり、また毎月生まれる数十万件もの利用トランザクションデータを分析したりすることで、事前予約だけでなく最適な駐車場の貸出方法のご提供や、需要と供給にあわせた柔軟な料金設定アルゴリズムの開発などを行っていきたいです。
以上2つの課題はアキッパにとってまだまだ未知数で、どのように実現していくか設計している段階です。真っ白なキャンバスに絵を描くような面白さがあり、とてもポジティブな挑戦だと考えています。
— リアーキテクチャの構想や方針について教えてください。
リアーキテクチャは、アキッパのプロダクトの価値を「より多くの人に、より早く届ける」ためのプロジェクトです。単なる技術的な話ではなく、プロダクト全体にとって非常に重要な取り組みです。
10年以上の歴史を持つサービスなので、数ヶ月単位で解決するような簡単な問題ではありません。スコープによっては数年かかる可能性もあります。そのため、壮大な計画を一気に進めるのではなく、まずは半年から1年スパンのロードマップを作り、2週間単位のスプリントで着実に解決に向けて前進させていくというアジャイルなアプローチをとっています。
— 技術選定・設計・推進の意思決定はどのように行われていますか?現場の裁量や関与の度合いについても知りたいです。
技術選定や設計推進の意思決定は、ほぼ現場のテックリードやシニアエンジニアが主体的に行っています。私自身はエンジニアではないので技術的な善し悪しは現場の判断を信じ、その技術的なアプローチがプロダクト開発にとって合理的で、最終的にユーザーさんのためになるような内容であれば、私が最終承認する形で進めています。
現在、VPoEやCTOが社内に不在のため、社員はもちろんのことテックリードクラスの業務委託のエンジニアの方々にもサポートしていただきながら、現場が最善と思えるものを導き出す体制を整えています。
akippaのMissionにわくわくできる方に、仲間になってほしい
— どのような方にプロダクト開発部門の仲間になってほしいですか?
エンジニア、デザイナー、PdMは役割こそ異なるものの、メンバー全員が同じ未来に向かってワクワクし、目標に向かってアプローチできることを大切にしています。ですので、「人々がリアルで会うときの困りごとを、世界中で解決する」というakippaのMissionに共感できる方には、ぜひ仲間になっていただきたいです。
また、今後のプロダクト開発は、AIの登場により働き方や関わる領域が変化していくフェーズでもあると思います。エンジニアやデザイナー、PdMといった従来の職域を超えて、課題に対して各々が柔軟に取り組んでほしいと考えています。
そのために、ユーザーさんやサービス仕様全体をしっかりと理解し、「何のためにやるのか」を考えながらモノづくりを楽しめる方がakippaにフィットするのではないでしょうか。
— カジュアル面談でお話しできるとしたら、どのような話題を深掘りしてみたいですか?
カジュアル面談では、皆さんが転職で大事にされている軸と、akippaが大切にしているMission、Visionがどれだけ重なるのかをじっくりとお話しさせていただきたいですね。
お互いにとってミスマッチが一番の不幸だと考えているので、最終的な選択が双方幸せな結果になるようにカジュアル面談で価値観をしっかりとすり合わせることが重要だと考えています。
今回はakippaのCPOを務める井上さんにお話を伺いました。
技術的課題を的確に捉えながらも決してネガティブではなく、むしろポジティブに「どうすれば解決できるだろう?」と考えられている姿勢が印象的でした。
akippaでは、「人々がリアルで会うときの困りごとを、世界中で解決する」というMissionに共感してくださる方を歓迎しています。
少しでも興味を持たれた方は、ぜひお気軽に「話しを聞きに行きたい」ボタンからご連絡ください。皆さまとお会いできることを楽しみにしています!