業務では、売上や利用状況などのデータを見ながら、
- 今どんな傾向があるのか
- どこに問題があるのか
- 次に何を改善すべきか
を判断する場面が多くあります。
そのために使われるのが、グラフや表をまとめた「ダッシュボード」です。
ただ、ダッシュボードを作るには、
- どんなデータがあるか調べる
- 何を指標にするか考える
- 集計方法を決める
- グラフを作る
- 見やすく配置する
といった作業が必要です。
そこで今回は、Elasticの「DashBuilder MCP App」を使って、
AIと会話するだけで、データ調査からKibanaのダッシュボード作成まで進められるのか
を試してみました。
そもそもKibanaとは?
Kibanaは、Elasticsearchに蓄積されたデータをグラフや表として可視化できるツールです。
例えばECサイトなら、
- 売上の推移
- 注文数
- 平均注文単価
- 売れている商品カテゴリ
- 地域ごとの売上
などを一つの画面にまとめられます。
ただし、こうした画面を作るためには、まず「どのデータをどう集計すればよいか」を理解する必要があります。
Kibanaの操作方法だけ分かっていても、良いダッシュボードが作れるとは限りません。
AIに「何を見たいか」から相談できる
今回利用したDashBuilder MCP Appでは、AIからElasticsearchのデータへアクセスできます。
そのため、人間が細かく
「このフィールドを使って、この集計をして、このグラフにしてください」
と指定しなくても、
例えば、ECサイトの売上状況を把握できるダッシュボードを作ってくださいといった目的からスタートできます。
AIは、まずElasticsearchにどんなデータが入っているかを調査します。
そのうえで、
- 売上にはどのデータが使えそうか
- 注文数をどう数えるか
- 時系列で分析できる項目は何か
- 商品カテゴリや地域別に分析できるか
といったことを整理していきます。
つまり、
グラフを作るだけではなく、その前段階の「データを理解する」ところからAIに相談できる
のが大きなポイントです。
分析から可視化までAIが進めてくれる
データの内容を把握した後は、AIがES|QLというElasticsearchのクエリを使ってデータを分析します。
今回の検証では、
- 総売上
- 注文数
- 平均注文単価
- 売上推移
- 商品カテゴリ別の売上
- 地域別の傾向
などを可視化するダッシュボードを作成しました。

人間が一つずつグラフを作るのではなく、
AIがデータを調べ、分析し、どのように見せるかまで考えてくれる
という流れです。
作った後も、会話で修正できる
最初に作ったダッシュボードが、そのまま完成形とは限りません。
例えば、総売上、注文数、平均注文単価は画面上部に並べてくださいと追加で指示すると、AIがレイアウトを調整します。
つまり、
作成 → 確認 → 会話で修正
という進め方ができます。
これまでマウス操作でグラフやパネルを一つずつ配置していた作業が、
「ここをこうしてほしい」
という自然なやり取りに変わります。

最終的に作成したダッシュボードはKibanaへエクスポートし、その後は通常のKibanaダッシュボードとして利用・編集できます。
何がうれしいの?
今回の取り組みで感じた価値は、大きく3つあります。
ダッシュボード作成のハードルが下がる
Kibanaに慣れていなくても、
「何を知りたいのか」
をAIに伝えるところから始められます。
操作方法を覚えてから分析するのではなく、まず分析したいことから始められるのは大きな変化です。
データを調べるところから任せられる
ダッシュボード作成では、実は画面を作る作業以上に、
「どのデータを使うべきか」
を調べる時間がかかることがあります。
そこもAIに支援してもらえるため、分析の初期段階を効率化できます。
熟練者のたたき台作りにも使える
この仕組みは、初心者向けだけではありません。
Kibanaに慣れている人でも、まずAIにダッシュボードの初期案を作らせて、そこから細かく調整することで、作業時間を短縮できます。
AIが作った分析を、そのまま信じていいわけではない
一方で、AIに任せればすべて解決するわけではありません。
例えば「注文数」という言葉一つでも、
- レコード数を数えるのか
- 注文IDの重複を除いて数えるのか
によって結果は変わります。
「平均注文単価」も、集計方法によって意味が変わります。
そのため、
AIがどのデータを使い、どのような計算をしたのかを最後に人が確認する
ことが重要です。
AIに作業を任せながら、結果の意味や正しさは人間が判断する。
そんな役割分担が、実際のデータ分析では必要になります。
まとめ
今回DashBuilder MCP Appを試して感じたのは、
データ可視化の作業そのものが、AIとの対話へ変わりつつある
ということです。
これまでは、
データを調べる
→ 分析方法を考える
→ Kibanaを操作する
→ ダッシュボードを作る
という流れでした。
これからは、
何を知りたいかをAIに伝える
→ AIと一緒にデータを調べる
→ AIが分析・可視化する
→ 人が確認して仕上げる
という進め方が増えていくのかもしれません。
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