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「キャリアアップを考えてます」
これまで何度も聞いてきました。
すごく前向きな言葉に聞こえるし、実際それをきっかけに新しい環境に踏み出す方もたくさんいます。
でも、そのあとに具体的な言葉が続かないとき、「この人は今、まだ“もやもやの入り口”にいるのかもな」と思うこともあります。
自分もそうだったからこそ、”その感じ”わかるんです。
なんとなく今のままじゃ物足りない気がする。 でも、何がどうなれば「満足」なのかは、まだうまく言葉にできない。 だから、とりあえず「キャリアアップ」って言っとく。 ……みたいな時期、ありました。
でも今になって思うのは、 「キャリアアップ」って言葉、便利だけど、使えば使うほど中身がぼやけていく気がしてたな。ということです。
“キャリアアップ”という言葉の裏に、本音が隠れていませんか?
「もっと成長できる環境に行きたくて」と言う人がいます。
でもそれって、今の環境にどこか満たされていない感覚があるってことかもしれません。
「技術力を上げたい」という声もよく聞きます。
それはきっと、自分の技術にまだ納得しきれていない、という素直な気持ちの表れでもあると思います。
「裁量を持ちたい」と言う人もいます。
もっと自分で考えて動ける余白がほしい、そんな願いがこもっていることもあります。
「自分の考えを反映できる場がほしい」と思っている人も、多いように感じます。
どれもよく聞くし、共感できる言葉です。
でもその中には、まだ輪郭がはっきりしない「願い」や「違和感」が詰まっていることも多い気がしています。
“あるある”って思った人、たぶん昔の私と少し似ているかもしれません。
そして、一番伝えたいのは、
「キャリアアップ」という言葉を使えば、こうした思いが一気に全部すっきり整理される…というわけではない、ということです。
キャリアアップの”アップ”を具体化する
私も「もっと成長できる環境に行きたい」とか「裁量があるポジションを目指したい」とか言ってた時期がありました。
でも、それを口にした瞬間って、どこか“考えることから逃げてる感覚”もあったんですよね。
「裁量って、たとえばどんなことを自分で決められる状態?」 「何を“成長”と呼んでいて、それが今なぜ足りてないと感じるのか?」
そういう問いを棚上げしてるままだと、結局は「今よりなんか良さそうな場所」を探してウロウロするだけになってしまう。
動いてるようで、実はずっと同じところを回ってた、みたいな感覚に陥ったこともありました。
キャリアアップって、誰の目線で言ってる?
たとえば、年収が上がった。転職して有名企業に入った。肩書きがついた。
どれも素晴らしいことだと思います。
努力の成果だし、素直に尊敬しています。
でも、外から見れば“アップ”していても、本人が「なんか違うかも」と感じているなら、それはその人にとっては“アップ”じゃないのかもしれません。
逆に、規模は小さくても「自分のアイデアが形になる実感がある」とか、「挑戦したかったスキルを習得できた」みたいな変化の方が、よっぽど“自分にとってのアップ”だったりします。
結局、キャリアアップって、他人の評価じゃなくて、自分の納得感の話だと思うんです。
もちろん、年収や肩書き、会社の知名度も大事です。とっても。
でも、それが「なんとなく良さそうだから」「アップっぽいから」という理由だけで選ばれていることもある気がします。
たとえば「AIに関わる仕事」や「最先端の領域にいること」が、“キャリアアップの証”みたいに語られることがあります。
もちろん、それらに価値がないとはまったく思っていません。
実際、aciassのWagMogでもモダンな技術を使っていますし、AIも活用しています。
でも、「なぜそれが自分にとって大事なのか」が明確でないまま、“なんとなくアップっぽいから”と選んでしまうのは、ちょっともったいない気がするんです。
一度立ち止まって、「それって自分にとってどんな意味がある?」って問い直してみる価値はあると思います。
“自分らしさ”を軽く扱わないでいたい
ここで言っているのは、今の流行に乗った軽い“自分らしく”という価値観とは、まったく別の話です。
最近よく見る「自分らしく働こう」とか「好きなことを仕事に」という言葉。
一見ポジティブで素敵に見えるけれど、どこか“都合のいい魔法の言葉”になってしまっていることも多い気がしています。
たとえば「つらいことは避けていい」「嫌なことはやらなくてOK」「努力より感性が大事」みたいな、“自分らしさ=わがままに生きていい”というメッセージにすり替わっているケースもあります。
でも、本来の「自分らしく働く」って、そんなにふわっとしたものじゃないと思うんです。
- やりたいことのために、やりたくないことにも取り組む強さ
- 周囲の期待や正解らしきものに流されず、自分の基準で選ぶ覚悟
- 「好き」に責任を持つ姿勢
自分とちゃんと向き合って出てくる“らしさ”こそが、本当の「自分らしさ」だと思います。
だから、自分らしく働くって、むしろ泥臭くて、地味で、しんどい瞬間も多い。
でも、その分、自分の足で立っている実感がある。だからこそ、納得できる。
そういう「自分らしさ」にこそ、ちゃんと価値を置きたいと思っています。
“好きなこと”も同じだと思います。
「学歴や努力なんていらない、好きなことをやればいい」という風潮にも、少しモヤっとするのはそのせいです。
好きなことに飛び込むのは素敵なこと。
でもそれは、努力を放棄していい理由にはならないはず。
むしろ、「努力してでも手に入れたいほど好きなこと」があるか、自分にちゃんと問い続けることの方が大事なんじゃないかと思います。
努力してきた人の時間や積み重ねを軽く扱うのも違うし、やるべきことを避けて「好きだから」、「やりたいから」で済ませるのも違う。
“好き”って、甘くない。でも、だからこそ向き合う価値がある。
そして、「自分らしさ」や「好きなこと」を、自分の言葉で、自分の意志で選べる人が魅力。
そんなふうに思っています。
上下で語られることへの違和感
採用媒体などで「現職:◯◯社」と書いてある状態で、「キャリアアップのために転職したい」と言われると、正直モヤっとしてしまうこともあります。
「じゃあ◯◯社はキャリアダウンだったの?」 「会社って、ランク付けされるもの?」
言いたいことはわかるし、本人にそんなつもりはないことも多いと思います。 でも、少なくとも“上か下か”という文脈で語っているように見えてしまうリスクはあるんじゃないかな、とも思うんです。
だからこそ、ラベルや言葉の便利さに頼らずに、 「自分は今、何に違和感があるのか」 「どんな変化を望んでいるのか」 そこにちゃんと向き合ってくれる人の言葉のほうが、ずっと届くし、信頼できます。
自分にとっての“アップ”ってなんだったか
たとえば自分の場合は、「裁量があること」と「自分の意思で動けること」が、すごく大事な軸でした。
- 指示を待たずに、自分で考えて動けること
- チームの意思決定にちゃんと関われること
- 「これやってみたい」と言える余白があること
そういう状態のときに、自分は一番おもしろさを感じていたし、毎日の仕事にも前向きになれていました。
aciassでも、いろんな“アップ像”が見えてきます。それぞれ、自分なりの“アップ”を見つけてるんだと思います。 いわゆる「すごい経歴」じゃなくても、ちゃんと「自分が納得できる変化」を積み上げてる。
それって、十分キャリアアップだと感じています。
「アップしたい」って言う前に、決めることがあると思う
「キャリアアップしたい」って言葉を使うこと自体は悪くないと思っています。
でも、その中身が曖昧なままだと、 ただ「なんとなく不満があるけど、何がしたいかはまだよくわからない人」になってしまう。
「今の自分、ここが気になってる」 「だから、こういうチャレンジをしてみたい」 「その先にこうなっていたい」
そうやって、“キャリアアップしたい”の中身をちゃんと整理してみるだけでも、 選択肢の見え方って変わってくる気がしています。
aciassに来てくれた人で「スキルに自信がないけど頑張りたい」と話していた方が、しっかりaciassを引っ張ってくれていたりします。
本人は「まだまだです」って言うけど、 aciassからしたら「頼れる存在」になってる。
これもまた、キャリアアップだと思うんです。
最後に
「キャリアアップ」って言葉、よく聞くけど、その中身って“もっと自分らしく働けるようになること”も入っているんじゃないかなと思っています。
だからまずは、なんとなく「アップしたい」って言う前に、
自分のキャリアをちゃんと“自分のもの”として考えてみることが大事なんじゃないかと。
別に、すぐに答えが出なくてもいいと思いますし、かっこつけなくていいし、立派な理由なんかなくてもいいとも思ってます。
ただ、「なんか違うかも」って感じたら、その感覚はスルーしないでほしいなと思います。