こんにちは。
合同会社aciassの東です。
私は3人の子どもたちの父親です。
長女が生まれた日、「父親」という肩書きは手に入りました。
でも、その日に父親になれたかと言われると、答えは違います。
子どもが泣けば慌て、熱を出せばどうしたらいいか分からず、おむつ替えもぎこちない。
毎日少しずつ経験を積みながら、ようやく父親らしくなってきたのだと思います。
そして最近、それとよく似たことを会社でも感じています。
私は会社の役員であり、技術責任者です。
会社を設立した日からその肩書きではありましたが、その日に「経営者」になれたわけではありませんでした。
会社が成長し、メンバーが増え、一人ひとりの役割が変わるたびに、自分も少しずつ経営者になってきたのだと思っています。
肩書きは一日で変わる
子どもが生まれれば、その瞬間から父親です。
会社を設立すれば、その瞬間から経営者です。
これは事実です。
でも、それはあくまで肩書きの話です。
実際に求められる役割は、その日から突然できるようになるものではありません。
私は長女が生まれた頃、「父親とはこういうものだ」という父親像みたいなものが強くあったように思います。
でも、二人目、三人目と子どもが増えるにつれて、その考えは何度も変わりました。
兄弟喧嘩への向き合い方。
子どもそれぞれの性格。
年齢によって変わる悩み。
一人目では経験しなかったことばかりです。
「父親とはこういうものだ」と思っていたものは、子どもの成長に合わせて何度も更新されていきました。
会社も同じでした。
最初の頃は、技術選定から設計、実装、テスト、デプロイまで、ほとんどすべてを担っていました。
人数が少ないうちは、それで十分でした。
でも、人が増えるにつれて、それだけでは回らなくなります。
誰かに任せる。
相談する。
判断基準を共有する。
そういったことが必要になってきます。
自分の仕事は変わっていないつもりでも、会社から求められる役割は少しずつ変わっていました。
相手が変われば、自分の役割も変わる
子どもが1歳の頃に必要だった接し方と、5歳になってから必要な接し方は違います。
歩き始めたばかりの頃は、危険なものを遠ざけることが仕事でした。
少し大きくなると、自分で考えられるように待つことも仕事になります。
成長に合わせて、親がやるべきことは変わります。
会社も同じです。
入社したばかりのメンバーと、数年経験を積んだメンバーでは、関わり方が変わります。
細かく教えた方がいい時期もあります。
逆に、任せた方が成長する時期もあります。
以前は「技術責任者だから技術のことだけ考えていればいい」と思っていました。
でも実際は違いました。
技術だけではなく、メンバーが働きやすい環境を作ること。
会社として何を目指すのかを伝えること。
会社の判断を説明すること。
そういったことも、役割の一つになっていきました。
これは自分が変わりたかったというより、周りが成長した結果、自分も変わらざるを得なかったのだと思います。
経営者は会社に育てられる
経営者というと、最初から何でも分かっていて、正しい判断をし続ける人というイメージを持たれることがあります。
私にはそんな感覚はありません。
むしろ逆です。
メンバーが増えるたびに、新しい課題が増えます。
新しい事業を始めれば、今まで考えたことのない判断が必要になります。
会社でトラブルが起きれば、どう向き合うべきか悩みます。
毎回、「これで正しいのだろうか」と考えながら決めています。
最近では、会社として責任ある対応とは何かを考える出来事もありました。
その中で改めて感じたのは、経営者とは、答えを知っている人ではなく、答えを出し続ける立場なのだということです。
しかも、その答えは会社の成長とともに変わっていきます。
だから、「経営者になった」というより、「会社に経営者として育てられている」という感覚の方が近いのかもしれません。
技術責任者として思うこと
私は技術が好きです。
設計を考えたり、新しい技術を試したり、AIを触っていたりすると時間を忘れます。
今でもそれは変わりません。
でも、技術責任者になってからは、「良いコードを書くこと」だけでは足りないと感じるようになりました。
その技術が、会社にどんな価値を生むのか。
メンバーが成長できる技術選定になっているか。
将来の会社にとってプラスになるのか。
技術を見る視点も、少しずつ変わってきました。
これは役職が変えたのではなく、会社が成長した結果、自然とそうなったのだと思います。
子どもに育てられ、会社に育てられる
親は子どもを育てます。
でも実際には、親も子どもに育てられています。
子どもがいなければ経験しなかったこと。
考えなかったこと。
我慢できなかったこと。
たくさんあります。
会社も同じです。
経営者が会社を育てる。
もちろんそれもあります。
でも同時に、会社や従業員も経営者を育てています。
メンバーがいるから悩みます。
お客様がいるから責任を感じます。
新しい事業を始めるから勉強します。
もし一人で仕事をしていたら、今の自分にはなっていなかったと思います。
おわりに
昔は、「父親になること」と「経営者になること」は、ある日突然完成するものだと思っていました。
でも今は違います。
子どもの成長とともに、父親になっていく。
メンバーの成長とともに、経営者になっていく。
どちらも終わりはありません。
子どもが成長すれば、新しい悩みが生まれます。
会社が成長すれば、新しい責任が生まれます。
だからこれからも、「もう父親だから」「もう経営者だから」と思うことはないでしょう。
目の前の子どもやメンバーと向き合いながら、その時々で必要な役割を考え続ける。
そんな積み重ねの先に、少しずつ父親らしさや経営者らしさができていくのだと思っています。