INNOVATION事業部、東俊介インタビュー第二弾!!
▼第一弾 東俊介についてはこちら
今回は、「アスリートのキャリア」についてお話いただきました!
現役時代、デュアルキャリア、引退後、、
それぞれどのような課題があるのか?
「ビジネスアスリート」の体現者、東さんに教えていただきます!
ー競技をする中で現役選手の課題を教えてください。
現役時代にも競技をしている以外の時間はあると思うので、その時間をどう使いこなすかが大事です。
プログラミングを学ぶとか、色んな世界の人達と繋がっておくだとか、なにか自分で販売してみるだとか、そういう経験をしておくことが重要だと思います。
僕は現役時代にも、実業団選手として会社の仕事もしていたので、競技以外の世界の色んな人と会うことができていました。
アスリートの強みってファンを作れることだと思うんですね。
今世の中のサービスや商品がコモディティ化して、機能では差がつけられなくなってきました。
そうなると、最終的には、好きだから買うという選択になると思うんですね。
そんな中で、アスリートには”好き”になってもらえる機会がある、
ファン(応援してくれる人)をつくるチャンスがあるんです。
競技力というのは競技の外に出たら役に立たないので、ファンを作っておかないと将来困ると思います。
野球やサッカーの技術というのは、社会で使う場所がありません。
バットを使ってボールを遠くに飛ばす力、ボールを蹴る力とかというのは、全く役に立たくなってしまいますが、これらを身につけるために努力してきたことは役に立ちます。
なので、現役時代にやっていることが、自らの将来にどう役立つのかを意識しながら過ごすというのが重要になってきます。
スポーツ選手という仕事は、悲しいけれど、一生はできません。
競技力はどこかで頂点を迎えてあとは下がるだけです。
若くて才能のある選手は重宝される傾向があるため、選手の入れ替わりも早く、どんな選手も自然と引退が近づいてきてしまいます。
だからこそ、競技力と共に人間力を高めることを意識して、過ごしていかなければなりません。
これをどのくらいのアスリートができているのか。
アスリートキャリアの問題点の1つです。
ー現役時代にセカンドキャリアについて考えるのは逃げですか?
逃げじゃないです。
引退も就活と同じように絶対に来るものなので、早いうちから準備しておいた方がいい。
必ず来ることに備えて準備するというのは逃げでもなんでも無いし、それを考えていないことの方が現実から逃げているのだと思います。
指導者の方は、選手のうちは競技に集中しろと言います。
多くの指導者の方々は、競技に専念することで現在の立場を得ている、つまり成功しているので考え方にバイアスがかかっています。
余計なことをせずに競技に集中してきたから、結果を残して指導者を務められているのだと思っている方が多いように感じます。
指導者はチームを勝たせることが仕事なので、選手には競技だけに集中をして欲しいと考えがちなんですよ。余計なことは考えないでくれと。
でも、指導者ではなくなったら何をしますか?
もう一つ、村に篭もらないほうが良いと思うんですよね。
例えば、プロ野球界には、プロ野球選手がたくさんいますが、他の世界にはプロ野球選手はいないので、大事にされるんですよ。人や物は、遠くに行けば行くほど価値が上がります。
つまり、様々な世界の人たちとの関わりを増やした方が自らの価値も上がるし、
色んな情報を得られたり、様々な経験を積めると思いませんか?それが、人間力の向上に繋がると思いませんか?
ファンをつくるには競技力と人間力を高め、かけ合わせる必要があるんです。
足し算ではなく、掛け算なんです。
競技力がいくら高くても人間力が0だったら応援されないし、人間力が100あっても競技力が0だったら応援されない。競技力ばかりを高めるのではなく、、人間力も高めなければ
だから、セカンドキャリアを考えて行動することは全く逃げではないんです。
将来必ず来る引退に備えて、競技力に加えて、どうやって人間力を高めていくか。
大きなテーマだと思います。
ーデュアルキャリアの課題を教えてください!
デュアルキャリアで成功したい人は、スケジュールの管理が必要です。
練習があるから他のことが出来ないと言い訳するのではなく、
練習以外の時間で何をできるか考えて行動する。
その時、その場にいなくては出来ないこともあるとは思いますが、
工夫してそうではない時間にできることもあります。
アスリートの雇用を検討している企業の方に伝えたいのは、
アスリートにはファンを作る力、機会があるということです。
現役アスリートが営業に行った際、「現役選手なんです。よければ試合を見にきてください」と伝えれば興味をもって、好きになってもらうチャンスをつくることが出来ます。
もちろん、ただ試合をしているだけでは好きにはなってもらえないかも知れませんが、行動次第なんです。
僕は、現役時代故郷である石川県出身のお世話になっている経営者の方々を試合にお招きしていました。その経営者の方々と街を歩いていても、誰も僕のこと知らないですし、自慢にもならないわけです。
例えばサッカーの日本代表選手とといると、有名な選手だから周りの人に気づかれたりしてステータスになるけど、僕と一緒にいても誰にも気づかれないからステータスにはならない。
でも、試合を見に来てくれれば、試合会場ではみんな僕のことを知っているし、スターなんですよね。
試合でシュートを決めた時にそちらを向いてガッツポーズをしたり、試合後にご挨拶に行ったりすると、周りの人達は僕のことを知ってるし、ハンドボールのファンも僕のことを知ってるので注目されます。
試合後にユニフォームのまま挨拶に行けば、特別扱いされたことが記憶に残るじゃないですか。
試合後には、チームと別行動をしてでも応援にいらしていただいた方々が食事をしている場所に顔を出して、挨拶をしていました。
お酒を飲むわけでもないですし、5分くらいしかいられなくても
直接顔を合わせて「今日は応援に来てくれてありがとうございました」と伝える。
そうすると、「お前5分しかいられないのか」って怒る人なんて一人もいないわけです。
「こんなにちょっとの時間なのにわざわざ来てくれたのか、ありがとうね」って言ってくれます。
有名な選手だから僕のことを好きになるのではなく、
東俊介という人間そのものを好きになってくれるんですよね。
僕が実業団選手として勤務していた大崎電気を退職して、別の企業のお仕事として営業していた時に、最初にお客様になってくれたのはそういうお付き合いをしてきた経営者の方々です。
その方々は商品やサービスの価値は分からないけれど、東くんのすすめるものだから何とか力になってあげたいといってお客様になってくれました。
試合やプレーを見てもらう”機会”があるだけでは好きになっては貰えないので、
貴重な機会の中で、どうすれば”好き”になってもらえるか、
”ファン”になってもらえるかを考えて行動する。
人は面倒なことをやればやるほど、それを理解してくれる人が好きになってくれます。
いかに相手が自分を大切に思っているのか、自分のために動いてくれているのかを示す機会がアスリートにはあると思います。
ー引退後の課題を教えてください。
自分が組織の中で”出来ない人間”という状況に耐えられない面はあるように感じます。
アスリートを続けられているというのは、組織の中で”出来る”存在だったから。
自らの好きなこと、得意なことを続け、周りから認め、褒められてきている場合が多いので、いざ、競技以外の世界に飛び込んだ時に「どうしてこんなこともできないのか」と言われる状況にに耐えられない場合が見られます。
アスリートなんだから出来るよね?と言われることも多いと思うのですが、最初は出来なくて当然というマインドをもって、新たな挑戦を始めるのがよいと思います。
競技も始めから何でも出来たわけではないですから。
ーセカンドキャリアで成功する人の現役中の考え方はどんなものですか?
引退後の準備をしておくことが一番だと思います。
競技をずっと続けられないことを自覚して、引退後に自分がどんな人間になりたいのか考え、その準備をすること。
ネットワークを広げることなのか、自らにスキルを付けることなのか、資格を取ることなのか、手段は様々ですが、総じて準備と言えます。自覚と準備が大切です。
アスリートの現役時間はボーナスタイムです。
その時間は自分が頑張ってる姿を見てくれる機会があるので、
ファン(応援してくれる人)を作る最大のチャンスです!!!
そのファンの数があなたの人生をより豊かにしてくれます。
ー最後にー
僕は選手として、日本代表になれないと思ったときから、ハンドボールをメジャーにする人になると決めています。そのためにどうしたらいいのかを逆算して、そのとき正解だと思ったことをやってみて、失敗してチャレンジしてっていう繰り返しが今に続いています。
現役中は選手にしか出来ないことがあればやっていましたし、引退してからも自分にしかできないこと、自分だからできることをとにかくやる、やりまくって失敗もしまくっています。
でも挑戦を続けます。
出来ないところに飛び込む機会をたくさん作って経験を積んでいます。
みなさんはどうでしょうか。
なりたい自分はありますか。
ある、ないに関わらず今はとにかく人間力の向上、ファンを作る、自分を売ることに集中してください。
営業も、商品を売るよりも自分を売った方が良いです。
〇〇さんが言うからっていう話になれば、何でも売れます。
だから、真摯に誠実に向き合わなくてはいけなくて、1年生から始めましょうとか、出来ること、出来ないことを自覚しましょう。
真摯に向き合って、自分を磨き上げて自信を付けるのが仕事だと思います。
〇〇だから任せようと相手が思ってくれると仕事も楽しくなるし、ラクです。
競技も仕事もやらされているうちは伸びないですし、しんどいですよ!
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