【intee特別イベント】「大きい企業と小さい企業の新規事業って何が違うの?」新規事業に携わる者のリアルに迫る!
こんにちは!
inteeの秋本です。
最近先輩とキャッチボールしたら全身バキバキになって気持ちの良い筋肉痛を味わっています。
現在お金がなくて食費1ヶ月1万円生活を送っているので、皆様ご飯連れて行ってください(笑)
さて、今回はintee特別イベントとして【新規事業立ち上げ経験者が語る、裏側のホンネ】という
イベントを開きました!
就活中の皆様、こんな事を思った事はありませんか??
・「新しい価値を世の中に提供したい!」
・「自分の作ったサービスを世の中に広めたい!」
・「新規サービスの立ち上げをしたい!」
そんな想いを持つ就活生必聴。
ゼロからサービスを立ち上げることのリアルを余すことなくお伝えするイベントとして、ゲストの方をお招きしてお話しました。
ファシリテーター:亀田壮司
言わずと知れた弊社の事業部長。
元々1社目は不動産ディベロッパーという既存事業を回す立場として、
また現在は新規事業の責任者として、これまでの経験をお伝えします。
ゲスト①:水野 智規さん
1社目はコンサルファームのアビームコンサルティングに入社。
途中で仕事が向いていないと思い退職し、当時10名程度のユーザベース社にジョイン、
当時新規事業であったNews Picksの立ち上げに関わり、マーケティングを中心にサービス拡大に貢献。
現在は株式会社Project Jamのco-founderであり、COOとして活躍中。
ゲスト②:畠山 陽佑さん
リクルート出身。ホットペッパーグルメやじゃらんなどのサービスに関わる。
2社目ではエンジニアとしてビズリーチ入社。新規事業の立案やプロジェクトを束ねる存在として活躍。
現在は株式会社グラファーにてプロダクト責任者として、今年1月からジョイン。
【パネルディスカッション】
畠山さん(左)、 水野さん(右)
ここでは事前に寄せていただいた質問を元に、パネラーにお答えいただくセッションでした。
ここからはいくつか盛り上がった質問にフォーカスして、実際に一問一答形式で進めて行きます!
【新規事業と既存事業どちらが楽しいでしょう?】
亀田
「いきなりですけど、どっちが良いですか?」
水野さん
「どっちでもいいです(笑)。べースの問題だと思うので、分けて考えた事もないですね。むしろこの2つよりも、どういう事業なのかという事の方が大事。やりたくなければたとえ新規事業でも嫌だし、、、って思ってます。」
畠山さん
「人によって違うと思いますが、僕は新規事業の方が良いなと思っています。元々0からサービス作りたいという思いがあって、そのサービスが数年後どういう状態になっているのかなと考えるのが好きで、ずっとやりたいと思っていました。」
亀田
「それで言うとリクルートとかは新規事業立ち上げられるし、学生の皆はリクルートとか受けるよね。
ちなみにリクルート受ける人とかいる?」
(学生の手が少数上がる)
亀田
「いるね。」
畠山さん
「リクルートは新規事業やりたい人は多いです。でも実際の所やる人は少ないんですよね。小規模で新しい事をちょこちょこやるといった事はありますが、大体は既存に回ることの方がどうしても多いですね。そしてここだけの話、新規事業コンテストの様な正規ルートで新規事業にアサインされる人と、偉い人が『こういうのあった方がいいんじゃない?』って始まる2パターンがあって、前者は正統派だけど、後者の方もチャンスがあるんです。その時は、基本マネージャーにすがるんです。『やりたいです』って言ったら、『お前なにできんの?』って言って問答が始まって(笑)。」
亀田
「リクルートの新規事業は、そうやって優秀な人をキツイ状況には突っ込みますよね。やっぱり2:6:2の法則はあって、トップの優秀な2割を混乱させるために新規事業に突っ込ませて、楽をさせないというのはよく聞きますね。」
【新規事業って、いつまでが新規事業ですか?】
亀田
「これは良い質問ですねー。inteeも来年になったら新規事業じゃ無くなるような感覚はありますね。
水野さん
「News Picksの例だと、4〜5年経ってて、新規事業の感じは無くなっているけど、今アメリカでサービスを拡大させていたりしていて、これを新規事業と呼ぶ人もいると思うんですよね。だから個人的にはイメージの問題だと思っています。ビジネスモデルが新しければ、それを新規事業だと思う人もいると思うし。」
亀田
「確かにそれは面白いですね。ちなみに皆、メルカリは新規事業?」
(手が上がらない)
「メルペイは?」
(手が上がる)
「ZOZOスーツは?」
(手が上がる)
亀田
「新しいアイデアとかビジネスモデルが新規事業みたいなイメージなのかな?」
【新規事業は「楽しい」と「苦しい」どちらが大きいですか?】
亀田
「これは声を大にして言いますが、基本辛いです(笑)。オフレコの話ですけど、既存事業って、楽なんですよね。再現性のある勝ちパターンがある。それは精神的にすごく楽なんですよね。一方で新規事業って、全くそういったものがない。だから計画なんて立ててもその通りにいかない可能性の方が高いです。」
水野さん
「基本的に苦しいですが、個人的には圧倒的に新規事業の方が良いです。僕は言われた通りにできないし、すぐサボる人間なんです。だから博打勝負の方が好きです。亀田さんとか畠山さんとかは優秀な方なので、きちんと売り上げが見える所でも戦えて、新規事業でも死線をくぐり抜けられるんですけど。」
畠山さん
「水野さんは今の会社が大きくなったらどうするんですか?」
水野さん
「また新しいこと始めます。僕はマーケは得意だったんです。数千万の予算を博打のような感覚で回すのが得意だったので、幸いにも武器は手に入りました。」
亀田さん
「新規事業辛いみたいなこと言いましたが、前提仕事は楽しむべきものなので、楽しいと思う方を選べばいいと思うんです。水野さんマーケは得意みたいな話出てましたけど、この前水野さんはご自身で営業には向いてないって言ってましたね(笑)。言わなくていい事も言っちゃうみたいな。」
水野さん
「商談してて。担当とか会社イケてないなと思ったら、『御社のサービスってイケてないですね』って言っちゃうんです。同じような事を社内にもしてしまうので、上司とかにも『イケてないですね』って言っちゃったり(笑)」
亀田
「ようちゃんは営業得意そうだね(笑)」
畠山さん
「俺はエンジニアなので営業できないよ(笑)。けど、これ本当に最適?みたいなのはよく考えます。
『このPJに、この人数必要?』みたいな。」
亀田
「ようちゃんらしい(笑)。『これって最適なの?』って思う人は、実は組織だった会社には向いていないと思っています。『お前らなにやってるの?』って良く思っちゃうみたいな感じに思って、疑念を抱いてしまう。そして大抵は500人とか1000人規模の組織においては、一見無駄なんじゃないかと思う判断も合っている事の方が多い。自分の今の身の周りでそれを思っているなら、そう言った環境に身を置くのはやめた方がいい。それでいうと、リクルートとかは結構組織だっているよね?」
畠山さん
「そうですね。『なんでこの組織にこれだけの人が必要なの?』とか思って上司に『こうしましょうよ!』とかはちゃんと説明できれば話は通りますよ。けど、実施されるのが3ヶ月後になったりとかはざらにありますね〜。」
【大きい会社の新規事業と、小さい会社の新規事業って、どっちが良いの?】
畠山さん
「せっかくの新規事業イベントなので、実は今日話したかった事が一個あって。
大きい会社の新規事業と、小さい会社の新規事業どっちが良いですか?」
亀田
「それは面白いね。実際にはどう違いますか?」
畠山さん
「リクルートで2年目に新規事業やっていたんですけど、あそこってノウハウもたくさんあるから、その通りに新規事業を進めていくんですけど、ミッションをやりきるために、[こういう役割やる人]・[こういう役割やる人]・[こういう役割やる人]、ってアサインしていくんですよね。何が言いたいかというと、役割が結構分かれていく。部分最適になっていく。1人1人に最適な形に合わせてTo doが降ってくる。結局新規事業に携わってれば成長できる。というのも。ちょっと違うんだなというのが、率直な感想でした。身につく能力といえば、この規模のPJをこんな感じで進めていきます!みたいな要件定義はできるようになります。」
亀田
「これは新規事業のリアルですねー。」
水野さん
「はみ出しちゃえばいいと思うんですけどね。本人がどこまでやるかという事だと思うので、もっとやれる事増やせばいい(笑)。サイバーさんとか、リクルートさんは、失敗した人も成功した人もパターンがあって、その上でのノウハウがあります。」
畠山さん
「それは同意ですね。僕は小さい会社の新規事業にも携わって違いは感じましたが、水野さんはいかがでしたか?」
水野さん
「小さい方の新規事業は、大体最初バカにされますね。もう本当に酷くて、『地球上の誰もあなたのことなんて知らない』という状態からスタートするんです。最初は銀行の口座を作る必要があるんですけど、
誰も作らせてくれないんです。クレジットカードも出来ないんです。住む所も断られてで辛かったです。
畠山さん
「それは壮絶すぎる(笑)そこからどうするんですか?」
水野さん
「全部交渉しました。『いやでもさ、こういうことやりたいと思ってるから、助けてくださいよ』って全部に言いました。そうすると少ないけど、助けてくれる人がいるんです。そういう人を大事に大事にしながら進めていくのがスタートでしたね。給料を自分に払っていないけど、6万円のメロンをお世話になった人に渡してあげたり。全部ビジネスって、仁義の世界なんですよね。」
亀田
「新規事業って、大体最初のお客さんは知り合いとかのパターンが多いですもんね。こんな状態でも自分を信頼してくれる人から、進めていくしかいないですよね。」
水野さん
「みんな偉そうにああだこうだ言ってくるんですよ。でも全員死ねって思いながらやってるんですけど(笑)」
畠山さん
「分かります。大きい会社だと、減給!減給!ってなるけど、小さい所は文字通り死にますよね(笑)。そういう意味では、僕も生命力は圧倒的に身につきました。ある程度のラインを超えると、死ぬ事以外がかすり傷に思えてくるみたいな。」
【新卒で新規事業に携わる事を勧めますか?】
水野さん
「若干穿った言い方になりますが、新卒で新規事業やりたいなら、自分でやれば良いのにと思ってます。それが一番成長できるし。そうじゃないなら新規事業に限らずとも、伸びている業界、勝ちパターンが決まっている所で、しれっと成績の出る事して、いつか回ってくるチャンスを待つ方がいいと思います。質問の回答になってないですかね?笑」
畠山さん
「良いと思いますよ。後、勝ちパターンとは言っても、マーケットが衰退している場合だと意思決定者は絶対と言って良いほどおじさんなので、例えばその空気に四苦八苦して恩義を感じながらやるのは違うなとも思います。」
亀田
「大体の学生って、市場価値を高めたいと思っている人が多いと思うんです。今は正解がないけど、昔はロールモデルがあったので、どの選択をしていけば良いか不安な学生は一定数多いんでしょうね。」
畠山さん
「それでいうと、僕はある種安パイにチャレンジしていた人間だと思います。新規事業やりたいって言ってたけど、本当に正直に言うと全く自信がなかった。自分が作るサービスが何万人にも何十万人にも何百万人にも使ってもらえるサービスを作れると思えなかった。その流れで選んだのがリクルートでした。ただ、今新規事業やりたいと思うのは良いと思いますけど、自分の求めるスキルと、社会の需要をしっかり見極めて自分の時間を投資する事も大事だと思います。」
水野さん
「最後のセリフにはちょっとだけ反論で、僕は何よりも実績が大事だと思っています。僕はNewsPicksを拡大させたっていう名刺代わりの実績があるから、次のチャンスにも繋がっています。市場価値を上げたかったら、名刺がわりになる実績を作る方が大事だと思います。そして自分のファンを作ったら良いんです。
本田圭佑とかウィルスミスとかファンド持ってるじゃないですか。数か質かの掛け合わせですけど、それがあれば生きていける。事業やるときに助けてくれる人がいるんです。」
畠山さん
「さっきも話題に出ましたけど、新規事業作ったときに、一番最初に使ってくれるのは知り合いだけなんですよね。絶対にそう」
水野さん
「サービス立ち上げた時一番最初にこの会社(ITプロパートナーズ)に使ってください!って言いに行きましたもん(笑)」
【新規事業の失敗、成功はどこで区別しますか?】
水野さん
「やめたら失敗です。ITプロの代表の木村さんとかはアトラエという会社出身なんですけど、アトラエは結構長いことかけて上場しましたよね。一時期リストラもしまくっていたし。やめなければ、そして想いがあれば、続く。そして成功する。人生かけてやってるんで、死ななければどうにかなると思ってます。」
畠山さん
「いろんな会社で言われている新規事業というのは、その会社でやっていないことが新規事業って意味ですよね。個人的には、どうせやるなら、社会のルール壊しにいくのがいいなと思っていたりします。
Airbnbだと、ホテルの常識を壊した。そういう事業をやりたいと思っている。それを組織でできるかどうかは疑問だとは思います」
水野さん
「いろんな会社でいう新規事業を、僕はやりたいと思わないです。さっきも言いましたが新規事業やっていると、少ないですが応援してくれている人がいるんです。そしてその人たちは以外にも『騙されてもいいや』って思っているらしいです。」
畠山さん
「新規事業ははじめに誰も使ってくれないと本当に意味ないですからね。グーグル先生の力を借りてトップに来るけど、その後続かない。そして、サービスを持続させるのは結局周りの人を動かす人間性とかだったります。」
亀田
「結局人間性ですね。同じ事思います。」
水野さん
「前職では『水野さん水野さん』だったのに、やめてから連絡すると「すんっ」てそっけない態度になるんです。そして人は裏切る。でもその時に、自分って人間性ってないなって、気づいたことが僕にとってっは成長でした。そして死にかけて生命力がつきました(笑)。やべぇー会社潰れるーって状況を何回か乗り越えると、同じピンチでも優しく対応できる。 恥をいっぱいかいた方が成功できると思います。」
畠山さん
「一緒ですね。死にかけるって事は大事です。追い詰められてる時に「自分は何でこういう事したのに、あいつはこういう事出来たんだろう」と思って。謙虚さとかはかなり身に付きましたね。自分がこの状況を乗り越えたから、次はこうすれば良いというのが分かるというのは大事です。」
亀田
「そういう意味では失敗させてくれる会社がいいですよね。大きい会社は失敗させてくれないんですよね。責任問題になるから(笑)」
【懇親会】
がっつりと身になるお話を聞いた後は、いつものように軽食とお酒を囲いながら前パネルディスカッションで個別での質問や、学生同士の交流にも一役買い、大盛り上がりの会になりました。
【さいごに】
実際にはイメージしづらい新規事業のリアルというものを語った本イベントの模様でしたが、
何かの参考になれば幸いです!
これからも色々な挑戦を仕掛けていくので、ぜひぜひ引き続き宜しくお願い致します!