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「GOには、データドリブンな企業文化が根付いている」
そう語るのは、プロダクトマネジメント本部 DI(データインテリジェンス)部 データアーキテクトグループ・グループマネージャーの孫。
データドリブンな企業文化を謳うIT企業、スタートアップは多いなかで、GOの「データを扱う人間にとってやり甲斐を感じやすい環境」を語ります。
そもそもデータアーキテクトグループの果たす役割とは。孫にとってのやり甲斐とは何なのか。孫の上司にあたるプロダクトマネジメント本部 データインテリジェンス部・副部長の森とともに話を聞いてみました。
森 義志(もり ただし)
プロダクトマネジメント本部 データインテリジェンス部 副部長
SIerでBI導入、業務システム開発を要件定義から保守まで幅広く経験。その後、株式会社Speeeでデータ分析部門を立ち上げ、ランキングアルゴリズムの研究、レコメンドアルゴリズムの設計を担当し、マネージャーに就任。2018年より株式会社ディー・エヌ・エーにデータアナリストとして入社。GOではデータインテリジェンス部を立ち上げ、2022年より副部長に就任。
孫 正勲(そん じょんふぁん)
プロダクトマネジメント本部 データインテリジェンス部 データアーキテクトグループ・グループマネージャー
2017年に来日。日本ではオンプレに構築されたHadoopプラットフォーム管理やオンプレからクラウドへの移行、GCPやAWS環境を構築し社内外のデータの保存・提供などを担当。2022年1月にGOへ入社。
目次
- データの品質は会社の未来を決める
- データドリブンな企業文化が背中を押してくれる
- データのモデリングから、データのマネジメントへ
- データアーキテクト領域の開拓者として
データの品質は会社の未来を決める
ーまずはデータアーキテクトグループの立ち上げ経緯から教えてください。
森:DI部全体のミッションは、会社/プロダクトに対するインサイトを発信することで、会社/プロダクトを正しい方向へ導いていくことです。
森 義志(もり ただし)
プロダクトマネジメント本部 データインテリジェンス部 副部長
前身はアナリストグループとして、新しい機能や施策をリリースする際の定量的な判断材料の提供や、リリース後の定量的な効果測定などを通じ、GOのデータドリブンな意思決定に貢献してきました。
しかし、GOは事業や開発のスピードが速く、ひと月で複数の機能が追加されることもあります。全て定量的に効果測定を行なってきましたが、会社の規模が大きくなるにつれて、品質とスピードの両立が難しくなっていきました。データの品質を保証し、期日までにデリバリーする専門組織として、データアーキテクトグループを立ち上げた次第です。
先ほどもお伝えした通り、データの品質とタイムリーさは、データドリブンなGOの舵取りにおいて重要なファクターになります。僕は「データの品質は会社の未来を決める」という気持ちで、グループを運営しています。
ー仕事の進め方についても教えてください。
孫:私たちが扱っているデータは、主にタクシーアプリ『GO』のデータです。ユーザーアプリのデータ、乗務員端末のデータ、そしてバックエンドのデータをインフラチームに収集してもらって、加工してアナリストグループへ提供していくのが私たちの仕事です。
孫 正勲(そん じょんふぁん)
プロダクトマネジメント本部 データインテリジェンス部
データアーキテクトグループ・グループマネージャー
もう少し具体的に説明しますね。最近アプリから同時に複数台のタクシー車両を手配する「複数台配車機能」の提供をスタートしたのですが、まずは「どのくらいの数のユーザーが利用しているのか」を知りたいですよね。開発側に聞いて、データがあればそのまま取り込んでいきます。完全に新規の場合は何もデータがないので、同じく開発側に「こういうデータが必要なので形式を決めて出力してください」と依頼して、「複数台配車機能」のボタンをクリックするときのデータを出してもらいます。
ただ、日付と「クリックしました」というデータが集まっているだけではアナリストにとっても意味をなさないので、毎日集計して、分析ができるように加工して、社内に共有していくのが私たちの役割です。
森:データアーキテクトグループが揃えるのは、あくまでも“材料”です。ただ、そのままだとアナリストにとっては使いにくいので、彼らが分析しやすい形にアレンジしています。
データドリブンな企業文化が背中を押してくれる
ーGOでの仕事の特徴としてはどのあたりでしょうか。
孫:自由度の高さですね。GA4ログを仕込んでデータを収集するパターンもありますが、GA4ログなどが仕込めないケースではログを定義するところからスタートします。
一般的にある程度決まったフォーマットでデータを収集する企業が多いなかで、GOではフォーマットを定義するところからチャレンジできますからね。私たちのような仕事で、ここまで自由度も裁量もある環境はあまりないと思います。
ー自由度が高くなる理由は何だと思いますか。
孫:やはり会社的にデータドリブンな企業文化が根付いているからでしょうね。
全社的にデータへの理解が深いので、「分析のためにこのログを入れてください」と依頼しても受けてくれる。他の会社だったら「忙しいからできません」「データを分析しなくても利益は出ますよね?」と言われるところも少なくないと思います。
でも、GOは新しい機能をリリースする際に「これは分析ログが必要じゃないですか?」「こういう機能がリリースされるんですけど、ログを出しますか?」と逆に提案されることもあります。データを扱う人間にとっては非常に働きやすさを感じる文化です。
Slackなどで毎日配信しているKPIも上長がきちんとチェックしていて、データに違和感があるとすぐに連絡が来るので「ちゃんと見てくれている」ということを感じられます。なかなか会社やプロダクトに直接的な影響を及ぼすことはできないものの、「会社に貢献できている」「誰かの役に立っている」というやり甲斐は感じやすい環境です。
森:重要度の高さを理解している企業は少なくないと思いますが、限られた開発工数において優先度はどうしても下がりがちですからね。一方、GOではきちんと工数としてカウントされている。そのあたりが大きな違いかもしれません。
データのモデリングから、データのマネジメントへ
ープロダクト開発においてデータアーキテクトはどのような役割を担っているのでしょうか。たとえば新機能の開発に関わるような場面はあるのでしょうか。
孫:基本的にプロダクト開発はPdMやプロジェクトマネージャーが担当しているので、私たち発で新たな企画を提案することはほとんどありません。
森:あくまでもデータアーキテクトの役割は、集めたデータをタイムリーに分析しやすい形で提供していくことです。
仕事の流れとしては新しい機能をつくることになったら、PdMやBizのメンバーとアナリストが「じゃあ、こういう分析がいるよね」と整理。そのうえで「こういうデータをください」とアーキテクトに依頼して、仕事が始まります。ですから、データアーキテクト発で新機能を企画していくことは構造上難しいのかもしれません。
ただ、もちろんひたすらにルーティンをこなしていくような仕事ではありません。僕は会社やプロダクトのフェーズによってデータへの要求は変化していくと考えています。
ーフェーズごとのデータへの要求の変化とは。
森:フェーズごとにデータの扱われ方や価値が変化していくということです。
立ち上げ期はプロダクトのKPIと向き合う、つまりアナリストのステークホルダーは1〜2人ですが、機能が増えていくとどんどん増えてきています。経営層が求めるデータや対外的なステークホルダーに提供するデータも必要になる。関連部署も多いので、「この部署はこのデータをどのように捉えるか」という配慮も必要になります。
つまり、今後は正確さやタイムリーさに加えて、より確実性の高いデータを提供していかなければいけないわけです。従来のデータの“モデリング”だけではなく、データの“マネジメント”により注力していかねばならいないでしょう。
ー途端に難易度が上がるような印象を受けるのですが……。
森:いえいえ。確かにチャレンジングではあるものの、やることとしてはシンプルですよ。これまで人力でやってきた部分をシステムに移行し、何か問題が起きたときのリカバリー作業をできるだけ再現性の高いものにしていくことの積み重ねです。
データアーキテクト領域の開拓者として
ーそういう意味では、やり甲斐のあるタイミングということでしょうか。
孫:そうですね。会社やプロダクト、そしてグループと一緒に成長し、専門性を高めていくことができるので。これまで手作業でやってきたことをシステム化していくことは、ひと回り大きく成長するチャンスだと捉えています。
ー大変な部分もあると思いますが……。
孫:さすがに黎明期とは扱うデータの多さが違いますからね。誰が見てもデータの意味がブレないように提供していくこと、そして全体的に整備していくことは確かに難しさもありますが、達成できたら嬉しいですからね。やり甲斐はあります。
ーそこまで頑張れる理由は何ですか。
孫:データアーキテクトというポジションそのものが魅力的ですよね。『GO』のデータを全体的に見られる人なんて限られていますから。提供したデータの活用方法を把握していけるので、「木を見て森を見ず」というようなことも起こりにくい。
さらにGOでは分業が進んでいて、データの加工や提供に専念できる。収集から分析まで全部やらざるを得ない会社もあると聞きます。専門性を磨いて自分の能力を高めていくうえで、GOはこのうえない環境だと思います。
ー森さんの立場だといかがでしょうか。
森:自分たちがデータアーキテクト領域の開拓者としてチャレンジし続けられることに楽しさを感じています。
データアナリストはある程度王道パターンがあるものの、データアーキテクトは成功事例が少ないように感じます。書籍も少ないので、正解がないなかで「じゃあ、GOにとって価値あるメタデータとはなにか」と議論しながら進めているプロセスは魅力的です。
ー最後に、どのような人と一緒に働きたいかを教えてください。
孫:技術的なところでいうと、BIツールの「Looker」を触ったことがある方ですね。志向性的な部分だと、データを通じて、ユーザーの行動を把握できること。今ならそれほど専門性が高くなくても、一緒に成長していけます。データアーキテクトへのキャリアチェンジも大歓迎ですので、今は非常にチャンスです。
森:僕らが提供できることは3つあります。
1つ目は、先ほど孫も話していましたが、データモデリングの領域に特化できること。より専門性を高めていきたい方にはマッチする環境だと思います。
2つ目は、データマネジメントへのチャレンジです。具体的にはデータの品質をシステマティックに管理できる体制に進めたいと考えていて、スキルによってはリードをお任せしたいと考えています。
3つ目は、分析の“民主化”を進めていくことです。社員も増えるなかでデータドリブンな意思決定をしていくためにアナリスト以外のメンバーもデータに触れる機会は増えてきているのですが、無駄なリスクやコストを最小限に抑えて専門ではない職種の方がデータを利用するハードルを下げる下地を整えていくための旗振り役が必要になってきています。
さまざまなチャレンジが叶えられる環境が待っているので、思い切って飛び込んできてほしいですね。
※掲載内容は2024年1月時点の情報です。