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競合関係だった旧JapanTaxiと旧DeNAオートモーティブが事業統合して誕生した「Mobility Technologies(MoT)」。2020年4月に統合してから半年ほどかけて作り上げたMission/Vision/Value(以降、MVV)について、どのように生まれて、どう活用されていくのか?
代表取締役社長の中島宏に、MVVに込めた想いを聞きました。
Missionは「One Team」を目指す旗印
ーー統合した新会社がスタートした4月1日時点で、すでにコーポレートサイトにMissionが掲げられていました。事業統合、それもライバル企業同士の統合ということで他にも検討事項は多岐にわたっていたと思うのですが、MVVの策定に向けた検討はいつから始まっていたのでしょうか?
統合を発表した2月4日の記者発表から新会社がスタートする4月1日まで、様々なことをスピーディにどんどん意志決定していく必要がありました。異なるカルチャーを持つ二つの会社のメンバーが一緒に議論を進めていくにあたって、ともすれば譲り合いや取り合いが起こる懸念もある。一日も早く「One Team」になる必要性を感じていました。それを実現するには何か旗頭になるものを掲げたいと。
その頃、会長の川鍋と私が毎日会議を持ち、議論したり意思決定をしていったのですが、その際に判断の基準になるようなものは非常に重要だと思いました。MVVはその基準の一つになる。そういったことから、MVVについて考え始めました。
ーーかなり最初の段階から意識していたのですね。そこからトップ2人でMissionを決める議論を始められたのでしょうか?
そうですね、もちろん二人での議論もしていましたが、Missionを検討するにあたっては、社員6名のワーキンググループメンバーを加えて議論して決めていきました。特に「移動で人を幸せに」というMissionにつづく文章は、2人のそれぞれの想いをワーキンググループが中心となって一つの文章にまとめあげました。
ただ、前提として2人の事業にむけた想いはかなり共通する部分が多く、ズレがないということはわかっていました。「移動で人を幸せに」は元々JapanTaxiが掲げていたMissionですが、「タクシー」ではなく「移動」という広いキーワードで捉えていたこと、交通のアップデートというよりは人々の生活そのもの(物流、都市計画など)をターゲットにしていることなど、DeNA Automotiveが掲げていた「Anything Anywhere」のニュアンスと合っていた。ワーキンググループからいくつか他の案も出てきましたが、「移動で人を幸せに」は非常にポジティブでしっくり来る表現ということで、あえてそのまま残して使うことにしました。
ーー社内の反応はいかがでしたか?
DeNAから来たメンバーの反応はどうかなと思いましたが、この説明文を読んでもらうと両社ともお互いに目指すところがそれほどズレていないことがわかって、すんなり受け入れた人が多かったのではないかと思います。「One Team」に向けて意識を合わせるという役割を、しっかり果たしていると思います。
職種や出身会社を越えて、様々な社員がMVV策定に参加した
ーーワーキンググループはどんなメンバーで構成されていたのですか?
両社からそれぞれ職種や人数をバランスよく入れたかったので、指名して集まってもらった形です。Missionが決まった後はVision、Valueも、メンバーの追加などをしながらこのグループを中心に推進してもらいました。
ーーVision、Valueはどのように策定していったのか、簡単に教えてください。
Missionを「社会の中で会社が果たすべき役割、使命」とすると、Visionは「会社が実現したい姿、中長期的な目標」。より事業目標と密接になってくるので、より多くのメンバー全員で議論して決めていく形を取りました。参加してくれたメンバーが30人ぐらいいたので5-6人でグループに分かれてワークショップを実施、ワーキンググループのメンバーがファシリテーションして議論を集約していくという進め方です。毎週定例の会議の中でワークショップの時間を取って議論を進め、2か月程度かけてまとめました。
Valueは「Mission、Visionを実現するために大切にしたい価値観や行動指針」。より日常の業務の中で使ってもらうものになるので、より広く現場の意見を取り込むために、全社から希望者を募ってワークショップを実施してまとめていきました。最終的にまとめるまでに約半年と時間がかかってしまったのですが、全体で40人程度が手を挙げてくれて、部署や職種、出身会社を越えて議論されたのは良かったですね。
ーー策定にあたっては代表のお二人が決めたものを展開するというよりは、社員が積極的に関わってきたのですね。
そうですね、Vision、Valueはそれを考えるところに関わってもらうことが今後会社全体に浸透させて活用していくためにも必要だと考えました。また社員の中にも「MoTという新しい会社のカルチャーをどんなものにしていくか」「自分自身が腹落ちできるMVVであってほしい」など動機は様々ですがMVVを作り上げることに志のあるメンバーがいたので、主体的に関わってもらってきました。
時間はかかりましたが、出身会社や職種など関係なく議論に参加し「MoTをどんな会社にしていくか」を一緒に考えて言語化していくプロセスを経たことは、「One Team」になるためにも有意義なものだったと思います。
タクシーだけではない、MoTが目指す姿とは
Visionでは、「タクシー」という今取り組んでいるテーマと、「社会の発展に貢献」という大きなテーマの両方を掲げています。
VisionはMissionよりも解像度が高く「目指すべき姿」を示すものです。
二社が統合したMoTだからこそできること、目指す姿はどういうものなのかを議論した結果、事業の対象はタクシーに限るのではなく、移動を通じた社会への貢献であり、社会をさらに発展させることであると考えました。それが二つ目の項目です。一方でその前に今取り組んでいる「交通課題の解決」や「タクシー産業の課題解決」も、きちっとコミットしていきたい。そんな思いで一つ目のVisionができました。
議論の中では「交通」にこだわらず「ライフスタイル」など領域を限定しない表現にしたいという意見や、もっとタクシーという移動体験を最高のものにしていくような、目の前の課題を盛り込みたいという意見など、様々なアイデアや意見が飛び交いました。最終的には、事業統合の記者会見でもお話ししたのですが、タクシーを起点に、交通課題、社会課題へと事業領域を広げていくというイメージを明文化した内容になっています。
Visionを検討するワークショップでは、参加メンバー全員が我々の強みや弱みを改めて見つめ直すことにも取り組み、改めて現在のMoTの立ち位置を見直し共有する機会にもなりました。両社のメンバーがお互いを理解する良い機会にもなったのではないでしょうか。
ーー前編では、MoTのMVVの成り立ちや、Mission・Visionに込めた想いなどを聞きました。MoTが目指す姿について少しイメージしていただけたでしょうか。後編ではValue「MoT 4WHEELS」について詳しく聞いていきます。
※掲載内容は2021年1月時点の情報です。