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【Interview #06】「看護師は医療機関以外でも活躍できる。」企業に挑戦した私が今、思うこと。

大学病院の脳神経外科にて看護師として勤務し、のちにビジネスサイドに転職したふわちゃんこと、不破さん。今までのキャリアや「医療機関以外での働き方」を体現する理由、そして悩む看護師への思いを伺いました。

壮絶な病棟の環境を経験して、病院外からインパクトを与えたいと思った。

━━━━━不破さんの今までのご経歴をざっくばらんに教えてください。

自分の大切な人を自分の手で守るすべが欲しいとも考えていたこと、母親が看護師として今なお現役で働いており、母親に憧れがあったこともあり、大学は医学部看護学科を卒業し、3次救急の大学病院に入職しました。

その時の配属は脳神経外科で、主に脳卒中、外傷、脳腫瘍などの患者さんを担当していました。

看護学生時代は病気は悪いものという漠然とした考えがあったのですが、患者さんと触れ合う中で「病気と共に生きていく」という部分に興味を持つようになりました。

病院は治療可能な病気ばかりではないため「残された時間をどう生きていきたいか、どう亡くなっていきたいのか」を一緒に考えていくことができる看護師になりたい!と、考えも変化していきましたね。

覚悟はしていましたが、想像以上に実際の現場は本当にハードでした。少しの判断の遅れやミスが命に関わる厳しい現場であり、それに伴い指導も厳しく人間関係も良好であるとは言えるものではなかったです。正直働く看護師にとって良い環境とは言い難いものでした。

また、忙しさは腹を括っていましたが、忙しさに比例して理想とする看護の提供ができないことに苦しさを感じていました。患者さんと触れ合う時間も本当に少なく、手を優しく握るような寄り添うケアの時間さえも取れない環境でした。

勤務していた1年間で体重は激減。精神的にも辛い時期だったと思います。(今となっては笑い話ですが人生の中で飲酒量が最も多い時期だったかもしれません)

なかでも同期が厳しい指導や人間関係で深く悩んでいる様子を見たときに、「悩むベクトルが患者さんや看護に向いていないこと」に気がつきました。

人間関係に悩みすぎてしまう環境がその方の成長を止めてしまい、成長速度の阻害が人間関係の悪化を生む悪循環になっている」と気が付いたんです。

どこの医療現場も日々の忙しさによる環境や人間関係の悪化はある。しかし、忙し過ぎてしまい中から環境を簡単に変えることはできない…。それなら「医療・看護業界に外部からインパクトを与えて解決したい」と考えたんです。

自分1人だけの力では変えられない状況でも、外部からのパワーがあるからこそ一番大きなインパクトをこの業界に与えられるのではと気が付いたんです。

未知の世界に飛び込むという怖い気持ちもありましたが、思い切って退職を決断しました。

━━━━━退職後はどのような企業に挑戦したのですか?

転職をしたのは、20代の転職希望者をターゲットとする50名規模の人材紹介会社で、キャリアアドバイザー職として入社したんです。この会社では医療分野の採用は行っていませんでしたが、「医療×採用」の領域での新規事業を立ち上げたいという熱量も理解いただき採用となりました。

入社早々カスタマーサクセス(以下、CS)の人手が足りなくなってしまい、最初はピンチヒッターのつもりで業務をしていました。結果として在籍していた2年半ほどはCSとしてガッツリ仕事をさせていただきました(笑)。前職が本当に楽しかったので後悔はありませんし、CSの経験を深く積むことができ学びの多い時期だったと思います。

担当していた業務としては、入社当初はサービスに登録いただいた転職希望社の方がアクティブに転職活動を進めれるようなコミュニケーションの促進をはじめ、次第にユーザーの流入経路や登録CVRの分析から得たデータをインサイドセールスチームのKPIに活用していくなど徐々に幅を広げていきました。

2年目からはCSチームのマネージャーとして、マーケティングチームと連携しながら売上増加を図る取り組みもしていました。3年目ではCSのコンサル業務を獲得するなど、新たな手法で売上を作っていましたね。

ところが、3年目になると自分のキャリアが描きづらくなっていき、さらにずっとやりたいと会社に相談していた医療領域についても「コロナの影響もあり当分の間、新規事業の参入は厳しい」と言われてしまいまして…。

医療分野は参入障壁が高いことも認識をしており、このときに前職では自分のやりたいことを叶えることは難しいなと思い、「そろそろ今持っているスキルを医療の場で確かめる時期なのかな」と思いながら、緩やかに転職活動をスタートさせたんです。

「圧倒的現場主義」というValueに惹かれて。プロダクト拡大の苦しさ・楽しさが何よりも醍醐味。

━━━━━3Sunnyに出会ったきっかけは何ですか?

絶対に転職するという焦りはなかったのですが、色んな企業をとにかく調べまくっていました(笑)。

例えば電子カルテを提供している企業なども候補にありましたが、「新規事業を広げていく経験をしたい」「今までにない方法で医療業界にインパクトを与えたい」という気持ちが強かったので、既に浸透しているサービスにはあまり興味はなかったですね。

当時、私が仕事探しで重視していたのが、①新規事業で新しいものを生み出す大変さ・苦しさを経験し糧にしたい、②前職と同じように小規模の会社、③可能であれば15名ほどのスタートアップ、の3点でした。

理由は、新しいツールを当たり前にしていくことに興味がありましたし、組織はより小さい方が「何が正しいか」という判断軸で動けると思ったからです。前職では50名規模でしたので、15名程度の組織を自分たちで拡大させることにも関心がありましたね。

企業の理念や規模などをものすごく調べていたため、結局面接を受けたのは3Sunnyだけだったんです(笑)。ここまで私が叶えたいことに近い企業はなかったですし、圧倒的現場主義というValueを大事にしながら開発する様子から「このプロダクトは使われるものだ」という確信がありました

どの現場にフィットするプロダクトではありつつも、使われるかどうかは私たちがカギを握っていおり、3Sunnyではプロダクトを拡大させる苦労や楽しみを味わえると強く感じましたね。

━━━━━今の業務の役割と、仕事の難しさ・面白さを教えてください。

3Sunny入社後は、カスタマーサクセスとして主に関西エリアの慢性期病院に向けた入退院支援クラウド『CAREBOOK』の導入支援や地域連携を担う連携会の実施などをしています。

関西エリアはこの1年で多くの病院が導入しており、まさに拡大中のエリアです。難しいこともある一方で面白さも感じています。病院は大きな組織ですので、さまざま方の判断を経てやっと導入が進みます。さまざまな理由で約1年導入を悩まれていた病院に導入いただけたときは、「よっしゃ!」とアドレナリンが大放出しました(笑)。

楽しいと感じるのは、導入前の病院とお話することで「私は導入したいけど、現場にどう話したらいいの…?」など、率直な気持ちを吐露いただくことですね。導入までにさまざまな不安はあるものの、それでも『CAREBOOK』を使いたいと意思決定していただけると本当に嬉しいですし、導入までの伴走にも特別な思いを感じますね。

また、逆に病院から「病院同士の連携だけでなく、こんな風に地域でも活用できないかしら?」とご提案いただくこともあるんです。それだけ、このプロダクトの将来性や可能性の大きさを感じてくださっているということですので、アイデアをいただけることにありがたさを感じています。

とはいえ、まだまだ開拓中のエリアで初めての病院との出会いが多く、最初の5分でどれだけ関係構築ができるかにかかっています。この5分の積み重ねが貴重であり、とても大切だと日々心掛けています

今、会社では1000病院導入を目標としていますが、まさにそれが私の目標なんです。私自身も今やっていることが成功した証明こそプロダクトの広がりだと捉えています。医療介護業界に『CAREBOOK』が広がることでインフラになり、そのインフラを私たちがもっと支えられるように走り続けたいですね。

━━━━━そういえば、不破さんは今、伊豆に住んでいらっしゃるんですよね?

そうなんです(笑)。静岡県の東伊豆町 稲取という町に住んでおり毎週水曜に稲取から出社をしています。

稲取から足を伸ばし、南伊豆にいったときの写真です。海に入る予定はなかったですがあまりにも綺麗だったので服のまま飛び込み遊びました。笑

実は最初から静岡に住んでいたわけではなく、入社時は東京に住んでいました。
ところが、友人が住んでいる稲取を訪問したことをきっかけに「すごく楽しい!」と思い、気が付いたら毎月稲取に出かけるほどになってしまいました(笑)。

同じく移住している友人と遊びに来てくれた友人たちと細野高原に行き、ピクニック(とお昼寝)をしています。休日はゆっくり過ごすことが多くなりました。
12月30日にテントサウナ納めをした時の写真です。水風呂はもちろん海です。

ホテルを探すよりもセカンドハウスを借りた方がコストが安く済むため、2拠点生活用にアパートを借りました。結果として、東京の家に帰ることがほとんどなくなりました。

東京の家を手放して、移住してしまいたいと思うようになりついに勇気を振り絞って会社に相談した結果、「ふわちゃんがやりたいことなら応援するよ!」と認めてくださったんです。自分の決断を否定されたら嫌だなと思っていたので、飛び上がるほど嬉しかったのを覚えています。

こうやって認めてくださったのも、3Sunnyが「その人の強みをどう生かすか」を大切にしてくださる社風だからだと思います。フラットな環境の中で、その人が自走しやすいように自然とフォローしてくださるので、私自身も自分らしく働くことができていると感じています。

看護師をはじめ医療従事者はたくさんの可能性を秘めている。だから勇気を持って。

━━━━━不破さんはどのような人生観を大切にしていますか?

伊豆に住む決断をした理由にもつながっていくのですが、私は「自分にできるだけ素直に生きる」ということを大事にしています。

看護師になったばかりのときに予後数か月になり、人生を後悔している患者さんを何度も見てきました。その中で自然と「いつ死ぬかわからないからこそ、やりたいことは全力でやりたい」と思うようになっていったんです。

私自身どう生きたいかを体現にすることで、周りの方にも「こんな生き方あるんだ」と思ってほしいんです。

特に看護師の世界は、ロールモデルがアップデートされにくいんです。学校で習った理想の看護師像はナイチンゲールやヘレンケラーでした。もう半世紀も前の先輩方ですよね(笑)。

看護師の多様性」が教育の中でも紹介されることなく、1つの選択肢しかないような状態ですので、こういった教育にも影響を与えていきたいという気持ちがあります。

━━━━━企業に挑戦しようか悩む看護師にどのような言葉を掛けたいですか?

西伊豆の風早峠というところです。目の前は曲がりくねった道ですが、必ず頂上に続いているんだよな…そんなことを伝えたくてこの写真を選びました。

看護師の友人からも「私は看護師しかやってこなかったから、他の仕事はできない気がする…」と相談を受けます。

しかし、あれだけ4年間真剣に看護を学び臨床でも実務を積みましたし、その経験が医療機関以外で活きないワケない!と思うんですよね。もっと看護師はすごいんだぞ!と自信を持ってほしいんです。

例えば、看護師のアセスメント力は会社員でも「予測力・提案力」として生きますし、「コミュニケーションスキル」はどんな職場でも生かせます。この2つの力をもっと広げて活躍の場を広げてほしいと思います。

実は、尊敬している大学時代の恩師が「この2つの力は、医療機関以外でも飛び立てる羽になるんだよ」と教えてくれたんですよ。医療英語を担当されていることもありグローバルで視野が広く、看護師の可能性の広さを私に常々語ってくださる先生でした。

私が病院を退職するという話をした際も「大丈夫。この羽を使えばどんな場所でも飛べるよ」と、励ましてくれたんです。

看護師の生き方もさまざまですし、たくさん選択肢があっていいと思います。看護師の羽を広げて医療機関以外の色んな世界に飛び込んでほしいですし、私も3Sunnyでこの羽をもっと自由に羽ばたかせていきたいと思っています。

この記事が迷っている看護師にとって少しでも勇気を与える記事になれたら…、これ以上嬉しいことはないかもしれませんね。

(終)

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