本質はどこに
【1】原点は中学生「本質を見失った」体験
こうしてキャリアを振り返ると、自分の原点は中学時代の野球部にあった気がします。
当時の監督は、殴る・怒鳴るが当たり前の時代。
それまで、上手くなることが楽しくて仕方がなかった野球。
頑張ってレギュラーを勝ち取り、たくさん試合に出ました。
でも──試合の内容は、ほとんど覚えていません。相手チームのことも記憶にありません。
私はいつの間にか、相手チームではなく、監督と戦う毎日を送っていました。
今振り返ると、これが初めて“本質を見失った”経験だったのかもしれません。
当時は気づきもしませんでしたが…。
※でも、当時の監督には感謝しています。
大切なことに気づくきっかけをくれた存在です。
【2】“何のために働くのか”を問い直した社会人初期
高校、大学、そして就職へと進む中でも、「何となく」で選ぶ自分がいました。
社会人になって最初にぶつかった壁は、“本質”と“現実”のズレ。
お客様のためを思っても、それが組織には届かない。筋が通っていない。
大きな組織の中で、ちっぽけな歯車のような自分──
「このままでいいのか」と強く感じました。
そこから私は、
「誰を見て仕事をするのか」
「何を目指して働くのか」
を問い直すようになりました。
飲食店での現場経験は、そんな私に明確な軸をくれました。
人の成長がお客様の感動につながり、自分たちにも返ってくる。
そこからブレないことの大切さを知りました。
理念や信念という“本質”を忘れずに働くことで、初めて人の心が動く。
これが、私のキャリアのはじまりであり、今もずっと大切にしている“軸”です。
『目先の売り上げ』『形だけのKPI』『上司の顔色しか見ない』『会議のためだけの仕事』
本質からズレたときに、自分を引き戻してくれるのは──
あのときの経験たちかもしれません。