株式会社ABCash Technologies / 常務執行役員 経営企画室長
CFO(最高財務責任者)の経験談「未経験者へのおすすめ本」
『他社の目論見書、決算説明資料』新規上場承認企業、上場企業 上場企業やIPO準備会社のCFOの方だけへの推薦図書?となって恐縮ですが、上場承認と同時に開示される目論見書や、決算発表と同時に開示される各社の決算説明資料はとても参考になります。 特に目論見書は、企業の業績だけでなく、沿革といった企業の歴史、役員の略歴、資本政策、各社が認識しているリスク情報などが記載されており、各社が初めて出す開示資料であることから熱量がとても高いものです。 私も作ったことがありますが、数か月を要し、今後のIRを念頭において作るためとても力を入れる資料です。量は多く、文章と数値ばかりではありますが年にそうたくさん出る資料でもないのでオススメします。 決算説明資料は、主に決算短信と同時に出される資料です。ほとんどの上場企業は四半期ごとに作っており、決算短信ではその四半期に発生した事実しか記載されないのに対し、各事業やサービスの詳細や今後のビジョンを、図やグラフ付きで記載されているためとても参考になります。 全ての上場企業のものを見ると大変なので、まずは自分が好きな企業、類似企業、ベンチマークしている企業だけでも良いので読み込んでみると良いと思います。 もし疑問に思ったことがあれば、IRの問い合わせ窓口に聞けば答えてもらえる範囲内で回答してもらえるので問い合わせみると良いと思います。 書籍だと筆者の方に質問をしても回答がもらえることはないと思いますが、決算説明資料であればIR活動の一環としてIR担当やスタートアップであればCFOが直接回答することも多いので貴重な機会になると思います。 なお、新規上場承認企業は、ロードショー等で忙殺されているので質問は控えてあげましょう(笑)