株式会社ABCash Technologies / 常務執行役員 経営企画室長
CFO(最高財務責任者)の経験談「向いている人・向いていない人」
「向いている人:定量的判断に優れ、定性的判断もできる人。 向いていない人:経理部長の上位職だと思っている人」 最近は様々なバックグラウンドを持つCFOが増えていると思います。 共通点は、バックオフィス・管理部門の総責任者であり、定量的情報の扱いに長けていることです。 そのため多くのCFOは公認会計士、経理部門、投資銀行出身の方が多いと思います。担う役割も管理部門の掌握は共通する業務ですが、未上場であれば資金調達やIPO準備、上場企業であればコーポレート・ファイナンスやIR、内部統制なども担うことになります。 一昔前は、経理職の最終形がCFOであり、経理部長=CFOという企業が多かったと思います。 最近は財務経理はもちろん、主に管理部門を総括する経営陣の一人として、定量的情報だけでなく、定性的情報の把握やアウトプットも増えており、「数字+α」の能力が求められます。 私は事業企画、経営企画を経てのCFOであるため、一般的なCFOに比べてファイナンスや財務経理の知識は乏しいですが、反面、事業部門との距離が近く、現場の定性的な情報の把握や処理に慣れているのが強みとなったと思います。 私が同じチームの経営企画部門のメンバーにいうのは「もっと財務経理部門と親しくなりなさい」です。 経営企画部門も、管理部門の中では数値を扱うことが多いですが、財務経理部門がまとめた数値からの判断が多く、どのように財務経理部門がその数値をまとめ、監査法人等と調整をしたかは理解していないことが多いです。 これは財務経理部門も同じで、事実を積み上げ、事実を的確・適切に数値で示してくれます。しかし、その数値をどのように見せるか、どのように経営陣に伝えるか、数値には表れない様々な兆候を定性的情報として伝えるかは苦手な方が多い気がします。 CFOは、その企業における「バックオフィス・管理部門の総責任者」であり、企業が発表する全ての定量的情報の責任者であると思います。それであれば経営企画部門と財務経理部門の両方の知識を持つことがとても大切ではないでしょうか。