味の素株式会社 / グローバル広報部 特命プロジェクト責任者
World Umami Forum開催@NY
フォーラムは、ニューヨーク市内にあるコンラッド・ホテルで開催され、約200名強が参加した。料理研究家や大学教授、歴史研究家など各界の有識者が、食や栄養、歴史、化学などさまざまな視点からUMAMIについて紐解く講演会のほか、「MSGの誤解を解く」と題したパネルディスカッションでは、異なる分野の専門家がMSGにまつわるネガティブイメージや間違った認識をどのように変えていくべきか意見を交わした。 味の素グループがこのフォーラムを開催した目的は、2つあった。1つは、MSGに関する正しい知識を周知すること。「UMAMI」という言葉自体はワールドワイドでも、「MSG(グルタミン酸ナトリウム)=うま味のもと」であることは正しく理解されていない。 とくにアメリカにおいては、過去に「MSGが頭痛を引き起こす」とか「〝チャイニーズレストラン・シンドローム〟の原因はMSG」といった根拠のない噂が蔓延し、風評が去った今なお「MSGはケミカルで健康を害するものではないか」といった懸念を漠然と抱く消費者が少なくない。実際、消費者のそうした懸念を払拭しようと「NO MSG」を掲げるレストランや食品加工メーカーが多く、日本もこの例外とはいえない風潮がある。これらの"誤解"を科学的根拠に基づいた視点から解き、食や栄養の専門家に正しい知識を周知することで、その先にいる消費者の不安を取り除き、おいしくヘルシーな食生活を安心して楽しめるようにしたいと考えたのだ。 もう1つの目的は、うま味の周知とその健康的効用の普及である。うま味の主成分はグルタミン酸であり、そのグルタミン酸を調味料として使いやすくしたのがグルタミン酸ナトリウム、つまりMSGであること。さらにそれを料理に上手く使うことで、塩分の摂取量を控えることができ、満足度の高いヘルシーな食生活を送ることができるという、健康面での大きな有用性について訴求することだった。MSGの安全性・有用性はさまざまな国際機関によって確認され、味の素グループ内外の専門家も認めている事実だからだ。