※この記事は、毎週の社内週報の1コーナーからの抜粋です。
viviONのリーダーたちに聴く「7つの質問」は、マーケティング部&コンテンツ部GMの谷島(やじま)が、普段なかなか話す機会の少ないマネージャー/リーダーと1対1で話し、仕事のこと、人となり、目指していることを知ることで、全社理解のきっかけにしていきたいと考えているコーナーです。
読んでくれた方が『こういう想いでこういうことやってたんだ!』と思えるような内容を届けていきたいと思っています。
今回は、海外事業開発 / 運営チームリーダー、野口 智さんです!
質問① まずは自己紹介をお願いします!入社のきっかけや、これまでどんなキャリアを歩んできたのか、簡単に教えてください。
野口さん:
海外事業部のリーダーをやらせていただいております、野口と申します。viviON、エイシスの入社前は、オーストラリアにいたのですが、そこでイベントの企画をしたり、大学院にちょっとだけ行ったりといろいろとやってました。そんなことをしていたらビザが切れて、どうするかと考えた時に、日本に帰国しました、
谷島:
いつからオーストラリアに?
野口さん:
大学から向こうにいました、自分アメリカ生まれなこともあり、新しい環境で勉強したかったんですよね。オーストラリアでは、心理学を勉強していました。
谷島:
心理学の勉強をしつつ、ビザが切れることもきっかけに日本に戻って来られてというのは私も以前に聞いていたのですが、日本に戻ってきてエイシスの前は何をしていたのですか?
野口さん:
エイシスの仕事です。
谷島:
えっ?いきなり?
野口さん:
はい(笑)
谷島:
それは、オーストラリアにいるときに探してからですか?それとも戻ってきてから?
野口さん:
オーストラリアにいた頃から、いろいろ就活はしてたんですけど、面白そうな仕事があまり見つからず。そこで日本に戻ってきてからインディードで探していたら、エイシスが英語の校正の仕事を募集していて。言語を活かせるんだったらやってみたいなと。他の仕事も探してみたのですが、英語を活かせる仕事っていうのは当時はあまりなかったので、そういう意味ではすごい目立ったんです。自分としてはすごく恥ずかしい話なのですが、当時は事前の調査とか何もせず、校正の仕事というのもよくは分かってはいなかったです(笑)。でも、アルバイトとして採用していただけました。
谷島:
そうなんですね。なるほど。野口さんは、私よりも前に入社されていたので、その当時のことは良く分からないのですが、入社した当時は海外チームのメンバーってどんな構成だったんですか?
野口さん:
自分を含めて4人でした。
谷島:
4人!今は70人くらいいらっしゃいますよね?
当時のエイシスで新規チームって、だいたい4人くらいで始まっているのかな。コミック制作は最初、山口さんと飯野さんと弓高さんと私の4人でスタート。今は5、60人いますけど。
そこから翻訳者の方たちをアルバイトや契約社員など雇っていったんですね。
質問②今、どんなお仕事や目標に取り組んでいますか? チームやプロジェクトの紹介も含めて、最近注力していることをぜひ教えてください。
谷島:
入社されてから今のお仕事に取り組まれてますが、海外の翻訳チームでの野口さんの役割はディレクション的な立場で注力されていると思います。当初の役割からは色々と変わっていきましたよね?
野口さん:
そうですね、最初は外注の翻訳者の翻訳をチェックする業務をメインで行っていて、その後、社内でも翻訳者を雇うようになりました。入社されたメンバーの翻訳をチェックするようになって、いつの間にか翻訳の進捗管理をやるのが私になっていきました。
谷島:
私が昔、人事の責任者をしている時の1on1などでは、翻訳チームのみなさんから、そういった役割の変遷があったこともあって「野口さんを支えたい」というお声をよく聞いてましたよ。そういったかたちで自分たちが翻訳をしたりなど体制が変わって行きましたが、いつの間にか『みんなで翻訳』も開始することになり。
野口さん:
そうですね、『みん翻』ができた時、実は個人的には大パニックでしたね。
谷島:
えっ? 大パニック? なぜですか?
野口さん:
やっぱりユーザーが提供する翻訳をチェックするとなると、何が来るのかが分からない。どんなレベルで来るのかが分からなくて、本当に下手な翻訳から、めちゃくちゃ上手い翻訳まで。それをチェックするっていうような話だったので。
あとは、もちろんいっぱい翻訳作品は出したいんですけど、あまりにも低いクオリティのものは出せないので、そこの線引きをどうするのかとか。最初の方は、クオリティが低くてもそのまま出しちゃおうという話だったんですよね?
谷島:
そうですね、企画した際には同じ作品での複数販売OKにして、良いクオリティの方が売れるはずだからというランキング制のイメージだったので。
野口さん:
はい、そのようなサービスイメージみたいな話だったのですが、プレスリリースとか情報を出してみたら色々と注目度が上がってきて。いやこれ、『みん翻』で下手なものを出せなくなったぞって。それで審査基準とかをいろいろ設ける必要が出てきました。
谷島:
そんな気持ちでとらえているとは当時は知りませんでした。たしかに、プレスリリースを出したら、すごく注目度が高くなっちゃいましたもんね。
野口さん:
はい、でもその方向転換は正しかったと思っています。あの時に頑張ったからこそ、今も『みん翻』は続いてるんだなぁと。あの時に翻訳がすごくクオリティが低いって叩かれてしまったら、もしかしたらそれでサービスが終了という未来も一応あり得たと思うので。
谷島:
なるほど。そういった責任感を持って海外チームのみなさんが『みん翻』に取り組んでいただいた結果、プロダクトとして大きくなって、リリース4年未満でGMVが25億円にいきましたよね。
野口さん:
そうです。自分が一番見ているのが月間でどのくらいの作品がリリースできるのか?というところなんですけど、最近では月に2000件が販売開始できるようになりました。以前だと、まだ1000件を超えていないか~みたいな話をしていたのに。
谷島:
そういう意味ですともしかしたら、翻訳作品を販売するという事業として違う取り組みに、同じことをやっているのに全く違う取り組みになったものって、『みんなで翻訳』くらいかもしれないですね。
野口さん:
そうですかね、ユニークなサービスだとは思っております。他の会社さんとかを見ても、素人かもしれない翻訳者に翻訳していただくっていうのは、まず考えられないというか。我々も社内の翻訳のメンバーですら、翻訳テストを受けさせて、合格できたら契約結ぶ、そうじゃなかったらお断りというかたちで一定レベルのチェックをしていましたので。
谷島:
確かに。やってましたよね、テスト。プロの翻訳家という基準を決めて、テストやって合格したらOKで。今はそれもせずに、一回審査基準を受け入れて、売るか売らないかでチェックしている。確かに、そう言われると全然違いますね。
新しい事業が生まれて伸びるものって、リスクを取ったチャレンジがありますよね。素晴らしい話だ。
野口さん:
そう言ってもらえて、よかったです!
谷島:
以前に、どうやって翻訳者を選んでるの?って聞いてきました。このテストでちゃんと同じぐらいのクオリティが出せないといけないから、なかなか増やせないって、当時の辻さんたちから聞いてました。そこから素人でもいいから翻訳者として使ってもらい、対応するための審査基準を変えて、マントラを入れて、エポックメイキングなサービスができているからすごいですね。常識の反対に取り組んだと。
野口さん:
そうですね。
谷島:
ちなみに、『みんなで翻訳』ができたときは、私たちも事業の案出しをしていたので、どっちかというと『みんなで音声』の方が先だった記憶です。作品に声をつけられるっていう方向性で、ボイスコミックを売ろう、が最初案として、同時ぐらいに全体戦略会議に出ていました。
でも音声のクオリティの問題になって、収録の雑音とか取らないといけないよねみたいな話で。その時はちゃんと頑張って作ろうと思って、ボイスコミックはスタジオで収録をやろうになったのですけど。
『みんなで翻訳』はそこをプロじゃなくて、素人でいこうって。審査基準で頑張ろうってなったんですよね。
もしかしたら、『みんなで音声』雑音を消すのはこっち側で頑張るよとか、やれたら、できたかもしれないですね。
野口さん:
それは確かにあったかもしれないですね。
谷島:
『みんなで翻訳』は受け取ってからこちら側が頑張る話じゃないですか。
野口さん:
はい、もちろん、クオリティがあまりにも悪かったら差し戻しとかもあるので、これをこうやってくださいと言って、ちゃんとそれを受け入れる翻訳者さんも多いので、ちゃんと修正も行っていただけます。
谷島:
あー、逃した感を今感じている。『みんなで音声』に関しても差し戻ししたりすればいいとかにすれば。編集ができるかどうかがちょっと、合わせるのが大変でって~って話にはなった記憶です。
野口さん:
『みん翻』とは難易度は確かに違うとは思いますね。
谷島:
話が横にズレましたので戻しまして。そんなかたちで『みんなで翻訳』がメインとなって取り組まれていますが、今チームとしての目標はどこを目指して取り組まれてますか?
野口さん:
自分は『みんなで翻訳』と、『社内翻訳』という公式の翻訳2つをメインで見ています。『みんなで翻訳』は審査のスピードを重視しています。やはり審査に時間がかかってしまうと「私の作品はいつ出るんだ!?」って翻訳者の不満も溜まってしまうので。それをなるべく減らすために、スピードを高めることを目標にしています。
質問③ 最近「これはうまくいった!」と感じた取り組みはありますか?規模の大小は問わず、ご自身が「やってよかった」と思えた経験を教えてください。
谷島:
目標である審査のスピードを上げるために、取り組んでうまくいった取り組みはありますか?
野口さん:
最近では話題のAIを活用しております。チームの堀田さんがAIで色々と取り組んでいただけてまして。例えば、日本語のテキストと翻訳された中国語のテキストを比べて、誤訳や誤字があったら、それを指摘してくれるAIアシスタントを作成したりなど。
あと、差し戻しを行う際に、翻訳者に対してコメントを書くのですが、その差し戻し用のコメントもAIが補助的に用意してくれるので、このコメントが大丈夫だったら、ワンクリックでコメントを追加できる、みたいな取り組みを試しています。
谷島:
色々と取り組まれていますね。
野口さん:
翻訳自体をAIでというのは、反対意見が翻訳者の中では多いので、AIを使って翻訳しようぜっていうのは、あまり考えてはいないです。翻訳校正のアシスタントとして入れるくらいでしたら、全然効率アップも図れますし、人間が翻訳した方が良い翻訳というのがそのまま残るので、なかなか良いやり方なんじゃないかと感じています。翻訳と機械翻訳は共存できないみたいな考えを持つ人も多いのですが、これだったら良い道を探れるんじゃないかと。
谷島:
校正に関するとか、アシスタント的なところだったら良いよねって話は私も共感します。データ横丁というイベントで私も登壇して、『みんなで翻訳』の良いところはAIに全部やらせないところですって話をさせていただきました。
野口さん:
ですです。みんなで翻訳では一応、機械翻訳はNGとしていますしね。
谷島:
機械翻訳はダメですが、『みんなで翻訳』はハイブリッドを目指していて、一石二鳥みたいなサービスをシステム的にどう組めるか?と考えているんですって、話してきたので。
野口さん:
間違ってないです。
谷島:
そういう意味だと進化が進んでいますね。公式翻訳の方はいかがでしょう?
野口さん:
公式翻訳も同じように校正にAIを入れるというような動きはあるのですが、ベースの翻訳する文字数というのが段違いで、一作品で何十万文字というものがあります。ですので、一回ベースの翻訳に関しては機械翻訳で出して、それを後から校正するという『ポストエディット(※)』という手法を取れないかというのを今検討中です。そこで目指しているのは機械翻訳っぽくないちゃんとした翻訳、でも通常の翻訳より早く作業できるというところを目指してです。
(※『ポストエディット』とは機械翻訳の出力結果を人間の翻訳者が確認・修正し、より品質の高い翻訳に仕上げる作業のことです)
谷島:
工数を上げるためにですね。
野口さん:
こっちは完全に機械翻訳使ってるやん!ってなっちゃいますが、でもその機械翻訳っぽさを残さないっていうのが大きな課題ですね。
谷島:
なるほど。
野口さん:
最近、Geminiとか、Chat GPTとか、すごい流暢な文章を出すので、逆に機械翻訳っぽさというのはなくなってきているのかなと思います。ただ、それがちゃんと正しく翻訳されているのか、やっぱりミスとかも普通にありますし、トーンとかも勝手に決めるので、それが合ってないところは本当に人間にしかできない。ちゃんと人間がやって、他は機械に任せてもいいような形で、大型の翻訳案件とかもどんどんやれるようにはなっていきたいなというのが目標です。
質問④ またその取り組みがうまくいったポイントや、意識していた工夫はありますか?
谷島:
それはうまくいった、うまくいき始めてるなって実感をし始めてる話だと思うのですが、野口さんがリーダーとして役割が、事業としての進化とプロダクト開発とを連動させている話かと。これって、こういう風にしていこうよというポイントとか、変えていこうみたいな話って、どこから始まっているのでしょうか?
野口さん:
いろんなメンバーがそれぞれこういうことをやりたいよねっていう感じで出てきます。
実は、野口発案っていうのはあんまりないのですが、その案は野口がいつのまにかやっているということが多く。『みんなで翻訳』の審査体制もまさしくそんな感じでした。
谷島:
では、AIを活用していこうとか、そういうふうな話もメンバーからの案だったんですね?
野口さん:
そうですね、みんなからの案でした。
谷島:
とはいえ、これやりましょうとか、それをフローに組み込んでどうこう変えていこうっていうのは基本的にリーダーとして判断していかなきゃいけないじゃないですか。そのあたりでどういったところを意識して、今の現行のものをやりながら、これを取り込もうという動きはどんな意識で考えているでしょうか?
野口さん:
自分が一番気にしているのが、メンバーのモチベーションです。「機械翻訳を使う=翻訳の質が悪い」という考えが普通にあるので、そうじゃないんだよって、納得してもらうっていう。
これをやることによって、工数がどのくらいセーブできるかとか、本当にそこの対話が重要だなと思っています。いくら新しいツールを導入しても、メンバーが使わなかったら意味がないので。
谷島:
メンバーのモチベーションを気にしているというのは、いつからそうなんですか?
私が人事として野口さんとお話をしていたときも、海外チームってまずそこだなって印象はあって、野口さんはそこが上手い印象です。
そういった新しい案が出てくるということは、裏を返せば主張が強かったり、取り組まないと判断するとモチベーションが下がる場合もあり。でも、そこを上手くできる野口さんっていうのが、私の中で野口さんの一番イケてるところだなと。
野口さん:
自分はそういう役割が多いなと、昔を振り返るとそう思っていて。オーストラリアの頃のお仕事も、イベント企画もボランティアの育成とか統括としていました。今の『みん翻』の役割と変わってないなと。
谷島:
昔からメンバーの取りまとめ役を担っているんですね。
野口さん:
そうですね。ありがたいことに、メンバーもコミュニケーションに関してはすごく取ってくれるので、本音で結構話せている気がします。だからこそ、不満とかも色々聞ける。その不満を聞くことができるから改善にもつなげていける場合があります。
例えば、仕様上は無理なんですというのがある場合、開発工数とか開発の皆さんからも、「すみません」という話があります。提案したけど何も動かない場合、不満がただ増えるだけなので、こういう開発の事情があるんですって、一言でもメンバーに返せるような状態にしていくと、良い感じにみなさんのモチベーションを保つこともできるのかなと思います。
リーダーになってやっぱり得られる情報というのが変わるので、それをしっかりとメンバーにも共有しないといけないんだなって思います。
谷島:
いや~、リーダーとしてめっちゃ良い話ですね!
野口さん:
皆さんの視野を広げたいんですけど、それを広げるための材料を共有しないと広がらなくて。
それがちゃんとできているのかなっていうのがすごい心配です。偉そうには言っているものの。
谷島:
今の話、一番良かったのが、本音でメンバーと話せているかじゃなく、不満をしっかり聞けているということが重要っていうのは、すごく良い話だなと思って。
その視点で捉えている人は少なく、不満を言われるとまずは困るじゃないですか。1on1するときに不満も本音というか、ちゃんと不満も聞き出せているから、コミュニケーションが取れているっていう感覚なんですよね。
野口さん:
だと思います。そうだと良いな。
谷島:
なるほど。一言でもそれに対して持っている情報の中から返せて、ちょっとでも納得してもらえれば良いと。
上長である辻さんとの役割分担はどんな感じでしょうか?
野口さん:
辻さんはアイディア出して、それやろうぜってみんながついていく。自分はビジョンを出す派ではないです。
谷島:
そうなんですか?たしかに先ほど、みんながやりたいことに巻き込まれているというようなニュアンスで話されていましたが。
野口さん:
辻さんだけでなくて、うちのチームは内匠屋さんや堀田さんとか、いろいろアイディアを出して取り組んでいるので、置いてけぼりな感じがしちゃうんですけど。
谷島:
いやいや、そんなことないと思いますよ。
野口さん:
でも、自分の強みはそこにはないかもしれないと最近思うようになっています。
自分はチームをまとめるのが仕事で、それをずっとやってきたので、それをもっとうまくやりたい。もちろんチームの未来のことを考えて、そういう意味ではすごいビジョンが必要になってくると思うんですよね。『みん翻』もっとこういう風にしたいから、チームを今のうちからこういう風に行動させる。ただそのビジョンというのが上手く出来上がらないから、どう準備すればいいのかが分からないというところが自分の中の葛藤ですね。
谷島:
簡単には上手くいかないですよね。現実の話がありますからね。だからそこをどうするかという。
野口さん:
例えば堀田さんのAIを活用するという話が出てきて、じゃあそれに乗っかって。こういう未来が築けそうだから、こういうふうに動こうということは、最近できるようになってきています。自分の力でビジョンを生み出すのは諦めても、他の人たちのビジョンを借りて、そこで動くっていう。
谷島:
諦めてというか「アレンジ力」、チームのマネジメントとかコミュニケーションを取るとか、そういう風なアイディアを含めてどうするかっていう「アレンジ力」が高いのだと思います。
野口さん:
高いのかどうか分かりませんが、でもそう思いたいですね。
質問⑤ これから挑戦したいこと、実現したいことはありますか?チームの展望でも、個人の野望でもOKです!
谷島:
この先、海外チームなのか、それとも野口さんなのか、みたいなことで言うと、今後どういう挑戦をしたいですか?
野口さん:
そうですね。翻訳者が本当に自由に作品を出せるような環境を作りたいです。
今は審査という壁があります。作品をリリースするためにも、審査にだいたい5営業日、プラ運さんのほうで登録してもらうのに5営業日、10営業日くらいは待たせることになってしまいます。だから理想は翻訳を提出して何かしらのチェックが1日くらいで入ってすぐにリリースできるくらいにしたいです!
谷島:
1日以内でリリース!
翻訳者の方は一回出して、10営業日かかるとちょっと待っちゃったりするのでしょうか?
野口さん:
翻訳者によるかもしれませんが、本当にいっぱい翻訳してくれてる人たちはどんどん出してきます。そのため申請の上限というのを設けているんです。だから、そのマックスまで行って、早く審査完了しないと、私は次の作品を翻訳できないんだというような。
谷島:
なるほど。上限に行ってしまうとできないんだ。
野口さん:
これはサービススタート時に翻訳をしないけど、とりあえず申請しとくかみたいなことがありまして。
谷島:
確かにありましたよね、まず抑えようみたいな。そこのバランスがあるからか。でもここが縮まれば、別に上限値は関係なくなりますよね?
野口さん:
そうです。翻訳がすぐ出せるっていうのは、クリエイターさんも嬉しい、翻訳者さんも嬉しい。
谷島:
ここができるかどうかっていうのは大きいですね。
野口さん:
他の翻訳サービスを見ても、こんなスピードで翻訳を出すというのはなかなかないのではないかと。今でもスピードは充分早い方だと思いますが、もっと早くですね。
質問⑥ 気になっている市場トレンドや、参考にしている企業・サービスはありますか?マーケティング部からの調査・情報提供の参考にします!
谷島:
ちなみに、翻訳関連とか、気になっているサービスとかあるんですか?
野口さん:
二軸ありまして、一つは純粋に同人クリエイターを狙っているパブリッシャーというのが最近すごく増えていまして。黒畑さんなどが色々と例を挙げていると思うのですが、ちょっと危機感っていうのがあるなっていうのが一つあります。
もう一つが自分のプライベートで、アニメとか見るときに英語字幕で見るとか、ゲームをプレイするときに、一周は日本語でプレイして、もう一周を英語でプレイするみたいなことをやっておりまして、その際に翻訳事情ってどうなってるんだろうと。
翻訳は何をすべきで、何のためのツールなんだろうというのをすごく考えます。本来の作品の良さを伝えるのが翻訳なのか、その言語で作品に合ったストーリーを提供するべきなのか。
前者が翻訳で、後者がローカライズになるんですけど。どちらを追求するべきなのかとか、『みんなで翻訳』の翻訳者が突拍子もない翻訳を出した時に、それっていうのは翻訳なのか、ローカライズなのかの判断をどうするべきなのか?と。ですので、他のサービスの翻訳っていうのはすごく気にします。
谷島:
そうですよね。映画の翻訳でも場面に合わせると、あえて絞った日本語にしなきゃいけないし、それで本来の訳だと全然違うっていう可能性はありますからね。
野口さん:
そうですね。字幕付けも我々やっているんですけど、短いセリフで大量の文字を入れないといけない。Webサイトも同じですが、日本語だと2文字で英語だと10文字になって、それを短くできませんか?ってたまに依頼が来て、どうすればいいんだろう?みたいな。
谷島:
難しいですよね。リズムの問題もあるから。なるほどな、真髄な話ですね。翻訳者さんによって色が出るじゃないですか。全然ニュアンスが変わりますね。
野口さん:
はい、変わります。忠実な翻訳をすると、英語ではすごく不自然な翻訳になってしまう。それを通して良いのか、ダメなのか。
谷島:
審査基準はどうなっているのですか?
野口さん:
審査基準は、なるべく翻訳者側に有利にはしています。どちらかというと、結果が良ければ良いじゃないっていう。ローカライズであまりにもストーリーからズレているような翻訳だったら、それはもちろんアウトです。しかし、「私は青い海が好き」っていうのを、「私は海が好き」って青いが抜けていたとしても、その青が重要なのかどうか?っていうのは他の部分を見ないといけない。
谷島:
物語として一通り行っているかどうかって感じですね。
野口さん:
青いを表現することによって、逆に英語の翻訳とか中国語の翻訳が不自然になってしまう可能性もあるので。でも、そこもすごくメンバーが頑張って、「この表現ってこんな感じに聞こえるんですよ」って色々と話してくれるので、じゃあこれはダメだよね、これ良いよねみたいな話で判断ができていると思います。
谷島:
例えば、その翻訳で良いか、承認するのは野口さんになってるって感じですか?
野口さん:
そうです、迷ったら野口みたいな。最近はそういう相談も減っているのですが。
谷島:
重要人物になってきてますね。
逆に野口さんがリーダーとしてこの先もっとそういった判断ができる人を増やした方が良いじゃないですか。そういう意味での育成はどうやってるのですか?
野口さん:
上げていきたいなぁと思っている人たちには、リーダーっぽい動きをさせています。メンバーによっては独自で1on1をやってくれていたり、他メンバーの様子を教えてくれたり。そういうことを少しずつやって、教育をしようとしています。
皆さんのやる気がすごいので成り立っています。今のポジションの必要最低限のことよりもプラスを求めるために、結構無茶な要求をしてるなとたまに思ったりしますが。それをしたことによって給料がすぐに上がるわけではないですし。でも、それで評価が良くなるかもしれない。
谷島:
打算的にとか、この評価じゃないとなぜなんだみたいな感じから、変わってきたのですね。
野口さん:
やっぱり上がりたいとか、上のポジションに行きたい、正社員になりたいっていうような人が増えて、そこが変わっているんじゃないかなと思います。
谷島:
すごいなぁ。プラスを求めているような良いチームになったってことですね。
野口さん:
だと思います。
谷島:
みんな日本が好きとか漫画好きだからっていう熱量は日本人よりもありますからね。
野口さん:
そうかもしれないですね。二次元コンテンツが好きっていうのももちろんありますし、日本が好き。わざわざ日本に来てくれて、ここを選んでくれているので、それだけでも本当にありがたい。なおかつ、自分の割り当てられた仕事以外でも頑張ろうとしている姿勢をすごい感じるんですよね。
谷島:
良い話だ~。このインタビュー記事をみんなで読んでほしい!
質問⑦ 社内で「最近ありがたかったこと」「これから一緒に取り組んでみたい部署」などあれば教えてください!感謝の気持ちや、今後の連携希望など、カジュアルにどうぞ。
谷島:
海外チームとして、他の部署とこういうことやりたい!みたいなのってありますか?
野口さん:
もちろん、いつもお世話になっているプラ運さんとか、開発さんとか、そこをもっと一緒にチーム感を作りたいなと思いますね。
谷島:
なるほど、確かにね。あった方かいいですね。これだけやってるんだって。
野口さん:
あとは、ちょっと話がズレてしまうんですけど、人事や労務チーム。うちのチームのメンバーの入社の際に、ビザなど書類とかの用意とか、そういうところをやってくださっているので。やっぱりビザの更新とか、ビザの話は心配になるメンバーとかもいて。面接を行う際にビザのことを気にする方も多いので、そこもちゃんとカバーしてくれている。だからこそ、viviONを選んでくれているかなって。
谷島:
海外で働く場合じゃないと気づけない、良い話ですね。
安心して働ける環境、それがちゃんと整備されているってこと自体が感謝すべき話ですね。
野口さん:
本当にそう思います。自分も海外で働く際には心配になります。海外事業部だけではないですけど、海外籍の比率が高いから、そういう意味では一番お世話になっております。
編集後記(谷島)
野口さんがまだアルバイトだったころ、一緒にランチに行って人事として相談に乗ったりしたこともあるのですが、その時からの成長を感じながらインタビューをしていて嬉しくなりました。
『みんなで翻訳』が始まった時の苦労や、審査基準の対応など、責任感を高く持って取り組まれたチャレンジが今の事業成長にも繋がっていて。チームをまとめよう、不満ですらコミュニケーションが取れている証拠として捉える視座の高さと視野の広さが勉強になるなと思いました。
海外事業部の安心して働ける環境づくりは、野口さんのその捉え方にあるなと感じましたし、今後「世界のviviON」になっていくために必要なことだなと思いました。
次回もお楽しみに!