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「空間性」を意識したオンラインイベント設計|DevLounge.jpデザイン秘話

新型コロナウイルス感染拡大により、これまでエンジニアコミュニティのつながりを支えていた技術イベントもこれまで通りの形では開催が困難になっています。

そうしたリアルな場での交流&ナレッジ共有の機会の減少を受け、「開発者が出会い、つながり、語り合う」ための場所を提供したいという想いを募らせた私たちは、2021年4月24日にWantedly初となる開発者向けの大規模オンラインイベント「DevLounge.jp」を開催しました。

この記事では、会場造作からイベントグッズのデザインまで、オンラインでありながらリアルイベントの価値を届けるためにデザインチームが行ったいくつもの工夫についてお伝えします。

つながりを育む場所を作りたい

プレゼンテーションを主体とした通常の技術カンファレンスとは異なり、fireside chat(特定のテーマに基づいたカジュアルなトークセッション)をコンテンツの軸に企画された今回のイベントのメインコンセプトは「開発コミュニティーとのつながりを再確認できる場所」というもの。

「DevLounge.jp」というイベント名もまた、開発者がオンラインで集う「バーチャルな空間性」を軸に開発され、「#デブラジ」の略称とあわせてそのライブ感がSNSにも広がるように考案されました。

つながりを生む場所というコンセプトはイベントのキャッチコピーである「ノードをつなぐ、エッジが生まれる」にも反映されています。イベントのVIでもある「D」の文字もまた、ソーシャルグラフにおけるノード(節点)とエッジ(辺)を用いて表現することで、イベントのコピーおよびコンセプトをロゴ自体が体現できるようにしました。

Event Naming & Copywriting: Ken Kasei(@Dr_KenDog)
Logo: Mao Sugaya (@maosugaya)
Creative Direction: Yusuke Mochizuki (@mottie19)

特別な空間に集まりたい

オンラインイベントでありつつも開発者がバーチャルに集う空間性を再現するには、スタジオセットを通じてイベントのコンセプトを視覚的に構築することが必須になります。そこでDevLounge.jpは過去にWantedlyが主催したイベントの中でももっとも会場造作に意匠を凝らしたイベントとなりました。

さらには今回、2トラックに分けてトークセッションを配信するという事情もあり、同一のコンセプトのもと2つのスタジオそれぞれの視覚的差異を際立たせなくてはいけません。

Aトラック用のスタジオはLPや映像と同じくイベントのキービジュアルをベースとしたステージライクな造作に。天井の高さを活かした俯瞰からのカメラワークや、本格的なライティングなどによって見ていて飽きない視線設計を凝らしました。

一方でトラックB用のスタジオは、イベント名である「ラウンジ」的な空間として、コージーなくつろぎを演出。立体化したイベントVIの「D」をステージ上に造作することで、アットホームな空間性とブランド・アイデンティティを両立させる工夫をしました。

画面越しに同じ空間を共有したい

オンラインイベントの空間演出は、会場造作にコンセプトを反映させるだけでは完成しません。なぜならば、視聴者はスタジオセットの外側で画面越しにイベントに参加しているからです。

では、画面の向こうにいる視聴者とリアルタイムに同じ空間を共有するにはどうすればいいか。この不可能にも思える問いに対する私たちの回答は、「イベント特製のオリジナルグッズを視聴者に届ける」というものでした。

特別な一杯とともにくつろぎながら、まるで同じラウンジに集っているような気持ちになって欲しい……. そんな想いで私たちが用意したのはエンジニアコミュニティのシンボルである”プログラミング言語”にちなんだ「CODE COFFEE」のオリジナルパッケージ版と、イベントロゴをプリントしたマグカップ。それらを特製ギフトBOXに梱包し、参加申込をいただいた方々に先着・抽選でお届けしました。

イベントのオンライン開催が当たり前になった今、「会場の空気感」を通じて没入体験を作り出すことは困難になっています。だからこそ、イベント主催者は画面の向こう側にいる参加者まで巻き込んだブランドコミュニケーションのあり方をつねに考え続けなくてはいけません。

生活のあらゆる分野でオンラインがリアルを代替するこのご時世では、画面越しにブランドエンゲージメントを獲得するための新しいコミュニケーションが必要とされています。私たちWantedlyもDevLounge.jpで得た気づきをもとに、コンセプトを細部に宿らせるデザインアプローチをさらに磨いていきたいと思います。

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