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very50のメイン事業であるMoG。国内外の事業家の方の協力のもと、高校生がビジネススキルや社会問題を学びながら、事業家の方へプロジェクトを提案するプログラムです。MoG実施に当たってはさまざまな方に携わっていただいており、今回は、6SF(6 Steps Facilitators)としてMoGに参加いただいている藤澤颯太さんにお話を伺いました。
ーどんな学生時代でしたか。
家庭的に貧乏なのもあって”大学行かずに働け”ムードがあった中、その時は英語教師になりたかったので、自分で学費を払うという条件で大学に入りました。ただ、そこからお金との戦いが始まって。完全歩合制の訪問販売を始めて、その頃出始めてたポケットwifiを売っていました。学生、社会人合わせて50人ぐらいの会社だったんですが、その中で歴代最高の売り上げ記録を出して。一つやり切ったな、というところと、結構ストレスもあったので、大学2年生の時は電話での販売営業をやるようになって、そしたら今度は一緒にやっていた人と起業しようという話になって、大学2年生の終わりぐらいに起業しました。この会社も販売営業の仕事だったんですが、その会社を大きくしていくというところにあんまりワクワクしなくて、大学3年生半ばでそこを辞めて。もうお金はあるけどちょっと無気力になってた時に、ゼミの先輩にインターンに誘われて、行った会社が組織や採用のコンサル会社でした。
ーその会社が1社目ですか?
そうですね。大学三年生の時からコンサルタントとしてインターンをして、気づいたら内定者になってて、結局5年くらいコンサルをしてました。で、10人だった会社が100人ぐらいに拡大する中、新規の営業を任されて、営業が2〜3年。
ー昨年の秋に辞められたと伺いました。理由は何ですか?
その会社の仕事があまりにも属人性が高くて、コンサルタント1人にかかる負担がかなり大きい中、それを後輩に伝えたり、組織として型にしていくっていうのがすごく難しくて。その組織の成熟度も頭打ちになってくる中、この会社を良くすることにしっかりコミットしてくのか、自分の人生を生きるのかっていうのが、問いとして出てきて。もともと子供の教育がずっとしたかったんですよ。昔、滋賀県の山奥で子供50人ぐらいが集まって暮らす「子供村」っていうイベントに参加して、火がおこせなかったら飯抜きみたいな結構ワイルドなイベントだったんですが、そこで自分の土壌ができたと思っていて。今度は自分がそういう場所を提供したいなと。なので今は、個人でコンサルを続けながら、子ども向けの自然教育をするために企画をしているところです。
ー現在、very50にはどのような形で関わっていただいていますか?
MoGプログラム(※)の事前授業と現地でのプログラム運営をしています。事前授業については、生徒のレベルや学校の状況に合わせて、スタッフの方とやりとりしながら授業のコンテンツを作って、1週間に1回、実際に学校で授業をしています。
※MoGプログラム:国内外の事業家の方の協力のもと、高校生がビジネススキルや社会問題を学びながら、事業家の方へプロジェクトを提案するプログラム。ビジネスの基本を学んだり、事業家や市場について調査する事前授業の期間と、実際に事業家が活動している現地へ赴いてプロジェクトを進める期間の2つで構成されている。
ー難しいなと思うことはありますか?
事前授業の期間に現地に向けて流れを作っていくところですね。生徒や先生の状況を見ながら、最後尻上がりに現地につなげるというところ。あと、一緒にプログラムをサポートする大学生メンターとの関わりも重要です。事前期間から彼らとちゃんと意思疎通してないと、現地でのプロジェクトが難しくなってしまうので、各方面への目配りが重要です。
ー生徒の様子を見ながら、というのは具体的には何を気にかけていますか?
まずは、生徒に考える力がどれくらいあるか。例えば、課題を与える時にどのくらいの粒度で与えたらどんな反応になるのか。「この企業の情報を元にペルソナを考えて、課題を決めて、アイデアを出してください」という課題を出した時に、なかなか動き出せない生徒さんもいれば、ある程度考える道筋を知っている生徒さんもいるので、そこは生徒さんに合わせて変えなければいけない。あとは、授業へのモチベーション。僕が担当しているプログラムは任意参加ではなく、学校として行こうと言っているものなので、彼らが自分からやりたいと思ってることではないんですよ。なので、生徒たちが何にワクワクするのか、っていうモチベーションを沸かせていって、現地でのハードなプロジェクトを生徒さんが超えられるようにチューニングしないといけない。
ー学校側とのコミュニケーションはどのようにされているのですか?
主には授業前のミーティングですね。次どういう授業をしようと考えているのかとかの授業の方向性の共有もしますし、あとは生徒たちが今どんな状況でこのままいくと現地でこういうことが起こる可能性がありますということを話したりします。僕が担当している学校は、very50のプログラムを導入するのが初めてのところなので、そのことを頭に入れながら、今何が必要なのかを説明して理解していただきながら進めるという感じですね。
ー関係者が多いので、なかなか大変そうですね。
そうですね。関わる人の多さもですし、数字では見えないものが多いので大変ですね。モチベーション一つとっても見えにくいじゃないですか。しかもそれは一人一人個に対してというより、40人っていうクラスだったり、学校っていう組織だったりするので、いろんなものが複雑に絡み合っている中、状況を判断して課題を設定して、それに対して授業を持っていくというのは簡単ではないですね。ただ、ここはvery50の人が、めちゃくちゃこだわってるところだと思っていて。色んなステークホルダーの意図を汲み取りながら、プログラムを作っていくみたいなところ。それが、ただビジネススキルを教えてるってだけじゃない、very50のすごさだと思っています。
ー事前授業の後の現地。現地はさらに大変と伺いましたが、特に何が大変ですか?
その瞬間瞬間の判断することが増えるんですよね。よりスピード感が必要になる。僕はそれがすごい楽しいと思ってます。一つ一つ持ち帰って戦略を立てた上で戦をしていくゲームから、テニスのラリーみたいなゲームになるんですが、来るものをどんどん返してるうちにちょっと奇跡みたいなドラマチックな噛み合いとかがあったりして。しかも現地の方が、刺激もアウトプットの機会も多くて、生徒へのインプットも入りやすくなる中、高校生がどんどん”進化”していく。僕の場合、一番のモチベーションはやっぱり現地の終わった時の景色を見ることですね。事前期間、現地通していろんなストーリーがあるとして、”最終回”がそこ。で、その最終回から”シーズン2”としてそれぞれの人生が始まっていくみたいな。
この場を大学生たちと作るっていうのも楽しいですね。集まってる人たちが、まっすぐ、熱量を持って、心から生徒たちや現地の社会企業家の方たちのビジネスを良くしたいって思ってるので、そういう人たちと一緒に過ごすことで、それがお互いに伝わって繋がっていく。
やっぱり今の社会って、誰かの利益のためのディレクション、利害関係がどこかで発生するんですよ。どれだけ純度高く繋げられてたとしても、この人はこの人からお金をもらってて、とかが発生する。でないと組織って運営できないし、それはそれでいいと思うんですけど、企業が本当にその心を大切にしながら、いろんな人に価値を届けていくっていうのは、どこかに限界があるっていうか、すごく純度を保つのが難しい。そう考えるとvery50は、代表の菅谷さんや望さんのスタンスと、この人たちに惹かれて一緒に働く人たちの純度はもちろん高いですし、そういう人たちと一緒にMoGをやるという経験は、一つモチベーションです。