very50のメイン事業であるMoG。国内外の事業家の方の協力のもと、高校生がビジネススキルや社会問題を学びながら、事業家の方へプロジェクトを提案するプログラムです。MoG実施に当たってはさまざまな方に携わっていただいており、今回は、初めてフェローとしてMoGに参加いただいている田邊すずさんにお話を伺いました。
―何をきっかけにご参加いただきましたか?
実は大学生の頃、MoGに参加したことがあって。そのご縁で、今回スタッフの方からフェローとして参加しないかとお声がけいただいて、参加することになりました。
元々教育には関心があって、前職も教育系のスタートアップでしたし、社会人と並行して高校生の社会起業プログラムを運営するNPOで活動していたこともありました。ただ、それ以上に、私自身が大学生の時にMoGに参加して、すごく刺激になったし鍛えられたという思いがあったので、当時自分が受けたものの恩返しをしたいというのが一番の動機です。
―現在、お仕事は何をされていますか。
現在は、サービスデザイナーとして、企業の経営、戦略策定からデジタルプロダクトのUX/UIデザインまで幅広く取り組んでいます。サービスデザインは、人間中心視点でプロダクト・サービス・事業・組織の仕組みを全て一体で設計するアプローチのことで、イタリアの大学院で学んでました。大学生の頃にMoGに参加したことにも刺激を受け、自分のキャリアとしては、社会インパクトのあるサービス創りを一貫してテーマにしています。直近では更年期の女性向けの生理・体調管理サービスのデザインや組織変革系の新規事業のデザインをしています。
―この7月下旬からフェローとして活動いただいており、これから現地のネパールへ約10日間行かれると伺っています。現在は、プログラムとしてどのようなことをされていますか?
現在は、現地に行く前の事前トレーニング期間として、高校生がプログラムに協力いただいている企業の課題を見立てて、解決策の提案をまとめるということをしているので、そのサポートをしています。現地に行く前にプロジェクトの中間発表があるので、それを目指しながら、構想をまとめるためにグループでどう動くかを一緒に考えたり、一緒にサポートしてくれる大学生メンターがどう動いたらいいかの壁打ちを受けたりするのがメインです。
―高校生の方のプロジェクトを、大学生の方と一緒にアシストするという役割ということですね。大変なことなどはありますか?
元々、教育系スタートアップで中高生向けプロダクトのデザイナーをしていたこともあり、学生さんと関わる機会も多かったので、高校生・大学生と関わることは楽しくできているかと思います。一方で、MoGというプログラムの中でどう関わっていくのが参加者にとっていいのかというのは模索しています。
例えば、ティーチングとコーチングのバランス。テクニカルな資料のまとめ方やアイデアの出し方といったティーチングと、その子が本当は何を思っていて、何をやりたいのか引き出すコーチングのバランスには気を遣っています。
また、今回、生徒がいて、メンターの大学生がいて、私がいるという構成の中で、一番生徒と密に関わっているのが大学生のメンターになるので、自分がどれくらいダイレクトに生徒と関わるのか、またはメンターを通じて生徒の人たちに何をどう伝えるのか、その辺りの塩梅も実際にプログラムを進めながら模索している感じです。
―何か工夫されていることはありますか?
参加してくれている生徒たちとの1on1をやってみたりして、一人一人がどんな子なのかというのを知ることで、少しでもみんなの成長をより良くサポートできるよう、かつプロジェクトにとってもプラスになるよう工夫しています。
人によってプロジェクトにどれくらいコミットしているか、積極的かといった温度差がある中で、生徒が実際にやってみて成長するという面と、事業家さんに価値あるものを提案するという二つのテーマを両立させなければいけないので、その時々に応じて、どっちにウェイトを置いている場面なのか考えながら、進めています。
―他の社会人で参加されている方との関わりはどうですか?
1チームに生徒が14人ほどで、2チームあるのでそれぞれ担当しているという体制です。全体での集まりがあった時とかに話したりして、コミュニケーション取りながらやっています。
―現地への意気込み、期待感などお聞かせください!
生徒さんに関しては、現在、現地の事業家さんとのやりとりはもちろんオンラインですし、チームでの活動もオンラインですることが多いので、現地に行って実際に事業家さんに会って自分の準備してきた仮説を当ててみたり、市場に出て人にインタビューしたり、しっかりと事業家さんに目線を合わせながら、生の情報を取りに行くというアクションを経て、よりアグレッシブな動きをしっかり体験してもらえたらと思っています。生徒さんとの1on1の中でも、積極的に意見を出すことや行動力をつけることをご自身のチャレンジポイントにしている方が多かったので、是非そこは臆さずにチャレンジしていってほしいです。
私自身としては、MoGが結構ハードな(笑)プログラムだということは理解した上で、とても社会的意義があると思っていて、それをちゃんと実現して帰国したいと思っています。今回、私が担当しているチームの提案先が、アシッドアタック(※女性の顔や身体に硫酸などの劇物をかけて、火傷を負わせる行為)のサバイバーの方が作っているハンドメイド商品を売っている会社で、個人のライフワークとしても、世界中の女性の自己実現、幸せがテーマなので、国内のみならず海外でどういう問題があって、どういうサービスがあったらいいのか、サービスデザイナーとしても、現地で生徒たちと一緒に考えていきたいと思っています。