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セリ落とす確率を高める!「かんたん発注」機能の開発

こんにちは。2020年10月にプロダクトエンジニアとしてウーオに入社しました三京です。
水産業界のDX化をするために故郷広島に戻ってまいりました😁(前職は東京のSIerで働いておりました。)
初投稿になります。これからよろしくお願いします❗️✌️

2020年11月にUUUOのアプリの「かんたん発注」という新機能をリリースしたのでそれについて書きます。
UUUOのアプリについては、CPOの土谷さんのこちらの記事などを参照ください。


目次

  1. 「かんたん発注」機能とは何か
  2. なぜ「かんたん発注」機能を追加したのか
  3. なぜ市況の情報だけでは予想価格が出せないのか
  4. 「かんたん発注」機能の開発のリアル
  5. 今回の反省点、学んだこと
  6. おわりに

「かんたん発注」機能とは何か

UUUOのアプリでは実際のセリと同じように、ユーザーである食品スーパーのバイヤーさんが直接産地にいる仲買人に対して「これぐらいまでならセリ落として欲しい」という依頼をかけることができます。


この「これぐらいまでならセリ落として欲しい」という価格をUUUOで予想して提案することで、ユーザー側で価格を指値してもらう必要がなくなり、発注が「かんたん」になるという仕組みです。

なぜ「かんたん発注」機能を追加したのか

もちろん、これまでサイズ、数量、価格と入力する必要のあった項目を減らし、より手軽にリクエストしてもらうようにする。というのも理由の一つですが、せっかくUUUOのアプリを使って指値を考えて発注していただいたのであれば、出来る限りセリ落とし、魚を届けたい💪 ため、市況価格をインプットに、UUUOのバイヤーが予想したセリ落とせそうな価格をこちらから参考価格として掲示し、より魚の届く可能性をあげたい意図がありました。


また、「かんたん発注」方式では、デフォルトで産地を周辺漁港も含んでの発注となり、UUUOが購入できる約40の産地からより購入できそうな産地を選んでUUUOバイヤーが魚を購入します。

なぜ市況の情報だけでは予想価格が出せないのか

UUUOのアプリでは各産地の直近の市況をグラフで表示しています。この情報だけではなぜ正確にセリ落とすことができないのでしょうか?


まず、市況を変化させる大きな要因としては一つ、漁獲量があります。UUUOのアプリやLINE@では漁獲量も把握することができるため、漁獲量が多いか少ないかで、ある程度相場が上がるか下がるかの判断はできます。ただ、単に漁獲量と言っても、アプリやLINE@で配信しているのはUUUOが買い付けしている港のみであるため、周辺漁港でどれぐらいの漁獲があるかは把握できず、正確な予想相場を算出するのは難しいです。
UUUOのバイヤーチームでは、配信している港だけでなく、中国地方や関西地方の相場に大きく影響を与える境港や、北陸、四国、関西などでの漁獲量にも目を光らせ、常に「かんたん」発注の予想価格をアップデートしています。
また、それ以外にも広島や他県での消費地のスーパーの売れ行き、値決めなどをマーケティングリサーチすることで分析し、産地から消費地まで横断して見ることで、より現実的な予想価格を出せるよう、日々奮闘しております。

「かんたん発注」機能の開発のリアル

実装する前に
この機能は私がUUUOに入社して初めての大きな機能追加でした。UUUOのアプリの根幹とも言えるリクエスト画面の修正であるため、様々な部分に気をつけなければならず、かなりの根気と勇気❓が必要でした。
そもそもあまりUUUOのアプリを使っての業務がわかっていなかったため、まず、業務フローとアプリを使ったデータの流れをFigmaを使って簡単に可視化してみました。


可視化しておくと、このデータはどこから来ていて、このボタンを押した時にどこにデータが動いて、どの業務が動くかということを把握しやすくなりました。
例えば、UUUOのアプリで言うと、このアプリで発注されたデータはというUUUOの産地バイヤーが使う「akindo」というアプリ上で確認できるのですが、そのアプリ上で、「かんたん発注」を行うとどう表示されるのか、について考慮する必要がありました。
業務フローを可視化していたことで、こういったシステム間連携のデータの動きに配慮しながら実装を進めることができました。

akindoで注文を確認するUUUOの産地バイヤー


すぐにヒアリング
かんたんにUIだけ実装したものをTestFlightで公開し、広島の卸売市場にいらっしゃるスーパーのバイヤーさんを訪ねて使っていただきました。そこで、UIデザインとして使いやすいか、つまるところはないかなどについて徹底的な聞き込みをしました。バイヤーさんも忙しいにもかかわらず、熱心に回答いただき、UXの改善につなげることができました。
実際に使うユーザーの声を生で聴ける機会というのはなかなかなかったので、非常に新鮮でした。また、スーパーのバイヤーさんの働く場所や発注業務についても理解度が高まり、どんな人のためにプロダクトを作っているのかがより明確になりました。
お忙しい中ヒアリングにご協力いただき、本当にありがとうございます!!

いただいたお声を元に、デザインを改善していきました。


リリースして効果検証
このように多くの関係者に支えられながら、なんとかリリースすることができ、リリースした後には実際にどれぐらいUUUO予想着値はリアルに近い数値を出せているのか、どれぐらいのバイヤーさんが「かんたん発注」を使ってリクエストしているのかについての効果検証を行います。
データに基づいて効果検証し、この「かんたん」発注機能を今後どう発展させていくかについて検討していきます。
以上が、今回の機能追加にあたって行った大まかな流れです。

今回の反省点、学んだこと

効果検証で取得したいデータについても考えて実装する
リリースした後に効果検証する、ということは事前に考えていたのですが、どのようなデータを取得しておけば効果検証しやすいかについてまでは考えておらず、どれぐらい「かんたん発注」が使われているかについては取得できるのですが、こちらが予想した価格にどれぐらい妥当性があったのか、についての検証をするためのデータを取得できていませんでした。アプリ側のリリースはそう何度もできるものではないので、新しい機能を追加する際にアプリ側で取得しておく必要のあるデータについても考えて実装しなければならないと思いました。

内部のオペレーションも解像度高く考える
これはある程度わかり切ったことかもしれないですが、新しい機能を追加して、内部のオペレーションが変わる場合、そのオペレーションについて細かくシミュレーションしておく必要があります。今回で言えば、「周辺漁港でも可」という複数産地発注オプションを追加していますが、複数産地に発注する場合、鳥取であれば1ケース5kgだったのが、島根だと1ケース7kgになるため、換算が必要であったりと、社内のオペレーションでリリース前に想定しきれなかったことが起きる可能性があります。オペレーションについて考慮はしていましたが、なかなか考慮しきれない部分もあったので、より業務の解像度を高めておかねばならないと思いました。

まずはリリースしてみる
いろいろと反省点は出てきますが、様々なプレーヤーの存在する水産業界にバチっとハマるプロダクトを作っていくためには、実際にリリースして使ってもらい、そこで初めてわかる課題もあるのかと思っています。リリースは最悪、戻せばなんとかなるので、多少は振り切っていったんリリースしてみてから考えるというプロセスも必要なのではないかと思っています。幸い、まだ少人数での開発で、機能追加についても個人で進めやすいので、今後もガンガンリリースしていこうと思います😁

おわりに

長々と書きましたが、この記事を読んで、魚を仕入れてみたいと思った食品スーパーのみなさまはぜひお問い合わせください❗️👇👇👇👇👇👇👇

お問い合わせ先

鮮魚仕入れの負担をもっと「かんたん」にしていくために、今後も尽力してまいります。

また、UUUOでは、現在エンジニアを絶賛募集中です。日本の水産流通の現場をもっと良いものにしていきたいという熱い想いを持つメンバーと共に、実際に水産の現場で使われるプロダクトを作っていきたいという方は是非ご一報ください❗️📣

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