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経費精算や請求書処理といった経理業務は、多くのビジネスパーソンにとって「面倒で苦手なもの」ではないでしょうか。もし、それらの業務をAIに任せ、「ゼロ」にできるとしたら?空いた時間で、本来やるべき仕事に集中できるとしたら?
TOKIUMが提唱する「経理AIエージェント」は、まさにそんな未来を実現しようとしています。本記事では、この新たな事業の展望、それによって得られるキャリアや仕事内容の変化、そしてTOKIUMで働く魅力について、取締役の松原さんに存分に語ってもらいました!
面倒な経理業務を「ゼロ」にするTOKIUMの挑戦
— まず、TOKIUMの営業戦略において、なぜ「経理AIエージェント」という新しいソリューションに着目し、注力されることになったのでしょうか。その背景についてお聞かせください。
松原さん:私は以前から、『定型的な業務を完全にゼロにしたい』という強い思いを抱いていました。経費精算の申請・承認や請求書の処理などの事務作業がとにかく苦痛で、できれば一切やりたくないんです。何よりも、こういった事務作業のせいで、本当に集中したい新しいサービスの創造やお客様へのより良い提案といった業務が中断されるのが、とてつもないストレスなんです。
近年、経費精算などの業務を「ラクにする」ためのツールは増えてきましたが、私の願いは、ツールで「ラクにする」ことではありません。この作業自体を「完全に無くして」、その分の時間を本当にやりたいことに充てたいと願っています。私だけでなく、多くのビジネスパーソンが同じような思いを抱えているんじゃないかと思います。
TOKIUMではこれまで、経理業務の効率化に貢献してきた自負がありますが、業務を完全にゼロにするまでには至っていませんでした。
しかし、近年のAI技術の革新を目の当たりにし、その可能性が一気に現実味を帯びてきました。これまで構想してきた世界観をAIを活用することで、より深く、広範囲で実現できる。TOKIUMがこれまで培ってきた自動化のノウハウとAI技術の進化が相まって、「業務を完全にゼロにする」という目標が現実的なものになりつつあります。これが『経理AIエージェント』を推進する背景にあるのです。
「AI×人」の融合で「経理AIエージェント」の市場をリードする!──TOKIUMが描く戦略とは
—「経理AIエージェント」という新たなカテゴリで市場をリードするために、どのような市場戦略や具体的な戦術をお考えですか?
松原さん:正直なところ、AIがどれだけ進化し、経理業務のすべてが自動化されたとしても、日本中の企業がすぐに使いこなすのは現実的ではありません。例えば、請求書の電子化も片方の企業だけが進めても完結せず、取引先が対応しなければ十分に活用できません。特に、お客様の中には紙でのやり取りを希望されるケースも依然として少なくありません。TOKIUMは紙の請求書受領など、システムだけでは対応できない部分も「人の力」で補完していますが、AI単独では、こうした多様な要望にきめ細かな対応は難しいでしょう。
それと同じように、経理AIエージェントがいかに便利でも、それだけでお客様の業務を「なくす」のは、そう簡単ではありません。そこで強みとなるのが、TOKIUMの「人の力」とAIの融合なんです。
TOKIUMはこれまでも、紙の領収書のスキャンなど、ソフトウェアだけでは解消できない部分を「人の力」をうまく活用して解決してきました。この強みを経理AIエージェントでも最大限に活かします。
AIエージェントを業務フローに組み込む際、ただAIがそれらしく動くだけでは業務効率は上がりません。細かくプロセスを区切り、中間成果物の品質チェックやエラー時の処理を設計する必要があります。もちろん、最初からすべてが全自動で完璧にはいかないため、その間の「細かなブリッジとなる部分」は人の力で補う必要が出てくるでしょう。このように、オペレーターの力をうまく業務プロセスに組み込んだものを私たちは『経理AIエージェント』と呼んでいます。
今後は子会社として派遣事業もスタートさせ、AIやシステムだけでは解決できない企業ごとの複雑な課題や、AIエージェントの導入・運用支援などを「ヒューマンパワー」とセットで提供します。これこそが、経理AIエージェントを市場に浸透させ、この新しいカテゴリーで市場をリードする道筋だと考えています。
経理現場のリアルな課題とAIエージェントがもたらす解決プロセス
— 実際にお客様の経理現場では、どのような課題に直面しており、経理AIエージェントはそれをどのように解決するのでしょうか?
松原さん:私自身、現場の困りごとをヒアリングするためにお客様とお話しすることが多いのですが、よく聞くのが、「日々の業務に追われ、業務改善にまで手が回らない」という点ですね。これは、多くの企業が抱える根深いボトルネックだと感じています。
そこで私たちは、まずお客様に現状のプロセスを詳細にヒアリングし、「どこにボトルネックがあるのか、どの業務フローは変えられて、どこは変えられないのか」を共に明確にしています。この業務整理自体が多忙な経理担当者にとっては大きな負担となるため、業務の流れを可視化した「業務マップ」を作成し、お客様に提案しています。
この「業務マップ」によって業務プロセスを細かく分解することで、どこをAIに任せ、どこを経験豊富なオペレーターが担うべきか、最適な役割分担がはっきりします。このように、お客様の状況に合わせてAIと人の力を組み合わせることで、どんな複雑な経理課題でも、経理AIエージェントが包括的な解決策を提供できると考えています。
「機械的な作業」はAIに任せ、経理は「成果物の評価」に集中する時代へ
— 経理AIエージェントが広く普及したとき、経理業務やバックオフィス全体はどのように変革すると考えていますか?
松原さん:経理業務では、システムを導入していても、結局「入力」や「確認」といった機械的な作業が結構残るんですよね。たとえば、経費精算で「ここ、項目が抜けてるから戻します!」って差し戻したり、請求書の按分など複雑な仕訳作業をしたり、お客様の話を聞いていても、まだまだ手間のかかる作業が多いなと感じます。
しかし、「経理AIエージェント」が普及すれば、お客様はシステム操作が不要になり、業務自体を経理AIエージェントに「すべて任せられる」ようになるんです。
お客様は、経理AIエージェントが作った成果物を確認して、必要に応じたフィードバックをする。まるで上司が部下をマネジメントする関係に近しくなるのではと思っています。
そうなると、私たちのようなベンダーの価値も大きく変わります。「便利なツールを提供する」から「業務そのものを任せられるサービスを提供する」ことが当たり前になっていくでしょうね。
「ツール販売」から「業務成果の販売」──TOKIUMが目指す「課題解決型」営業の姿
— こうした革新的な戦略や製品特性を踏まえ、TOKIUMの営業部門で活躍するのはどのような人物だと考えていますか?
松原さん:経理AIエージェントでお客様を支援するには、『モノとしてのソフトウェア販売』から脱却する必要があります。お客様の業務フローを深く理解し、AIとオペレーターによる処理範囲から最終成果物まで、「お客様の業務全体がどう変わるのかを具体的に示し、その解決策を提案する」人材が求められるようになると考えています。
つまり、単にシステムを売るのではなく、お客様の業務課題を解決するコンサルティングに近いスキルが不可欠なのです。そのためには、お客様の業務実態に深く踏み込み、どこにボトルネックがあるのかを掘り下げて見つける姿勢が必要になってくるのではないでしょうか。
「やりがい」と乗り越えるべき「顧客理解」の壁
— 実際にAIを活用したソリューションを提案する中で、営業担当者が最もやりがいを感じる瞬間や、逆に難しさを感じるのはどのような点でしょうか?
松原さん:やりがいは、丁寧にヒアリングを通じてお客様が自身の業務課題に気づき、「TOKIUMで劇的に変わる!」と心から共感してもらえる瞬間ですね。これこそ、私たち専門ベンダーが提供できる最大の価値だと考えています。
一方で、お客様の業務を深く理解することは案外難しい。表面的な課題だけでなく、隠れたボトルネックを見極め、お客様自身も気づいていない課題を引き出す必要があります。真のカスタマーサクセスにつながる提案には、この深い顧客理解が不可欠なんです。
この壁を乗り越えるには、TOKIUMのバリューである『カスタマーサクセス』で掲げる「真因の追求」マインドを突き詰めること。
ただ自社製品の良さをアピールする「モノを売る営業」ではなく、「業務成果を販売する」ことを目指し、お客様の本当の困りごとや理想の業務フローを徹底的に追及する。それが、真にお客様の役に立ち、経理AIエージェントという概念を世の中に広げる道だと信じています。
AI学習は「赤ちゃんのような好奇心」から
— 経理AIエージェントという、市場でも新しいカテゴリのプロダクトを扱う営業チームとして、どのような学習文化やナレッジ共有の仕組みを重視していますか?
松原さん:現在、AIは急速に進化していますよね。そんな中で、「目標をガチガチに決めて一直線に進む」という従来の学び方は不向きだと考えています。
私は皆に、「赤ちゃんのように、まずは目の前のものを触ってみよう」と伝えています。赤ちゃんが目の前のものに片っ端から触れて、「これは触ったら手が腫れるんだ」「これは尖っているから触ってはいけない」といったことを徐々に学習していくように。口に物を入れて、『これは飲み込んではいけない』と学んでいくように。
私たちも、まずは目の前の色々なAIに触れてみることが大事です。触ってみると、「あ、これは自分の業務やお客様の課題解決にも役立つかもしれない」といった発見が少しずつ見えてくるはずです。
会社としてセキュリティ管理をしっかりした上で、とにかくたくさんのAIを試してみることを推奨しています。全社研修も積極的に行っており、メンバーがAIを学び、業務に取り入れやすい環境も整えつつあります。
自然とAIに親しみ、「これも触ってみよう」という好奇心を持って学べる文化を醸成していきたいですね。
「AIの波」に乗り遅れるな!──市場価値の高いキャリアパスとは
— TOKIUMで経理AIエージェントの営業を経験することは、キャリアにとってどのような価値がありますか?
松原さん:これからの時代、AIを「業務に取り入れない」「学習しない」という選択肢は存在しないと思っています。「いつから始めるか」という時間の問題です。
TOKIUMで経理AIエージェントの提案を経験することは、キャリアにとって間違いなく大きなプラスになります。
できるだけ早く始めるに越したことはありません。今、多くの会社がこの新しい分野に足を踏み入れたばかりです。だからこそ、いち早くこの領域に飛び込み、「先行者」として知識やノウハウを蓄積することが非常に重要です。
ナレッジがたまれば、それが新たなナレッジを生み出し、複利的に差が広がっていくでしょう。キャリアを形成する上で、まさにいまが重要なポイントになるのではないでしょうか。
「作業をラクに」から、「作業をゼロ」へ──経理AIエージェントで経理だけでなく、営業活動に貢献する
— 最後に、この「経理AIエージェント」という事業やTOKIUMの未来に対し、どのような情熱やワクワク感を抱いていますか?
松原さん:冒頭でもお話ししましたが、私にとって、経費精算や請求書の処理といった定型的な事務作業は心底、苦痛なものです。業務を「ラクにする」のではなく、「なくしたい」「一切しない」。これは私が心から願っていることです。
そして、「本来やるべき業務に集中できる。」そんな世界が本当に実現できる日が近いと考えると、ワクワクしています。
私自身、お客様との商談や訪問のために全国各地を飛び回る中で、システムを導入していても、事前申請や経費精算の事務作業がいかに時間と精神力を消耗するかを痛感してきました。
だからこそ、この「経理AIエージェント」というコンセプトで、経理業務だけでなく、営業担当者が担う経費精算や出張手配といった作業負担をなくし、彼らの営業活動に貢献していきたい。事務作業が苦手で、事業の成長や価値創造に集中したい人たちが、そういった作業から完全に解放される世界を実現したいのです。
『ラクになる』のではなく、『一切しなくていい』。
この世界を経理AIエージェントで作ることで、皆がストレスなく、まっすぐに自分の本来やるべき業務に向かって頑張れる。そういう未来をTOKIUMが実現できるのではないかと、非常に気持ちが高ぶっています。
経理AIエージェント、そしてAIの領域自体は、まだ黎明期にあります。しかし、この波には遅かれ早かれ乗らなければならないのも事実です。どうせいつかやるなら、とにかく早く始めるべきだと思っています。
私は、経費精算や請求書処理などが『ラクになる』のではなく、『ゼロにしたい』という考えに共感いただける方と、ぜひこの挑戦に一緒に取り組んでいきたいですね。
松原さん、ありがとうございました!インタビューからは、個人の「苦手」という感情を原動力に、社会全体の課題解決に挑む熱い情熱がひしひしと伝わってきました。
TOKIUMでは、この革新的な挑戦に共に挑む仲間を募集しています。