この度、VPoE(Vice President of Engineering)に就任しました橘高です。
この記事を書くのは、社内外に向けて「自分が何を考えているVPoEなのか」を伝えたいからです。「こういう考えのVPoEがいる会社なら、一緒に働きたい」と思ってもらえたら嬉しいです!
ただ「VPoEとは何ぞや」という一般論を語るつもりはありません。そういう話は他に譲ります。また「EMの進化系がVPoE」みたいな論にも着地させたくないと思っています。
僕が語りたいのは、EM時代から感じていた課題と、VPoEとして本気で取り組みたいことです。
目次
☁️ マネージャとして感じていた課題感と試行錯誤
「メンバー評価」への強い課題感
あるべき姿に近づけるために
🦍 VPoEへの就任、そして本気で取り組むこと
具体的に取り組むこと
🤝 一緒に働きたい人へ
☁️ マネージャとして感じていた課題感と試行錯誤
「メンバー評価」への強い課題感
EM時代、約3年間、本当にいろんなことをやっていました。
お金の話、評価の話、技術的な話、キャリアの話……いわゆる「ミニCTO」のような状態で、なんでもかんでもやっていたんです。
その中で、特に難しかったのがメンバーの評価制度でした。
目標を定めても、やるべきことは変わる。それは当たり前のことで、うちの会社だろうと他の会社だろうと変わるものです。
そのような中でも迷わず公平な評価を行う指標として「評価制度」があると考えています。
「目標に対してどういったコミットメントを行い、どうなったのか」という積み上げが「評価制度」によって判断されますが、
プロダクトが増えるたび、新しい技術が出てくるたびに、評価制度の判断軸の数や技術的視点は多岐にわたり、
年々評価のキャリブレーション難易度は跳ね上がっています。
例えるなら、「家を建てましょう」という話になった時に、ある人はロマンを感じる縦穴式住居を作り、ある人は近代的な素晴らしい家を作り、ある人はお城を作り、ある人はノスタルジックな古民家を作る。
それぞれの思いがあって、それぞれ素晴らしいものを作ってくれるんだけど「家」という共通項以外ないんです。
それを「統一された基準で評価せよ」と言われても、どうにも難しいわけです。
建築工法の難易度、納期、技術的テクニック……
そういった細かく分類した中で共通的にくくり出せる軸から評価すべきなんですが、軸が無限に増えていく。
さらには評価の軸がエンジニアごとに変わるし、場合によっては直接的な比較ができない。
最も難しいのは説明責任を果たすことであり、最終的な評価者には非エンジニアも入っている(ボードメンバーなど)。
すると、レビュアーによって、レビューのたびに判断軸が変わるんです。
- 「技術的に不安が残りますね」
- 「自ら考え、自走しているとは言い切れませんね」
もちろんこれらの多角的視点による評価は、公平性の観点からも必要不可欠です。
一方、見えていなかった軸を持ってこられると「前回と言ってること違うのでは?」とも感じてしまいます。
結果として、評価する側も、される側も、評価プロセスに対して十分な確信や納得感を醸成することが難しい。
時間もかかることも相まって、評価者、被評価者の全員には高いストレスが発生することにつながりかねません。
これは、会社にとっても誰にとっても非常に良くない。
しかも、この状態だと評価が出揃うまでにすごく時間がかかるんです。
組織におけるキャリブレーションの時間もめちゃくちゃかかる。
最終的な評価が出揃うまでに膨大な時間が必要で、組織的なスケーラビリティという観点でも大きな問題です。
EM時代から、ずっと課題感を感じていたんです。
それゆえ「評価軸を作ろう」「キャリアラダーを作ろう」と動いてみたんですが、
当然これらの施策は全社に影響を及ぼすため、CTOをはじめとする経営層も巻き込んだ意思決定が必要です。
自分の力だけではどうしようもないところが出てくる。
叩き台を作って、認識を合わせて……でも最重要事項じゃない。このあたりはベンチャーとしてのジレンマもありました。
やっと作っても、一回作って終わりじゃないんです。アップデートできなくて、すぐに陳腐化する。
「この資料の更新が1年前です」となって、「このキャリアラダー、古いね」となる。
特に最近だと、AIが出てきて評価の観点も変わっているのに、「なんでその基準なんですか?」と。
あるべき姿に近づけるために
評価基準、キャリアラダー、評価軸。これらは、環境・事業・組織の変化に合わせ、定期的にアップデートしなければなりません。
定期的なアップデートによって「TOKIUMが理想とするエンジニア」を内外に示し続けるアクションが、TOKIUMには足りなかったのです。
TOKIUMのプロダクト組織のメンバー全員が健全にキャリアを描くことができ、かつ正当な賃金を得て、
もし会社を転職したとしても通用するスキルを持っている。
内外の評価に整合性を与え、キャリアアップを導く技術的なラインを引く。
それがめちゃくちゃ重要だと当時から思い、キャリアラダーやスキルマップの作成をチーム単位やグループ単位でトライしていました。
(このとき、TOKIUMでは特定のコンテキストに沿って複数チームを束ねた集まりをグループと称していました)
でも、やっぱりバタついちゃうんです。
評価基準を定期的に作ってアップデートする。少しはできても、常にできるかというと難しい。
日常的なチームのマネジメントや採用の仕事も並行していると、どうしても「空いた時間や、評価の時期が来たらやる」。
そんな状況に陥ってしまうのです。
そして、ふとした瞬間に気づきました。
評価というプロセスが「長期的な事業や個人のため」ではなくなり、いつの間にか「会社の運用のため」に寄ってきているなと。
会社のためでも個人のためでもないことをしてしまっていると考えるようになりました。
これは自転車操業みたいだ、早急に手を打たないとマズいなと。
その後、CTO 西平さんに対して「VPoEが必要です」と伝えました。
「プロダクト開発に携わるメンバーの評価に責任を持つ、そういう人が必要なんです」と。
それが西平さんなのか、外から採ってきて任せるのか、はたまた自分なのかはさておき、
任せられる人に任せて、とにかくやってくれと。
そんな話を当時からしていました。
🦍 VPoEへの就任、そして本気で取り組むこと
2025年12月、組織が変わっていきました。
すごくフラットだった組織から、フラットな形は維持しつつも、マネージできる範囲をちゃんと区切りましょうということで、
ドメインカットの組織に変わったんです。
プロダクトとしては最高の形である一方、縦割りになるのでよりキャリブレーションや評価が難しくなります。
「エンジニア」という横軸をまとめる役割が必要となったことで、プロダクト組織のメンバー評価に対する課題、そのプライオリティが一気に上がったのです。
これによって「VPoEが必要」という提案に再び焦点が当たりました。
そして今回、VPoEとして就任したわけです。
もともと感じていた課題感に芽が出た、という感じです。
「やばい、これやらないと!」というのが今の気持ちです。
具体的に取り組むこと
VPoEとして、まず一番やりたいことは、評価制度を整えたいと考えています。
そして、常に評価への納得感を醸成できる状態を作ることを目指します。
技術的な知見を基にした基準を作っていく。
ただし、僕一人で作れるとは思っていません。
いろんな人の知見を集めながら、マネージしながら、まとめていくことが重要だと思っています。
新しい技術とか「何それ知らん」とか、全然あると思うんです。
だからこそ「これめちゃまずいんですよ」「これこうなんですよ」というのを聞きながら、評価軸を組み上げていきたい。
そして「この能力だからこの評価なんだ」「ここを頑張ればこう評価されるんだ」という納得感を誰もが持てるような組織にしていきたいです。
実際それに従ってみたら転職して、会社でも日本でも輝くことができる。
仮に「転職します」となったとしてもその会社でも同じように、あるいはそれ以上に、その人は輝けている。
そういう状態を僕は作りたいと思っています。
🤝 一緒に働きたい人へ
こういうことを考えているVPoEのもとで働きたいという人がいれば、ぜひ一緒に働きたいと思っています!
なんなら、「技術的にすごく高いスキルがあるのに、全然評価されてない」と思っている人がいるなら、うちに転職してきてください。
僕と一緒に、「それが評価されるようにするにはどうすればいいか」を壁打ちして、評価されるようにしたいですね。
そういう人がいたら、評価しないわけないですもん。
とにかく、一緒に作り上げたいと思います!
あらためて、僕たちの会社がやることは「未来につながる価値を生む」ことです。
価値を生みながら、成長もしながら、自分のキャリアを一生懸命歩むことができる仲間を探していますので、ぜひともよろしくお願いいたします!