「『技術』と『ソリューション』は別物」日立システムズの営業から宇宙業界に入って最初に感じた違和感と伸びしろ | 宙畑
非宇宙業界から宇宙業界に転職をした人に焦点を当てたインタビュー連載「Why Space」、3人目のインタビュイーはTellusでビジネス開発として活躍する高山郁恵さんです。高山さんは、宇宙業界に転職して最初に参加した海外のイベントで、とある違和感を感じたそうです。
https://sorabatake.jp/38872/
前回は、宇宙業界に転職したきっかけやキャリアの背景についてお話を伺いました。
今回は、高山さんが現在担当されている業務内容や、仕事に対する想い、売上獲得にむけた営業方法、そしてビジネス開発部で働く魅力について深掘りします。
「どんな経験があると仕事で活かせそうか知りたい」「衛星データプラットフォームの営業ってどのように営業しているのか知りたい」など、ぜひこの記事を読んだうえで職種にご応募ください。
<プロフィール>
高山 郁恵(たかやま いくえ)ビジネス開発部 部長
ITサービス企業にて大手銀行様向けの法人営業として従事。2022年10月より現職。同社ではTellus専属の営業担当として、新規ビジネスの開拓やサービス販売に従事。
▼前回のインタビュー記事はコチラ
──ビジネス開発部について教えてください
株式会社Tellusは、政府および民間企業が保有する膨大な衛星データを集約した、日本最大級の衛星データプラットフォーム「Tellus(https://www.tellusxdp.com/ja/)」の開発・運用を行っています。
2025年6月現在、40種以上のデータセットで18PB(ペタバイト)に及ぶ衛星データを集約し、API形式で提供するほか、衛星データの分析やアプリケーション開発が行える環境(インフラ)を、エンドユーザーに提供しています。
Tellusの衛星データ検索画面のイメージ
現在、案件の約9割は政府関連であり、政府関連の衛星データをTellusを通じて提供するためのシステムの提供や、衛星データ解析ツールの開発などを受注しています。
また、「多種衛星のオンデマンドタスキングおよびデータ生産・配信技術の研究開発」や「中小企業イノベーション創出推進事業」(応募テーマ名:衛星リモートセンシングビジネス高度化実証)などの政府系事業を通じたサービス開発にも数年にわたって取り組んできました。
最近では、環境省と連携し、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき(GOSAT)」シリーズのデータをTellus上で公開。バスキュール社による可視化コンテンツとしてCOP29に出展されたほか、NHKの番組でも紹介されるなど、GX(グリーントランスフォーメーション)の分野にも注力しています。
バスキュール社と開発した3Dプロダクトのイメージ©Bascule/Tellus/JAXA/NIES/MOE
ビジネス開発部には、「ビジネス開発」「ソリューション開発」「PR」の3チームがあり、各案件に対する企画提案や契約締結業務、自社サービスの販売営業、自社ソリューションの開発に向けた開発部との調整、社内外に向けた広報・PR業務など多岐に渡る業務を担っています。
様々な案件を進めていくため、毎週初めに進捗の共有を行っています。課題や不明点が出た場合も、チーム内で協力して解決を図っています。
基本的にはリモートワークをベースにしつつ、定期的な対面のコミュニケーションを通じて、チーム全体で目標に向かって着実に進めていけるようメンバー間の共有・相談を密に行っています。
──営業としてどういった価値を提供していますか?
先に紹介した通り、Tellusでは衛星データプラットフォームとして、衛星データの提供だけではなく、アプリケーションなどを開発できるコンピューティングリソースの提供も行っています。
そのため、販売していくものは、「有料の衛星データ」「Tellusの衛星データが利用できる開発環境」「衛星データを解析できるツール」などがあります。
これらの営業をするだけではなく、衛星データや解析環境を利用した協業パートナーの発掘や、衛星データを利用してビジネスを行いたいという企業に対する提案も行います。
さらに、衛星データをより使いやすくするために、観測した衛星データを必要な時に必要な時だけ処理を行って衛星データプラットフォーム「Tellus」に搭載したり、「タスキング」と呼ばれる、特定の地点や時間帯で衛星観測を指示できる仕組みを複数の衛星に対応させるシステムの開発を進めたりしています。
このような取り組みを通じて、民間企業との連携も進んでおり、たとえば2024年度には、不動産会社との協業として、「緑地の多さ」を住まい探しの判断基準とする方に向けて、衛星データを活用し、候補となる物件周辺の緑の量を可視化するサービスにTellusを活用していただいています。
自治体との連携事例では、耕作されている田畑とされていない田畑を衛星データで把握するプロジェクトや、AIを活用して赤潮の発生を予測し、漁業被害の未然防止を図る取り組みなども行っています。
私たちは、特定の製品やサービスを一方的に提供するのではなく、お客様のニーズに寄り添いながら、衛星データプラットフォームやこれまで培ってきた技術・ノウハウを活かせる形を一緒に考え、提案しています。
もちろん簡単なことばかりではありませんが、社内のさまざまなメンバーに支えてもらいながら提案が実を結び、実際のプロジェクトとして動き出すときの喜びはとても大きく、大きなやりがいを感じています。
ビジネス開発部は、まさに今、非常にやりがいのあるフェーズを迎えています。現在、衛星データとAIを組み合わせた新たなサービスの開発に取り組んでおり、これまでにない形での価値提供を目指しています。
──働くうえで、あった方がいい知識などありますか?
特にマストなスキルや知識などはないですが、SI(システムインテグレーション)の知識がないとお客様が何を必要とされているのか?どうすれば課題解決できるのかという会話がしにくいかもしれません。具体的には「ITパスポート〜基本情報技術者」ぐらいの知識があるといいと思います。
また、政府系の案件に関する契約書・仕様書・提案書の作成や調整の経験がある方は、ご経験を活かしていただけると思います。
衛星データの知識や宇宙業界の現状などは、一緒に案件を進める中でサポートしながら進めていきますので、その流れでつかんでいっていただければと思います。
──最後に
かなりお問い合わせや案件が増えてきた中で、より会社を大きくするためにお力を貸してもらいたいと思っています。
私たちは宇宙情報産業を日本の次の基幹産業にしようと日々動いています。一緒にマーケットを作っていきませんか?ぜひカジュアル面談でもいろいろわからないことが多いと思うので聞いてください!
▼現在募集中のビジネス開発のお仕事をチェック!