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採用広報担当の私が「バイブコーディング」でコードを書かずにアプリを作る!開発イベント体験レポート
ユーザーが記述したプロンプトに従ってAIが自動でコーディングを行う「バイブコーディング」の登場によって、「コードを書く」という従来の常識が変わり、新しい開発スタイルが生まれつつあります。
シナジーマーケティング(以下、当社)は、2025年6月12日、大阪本社にてCTOの馬場彩子さんが主催する開発イベント「ババ・バイブコーディング・フェス」を開催しました。参加者は25名、うちエンジニア18名、非エンジニア7名で、それぞれがチームに分かれて開発を行いました。今回の開発に使用したのは、AI技術を活用したアプリ開発プラットフォーム「Bolt.new」です。
今回は、エンジニア経験がない人事の私、片山が実際に本イベントに参加し、バイブコーディングをしてみた感想をお伝えします!
▶馬場さんによる開催レポートはこちら
■ババ・バイブコーディング・フェスとは
「バイブコーディングの可能性を探り、実際に体感すること」を目的に開催されたイベントです。CTOの馬場さんが主催であることから、「ババ(馬場)」×「バイブコーディング」。そして、何かを生み出したり競ったりするのではなく、「コーディングを体感し、楽しもう!」という意図から「フェス」と命名されました。
ちなみに本イベントのロゴも、”バイブス”(勢い)でAIに作成してもらったとのこと。高速でアプリケーションを開発する「バイブコーディング」ならではの仕掛けが散りばめられています。
好奇心の赴くままに、ワクワクしながら当日を待つ
社内でイベントの開催告知がなされた5月某日、そこで私ははじめて「バイブコーディング」という言葉を知りました。「コードを書かずに開発」というフレーズに、「とはいえ、ある程度の専門知識は必要なのでは……」「まったくコードが書けなくても、本当にアプリが作れるのだろうか」と半信半疑でした。それでも「AIと対話しながらコードを書かずにアイデアを形にする」というフレーズに強く惹かれ、これは「聞くよりもやってみた方が早い」と好奇心の赴くまま参加を決めました。
数日が経つと、参加メンバーたちに「COMING SOON!」という近未来をイメージしたティーザー映像(ユーザーの興味や期待感を高めることを目的として作られる、予告的なWebサイト)が告知されました。何が始まるのだろう、と楽しみな気持ちが高まっていきました。
それから、開催が2週間前に迫ると、ハンズオン※1を行うチームの発表と、当日までに「どんなお題にチームで挑戦するか決めるように」との告知が届きました。本イベントの全容が明かされ、「本格的にイベントが始まるぞ」という高揚感がありました。ハンズオンを行うチームは、全員エンジニアで構成されたチームもあれば、そうでないチームもあり、私のチームは後者でした。メンバー構成は、サポートで入ってくれている運営メンバーを除くと、デザイナー、広報などの非エンジニアが中心でした。チーム内でアイデアを出し合った結果、広報に携わるメンバーの案である「競合他社のプレスリリース情報を一覧化できるアプリ」を作ることになりました。「挑戦するお題は決まったけれど、本当にコードをまったく知らなくてもアプリが作れるのかな」「どんな機能のあるアプリがいいかな」などを考えて胸を躍らせながら当日を待ちました。
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※1 プログラミングやシステム開発などを、座学だけでなく実際に手を動かして学ぶ学習方法
迎えた当日!オープニング&エキスパートによる「可能性を体感するデモ」
はじめに、馬場さんによる開会の挨拶とイベントの説明がありました。イベントのルールは、「楽しむこと」「否定しないこと」「良いところをどんどん見つけていくこと」と語り、和やかな雰囲気でイベントが始まりました。
続いて、エンジニアの西岡さんによるアプリ開発のデモンストレーションがありました。AIへの指示(プロンプト)を入力したら、瞬時に自動でコードが書き出されていきました。西岡さんもコーディングの状況を見ながら、「AIがこちらの言うことを聞いてくれていないので、AIへの指示の仕方を変えてみますね」などと試行錯誤をしながらリアルタイムでAIとのやり取りが交わされます。
参加者は、コードが書かれていく様子に驚き「おお」と声が上げたり、思うような挙動をしなかった際は微笑ましく見守りながら、「早く自分たちもバイブコーディングを体感してみたい」という気持ちが高まっている様子でした。
いよいよチームで開発を体験!バイブコーディングの可能性をリアルに体感
デモで高まった熱気の中、いよいよチームに分かれてBolt.new、Nelitfy、Supabaseなどのツールを活用したアプリ開発が始まりました。各自ノートパソコンを持ち寄り、ディスカッションが始まりました。
まずは事前に決めていた私のチームのお題「プレスリリースの競合調査アプリ」を「どういった課題を解決するのか」「そのためにはどのような機能が必要か」を洗い出します。その結果、「現在手動で実施している情報収集やリスト化、分析などをアプリで自動化する」という方向性になりました。続いて、「集まったデータは何に、どのように使うのか?収集期間は?」などの議論を行い、アプリの要件を整理していきます。
要件が固まったところで、私は好奇心が先立ち「早くバイブコーディングをやってみたい」「さっそくAIに質問を」と気持ちが急いでいましたが、そんななか、チームの運営メンバーから「段階を区切って開発してみると、着手することが明確になって開発しやすいのでは」とアドバイスがありました。
そこで、開発工程を以下としました。
1)競合他社のプレスリリース情報を集めるフェーズ
2)集めてきた情報を一覧化するフェーズ
3)一覧化した情報から、読み取れることを分析して要約するフェーズ
アプリの要件と開発フローを整理したあと、AIに指示(プロンプト)を打ち込み始めます。手探りで「こんなアプリを作りたいです」「このサイトから情報を集めてきてください」などの指示を順番に出していきます。すると、画面上に流れるようにコードが書き出されていきました。
最初はAIとの対話に戸惑うこともありましたが、AIとの対話の結果を共有してメンバー同士で「ここの指示が足りなかったのかも」と話し合ったり、運営メンバーから「こうすれば、意図した挙動になるのでは」といったアドバイスをもらったりしながら、慣れていきました。 失敗も発見だとポジティブに捉え、アプリ完成に向けて根気強くトライ&エラーを繰り返しました。他のチームからも、それぞれの目標に向かって一丸となっている様子が伺え、会場全体が熱気に包まれていました。
リリース情報を集めてくる第1フェーズで、正しい情報を表示させることに苦戦しながら、トータルで約2時間かけて目的のアプリを完成させました!※2
企業名を選択すると、そのデータが一覧化されます。当初は分析結果も表示されるようにしたかったのですが、第1フェーズで思いのほか苦戦したため、時間の関係で一覧の表示までの実装となりました。表示させる情報の精度を担保するためには、「AIにどのような指示を出すべきか把握しておくこと」「バイブコーディングの経験を重ね、使用するAIツールの特徴を知っておくこと」が重要になると学びました。
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※2 画像内の情報は今回の開発用に用意したサンプルデータであり、実際のプレスリリースではありません。
ハンズオンを通して、あまりのコーディングの速さと、これまで「アイデアはあるけど、開発リソースの確保が難しくて着手できない」と諦めていたようなことが、もっと気軽に、もっと早く試せるようになるのではないかと思い、「バイブコーディング」という手法に大きな可能性を感じました。
ユニークなアイデアに興味津々!成果物の発表タイム
ハンズオンが終わると、作成した成果物をチームごとに発表し、質疑応答が行われました。チームによって思考の方向性や重視した点、ユーモアのセンスなどが異なり、大変興味深い発表でした。
作成されたアプリの一例をご紹介すると、「希望する距離」と「現在地」の情報を入力すると地図上に散歩コースを表示してくれる「散歩ルート検索」アプリや、冷蔵庫の中にある食材を入力すると、1週間の献立を考えてくれる「献立提案AI」といった生活に役立つアプリが多数生まれました。
ユニークなものとしては、ミーティング冒頭のアイスブレイク用にお題を出してくれたり、参加者のトーク内容にフィードバックをくれる「対話型アイスブレイクアプリ」や人気を博した「スイカゲーム」を模した「マージパズル型のゲームアプリ」などがあります。
「なるほど、それはあると便利!」「そうきたか!」と思わせられるような、アイデアと技術力が光るアプリばかりでした。
質疑応答では、「大変だったことは?」「工夫した点は?」と次々と質問の手が上がり、時折、議論するシーンもあるなど、盛り上がりを見せました。
参加者からは「短時間でこれだけのアプリが作れるとは、正直予想していなかった。驚いた」「前知識がなくても、ここまで手軽にアイデアを形にすることができるとなると、今後は新規サービスの開発スピードが格段に上がるのではないか。この技術は期待できる」といった声が上がり、バイブコーディングの可能性を強く感じている様子が伺えました。また、本イベント後のアンケートでは、90%以上の参加者が「今後の業務にも使いたい」と回答していて、今後、社内のバイブコーディングの勢いは加速していきそうです。
変化を楽しみ、これからを創造していくこと
あっという間の5時間。イベントは盛況のうちに幕を閉じました。本イベントに参加し、役職や部署、職種の垣根を越えてアプリ開発を体験できたことは、非常に刺激的でした。単に技術を知るだけでなく、その技術を実際に身をもって体感しながら変化を積極的に受け入れる姿勢が、今後のプロダクト開発やビジネスシーンを牽引していくうえで重要になってくるのではないかと、改めて感じました。私のようなエンジニアではなくても、アイデアを具現化できる方法を体感できたことも大きな収穫でした。
当社では、スキルや知識を共有する社内勉強会・イベントをメンバーが自主的に開催しています。このような環境で、「常にスキルや知識を磨き続けたい」「新しい技術に挑戦することで社会に貢献したり、お客様の課題を解決したい」という考えをお持ちの方は、ぜひ一度話を聞いてみませんか。あなたからのご連絡を心よりお待ちしています!
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