今回のインタビューでは執行役員CTO 兼 プロダクト開発部 部長として開発組織を牽引する高橋さんに、スイッチメディアの魅力やここで働く面白さについて語ってもらいました。
執行役員CTO 兼 プロダクト開発部 部長 高橋 明生
武蔵工業大学(現東京都市大学)大学院修了。大学院在学中、IPA未踏スーパークリエータに認定。学長賞受賞。2006年に株式会社日立製作所中央研究所に入所し、組込み機器向け基本ソフトウェアの研究開発に従事。株式会社豆蔵にて研究開発ドメインのシステム構想・開発支援を経験後、SaaSスタートアップのCTOとして技術戦略策定や組織立ち上げなどを遂行。2020年当社入社。
他社の真似ができない独自性の高いプロダクトだからこそ自分で考え抜く面白さがある
── 本日は宜しくお願いします!まず最初に、今までの高橋さんの経歴を教えて下さい。
高橋:
自分にとってのキャリアスタートは武蔵工業大学(現東京都市大学)大学院に在学中に、OSの研究を行い、IPA未踏スーパークリエータに認定していただいたことですね。学生時代にアプリ開発とOS開発を一通り経験できたものの、一人での開発の限界を感じたことから、大学院修了後は多くの人と開発ができ、また当時面白いと思っていた組み込み分野での開発ができる株式会社日立製作所 中央研究所に入所。組込み機器向け基本ソフトウェアの研究開発に携わりました。
その後、より顧客に近いところでの課題解決がしたいと思い、株式会社豆蔵で研究開発ドメインのシステム構想・開発支援を経験しました。豆蔵でのコンサルタントとしての仕事は性に合っていると思っていたものの、仕事を通じて「やはり自社プロダクトに携わりたい」と思うようになり、SaaSスタートアップのCTOとして技術戦略策定や組織立ち上げなどを経験。その後、2020年に現職である株式会社スイッチメディアに入社し、現在はCTOを任せてもらっています。
── 様々なご経験を積まれた高橋さんが、なぜ当社へ入社を決意したのですか?
高橋:
スイッチメディアに入社を決めた理由は、大きく2つあります。
1つ目は、私自身の強みを活かして、スイッチに貢献できそうだと思ったから。Webだけではなく、IoTデバイスを持っている企業の方が私自身の強みを活かしやすいと考えていました。スイッチメディアでは、視聴率データを収集するためのIoTデバイスを自社で開発しており、またIoTデバイスだけでなく、Webシステム・IoTデバイス・ビッグデータと分野横断で開発にチャレンジできる点も面白そうでした。
2つ目は、ビジネスの可能性が大きいと思ったからです。スイッチメディアでは自社で希少性の高いデータを収集しており、純粋にビジネスとしての面白さと可能性を感じました。
── 「ビジネスの可能性」とは、具体的にどの部分が面白いと思ったのですか?
高橋:
大前提として、ITサービスを提供している多くの企業は、自社でデータを収集できていないという点があります。その上で、他社の情報やデータを活用していると、様々な制約が発生してしまうケースが多々発生します。
テレビは数千万単位でメッセージを届けられる数少ない媒体であるものの、その視聴者情報は収集しようと思ってもなかなか簡単に集められません。そういった希少性の高いデータを自分たちで収集・分析して、顧客にSaaSという形で提供している点で、当社のビジネスは自由度と独自性が高いと思います。
顧客がインサイトを得ることができれば、結果として消費者により多くのメッセージが届き、業界の考え方も変えていける可能性もあります。スイッチメディアなら、そういった世の中への影響度のある重要な仕事ができて面白そうだと思いました。
── スイッチメディアのビジネスは独自性が高いということですが、そんな当社で働くからこそ得られることはありますか?
高橋:
当社の場合、独自性が高いからこそ他社の真似ができないため、自分達で考え抜いて乗り越えていく大変さとやりがいがあると思います。
例えば、参考になる他社事例があれば今後の事業の伸び方をある程度想定することができたり、今後の見通しが立てやすくなることは間違いありません。一方、当社の場合は独自性が高い分、参考になる他社の事例があまりないため、今いる仲間たちと共に何がベストなのかを考えていく必要があります。当然、産みの苦しみは伴いますが、自分たちで考え抜く経験が積めるのは当社ならではだと思います。
── 「こうすればいい」という解がない中で、新しいものを作る面白さがありそうですね。
高橋:
まさに!SaaS領域ではよくあることかもしれませんが、今当社では新しいことに取り組んでいるため、よりよい方法を手探りで探しています。そういった不安定さや曖昧さがある状況で、「決まっていないなら自分で作ろう」というマインドを持って取り組める方にとっては楽しい状況だと思います!
ただ速く開発するのではなく、事業や顧客にとってベストなプロダクトになるように考えて開発する
── 入社後の開発ではどのような課題を感じましたか?
高橋:
プロジェクトの話になってしまいますが、入社してすぐに入った新デバイス開発のプロジェクトを「ヒト・モノ・カネ」が足りない状態で進めねばならなかったことが、最初の大きな壁でした。
ベンチャーで開発体制が確立されていない中で、更に世の中にあまり類似するものがない新しいデバイスを自社開発するというのは、想定外のことが多々発生し、1つ1つ乗り切るのも一苦労でした。
ただ、どのような状況でも思考停止させず、その場におけるベストな判断は何かを考え抜くことを意識していました。有名な本に書いてあるから、最近流行っているから、という理由では技術的な判断をせず、当社の事業や顧客にとって本当にベストな判断になるかどうかを考えた上で、意思決定しました。
── ありがとうございます。
改めて、今の当社の課題、そして今後どのようなことに注力されたいか教えて下さい。
高橋:
2022年6月にリリースした新プロダクト、「TVAL(ティーバル)」のグロースがとても重要だと考えています。繰り返しになりますが、当社のプロダクトは他に類似するものがないので、エンジニアの立場からも顧客のニーズを理解することが大事なんですよね。
── 顧客と直接の接点を持ちやすいセールスではなく、エンジニアの視点で「顧客のニーズを理解する」というのはどういうことでしょうか?
高橋:
エンジニアが開発するモノが、顧客を無視した独りよがりなモノにならないように、営業、企画、開発、QAのサイクルを最適化していくことがプロダクトのグロースに繋がると考えています。今後は、開発の仕組みや取り組みの改善が必要だと思っています。
── プロダクトグロースさせるための改善と聞くと、顧客の要望に応えられるよう、より速く機能改修や機能開発ができるようにするというイメージですが、どのようなことをしたいのですか?
高橋:
もちろん速く開発することも必要ですが、コードの品質が悪ければ不具合修正に追われるだけになってしまいます。それを避けるためには、コードのリファクタリング、フレームワーク改善、テスト改善などの内部品質も同時に必要です。新プロダクトのTVALは、サーバーサイドKotlinで開発を行っており、最新の技術を使ってより良いソフトウェアにしていきたいと考えています。
また、組織的な観点では、今は業務委託の方が比率として多い組織となっており、よりよいモノを作るための取り組みが個人に閉じやすくなってしまう部分もあるため、ボトムアップでプロダクト開発の改善を進められる組織にしていきたいです。
── 組織のお話が出てきたところで、高橋さんはどういった方と一緒に働きたいですか?
高橋:
正直に言うと「どんな方とも一緒に働いてみたい!」という気持ちはあります(笑)。
その中でも特に一緒に働きたいと思うのは、自分の経験や能力を使って自分なりに相手に貢献しよう、チームに貢献しようとする気持ちをお持ちの方です。そういった気持ちはとても重要だと思っています。また、1つのプロダクトをじっくり育てたい方や、技術分野を横断的に取り組みたい方も当社のビジネスモデルに合っているのではないかと思います。
── 最後に、一言メッセージをお願いします。
高橋:
私自身、元々コーディングしていたエンジニアだからこそ、現場で何が起こると辛いかや、どのような意思決定がエンジニアリングを妨げるのかは理解できるのではないかと思っています。だからこそ、ビジネスでもエンジニアリングでも理に適ったことをしていきたいです。
プロダクト開発を進めて行く上で、ビジネスサイドだけが納得するプロダクトを作るのではなく、ビジネスサイドもエンジニアサイドもお互いの視点で納得のできるものを作り、皆が納得感のある仕事ができるようにしたいと思っています。
── 本日はありがとうございました!