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SUPER STUDIOでは、社内表彰制度「SUPER STUDIO AWARD」を実施しています。全10回に渡り、2023年度の受賞者インタビューを紹介します。
第5回は、2023年度MVP プロダクト&マーケティング部門を受賞した古田 和歌子(ふるた わかこ)さんです。インタビュアーは人事戦略室 室長の吉田が務めました。
古田さんはWebサービスやハードウェアを提供するスタートアップ企業での経験があり、これまでWebマーケティングや広報、プロダクトマネジメントなど幅広い職種を経験されてきました。フリーランスを経てSUPER STUDIOに入社し、現在はPMM(プロダクトマーケティングマネージャー)としてecforceやecforce appsの開発に携わっています。
今回は古田さんにPMMの社内での役割についてお伺いするとともに、MVP受賞に至ったマインドなどについてお話を伺いました。
ーまずは自己紹介と今までのキャリアについて教えてください。
古田:もともと制作会社でWebデザインの仕事をしていたのですが、自分はWebデザインよりもサイトのアクセス解析やSEO対策、SEM運用の方が得意だと気付き、Webマーケターとしてマーケティングに強い事業会社へ転職しました。
そこでは女性初の事業部長となり、マーケティング部門のリーダーも兼任していました。その後、Webマーケティング以外の知識も必要なハードウェアのマーケティングに興味を持ち、製品を世間に広く認知してもらうために広報にも携わりました。
その後フリーランスとしての活動を始め、さまざまなスタートアップ企業と一緒に仕事をしてきました。その中で、住宅のスマートロックを開発する会社と仕事をした際、まだ一般的でない製品に魅力を感じてもらうためには付加価値をサービスを通じて伝える必要があることに気付きました。
その後、どういったサービスが求められているのかを知るために市場調査をしたり、サービス戦略を考えたりと、PMMに近い業務を行うようになりました。この経験を機に、より専門性を高めてPMMの仕事がしたいと思うようになり、SUPER STUDIOへ入社しました。
入社した当初は、PMMは私の他にメンバーがいなかったため、仕組み作りやPMMの職務内容をを定義するところからスタートしました。
ー部門の立ち上げから関わってきた古田さんから見て、現在のPMMの役割はどのようなものでしょうか。
古田:SUPER STUDIOのプロダクトマネジメント組織は、PdMとPMMが分業をしています。PMMはプロダクト側とビジネス側の橋渡し役として、それぞれが抱えている課題を解決するためにあらゆる業務を行います。PdMとはお互いオーバーラップし、足りない部分を補い合いながらそれぞれの能力を高められるよう協力しあっています。
PMMは、関わる人やプロジェクトによって臨機応変に対応しなければならないため、柔軟性が求められる仕事だと思っています。現在のメンバーは私を含め4人となり、今までマンパワー不足で諦めていた範囲もカバーできるようになったため、周囲からの期待も高まっていると感じています。
ーecforceやecforce appsのロードマップの策定・ローンチに携わられていますが、どのようなことを意識して業務を行われているのでしょうか。
古田:ecforceのロードマップの策定とecforce appsの新規立ち上げでは、考え方がまったく異なります。ecforceはすでに多くのお客様がいるので、市場開拓につながる機能と、既存顧客向けの機能をバランス良く組み込むようにしています。
一方で、ecforce appsの立ち上げの場合は、ecforce導入企業が選ぶ最適解となるプロダクトの条件は何なのか?を意識しています。ecforce appsはecforceの機能や他のappsとの掛け合わせてご利用いただき、EC事業のさらなる成長や業務改善に役立てていただくためのツールですが、ビジネスサイドとお客様からの「ecforceプラットフォームだからこその強みがあること」への期待値は高いですし、それに必ず応える必要があると思っています。そのため、競合のプロダクトをリサーチしたり、既存顧客の方の声を参考にしたりしながらも、独自機能や価値も検討します。
例えばecforce maであれば、データのマッピングが最初からされているからすぐに配信できる。エンドユーザーがログイン状態でサイトに遷移できる自動ログイン機能が搭載されている…など、プラットフォームだからこそ実現できる他社にない強みをつくることは特に重視しています。
世の中に多くのツールが存在する中で、どのようなプロダクトであれば選んでいただけるのかは、メンバー内で最も大切にしてる視点ですね。
ーお客様の声をヒアリングする際に工夫しているポイントはありますか。
古田:直接お話をお伺いする機会を設け、「普段どのようにツールを使われていますか」「今は何に困っていますか」と質問し、積極的に情報を集めるようにしています。また、他部署の方々が集めてきてくれたお客様の声も参考にしています。
その際、集まった情報を鵜呑みにするのではなく、ヒアリングを行ったメンバーにお客様とのやり取りの詳細を聞いたり、実際にやり取りしているメッセージに目を通したりもしていますね。
例えば「CSVのダウンロードボタンをつけて欲しい」というご要望があった際、なぜその機能が必要だと思ったのか、どれぐらいの頻度で何の業務に必要なのかなど、背景や目的も含めあらゆる周辺情報を正確にキャッチするようにしています。
正確に情報を把握しておかなければ、お客様が希望される機能と開発した機能との間にギャップが生じることがあります。そのため、お客様の課題感を詳細に汲み取った上で、機能検討するようにしています。
ーPMMは経営陣の方々と関わることも多いと思いますが、業務を進める中で気を付けていることはありますか。
古田:経営陣とのやりとりに限ったことではないですが、相手と自分の視点や価値観が違うことを前提に、まずは相手が何を目指しているのかを考えるようにしています。経営陣との話であれば、より長期の視点を持っているなど視座の違いによって自分の理解がずれないよう注意します。
会話の中からポイントとなるキーワードを拾い上げ、自分の中で咀嚼し、相手が何を考え、何を理想としているのかを考えます。さらに「私はこう理解したのですが、認識の齟齬はありませんか?」と相手に確認を取ることまでセットで行うようにしています。
その場で確認し、相手と自分の認識を合わせておくことは、仕事をスムーズに進めるためにも重要なポイントだと思っています。
業務において幅広い部門・レイヤーの方と関わるということは、その分自分とは違う視点や視座を理解する必要があるということだと思っています。相手の言葉を「わかった気にならない」は非常に大切なことだと思います。
逆にPMMも目標や価値観、視点をすぐに相手に理解してもらえると思わないように心がけています。今後も、相手に伝わる言葉を探し、相手に伝わるまで伝え続ける努力を怠らずにいたいと思います。
ー古田さんは前向きなスタンスをお持ちですが、SUPER STUDIOに入社されてから苦労されたことはありますか。
古田:他部署とのやり取りで、比較的優先順位が高い仕事を依頼したにもかかわらず、なかなか進捗がなく不安になったことがありました。
ただその際、周りの方々が「この件はあの人に聞いた方がいいよ」「今こういう状況だと思うよ」とフォローしてくださったおかげで、そこまで苦労したという意識はありません。
その他にも、客観的に見ると大変そうに見えた場面があったかもしれませんが、つまずきから改善点を見つけ出すことが仕事の醍醐味だと思っているので、あまり苦労したと思ったことはないです。
ー昨年のSUPER STUDIO AWARDからMVPの受賞を目標にされていたと伺いましたが、どんな思いで仕事に向き合っていましたか?
古田:周囲の方々に「次は古田さんがMVPを取って」と言っていただいたのですが、社員数が増えているなかで、私が受賞するのは無理なのではないかと尻込みしていました。ただ、この1年はMVPの受賞にこだわらず、後悔がないぐらい働いたと言えるようにしたいと思い、仕事に向き合っていました。
達成すべき目標は決められていましたが、「あなたへの期待値はこのぐらいです」と会社から示された基準をクリアするだけでは物足りないと感じていました。
これまでずっとスタートアップで働いてきた理由は、普通に歩くよりも気づいたら早歩きをしていたり走っていたりして、結果的に思ったよりも遠くまで到達できていたというように、普通のペースでは味わえないような濃度で人生を送りたいと思っていたからです。周りのスピードに合わせて全力疾走しているうちに、気づいたら違う景色が見えているようなイメージです。
一方、SUPER STUDIOはスタートアップですが、これまで私が勤めてきた企業に比べて、制度がしっかりしていると思います。例えば、評価制度においても、目標設定の際に上司としっかり面談を行い、半年や1年後など先の未来が具体化されています。
従業員数5名程のスタートアップで、周りの速さに合わせて全力疾走していた経験と比較すると、SUPER STUDIOは安心できる環境だと感じています。
普通に働いていてもそれなりの成果は残せたのかもしれませんが、圧倒的な成果で自分を成長させるためには、さらに一段、二段と上を目指さなければいけないと思いました。
そこであえて自分に負荷をかけ、業務に取り組んできました。その上で、周囲の方々の期待にも応えようと努力した結果、今回MVPを受賞することができました。
ーSUPER STUDIOの7つのCULTUREで意識していることがあれば教えてください。
古田:私が大切にしているのは「現場の第一人者になろう」です。私たちPMMはサービスを提案する現場に出ることはありませんが、プロダクトとその市場に一番詳しい人という意味での第一人者にはなれると思っています。
そのためにも、誰よりも高い解像度で、プロダクトやサービスについて把握することが重要だと思っています。社内の方が「これって誰に聞いたらいいかな」と思ったときに、真っ先に私たちPMMを思い出してもらえるような存在になりたいですね。
ー古田さんの今後目指していきたい姿を教えてください。
古田:PMMとして、プロダクトをうまく組み合わせたり、新しい機能を追加したりすることで、既存のプロダクトを最大限に活用できるようにしたいと考えています。少し視点を変えるだけでも、これまでとは違う領域のお客様を取り込むことができ、新しい市場を開拓できると思います。
プロダクトの価値を組み合わせた新しい運用方法を提案するためには、機能同士の掛け合わせに気が付くかどうかが重要です。そのため、自分が直接担当していない機能開発にも常にアンテナを張って情報を蓄えておき、いつでも情報を取り出せるようにしておかなければいけません。
また、長く健康に働ける体力作りにも励みたいと思っています。長時間働かなくても、頭をフル回転して短時間で効率的に働き続けたいですね。
MVPを受賞した古田さんのインタビューを紹介しました。MVP受賞を目指し、もう一段階上のステージに上がれるよう、あえて自分に負荷をかけてきたというエピソードから、古田さんのバイタリティが伝わってきました。
また、会話の内容から相手の意図をくみ取ったり、お客様のニーズを探るため深堀りしたりするなど、仕事で活かせるノウハウも教えていただきました。みなさんもぜひ参考にしてみてください。