スタメンでは、2025年12月1日〜25日まで note relay 2025 を実施していました🎄
今回はその企画の中で投稿されている記事を転載します。
スタメンの人や組織、事業など、リアルが詰まっている内容になりますので、ぜひ御覧くださいませ。
まず先にお伝えしておきます。この記事は1万文字を超えていますので、お時間がある時にゆっくりお読みください。
本題に入る前に、私のこれまでの経歴を自己紹介として簡単に紹介します。
キャリアスタート:飲食業(約2年)
2社目:出版社での広告営業および編集(約4年)
3社目:スタートアップでのデジタルマーケ事業責任者(約6年)
4社目:現職のスタメン社(1年半)
自身で振り返っても、一貫性のない経歴に見えますね。
私にとっては一社ずつ意味のある選択をしてきたつもりですが、経歴の話だけで長くなってしまっては本末転倒ですので、今回は多くを語りません。
早速、本題に移ります。
このnoteをお読みいただきたい方
本noteは「何か組織が上手く回っていないな…」「組織の問題点はわかっているがどこから手をつけるべきか」「このままで事業グロースするのかな…」といった課題をお持ちの方にお読みいただければと思います。
非常に長いnoteですので、気になるところだけお読みいただけるように、タイトルに記載した「7のこと」をまずは列挙しておきましょう。
- 事業全体のデータ分析
- Biz Ops / MOps設計
- Go to Market 戦略の策定
- グロース戦略本部の発足
- Revenue Opsのスタート
- 事業開発部 / 事業推進部への注力
- 全体戦略の策定
このnoteを通して、SaaS事業やTHE MODEL型組織の難しさ、課題、それらを乗り越える事業グロースの進め方を少しでもお伝えすることができれば嬉しいです。
THE MODEL型組織の課題
ここ数年、各所でTHE MODEL型の弊害、限界など目にすることが多くなりました。しかし、何が具体的な問題であり、どう乗り越えていくべきか示されたものがなかったため、それらを言語化するところから始めます。
まず、THE MODEL型組織の課題の整理です。
SaaS事業において「THE MODEL型組織」は王道の型として広く浸透しています。しかし、実際に現場へ落とし込むと、多くの企業で同じ課題に突き当たります。
THE MODELは、マーケ → インサイドセールス → フィールドセールス → カスタマーサクセス、そして開発 と、責任範囲を分業化し、各フェーズで最適化を図ることで事業をスケールさせる思想です。ただし、この「分業の美しさ」は、現場においては"分断"と紙一重です。
スタメンに入社して最初に感じたのは「非常に各部の自治が強く、筋肉質な組織である」ということ。裏返すと、その自治の強さはTHE MODEL型組織の弊害を起こしやすい状態だということでした。
各部門が自律的に動けるのは組織として成熟している証拠ですが、一方で「隣の部門が何をしているかわからない」「自部門のKPIさえ達成すればいい」という意識が芽生えやすい土壌でもあります。
私が感じた課題を、5つに整理してお伝えします。
①組織サイロ化が進むと、誰も全体を見なくなる
各部門が明確に分かれるほど、「自分たちのKPIだけを達成する」という動きが強くなり、事業全体の視点が失われがちです。
マーケはリード数、ISは商談数、FSは受注率や受注数、CSは継続率・解約率。どれも大切なのですが、KPIの最適化が"部門最適"に堕ちてしまう瞬間があります。
例えば、マーケが「リード数」だけを追いかけると、質の低いリードが大量に流入する可能性があります。ISは商談数を追うあまり、確度の低い商談をFSにパスしてしまう。FSは受注数を追うために、本来フィットしない顧客に無理に売ってしまう。そしてCSは、そうした顧客の解約対応に追われる。
本来はファネル全体で一気通貫して改善すべきなのに、各部が"自分のフェーズを守る"動きに偏ると、結果としてファネル全体の転換率は改善しないままになります。
これは誰かが悪いわけではなく、THE MODEL型の構造が持つ宿命的な課題です。
②越境しない文化が、課題の根を見えなくする
THE MODEL型では役割定義がはっきりしているため、"越境"しなくても仕事が成立してしまいます。
- マーケは商談の質を知らない
- ISは提案で何に詰まっているか知らない
- FSはオンボーディングの課題を知らない
- CSはどんな訴求で顧客が興味を持ったのか知らない
本当は課題の真因は隣のフェーズにあることが多いにも関わらず、極端な分業は"相互理解の欠如"を生み、改善のスピードを著しく遅らせます。
例えば、FSが「最近、価格で負けることが多い」と感じていたとします。しかし実際には、マーケの訴求が「コスト削減」に寄りすぎていて、価格に敏感なリードばかりが集まっていただけかもしれません。本当の課題は「訴求の見直し」なのに、FSは「価格交渉力の強化」という的外れな対策を打ってしまう。
こうしたことが、THE MODEL型組織では日常的に起きています。
③ 部長を飛び越えない構造が、意思決定を遅らせる
さらに厄介なのが、THE MODEL型の組織構造では部長レイヤーが縦に並び、領域をまたいだ意思決定がしづらくなる点です。
マーケ部長、IS部長、FS部長、CS部長。それぞれが自部門の責任を持ち、自部門の数字にコミットしている。この構造自体は健全ですが、問題は「部門を跨ぐ課題」が発生したときです。
「この課題は誰が意思決定するのか?」が曖昧になり、結局は上位のレイヤー(事業部長や執行役員)に判断が委ねられます。しかし、上位レイヤーは他にも多くの意思決定を抱えているため、部門間調整の優先度は下がりがちです。
結果として、部門間の連携は「相談ベース」になり、重要な論点ほど先送りされがちです。
④ 適切な衝突が起きず、議論が“表面化”しない
実は、THE MODELには"健全な衝突"が必要です。
「どの見込み客を獲得しに行くべきか」 「価値合意はなぜ進まないのか」 「チャーンはなぜ起きているのか」
こういった論点は本来、マーケ・IS・FS・CS、全組織が一枚岩になって議論すべきテーマです。
しかし組織がサイロ化すると、衝突が避けられ、「表面的な会話だけが流れるミーティング」が増えていきます。
「今月のリード数は○○件でした」「商談数は○○件でした」「受注は○○件でした」。報告会としては成立していますが、「なぜその数字なのか」「どうすれば改善できるのか」という議論は生まれません。
衝突のなさは平和ではなく、"停滞"を意味します。
⑤ 事業グロースのセンターピンが不在になる
明確な事業責任者が存在する場合は除いて、THE MODEL型で最も致命的な課題は、「ファネル全体を最適化する責任者」が存在しないことです。
誰もが部分最適に取り組むため、事業がどの方向に進むべきか、どの蛇口をひねるとレバレッジが効くのか、その判断を一気通貫で下せる人がいなくなります。
結果として、「施策は多いが、事業は前に進まない」という状況に陥りやすくなります。
各部門は頑張っている。施策も打っている。でも事業全体としては停滞している。この状態が、THE MODEL型組織の典型的な機能不全です。
THE MODELは“型”であって、“解決策”ではない
前提として、THE MODEL型は非常に良くできた組織の型です。
上手く運用することができれば、効率的な組織運営、事業推進ができます。分業によってそれぞれの専門性が高まり、スケーラビリティも確保できます。
ただし、ただ型に嵌めただけの運用をすると分断が強くなり、事業成長のスピードを奪うのも事実です。
THE MODELは「採用すれば事業が伸びる」という解決策ではなく、「運用次第で武器にも足枷にもなる」型なのです。
ここからは、この課題をどう乗り越えていくのかを、私が「実践してきたことと、そこから得た学び」を取り組みとして紹介していきます。
入社後すぐに行ったのは分析・Ops設計
私が2024年の6月にスタメンへ入社し、まず行なったことは二つ。
一つがマーケからセールスまでの全ファネルの分析、もう一つがBizOps・MOpsの策定です。
これは「全員が見るべき重要指標を可視化・共通化」するために行いました。
入社当時、スタメン社ではデータ集積自体はされていたものの、それを活かしきれていない状態でした。
データはあるが、分析されていない。分析されていないから、意思決定に使われない。意思決定に使われないから、施策が勘と経験に頼りがちになる。
仮説ベースで当たりそうな施策を実行するという、ある種経験に即したビジネス状況でしたので、データドリブンに施策を策定・実施・評価できるようにMA、SFAからのデータを抽出し以下を整理しました。
- 受注・失注理由分析
- チャネル別の受注率・失注率
- 業界別の傾向
- 企業規模別の傾向
- 相手の担当者属性
- 競合との比較
- 価格
- リード獲得後の全体のファネル転換率の調査
- リード→MQL→SQL→商談→価値合意→受注の各転換率
- チャネル・訴求軸ごとのファネル転換率
- リードタイムの分析
これらを以下のようなシートにスコアリングして、課題を特定。
![]()
ファネル転換率スコアリングの一例
分析の結果、いくつかの重要な発見がありました。
最も落ちているフェーズは初回提案から価値合意の部分であり、全体の商談のうち、多くがここで失注。さらに、失注理由のうち、90%以上が価値合意に至らず失注していることが分かりました。
これは非常に重要な発見でした。つまり、「商談は取れているが、TUNAGの価値を理解してもらえていない」という状態だったのです。
また、TUNAGの価値合意に進んだ20%のうち、「担当者価値合意」で約40%が受注、「意思決定者合意」で約70%が受注。訴求や販売が難しいTUNAGではありますが、価値合意にまで進めることができれば受注率が跳ね上がることが、分析から見えてきました。
TUNAGの提供価値である「組織エンゲージメント向上」「従業員の定着率」「働きやすさの向上」が、TUNAG上で設計と運用ができるイメージを明確に持っていただければ、ご利用の検討が進むということですね。
言い換えれば、「TUNAGで何ができるか」ではなく「TUNAGで自社の組織課題がどう解決されるか」をイメージしてもらうことが、受注への最大のドライバーだということです。
余談ですが以前「組織改善ガイド」というものを制作しましたので、ご興味がある方はぜひ以下から資料をDLしてください。(A4サイズで50Pほどあります…)
マーケティングの観点では、施策とチャネルの偏りがあり、リード獲得から商談獲得の転換率がSaaS事業として低い状況でした。特にナーチャリング(見込み顧客の育成)が弱く、獲得したリードが商談化せずに放置されているケースが散見されました。
そこで、ナーチャリング設計によって、ハウスリストを商談化することにも注力する方針を固めました。
分析結果から、まずは細かいマーケ施策の調整の前に、リード獲得から受注までの全ファネル通してのオペレーション設計が急務と判断。
以下のような設計を実施しました。
![]()
Ops全体設計の一部
上図に合わせる形でSFAやMAの整理・再設計を行なった上で、広告運用・コンテンツ制作・メルマガ運用、LPの訴求やCTR/CVR改善、オフライン施策の策定などを進めていきました。
整理すると、分析・Ops設計でやったことは「どこの蛇口をひねれば、事業全体にレバレッジが効くのかを特定すること」です。
TUNAGを誰に届けるのか?「GTM戦略」の策定
データドリブンマーケの基盤とBiz/MOps設計を整備したのち、次に着手したのが「Go to Market戦略」の策定です。
Go to Marketとは、プロダクトを市場に届けること、市場を開拓すること。この活動を戦略的に実行する術です。
マーケティングとセールスの戦略を包括的に定義したもので語られることが多いですが、プロダクトとセットで考える必要があり、プロダクト・マーケティング・セールス・CSまで含めて、市場にTUNAGをどのように届けて、どのようにグロースさせていくのかまでを戦略に落とし込みます。
GTM戦略の策定で検討した項目は以下の通りです。
- 「TUNAGとは誰の何を解決する事業なのか」
- 顕在・潜在顧客の課題を定義
- キーメッセージ
- ターゲットを定義
- 市場の選定
- 業界
- 規模(SMB/Mid/Enterprise)
- 組織・事業フェーズ
- キーパーソン(誰にアプローチすべきか)
- 競合調査とニーズ
- 競合サービスの定義
- 同質化と差別化
- 競合よりも自社サービスを選ぶ要素
- プロダクトのAs is to Be
- 現在のプロダクト状況
- 顧客へのヒアリング・アンケート
- 理想とするプロダクト
- カスタマー(バイヤー)ジャーニーの定義
- マーケティング
- チャネルの選定(リスティング、SEO、SNS・ディスプレイ広告、展示会、BDRなど)
- 施策一覧と評価
- セールスプラン
- SDR / インサイドセールス
- BDR / ABM / フィールドセールス
- アライアンス / 代理店
- カスタマーサクセスプランニング
- 課題とベネフィット
- 顧客のゴール設定
- オプション
- アップセル・クロスセル
- プロダクト課題と要件定義
- KGI / KPI設定
- (広報戦略)
これらを一つずつ策定していきますが、最も重要なのは「TUNAG事業において、私たちが今全てを差し置いて取り組むのは、誰が抱えるどんな問題であるのか」を決めることです。
事業に関わるコアメンバーを集めて、毎週1〜2時間、数週間にわたって議論を進めました。
![]()
事業のコアを定義
改めて振り返るとスライド約80ページに渡って、この議論を行なっていたようです。
GTM戦略の策定で最も大変なのは、「何をやらないか」を決めること。特にTUNAGのような汎用性の高いプラットフォーム事業では、様々な業界・規模の企業に価値を提供できます。
だからこそ、「どこにフォーカスするか」を決めることが難しい。
しかし、すべてに手を出すと、どこにも刺さらない中途半端な事業・施策になってしまいます。
私たちの場合、「TUNAGが解決したい社会や顧客の課題(WILL)」「TUNAGが今できること(CAN)」「なぜこのTUNAGが必要なのか(MUST)」を整理。TUNAGの顧客を運用担当者とその先にいらっしゃる従業員の方に分けて考え、結論を出しました。
「TUNAG事業において、私たちが今全てを差し置いて取り組むのは、誰が抱えるどんな問題であるのか」、これをさまざまな観点から議論し、出てきた意見を統合した上で、TUNAG事業のキーメッセージを決めました。
「組織と人に“働きがい”を」
このキーメッセージは、単なるスローガンではありません。すべての施策の判断基準となる、事業のセンターピンです。
GTM戦略の策定後、私が関わるすべての事業・業務・チーム作りは、このキーメッセージを中心に据えて進めていくことになります。
今、弊社では上記のようなフレームワークも使いながら「MVV策定」「理念の浸透」を中心としたアドバイザリー・コンサルティングなどを伴走支援しておりますので、課題をお持ちの企業様はぜひご相談ください。
グロース戦略本部の発足
2024年の9月、入社後3カ月が経過したころにグロース戦略本部の本部長を拝命しました。
部署名称だけを見ると仰々しく見えますが、当時は「マーケティング部」「インサイドセールス部」の二つの部署を管掌していた部署です。
なぜこの二つの部署なのか。
お読みになっている方はお気付きだと思いますが「事業の入り口を押さえる」ためです。
THE MODEL型組織の課題として先述した「分断」を解消するためには、まずどこかで一気通貫の流れを作る必要があります。
マーケティングがGTM戦略の「組織と人に働きがいを」に則って、組織課題に関するKWの選定、広告クリエイティブ、訴求、施策を運用すれば、基本的にはTUNAG事業で解決できる"価値"に対して課題を持ったリードを獲得できます。
そして、インサイドセールスが、その価値のヒアリングと課題の特定および顕在化を行ってフィールドセールスにパスしていく流れです。
施策を検討するときには「それがGTM戦略に即しているか」で判断し、「外れているものはやらない」ということを徹底。
例えば、「リードはたくさん取れるけどこの訴求って本当にTUNAGの価値なの?」であったり「このセミナーはリード数は取れそうだが、TUNAGの価値に共感する層が集まるか?」など。
リード数だけを追いかければ、数は増えても質が下がり、結局FSの工数を圧迫するだけになってしまいます。
まずここさえ押さえていれば、数は大きく増えなくてもファネル転換率は改善していくため、マーケとインサイドセールス施策の統一を図りました。
しかし、これだけでは事業全体のグロースにはつながっていきません。
マーケとISが連携しても、FSとCSが別の動きをしていては、結局「部分最適の範囲が少し広がっただけ」になってしまいます。
そこで次に進めたことが「Revenue Ops」です。
Revenue Opsのスタート
![]()
Rev Ops設計時の各部の役割整理
グロース戦略本部の発足により、マーケティングとインサイドセールスの連携は強化されました。しかし、これだけでは事業全体のグロースには不十分です。
なぜなら、THE MODEL型組織の課題として先述した「ファネル全体を最適化する責任者の不在」という問題が、依然として残っているからです。
マーケ→IS→FS→CSという流れの中で、各部門が独自のKPIを追いかけている限り、事業全体としての最適解は見えてきません。
そこで着手したのが「Revenue Ops(レベニューオペレーション)」の構築です。
Revenue Opsとは何か
Revenue Opsとは、売上に関わるすべてのオペレーションを統合的に管理・最適化する機能です。
もしかしたら馴染みの薄い方もいらっしゃるかもしれませんが、SaaS企業では設置されていることが多いファンクションです。
Revenue Opsの役割を一言で表すなら、「部門を超えて、売上最大化のための意思決定を支援する司令塔」です。
具体的には以下の3つの領域を担います。
1. データの一元管理と可視化
マーケ、IS、FS、CSのすべてのデータを統合し、部門を超えた共通ダッシュボードを構築。リアルタイムでファネル全体の健全性を把握できる状態を作ることで、「どこにボトルネックがあるのか」が誰でも分かるようになります。
これまでは、各部門が自部門の数字しか見ていませんでした。マーケはリード数や商談数、ISは商談数やパイプライン数、FSは商談実施数や受注数、CSは解約率やNRRなど。
それぞれの数字は見ているが、「それらがどうつながっているのか」は明確は把握できていない状態でした。
Revenue Opsでは、これらのデータを一気通貫で可視化します。
例えば、「今月のリードは質が高いのか低いのか」を判断するためには、そのリードがその後どのような転換率を経て受注に至ったか(あるいは失注したか)まで追跡する必要があります。
2. プロセスの標準化と効率化
各フェーズ間の引き継ぎルールを明確化し、SFA/MAの運用ルールを統一します。また、商談ステージの定義を再設計し、全員が同じ基準で商談の進捗を判断できるようにします。
例えば、「価値合意」というステージ一つとっても、人によって解釈が異なっていました。「顧客が興味を示した」時点で価値合意と判断する人もいれば、「明確に導入意向を示した」時点で価値合意と判断する。
この定義のズレがあると、パイプラインの精度が落ち、予測が困難になります。
Revenue Opsでは、こうした定義を統一し、誰が見ても同じ基準で判断できる状態を作ります。
3. 部門横断での課題解決
ボトルネックを特定し、改善施策を立案します。部門間の「健全な衝突」をファシリテートし、事業全体視点での意思決定をサポートします。
THE MODEL型組織では、部門間の課題解決がどうしても「相談ベース」になりがちです。
「ちょっと困っているんだけど…」という相談から始まり、「じゃあ一度話しましょうか」となり、会議を設定し、議論し、結論を出す。
このプロセスに時間がかかりすぎるのです。
Revenue Opsは、このプロセスを加速させます。データに基づいて課題を特定し、関係者を集めて議論をファシリテートし、意思決定を促す。この一連の流れを、Revenue Opsが主導します。
Revenue Ops導入で変わったこと
Revenue Opsを導入したことで、最も大きく変わったのは「会議内容や質」です。
以前は、各部門が自部門の数字を報告し合うだけの会議が多く存在していました。「今月○件のリードを獲得しました」「○件の商談を創出しました」という報告が並び、それぞれの数字が良いか悪いかを議論する。
しかし、この形式では「なぜその数字になったのか」「事業全体にどう影響するのか」という本質的な議論が生まれません。
Revenue Opsは、ファネル全体を俯瞰した上で「どこがボトルネックになっているのか」「そのボトルネックを解消するために、どの部門が何をすべきか」という議論ができるようになります。
「実はマーケが獲得したリードの質が変化していた」「ISの商談設定時のヒアリングが不十分だった」「競合の動きが活発化していた」など、複合的な要因が見えてきます。
現時点でも完全にRevenue Opsを機能させるには至っていませんが、この「部門を超えた原因分析や議論」ができるようになったことが、Revenue Opsを行ったの成果だと私は考えています。
事業開発部・事業推進部への注力
Revenue Opsによってファネルの最適化が進む一方で、もう一つ取り組むべき課題がありました。
それは「TUNAG以外の領域でも収益を作り、事業成長の角度を上げる」ことです。
![]()
TUNAGはHR領域のSaaSですが、HR領域には12のキーファクターがあります。
「管理責任」「採用計画」「採用活動」「学習・人材開発」「パフォーマンス管理」「評価」「労使関係」「従業員コミュニケーション」「健康と安全」「キャリアプランニング」「報酬・福利厚生」「ウェルビーイング」。
TUNAGがカバーしているのは、「労使関係」「従業員コミュニケーション」「健康と安全」「ウェルビーイング」の領域が中心です。
つまり、まだまだ市場の拡張余地があるということです。
事業開発部は、TUNAGに相互作用する領域を「コンサルティング(アドバイザリー)」「採用/RPO」「BPO」などによって拡張し、HR領域全体で事業成長をドライブさせる役割を担っています。
※「組織コンサルティング」「採用」「BPO」に関して、課題やご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。
なぜ事業開発に注力するのか
TUNAGというSaaSプロダクトだけでは解決できない課題が、顧客の現場には数多く存在します。
「TUNAGを導入したいけど、その前に評価制度を整えないと」 「TUNAGで情報共有したいけど、そもそも人が足りなくて発信する余裕がない」 「TUNAGで組織を良くしたいけど、採用がうまくいかなくて組織が作れない」
こうした声に対して、課題解決へと向かうソリューションをご提供できていませんでした。
事業開発部は、これまでTUNAGのスコープ外であった組織の悩みを解決し、よりTUNAGの活用ができる組織づくりを支援する役割を担っています。
結果として、顧客の課題解決が進み、TUNAGの活用も促進され、事業全体の成長につながる。
この好循環を生み出すことが、事業開発部の存在意義です。
事業推進部の役割
2025年下半期、事業開発と並行して進めてきたのが事業推進部です。
やってきたことは「とにかくBizのデータを一箇所に集約すること」でした。
これまでもSFAやMAにデータは蓄積されており、それも活かしていましたが、各所でデータをバラバラに扱っており、集約ができておらず、機会損失や連携不足が起きていました。
それを半期で一箇所に集約。
このあと触れる「今後の戦略策定」の基盤を整える、極めて重要な準備でした。
今後の戦略策定
最後に、これからの戦略について触れておきます。
2026年の戦略は現時点で社内的にも確定していないため、具体的な内容は控えさせてください。
ただ、これまでお伝えしてきた取り組み(データ分析、Ops設計、GTM戦略、Revenue Ops、事業開発・事業推進)は、すべて「事業グロースを次へ次へと進めるためのでもありました。
私個人の方針としては、大きく以下の3つを軸に考えています。
①徹底的に顧客の「TUNAGの活用度」に向き合う
TUNAGは導入して終わりではなく、活用されてこそ価値が生まれるプロダクトです。顧客がTUNAGをどれだけ使いこなせているか。その先にいる従業員の方々に価値が届いているか。ここに徹底的に向き合うことが、結果として事業成長につながると考えています。
②「TUNAGの活用と価値」を中心にBizとプロダクトを考える
マーケ、IS、FS、CS、そしてプロダクト開発。すべての動きを「TUNAGの活用と価値」という一点に収束させていく。部門ごとにバラバラの方向を向くのではなく、全員が同じゴールを見据えて動く状態を作りたいと思っています。
③新規事業開発によってTUNAGの周辺領域を広げる
TUNAGだけでは解決できない顧客の課題がある。そこに対してソリューションを提供することで、顧客の成功を後押しし、結果としてTUNAGの価値も高まる。この循環を加速させていきます。
これらを実行するために、事業推進部で整備してきたデータ基盤が活きてきます。
来期、最重要となるのは組織横断で見る「事業推進」だと捉えています。中心地を作り、「部分最適」ではなく「全体最適」によってグロースを進めていく。
具体的な戦略や数字はいずれ別の機会にお伝えできればと思いますが、方向性としてはこのnoteで書いてきたことの延長線上にあります。
THE MODELを「型」から「武器」に変えるために
こんなに長いnoteにお付き合いいただきありがとうございました。
最後に、このnoteを通じてお伝えしたかったことをまとめます。
THE MODELは優れた型であり、同時に危険な型でもある
分業によって効率化を図るTHE MODELは、正しく運用すれば強力な武器になります。しかし、ただ型に当てはめただけでは、分断と停滞を招きます。
型を活かすのは「人」と「仕組み」
型を活かすためには、越境を促すカルチャー、ファネル全体を見る視点、部門を超えた意思決定の仕組みが必要です。これらがなければ、THE MODELは機能不全に陥ります。
事業グロースに近道はないが、常に10倍の売上を考える
分析、Ops設計、戦略策定、組織再編。これらを一つずつ積み上げていくしかありません。魔法の杖はありませんが、地道に積み上げた先には、確実に成果が上がっていきます。
入社後に行なってきた取り組みを振り返ると、そのすべてが「THE MODELの分断を乗り越え、顧客やその先にいる従業員の方々にTUNAGの価値を届ける」という一点に集約されます。
分析によって全体を可視化し、Opsによって共通言語を作り、GTM戦略によって向かうべき方向を定め、そのときに最適なチーム組成作りによって越境を促し、Revenue Opsによってファネル全体を最適化。事業開発によって新たな成長を模索し、事業推進によって既存顧客の成功を追求する。
これらは独立した施策ではなく、すべてがつながっています。どれか一つだけやっても効果は限定的であり、すべてを連動させることで初めて事業はグロースしていきます。
このnoteが、THE MODEL型組織で悩んでいる方、事業グロースの壁にぶつかっている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
これからも「全体は部分の総和に勝る」ということを前提に、スタメン社の事業グロースに関わっていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
スタメンでは、新卒・中途問わず、スタメンを一緒に盛り上げてくれる方を募集中です🔥
もし興味を持っていただけたらぜひカジュアル面談からお話しましょう!!