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OSSで切り拓くキャリアの最前線!音楽、AI研究、そしてKafkaへ。SRA OSS赤松俊弘氏が語る「飽くなき挑戦」と「社会を支えるやりがい」
2024年に株式会社NTTデータグループとの資本業務提携を行い、30種類以上のオープンソースソフトウェア(OSS)の技術サポートやコンサルティングを手掛ける株式会社SRA OSS。同社の基盤技術グループに所属し、近年注目度が高まる分散メッセージングシステム「Apache Kafka(以下、Kafka)」の専門家として活躍する赤松俊弘さん。音楽に情熱を注いだ青年時代、AI研究に没頭した大学院、そしてOSSのプロフェッショナルへ。異色のキャリアを歩んできた赤松さんに、SRA OSSで働く魅力、Kafkaプロジェクトの現在、そしてOSSで社会を支える意義について伺いました。OSSの世界に足を踏み入れたいエンジニア、大規模システムやミッションクリティカルな領域で技術力を磨きたい方、必見のインタビューです。
インタビュイープロフィール
- 赤松 俊弘 (あかまつ としひろ)
- 株式会社SRA OSS / 基盤技術グループ
- 山梨県出身。大学進学を機に上京。音楽活動に深く携わりながら大学・大学院でAI研究に勤しむ。博士号取得後、株式会社SRA(現SRA OSSの親会社)に入社。
- 入社後は様々なOSSの技術サポート業務を経験し、現在はApache Kafkaを中心とした基盤技術領域で顧客のシステム構築支援や技術コンサルティングに従事。
目次
インタビュイープロフィール
音楽への情熱とアカデミアへの道、そしてSRA OSSへ
OSSのプロフェッショナルとしてのキャリアステップ:学びと挑戦の日々
Kafkaが繋ぐ未来。社会インフラを支える基盤技術の最前線
SRA OSSのDNA。「オープン」な文化と働きやすさのリアル
進化し続けるSRA OSS。新しい技術への探求心と未来への展望
共に未来を創る仲間へ:SRA OSSで「尖った個性」を活かす
音楽への情熱とアカデミアへの道、そしてSRA OSSへ
ーー本日はよろしくお願いいたします!まずは、赤松さんは非常にユニークな経歴をお持ちだと伺っています。SRA OSSに入社されるまでの道のりについて教えていただけますか?
赤松さん(以下、赤松):「よろしくお願いします。私は今年で42歳になるのですが、実は30歳過ぎまで音楽活動に明け暮れていました。大学も音楽にのめり込んで6年かけて卒業し、その後1年間はフリーターとして音楽だけに集中していた時期もあります。」
ーー音楽に情熱を注がれていたのですね!そこから大学院に進学されたきっかけは何だったのでしょうか?
赤松:「そうですね、その1年間で音楽で食べていくことの厳しさを痛感しまして…。かといって、新卒で就職するには少し時間が経ちすぎているなと感じ、一度アカデミックな世界で箔をつけようと考え、大学院に進みました。そこでは修士、博士と進み、AI関連の研究室に所属していました。ちょうど今のChatGPTのような生成AIが登場する少し前で、当時はまだAIがそこまで世間に認知されていなかった時代ですね。」
ーーなるほど、AI研究の黎明期を経験されていたのですね。そこからSRA OSS(当時は株式会社SRA)への入社を決めた理由は何だったのでしょうか?
赤松:「博士課程まで進んだこともあり、就職活動では少し苦労しました。なかなか普通の企業では拾ってもらえない状況で…。そんな中、いくつかの企業説明会に参加したのですが、SRAが自社で研究所を持っているという点に強く惹かれました。元々アカデミックな探求が好きだったので、先進的な技術を仕事の中で学べるのではないかという期待感がありました。最終的にSRAに拾ってもらえた、というのが正直なところですね。もう他には選択肢もなかったので(笑)。」
OSSのプロフェッショナルとしてのキャリアステップ:学びと挑戦の日々
ーーSRA OSSに入社されてから、どのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?
赤松:「入社当時は、正直なところIT企業に対して明確なイメージは持っていませんでした。ただ、入社前に抱いていた『先進的な技術を仕事の中で学べそう』という期待は、半分くらいは叶えられたと感じています。もちろん、当社は昔から使われている枯れた技術も扱いますし、最新のソフトウェアも扱います。その幅広さが特徴ですね。少し前には、社内でパブリッククラウドを有効活用しようという動きがあり、AWSやAzureといった技術を学び、社内インフラの運用・管理に携わる機会がありました。」
ーー入社後の具体的な業務ステップについて教えてください。
赤松:「まず新人が担当するのは、お客様からのお問い合わせをバックエンドの技術者にエスカレーションするサポート業務の一次受けです。ここで様々なソフトウェアに触れながら、それぞれの特徴や知識を蓄えていきます。いわば、勉強の場ですね。
そして入社2年目くらいから、実際に技術調査を行いお客様に回答するバックエンド業務に携わるようになりました。当社では多くのOSSを扱っていますが、特にデータベースのPostgreSQLを専門に扱う部署と、それ以外のOSSを幅広く扱う部署があります。私は後者の、多種多様なOSSを扱う部署に配属されました。」
ーーそこでどのようなご経験を積まれたのですか?
赤松:「その部署では、サーバー監視用のソフトウェアをメインに担当していました。このソフトウェアはその中でも比較的規模が大きく、技術サポートやシステム構築に約8~9年間携わりましたね。そして、1年ほど前から現在のKafkaチームにジョインしました。」
ーーサーバー監視からKafkaというと、また新しい分野への挑戦ですね!
赤松:「そうですね、分野としては全く異なります。私自身、新しいことに挑戦するのは苦にならない、むしろ好きなタイプなので、そういった点を会社が評価してくれたのかもしれません。Kafkaについては、チームリーダーの山崎さんに基本的なところから教えてもらい、あとは自分で文献を読んだり、実際に手を動かしたりしながら知識を深めていきました。」
Kafkaが繋ぐ未来。社会インフラを支える基盤技術の最前線
ーー現在所属されているKafkaチームでは、どのようなお仕事をされているのでしょうか?
赤松:「端的に言うと、お客様がKafkaを使って新しいシステムを構築しようとする際に、知識面や技術面でサポートを提供するのが主な業務です。Kafkaは、分散メッセージングシステムというシステム間でやり取りされるメッセージを効率的かつ確実に中継してくれるソフトウェアで、例えるならネットワークハブのようなものです。これがあることで、メッセージを送る側も受け取る側も、互いの詳細を意識せずにスムーズな連携が可能になります。」
ーーKafkaはどのようなシステムで活用されているのですか?具体的な例があれば教えてください。
赤松:「今、私が関わっているのは金融系のシステムです。例えば、銀行の振り込み処理などでは、様々なシステム間で正確なメッセージのやり取りが不可欠です。Kafkaを導入することで、これらのメッセージを一旦集約し、必要なシステムへ確実に届けることができます。また、Kafkaはメッセージが途中で失われないようにする仕組みも持っているので、信頼性が求められるシステムには非常に有効です。企業にとっては、システム間の連携構築が格段に楽になるというメリットもありますね。」
ーーKafkaチームで働くことの面白さや、やりがいはどのような点に感じますか?
赤松:「たくさんありますが、まず一つは自分の知識や技術を直接活かせる場であるということです。お客様の課題に対して、自分の持っているスキルで貢献し、それが認められた時には大きな達成感があります。自分の存在価値を実感できる瞬間ですね。
そしてもう一つは、そういった仕事を通じて、社会的なインフラの構築に携われるという点です。金融システムのように、広く一般に使われるシステムの基盤部分が、自分の技術によって支えられていると感じられると、大きなやりがいと社会貢献を実感できます。」
ーーチームメンバーについてもお聞かせください。リーダーの山崎さん、若手の奥井さんと一緒に動かれているとのことですが、どのような方々でしょうか?
赤松:「リーダーの山崎さんは、元々KafkaのスペシャリストとしてNTTデータグループさんから出向してきています。技術者として卓越したスキルを持っていて、非常に信頼できる存在です。人柄も親しみやすく、何か困ったことがあれば気軽に相談できる雰囲気を作ってくれる方ですね。上から一方的に指示するのではなく、メンバーの意見にも耳を傾け、親身になって相談に乗ってくれます。
もう一人の奥井さんは、入社2年目の若手で、現在Kafkaについて勉強中です。山崎さんが丁寧に指導しながら、一緒に学習を進めている段階ですね。私自身、奥井さんとはまだプロジェクトで深く関わる機会は少ないのですが、これから一緒に成長していくのが楽しみです。」
SRA OSSのDNA。「オープン」な文化と働きやすさのリアル
ーーSRA OSSの社風や働き方について教えてください。リモートワークが中心だと伺いました。
赤松:「そうですね、コロナ禍以降、基本的にはリモートワークが中心です。通勤時間がなくなるのは大きなメリットですし、実際に東京以外の地方に住んで働いている社員も増えています。ただ、やはりリモートだとコミュニケーションが難しくなる側面もありますね。以前ならオフィスで気軽にできた雑談や、ちょっとした相談がしにくくなるのは事実です。そのため、社内のチャットツールで雑談も含めて積極的にコミュニケーションを取ったり、Web会議ではできるだけカメラをオンにして、顔を見ながら話すように心がけています。」
ーーリモート環境でも、チームや会社としての繋がりを保つ工夫をされているのですね。
赤松:「はい。月に一度は技術的な勉強会をオンラインで開催していますし、年に1~2回はオフラインで集まって研修を行う機会もあります。やはり直接顔を合わせることも大切ですからね。」
ーーSRA OSSで働く魅力として「働きやすさ」を挙げられていましたが、具体的にどのような点でしょうか?
赤松:「個人的には、非常にストレスが少ない職場だと感じています。残業もそれほど多くありませんし、休暇も取りやすい雰囲気です。みんな、やるべきことをきっちりやった上で、できるだけ効率的に働いて、休む時はしっかり休もうという文化ですね。緩いというわけではなく、オンとオフのメリハリがしっかりしている感じです。」
ーーNTTデータグループとの資本業務提携がありましたが、何か変化はありましたか?
赤松:「社内の雰囲気や働き方が大きく変わったという印象は今のところありません。ただ、NTTデータグループさん経由のお仕事は確実に増えています。現在私が携わっているKafkaのプロジェクトもNTTデータグループさんと協力して進めていますし、リーダーの山崎さんもNTTデータグループさんからの出向です。そういった意味では、新しい社内交流が生まれたり、協業の機会が増えたりといった良い変化は感じています。」
ーーSRA OSSの企業理念に「OSS のようにオープンで情熱的であれ」という言葉がありますが、これについてどう感じていますか?
赤松:「特に違和感はありませんね。世間一般ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、私たちにとってはOSSはごく自然な存在です。そして、そのOSSをビジネスにしているという点に、多くの社員がプライドや自負を持っていると思います。だからこそ、この理念はすんなり受け入れられているのではないでしょうか。社員みんなでこの理念について語り合う、というような機会はあまりありませんが(笑)、自然と体現しているように感じます。」
進化し続けるSRA OSS。新しい技術への探求心と未来への展望
ーー赤松さんご自身、そしてSRA OSSとして、今後どのようなことにチャレンジしていきたいとお考えですか?
赤松:「個人的にも会社としても、やはり新しい分野をどんどん開拓していきたいという思いがあります。今回のKafkaも、当社にとっては比較的新しい分野への挑戦です。このように、新しいソフトウェアに対する知見を深め、それに対するサポート力を強化していくことで、新しいお客様との出会いに繋げていきたいですね。そのためにも、先進的な技術やソフトウェアに関する知識を常にアップデートしていく必要がありますし、それがまた新しいビジネスチャンスにも繋がっていくと考えています。」
ーーOSSの活用は今後ますます重要になっていくと思われますが、その将来性についてどのようにお考えですか?
赤松:「OSSは、その名の通りソースコードが公開されているため、何がどのように動いているのかが明確です。これは技術者にとって非常に大きなメリットです。また、特定のベンダーに依存することがないため、企業はより柔軟なシステム構築が可能になります。
以前は、特に金融系のようなミッションクリティカルな分野では、保証がないという理由でOSSの採用に慎重な企業が多かったのですが、最近ではその状況も変わりつつあります。OSSのコストメリットに加え、私たちのような専門企業が技術サポートを提供することで、安心して導入できる環境が整ってきたからです。今後も、様々な分野でOSSの活用は広がっていくと確信しています。」
ーーSRA OSSがOSS専門のサービス企業としてお客様に提供している「価値」とは、改めて何だと思われますか?
赤松:「やはり、お客様が安心してOSSを活用できるようにすること、これに尽きると思います。そのためには、私たち自身が高い技術力を持ち、責任を持ってサポートを提供する必要があります。お客様からの問い合わせに対して『分かりません』では通用しませんからね。お客様の期待に応えられるだけのクオリティを提供し続けるために、日々の勉強は欠かせません。プレッシャーもありますが、それもやりがいの一つです。」
共に未来を創る仲間へ:SRA OSSで「尖った個性」を活かす
ーーSRA OSS、特に赤松さんのKafkaチームでは、どのような方と一緒に働きたいですか?
赤松:「そうですね…まずKafkaチームに関して言えば、自主的に勉強して新しい知識をどんどん吸収できる人だと嬉しいです。そして、何か一つでも『これだけは自信がある!』という尖った個性を持っている人は魅力的ですね。それが技術的なことでも、それ以外のことでも構いません。ただ、チームで動く仕事なので、独りよがりにならず、周囲としっかりコミュニケーションを取りながら協調できることは大前提です。技術的なスキルで言えば、ソースコードを読む力は重要ですね。何かしらのプログラミング言語の経験があれば、他の言語にも応用が利くと思います。」
ーーSRA OSS全体としては、どのような人材が活躍できる環境でしょうか?
赤松:「社内には、良い意味で『変わった人』が多いんですよ(笑)。何かに熱中しやすい、いわゆる『凝り性』なタイプが多いかもしれません。そういった個性を否定せず、むしろ歓迎する社風があるので、自分の強みや好きなことを突き詰めたい人には最適な環境だと思います。また、社外に向けて技術情報を発信する機会も少なくないので、自分から積極的に情報発信していくことが苦にならない人も活躍できるでしょう。私自身も、年に2~3回は登壇の機会があります。」
ーーSRA OSSで働くことの最大の魅力は何だと感じていますか?赤松さんご自身、10年以上勤務されていますが、長く続けられている理由は何でしょうか?
赤松:「私も飽きっぽいところがあるのですが(笑)、この会社では常に新しいことに挑戦できる環境があるので、飽きることがありません。扱うソフトウェアも多種多様ですし、一つのことをずっとやり続けるというよりは、その時々で新しい技術やプロジェクトに関わることができます。
それから、先ほども言いましたが、働きやすい職場環境も大きな魅力です。残業が少なく、休暇も取りやすいので、プライベートとのバランスも取りやすい。だからこそ、長く続けられているのだと思います。」
ーー最後に、SRA OSSに興味を持っている候補者の方へメッセージをお願いします。
赤松:「SRA OSSは、OSSという専門分野で高い技術力を追求しながら、新しいことにも積極的にチャレンジできる会社です。もしあなたが、何か一つでも尖った強みや情熱を持っていて、それを活かして社会に貢献したいと考えているなら、ぜひ一度お話を聞きに来てください。カジュアル面談では、お互いの知見を交換するような、技術談義ができると嬉しいですね。新しい仲間が増えることで、私たちもさらに新しいことに挑戦できると楽しみにしています!」
いかがでしたでしょうか?
音楽への道からAI研究、そしてOSSのプロフェッショナルへ。赤松さんのキャリアは、一見すると回り道のようにも見えますが、その一つ一つの経験が「新しいことへの挑戦を楽しむ」「本質を探求する」という現在の活躍に繋がっているように感じました。SRA OSSという、個性を尊重し、学び続けられる環境が、赤松さんのような探究心旺盛なエンジニアを惹きつけ、成長を後押ししているのでしょう。Kafkaという技術の面白さだけでなく、SRA OSSで働く「人」と「文化」の魅力が伝わるインタビューとなっていれば幸いです。