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スタートはシンプルに「より多く稼ぎたい」

学生時代、プロゴルファーをめざしアメリカで研鑽を積んでいた青柳。両親の仕事がきっかけで故郷を離れ異国の地へ単身赴くこととなったが、青柳は中学を卒業してからのこの十年間は馴染みのない地で多くの得難い経験をしたと語る。

「もっとも大きな経験を挙げるとすれば、文化と価値観でしょうか。『人種のるつぼ』に飛び込み、そう呼ばれる所以を自身の目で、肌で感じられたことが後の自分を構成する価値観に影響を与えました」

そうした環境でプロゴルファーをめざす一方、青柳はITを学ぶ学校に進学していた。ここでITを学んだということが現在の青柳の立場につながっていることは言うまでもない。ゴルフに熱量を割きながら専門性の高いITを学ぼうと決断したのは、近い将来必要になるスキルだと感じてのことだったのだろうか。

「まさか、まだ十代ですし、まったくそんなことまで考えられていませんでした。ただ、当時の自分は将来営業職に就くイメージがなかったんです。自分のことを口下手だと思っていましたから。わからないなりに、『これは稼げるんじゃないか!』と考えた。それだけでした」

熱心にゴルフに打ち込む一方で、学生の青柳は冷静に自身を見つめていた。これからの将来で自分はどのように食べていくか。齢十数にして選択の岐路に立たされていたが、決して悲観することはなかった。ただシンプルに「たくさん稼ぎたい」という目標に対して忠実に道を選び、真っ直ぐに進んでいったのである。

就職、そして衝突する見えづらい「環境」の壁

充実した学生生活を過ごした青柳は、最終的に就職することを進路とした。IT系の大企業に就職し、そこでPMと営業を任された。くしくも苦手だと感じていた営業の仕事に青柳は就くこととなった。しかし、そこでの日々は想像していたものと異なっていた。

「トータルで約9年間働きましたが、行き詰まりを感じていたんです。さっきも言ったように、自分はシンプルな考え方をしていたから、『もっと稼げるようになりたい、人の上に立ちたい』という熱量で動いていました。

しかし、そこは大きな会社だったので、追い抜かさないといけない人の数に目が眩んでしまったのです。自分のめざす地点にたどり着くには、本当に途方もない時間がかかってしまうように感じました」

青柳を阻んだのは、「環境」という壁だった。大手企業は他と比べてその実績と安定性において文句のつけどころがない。ただそうである一方で、優秀な人も多く在籍しているために、昇進という一点に絞った場合、大きな裁量を任せてもらうにも必要な時間と労力はひとしおである。そんな中、青柳は一つの大きな決断を下した。

「そこで私は独立しようと決めたんです。元々技術専門職の人材を扱うことに関心があったので、2013年にエンジニア派遣会社を立ち上げました。ある意味、そこで一つの目標は達成されたんじゃないかな。自分で会社を立ててしまえば、私がそのまま『社長』ですから(笑)」

一念発起した青柳は自身で会社を設立。本来もっとかかるはずだった年月を一気に駆け上がり、一企業の代表取締役を担うこととなった。

現状を見つめ直し、一から始める道・エスプールとの出会い

会社を立ち上げたのは良いものの、当然経営が順風満帆だったいうわけでは決してない。事業の成績が伸び悩みを見せたところで青柳は苦悩していた。その時に困っていたのはやはり営業に関してだったと、青柳は苦い顔で語った。そんな中、青柳の関心を惹く話が舞い込んで来る。それは株式会社エスプール代表取締役会長兼社長の浦上 壮平からの提案だった。

「ITの面で手を貸してくれないかと浦上さんから声をかけられました。ちょうど私自身会社のことで悩んでいたので、何かを得られるんじゃないかと思い、話を受けることにしたんです。

初めは顧問のような形でスタートしましたが、そこで触れるエスプールで働く人の良さに触れ、もっと携わりたいと考えるようになりました。そこで情報システム部を任されました。当時はまだ5名ほどと人が足りない部署で早急に増員が必要な状況でした」

システムが未熟な時期だったエスプールを任され、青柳は文字通り一から仕事を始めることとなった。部署もできたばかりで人がおらず、一緒に働く人材を一人ひとり自分で声をかけるところからスタートし、任された仕事をこなしていった。当時のことを青柳はこう語った。

「システムを変えるということは、働く従業員に負担がかかることと同義でした。いくら作業が効率化されるからといって、慣れ親しんだやり方をガラリと変えるのは良い顔をされないことの方が多い。

以前働いていたところでもそうした意見があったので、そこだけは懸念していたんです。しかし、エスプールの対応は私が想像していたものと異なりました。

『青柳がそう言うなら、そのようにして構わない』『良くなるのなら、ぜひやってみたい』と、全面的に信頼して、任せてくれました。すべての裁量を与えられ、のびのびとやりたいことがやれた。保守的とは対極にあるようなエスプールのスタンスに強く惹かれたんです」

「環境」を見極め、常に挑戦と変化を続ける姿勢を大事に

青柳は今エスプールのアルゴサイエンス事業部へ移り、さらにやりたいと考えたことを信頼して任せてやらせてくれる環境に入り、新規事業開拓に手をつけている。営業や経営管理、人材管理・育成、開発など多くの仕事を経験してきたが、エスプールではさらにこれまで求められなかった営業ノウハウや事業スピードを体験し、身につけている。

「ある意味苦手な分野に飛び込んでしまったけれど、その一方で成長環境に身を置けていると実感しています。私は『やり切る力』と『諦めない心』、そして『工夫を忘れないこと』、この3つを指針として歩んできました。そして、そこに加えて『環境』もまた必要なものなのです」

個人にとって挑戦を続ける意志や、先へ進みたいという意欲は成長する上で必要不可欠である。しかし、その根底における「環境」も重要な役割を占めている。青柳の行き着いたエスプールはそうした環境を十全に整えてくれる場所だった。

今の環境に悩みを持っている人や、これからどういった環境に身を置くか考えている人に、青柳はこうメッセージを送る。

「挑戦したいという意欲はあるのに、環境要因で前に進めない場合もある。その際は躊躇わず一歩を踏み出し、自らの力で進んでいくことを忘れないでほしい」

そんな青柳は現在、新しい事業に挑んでいる真っ最中である。すでに多様な経験を持ちながらも、邁進し続けていくことをやめない青柳の今後の活躍に期待が寄せられる。







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