土星の輪、誕生の謎を解明
神戸大学 大学院理学研究科の兵頭龍樹研究員、大槻圭史教授、東京工業大学 ...
https://www.titech.ac.jp/news/2016/036520
みなさん、こんにちは。スペースデータ採用担当です。
スペースデータで活躍するメンバーがどんな経験を持ち、日々どのような仕事に取り組んでいるのか、その一端をお伝えするために、社員インタビューや対談インタビューをお届けしています。
本日は、CSO (Chief Science Officer=最高科学責任者)として、太陽系デジタルツインの構築を手がけている兵頭龍樹さんのインタビューです。
NASA・ESA・JAXAといった世界主要宇宙機関の惑星探査計画に従事され、現在は東京科学大学とパリ大学などを兼任しながら、東京とパリの2拠点生活を送る兵頭さん。これまでのキャリアを振り返りつつ、スペースデータにジョインしたきっかけや、今後のビジョンなどについて伺いました。
【プロフィール】
CSO 最高科学責任者
兵頭龍樹(ひょうどう りゅうき)さん
大阪府和泉市生まれ。パリ大学および神戸大学で博士(理学)を取得。NASA、ESA、JAXAの世界主要宇宙機関の惑星探査計画に従事。専門は、惑星科学・宇宙物理学。パリ大学と東京科学大学(旧・東京工業大学)を兼任。AI・VRスタートアップ「Galaxies inc.」の経営・技術顧問。NatureやScienceなどの最高権威の科学出版社にて多数の論文を発表。日本惑星科学会「最優秀研究者」、JAXA「国際トップヤングフェロー」、S-Booster2023「最優秀賞およびNEDO賞」などを受賞。
好きなものはコーヒーとサッカー。
── 本日はよろしくお願いいたします。まずは簡単に自己紹介をいただいてもよろしいでしょうか?
よろしくお願いいたします。兵頭龍樹です。
2024年11月1日付けで、スペースデータにCSO=最高科学責任者として入社しました。
スペースデータでは、太陽系デジタルツインの構築を担当しています。太陽系デジタルツインとは、NASAやJAXAなどの惑星探査ミッションで取得されたデータを活用して、月や火星など、太陽系の正確な姿をデジタル上に構築・再現することです。
── これまでの経歴を伺っても良いでしょうか?
私はまず学者です。惑星科学者として、地球だけではなく、月・火星・土星などの太陽系の全ての惑星、さらに系外惑星など、あらゆる惑星を専門にしています。もう少し広い範囲でいえば、銀河や宇宙全般といった、宇宙物理学の専門家でもありますし、AI・人工知能の分野も守備範囲としています。私は特に“理論家”と呼ばれています。
── 理論家、とはどのような役割を担う方なんですか?
惑星や天文の分野において、研究者は3つに大別されます。その一つが、理論家です。残りの二つが、望遠鏡を使って観測する方(観測家)と、地球上で宇宙に似た環境を構築して実験をする方(実験家)です。私は理論研究者なので、望遠鏡も使えないし、星の名前も詳しくはないんです(笑)。
物理・数学・化学やコンピューターシミュレーションなど、理論的なアプローチで、この宇宙がどうなっているのか?ということを理解するための研究を続けてきました。
── 教科書に載っているような世界の話で、改めて驚きました。
現在はスペースデータに在籍しながら、東京科学大学(旧:東京工業大学、2024年10月に東京医科歯科大学と統合)とパリ大学にも在籍しています。その傍ら、JAXAやNASA、ヨーロッパの宇宙機関であるESAで、月や火星や小惑星などを調査する惑星探査プロジェクトを担当しています。
── パリにご自宅があるんですか?
はい。賃貸ですがパリにも自宅があります。もう10年ほどパリと東京の二拠点生活をしています。1年のうち4ヶ月ほどはフランスで過ごしています。パリ大学のフランス人の同僚たちは家族付き合いになるほど深い仲ですし、パリで(アマチュアの)サッカーチームに所属しているんですよ。毎週リーグ戦があって、チームメイトがずっと待ってくれています(笑)。パリに戻ってもスペースデータの仕事をバリバリやれます。ただ、時差のせいで迷惑をかける部分があるだろうな、と心配していました。でも、CEOの佐藤さんだけでなく、スペースデータの方々が「パリいいですね!」と暖かく理解してくださっていることに本当に感謝しています。
── 兵頭さんは、小さい頃から宇宙に興味があったんですか?
実は、小さい頃は全く興味がありませんでした(笑)。大学進学時に「大学教員になりたい」という想いはあったんですけど。
── 大学教員を志されたのは、どんな理由からでしょうか?
漫画「HUNTER×HUNTER」が好きで、ハンターになりたかったです(笑)。大学教員=研究者なので、自分の興味を突き詰められる仕事(ハンター)だな、と思って、大学教員を志しました。その時に、どんな研究が一番面白いかな?と考えたんです。海洋学者や考古学者の道も検討してみたのですが、色々と調べていく中で、おそらく宇宙は20〜30年先でも全然調べ尽くされてないだろう!と考えて、惑星や宇宙の研究者への道を、大学生の頃から考えていました。
── 研究者を志した理由の中には、「教員になりたい」という想いもあったのでしょうか?
教員になりたいと思ったことは実は一回もなかったですね(笑)。現在も教員として世界中の大学生や大学院生を日々指導しているので、もちろん、苦手ではないんですけど。
どちらかと言えば、昔から「何か自分の好きなことを追求したい」と思っていたんですけど、その「何か」が、宇宙だったというわけです。
── 実際に研究対象として宇宙を選んでみて、いかがでしたか?
まず、宇宙における相対性理論や銀河って、めちゃくちゃ面白いのですが、私にとっては身近な存在とは感じられませんでした(笑)。
一方で、惑星は身近な存在だと感じました。地球から一番近い天体である月は誰でも見たことがあるし、火星は映画にも出てくるのでイメージが湧きやすい。そんな感じで惑星に興味を持ち始めました。
さらにその当時、「将来はどうなるだろうか?」と5年後・10年後のタイムラインを未来予想してみたんです。たとえば「10年後くらいに、もう一度月に行く時代が来るだろうな」「20年〜30年後くらいに、人類は火星まで足を踏み入れるだろう」みたいなことを20歳頃に考えていました。
そうした時代のために必要な自身のキャリアや知識・能力をマイルストーンに大雑把ですが分解していました。現在スペースデータにジョインしているのはちょっと予想外ではあるんですけど(笑)。実際に今、世界中で月を目指す計画が起こっていますし、イーロン・マスクみたいなのも出てきて、今から10年以内に人類が火星を初めて歩いている可能性が大いに出てきました。、思い描いた時代になってきているなと感じています。
── 大学生の時に予想していた未来が、現実になっているということでしょうか?
そうですね。ただの傍観者でなく、自分自身がそれを実現させるための“いちプレイヤー”でいることを続けたいと思っています。自分のできる範囲と世界の成長範囲を重ね合わせながら、今この瞬間における自分の役割を常に考えています。(ダラけるときもありますが笑)足りないものは勉強して、今も昔も変わらず、目の前にないもの(新しい挑戦)を私は常に追っている気がします。
── JAXA・NASA・ESAなど様々なプロジェクトに参画されていますが、具体的にどのような研究をされていたんですか?
私の専門は「惑星形成論」とも言われます。惑星って、地球と月と火星で、一つひとつ違うじゃないですか。地球には水があって海があって、火星は大部分が砂漠で、月は地球に比べたら1/100ぐらいの重さで空気はほぼなく、木星はほとんどがガスで……とか。それぞれ全く異なる惑星のレシピ(作り方)を突き止めることが、私の一番の研究テーマですね。
── レシピというのは…たとえばホットケーキだったら、小麦粉と卵と牛乳を混ぜて生地を焼き上げる…ということでしょうか?
その通りです。ホットケーキの作り方はネットで調べたらいくらでも出てくるじゃないですか。でも、地球や木星の作り方は、ネットで調べても出てきません。ホットケーキでいうところの、卵を何個使うのか?小麦粉は何グラム必要なのか?どれくらいの温度で何分焼くのか?という作り方(=惑星のレシピ)を完成させるのがゴールです。レシピが分かれば、この宇宙のどこに地球みたいな惑星がどの程度あるのか、ってことも分かってきます。つまり、宇宙人の存在確率や存在場所を予想できるようになります。
── そういった研究の具体例を教えてくれませんか??
たとえば、土星に環があることは、400年前ぐらいにガリレオ・ガリレイが初めて発見したと歴史的には言われていて、実際に記録が残っています。
でも、2024年の現在でも、土星の環がどうやってできたかは正確に判明していないんですよ。地球には環がないのに、何で土星には環があるんだろう?というピュアな疑問を、400年前からある人々は考え続けているんです。
ちなみに、私も大学院生時代に土星の環のレシピを発見し、発表をしています。でも、それが本当に起こったことなのかは分かりません。ホットケーキに複数のレシピがあるように、惑星にも他の作り方があると思うので、検証する必要があります。検証は、この後に説明する惑星探査で行われます。
私は理論家なので、コンピューター(デジタル空間)で宇宙を再現して、シミュレーションを行うんですけど。簡単な例えは、「物同士がぶつかったら壊れます」「温度がある値より上がったら水は蒸発します」などの知識(物理学・化学)をコンピューターに教えて(プログラミングして)、ある状況を設定したときに土星の環が作れるか?を試すんです。その結果、実際の土星の環と似たものをコンピューターの中で作ることができたら、それを1つの研究成果として発表するということが、研究者の仕事の1つですね。
── とても地道な作業のように感じます。上手くいかない時などに落ち込むことはないのでしょうか?研究を続ける上でのモチベーションがあれば教えてください。
落ち込むことはないですが、失敗することはめちゃくちゃありますよ(笑)。宇宙の分野に限らず、生物学でも薬学もそうですが、研究って99.9…%が失敗なんですよ。コンピューターの中でさまざまな状況や重要な物理化学の組み合わせをトライして、100回でも1000回でも1万回でも……土星の環に関して言えば400年かかっているので。400年の時間をかけてようやく2、3個のレシピができたんですよ。
失敗して当たり前なんですけど、結果が出た時にルービックキューブが揃った瞬間の快感みたいなものがあるというか……ちょっと変態的かもしれないですけど(笑)。そこに喜びを感じたり、何とかして解いてやろうとか思ったりする瞬間があるんです。シンプルに、知的好奇心が原動力になっているんだと思いますね。
── JAXAやNASAでは、どのようなプロジェクトに参画されていたんですか?
土星の環の関連を1つ挙げるなら、NASAでカッシーニという土星探査プロジェクトに携わっていました。5000億円以上の莫大な予算が投じられた大掛かりなミッションです。1997年の打ち上げから2017年まで続いたミッションで、7年ほど宇宙空間を飛び続けて、ようやく土星に到着して、そこから土星の周りをクルクル回りながら調べて……。その結果、土星の環が水の氷でできていることなど、さまざまな事実が判明したんです。
私はコンピューターの中で土星の環を作ろうとしていたので、NASAに呼ばれて、私がコンピューターの中でシミュレーションしている結果と、実際の様子を比較するなど、フィードバックを何回も行いました。
それ以後、小惑星や月や火星や水星など、様々なミッションに関わっています。
── 想像を超える大規模なプロジェクトですね……!
やっぱりアメリカなので、規模が大きいですし、予算は日本の10倍ほどありますし、関わる人たちも10倍以上いるんですよね。1000人どころの話じゃありません。私のようにチームをリードをする人はもちろん、様々な分野のエンジニアがいます。アメリカだけでなく、ヨーロッパ、インド、中東など世界中から集まったメンバーです。文化が違うし、それぞれ自分のやりたいことをやりたがるし(笑)、コミュニケーションが非常に重要でした。もちろん難しい部分もありましたが、やりがいもありました。
── コミュニケーションで苦労した点があれば教えてください。
基礎科学をやる研究者とエンジニアなどの工学の研究者との間を取り持つことは苦労しました。
宇宙を含む基礎科学では例えば、「数学を極めたい!」「宇宙物理を極めたい!」という人たちは民間企業との接点がなく、社会と断絶されている場合が多々あります。「火星のクレーターを調べている」「冥王星の内部構造を調べている」とか、一般社会から見ると本当にマニアックな世界です。自分の興味を追求することに人生を捧げている方が多いので、社会実装や他分野との協業に積極的でない(そのような文化がない)傾向にあります。
一方で工学の研究者は、基礎科学と比べると、普段から企業とものづくりをするので社交的というか、一般社会と通じている傾向にあります。
でも上のような惑星探査では、基礎科学と工学の両方の人材が必要なんです。
これは例えば、日本人が南米のアマゾンに行こうと思った時に、現地のガイド(詳しい人)を雇うじゃないですか。同様に、火星を探査しようと思った時に、ガイドになれる人というのは、基礎科学のマニアックな人たちなんですよ。そういう人たちを絡めないと、ミッションは成功しないんですよね。JAXAの惑星探査プロジェクトに携わった際は、そのマニアックな基礎科学の研究者を巻き込んで、みんなでミッションを遂行する文化を醸造することを目指していました。
── 兵頭さんが、工学と基礎科学を繋ぐハブ的な存在だったのですね。
はい。そのロールモデルを担えるようにしてきました。説明したとおり私は、大学と宇宙機関を横断して、宇宙プロジェクトを遂行してきました。しかし今の時代は、民間企業も次々と宇宙に足を踏み出しています。
そのような時代において、佐藤さんに声をかけていただきました。ビジネスのプロである佐藤さんですが、基礎科学の価値・重要性まで理解していただきました。スペースデータは、佐藤さんを含めて、基礎科学までも巻き込んでもっと宇宙を拓けたものにしたい!という想いのあるメンバーが揃っていると感じます。今日みたいに私が説明すれば、ちゃんと理解してくれます。
アメリカでは、宇宙ビジネス・宇宙開発において様々な分野が交わりはじめています。私は、アメリカと同じように多くの人を巻き込んで、一般の方にも宇宙を身近に感じてもらえる未来を作りたい!と思っていたところなんですよね。これまでは国の宇宙機関と基礎科学をつなげるハブ的な役割を担っていたんですけど、 次はより多くの人(民間企業)と宇宙を繋げていきたいなと。そんな時に、佐藤さんに声をかけてもらったという感じです。
── JAXAでのプロジェクト例も教えていただけないでしょうか。
2026年にJAXAが“火星の月(フォボス)”に探査機を送るMMX計画というプロジェクトがあります。これは、JAXAの中でも最大規模のミッションで、火星の周りを回っている衛星=月(フォボス)の表面から砂(サンプル)を地球に持って帰ってくるというサンプルリターン計画です。
ところが2016年あたりのMMX計画の発表当時、「火星からではなく、火星の月から砂を持って帰ってきて何が嬉しいのか?」「NASAやESA、中国は火星に車(ローバー)を走らせたり、火星から砂を持ち帰ったりする計画があるのに、なぜ日本は火星の月なのか?」などと言うツッコミが無数にありました。そこで私に「MMX計画の意義・価値を考えてほしい」という依頼が届きました。
依頼を受けた私は、火星には隕石衝突が無数に起こっており、それで火星の表面が掘り起こされ、宇宙空間まで火星表面の物質が飛び散って、実は火星の月(フォボス)の表面に火星の砂が降り積もっている、ことをシミュレーションで明らかにしました。
つまり、「火星に行かずとも、火星の砂をフォボスから持ち帰ることができる」「火星の砂を地球に持ち帰ったことは一度もないので世界初の偉業を成し遂げられる」という意義価値を構築しました。現在では、NASAも世界もこれを認め、JAXAはこれを大々的にMMX計画の旗印に掲げています。
さらに、「もし火星に生命が存在したら、砂と同じように吹き飛ばされて、フォボスに積もっている可能性がある」ことを示しました。つまりMMX計画は、火星に生命が存在した場合、その死骸を地球に持ち帰ることができるかもしれないのです。
人類が初めて地球外生命の痕跡を見つけられるキッカケになるかもしれないこの提案は、Scienceという雑誌に掲載され、私の大きな業績の一つになりました。もしこの理論予想が合っていたら、確実にノーベル賞が取れるはずです!預言者である私と、JAXAのどちらが表彰されるかは分かりませんが(笑)。関係者全員が受賞となれれば最高です!
「見ようとしないと見えないものがある」(火星生命の死骸や痕跡なんて(フォボスに)ないと思っていたら発見できないけど、あるかもしれないと調べれば見つかるかも)というメッセージを私はNASA・JAXA・ESAに発信しました。それが今では認められていて、MMX計画の意義価値として大々的に掲げられています。
そして実は、この理論予想の成否を検証するために必要なMMX計画のサンプリング装置(=フォボスの砂を採取する装置)の開発は、JAXAのメンバーでありスペースデータに所属する加藤さんが担当してくれているんですよ!!。
──改めて、スペースデータという組織のすごさを実感しました(笑)。
── スペースデータとはどのように出会ったんですか?
先ほどの話(産官学の強固な連携)を実現するためにも、「まずは私自身が、国やアカデミア(科学業界)から民間へ出ていく必要がある」と思い、2023年度のS-Boosterという内閣府主催の『宇宙を活用したビジネスコンテスト』に応募しました。そこで優勝することができまして、優勝賞金をいただき、優勝して箔がついたので(笑)、色々な政府プログラムや、宇宙ビジネス関連の企業や団体と繋がることができたんですよ。その中の1つが、佐藤さんの主催した『渋谷で宇宙ビジネスの人たちを交流させる会』でした。
そのイベントでは、私はビジネスアイデアを提案する側として参加したんですけど、後日佐藤さんから「もっと深く話を聞かせてほしい」と連絡をいただいたことが佐藤さんとの会話の始まりでした。自分自身での立ち上げも考えながら、民間企業との協業を探ってたところに、佐藤さんから「ウチでやりませんか」とお誘いの言葉をいただきました。
── 複数の企業や団体からお誘いの声をいただいていたと思うのですが、スペースデータにジョインされた決め手は何だったんですか?
既存の宇宙ビジネス企業の多くは、ある程度、事業内容が固まっていると感じています(それは悪い意味では全くないです)。
それに対して、スペースデータはまだ型にハマりきっていない部分があって、そこに魅力を感じています(可能性が無限大!)。また、佐藤さんは基礎科学の重要性を理解してくれていて、「大学教員を辞めなくていい」「兵頭さん自身の会社の立ち上げも応援する」と言ってくれました。何より、JAXAやNASAやアカデミアなどさまざまな人たちを巻き込んで、研究論文も書き続けて、かつ多様な仕事をするということが、私のやりたい形でもあったので、スペースデータにジョインすることを決めました。
── スペースデータで成し遂げたい、今後のビジョンがあれば教えてください。
私がずっと大学の講義で伝えていた言葉が『宇宙は総合格闘技』です。例えば、人が月に住むことを考えると、ロケットはもちろんですが、家や食べ物や服が必要になります。つまり、建築、音楽、スポーツ、法律……地球上に存在するおおよそ全ての産業やサービスを宇宙へ持っていかなければいけません。建築なら宇宙建築という分野が生まれるでしょう、法律なら宇宙法律、エンタメなら宇宙エンタメ……のように、全ての産業やサービスが宇宙と掛け算されることによって、初めて宇宙で生活ができると思っています。
そういう意味で、『宇宙は総合格闘技』であることを大学の講義で生徒に伝え続けていました。たくさんの文系の学生も私の講義を受講してくれていたんですけど、例えば、「数学も物理も分からないけど、ファッションが好きだからアパレルデザイナーとして宇宙産業で活躍できるかも!」と感じてくれたりする学生が沢山いたんですよ。スペースデータのメンバーもそれぞれの専門性を生かして、宇宙ビジネスを切り拓いています!
── 実際にスペースデータへジョインした、率直な感想を教えてください。
楽しいですよ!忙しくて疲れている時もあるかもしれませんが(笑)、何かあったら遠慮なく質問できるメンバーが集まっていることはとても良い環境ですし、びっくりするくらいエネルギーに溢れたメンバーが集まっていると感じます。
── 最後に、ここまで本記事を読んでいただいたみなさんに、一言お願いします。
スペースデータは、宇宙をより身近で開かれた存在にします。 太陽系デジタルツインについては、『地球の歩き方』『グーグルマップ』のように『太陽系の歩き方』『太陽系グーグルマップ』のような存在にしたいと考えています。「地球に比べて空気が薄い」「宇宙線量がヤバいので普通の機械を送ると例えば10分で壊れちゃう」などの基礎知識から「月や火星に旅行へ行く場合は、⚪︎⚪︎に注意」「月や火星で使うロボットを作るには△△が必要」などの情報が得られる場所にします!さらには、太陽系デジタルツインを使って宇宙開発や学術研究のシミュレーションができるツールにまで昇華させていきたいです!これらのビジョンに共感・協力してくださる方がいれば、ぜひスペースデータで私たちと一緒に仕事をしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!次回のインタビューもぜひ楽しみにお待ちください。
スペースデータでは、様々なポジションで募集を行っております。詳細は求人票にてご確認ください。皆様からのご応募を心よりお待ちしております。