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入社1ヶ月目の新人に「教えてよかったこと/教えなくてよかったこと」(後編)

入社1ヶ月目では教えなくてよかったこと


■1年目に気を使わせないで!「社内の人間関係・諸事情」

私が、入社1ヶ月目で教えない方がよかったと最も思うことは、事前に「社内の人間関係」について教えることです。

例えば

「誰と誰は、あんまり仲が良くなくてさ・・・」
「誰と誰は、実は付き合ってるんだよね~」

みたいなことを1ヶ月目の新入社員にお伝えするのはオススメできません。

上司/先輩としては、新入社員が社内で関係をこじらせないようにと忠告の意味で教えたくなってしまうものです。

ただ、新入社員にとっては、それが大きな足かせとなってしまう場合があります。

「この人と仲良く話すと、あの人によく思われないのかな?」とか
「今、このタイミングで話しかけていいのだろうか?」とか

新入社員は、変に周りに気を遣い始めてしまいがち。

ただでさえ、周りに気を遣う今の若者たちに、新しい人間関係の輪に入る時期である最初の1ヶ月目で、「元々のやっかいな人間関係」を伝えてしまうと、新入社員は混乱してしまいます。

身に付けるべきものをきちんと吸収させるためにも、不必要な人間関係の情報はできるだけ初期には伝えない方がいいと思います。



■1年目に気を使わせないで!第2弾「先輩の機嫌の取り方」

社内の人間関係とも近いのですが、「先輩の機嫌の取り方」を教えるのもあまりオススメしません。

どの職場にも一人や二人、関わり方に工夫・コツが必要な方はいるものです。(弊社ではそのような方を「こじらせミドル」と呼んでいます)

その方との関わり方には、職場の周りの方も苦労しています。

※ちなみに「こじらせミドル」への対処法は << こちら >> にまとめております。


だからこそ1年目の社員には、不要な苦労をさせないでおこうとの想いで

「あの人には、このタイミングで話しかけた方がいいよ」
「●●っていう話をすると喜ぶよ」

というその方との上手な付き合い方をアドバイスしがちです。

しかし、そのアドバイスは逆効果になることもあります。

新入社員がその方との関わり方を意識するあまりに、話しかけることができず、萎縮した状態で接することになり、ストレスを抱えて込んでしまう可能性があるのです。

新入社員の素直な心で、先入観を持たずに関わってもらいながら、自然とその方との接し方を学んでいった方が、新入社員のその後の成長につながりますし、教えすぎると、おべっか使いの社員に育ってしまう可能性もあるので、要注意です。



■“読書感想文が目的”になりやすい「本を読め」

「社会人たるもの、本を読みなさい」とは、きっと社会人の多くが思うことだと思います。

だから、社会人になった新入社員にも「本を読んだ方がいい」ということで、課題本を渡して、読書感想文を宿題にしたくなります。

しかし、宿題を出した側としては、「本を読むきっかけになれば」という想いで、宿題を出すのですが、

悲しいことに、新入社員からすると、目的が変わってしまいます。

本を読むことではなく、「読書感想文を書くこと」が目的になってしまうのです。

「本を読んでほしい」
「早めに本を読む習慣を身につけさせたい」

そんな先輩方の気持ちは、痛いほどわかります。

ただ、忘れてはいけないのは、新入社員にとっての最初の1ヶ月間は、地獄のように覚えることが多い期間だということです。

そんな中で、感想文付きの読書の課題を言い渡されたとしても、内容なんてほとんど頭に入っていません。私自身もそうでした。

しかも今の時代、本を読まずにインターネットで叩いて、コピ&ペーストで読書感想文を完成させてしまう人もいます。

では、どうすればいいのかと言うと、少し“待ち”ましょう。

新入社員としても何も経験していないところから本を読むよりも、ある程度営業や仕事を経験してからの方が、本を読む必要性は高まります。その時に成長を見守る優しい先輩として「スッ」とオススメの本を教えてあげましょう。

相手に「本を読みたい!」と思わせるのも上司の力量かと思います。



■ありがたくない、“ありがたい話”「俺の武勇伝」

最後は、こちら。「俺の武勇伝。」

これが教えた側と教えられた側の間で、最も温度差の激しい項目ではないかと思います。

入社1ヶ月目の新入社員は、本当にできないことが多いです。

くじけそうになってしまう時もあり、それをなんとか励ましたくて上司/先輩方は、彼らに激励を飛ばします。

「わかる!俺もそういう風に悩んだ時期があったよ!」
「いや、君たちはまだましで、俺たちの頃なんかさ~」

そんな言葉を、つい言いたくなります。

先輩方も自慢したいわけではなく、「少しでも成功させてあげたい」「参考にしてほしい」という願いから言っているんです。

ただ、受け手の新入社員としては・・・それが全然ありがたくないんですよね、残念ながら。

なぜなら新入社員は、先輩社員とは「時代」も「環境」も「タイプ」も違うと思っているからです。

個性を大切にする時代になってきてから、人はより「自分に合っているか」という基準で物事を選択するようになってきていますが、これは仕事の仕方に関しても一緒で、自分に合ったスタイルを探していこうとする風潮があります。

新入社員もよほど対人関係が苦手でなければ、私たち先輩の話を

「えー!そうだったんですか!」
「知りませんでした!すごいですね!」
「その時は、どんな風に対応したんですか?」

なんて言ってくれて、私たちもついつい話を続けてしまうのですが、

まぁ、実際には聞いてないですよね・・・悲しいことに。

私たち先輩社員は、自分や過去を“話す”のではなく、彼らが相談しやすい、もしくは頭の中が整理できるように“聴く”ことが彼らの成長を支援する上では大切なのかなと思います。



まとめ

今回は、弊社で新卒社員に対して質問し、「先輩の立場/後輩の立場」のそれぞれ視点から出てきた回答を基に、「入社1ヶ月目に教えてよかったこと/教えなくてよかったこと」を挙げてみました。

実は他にもたくさん意見があったのですが、貴社の社員様にも「自分たちが1年目の時に教えられてよかったこと・教えてもらいたかったことは何?」と訊いていてみると、貴社の育成における強化すべき項目が見えてくるかもしれません。

ぜひご参考にしていただけたら、嬉しいです。

もしご要望があれば、ぜひ第二弾も考えていきたいと思います。

たくさんのご意見をお待ちしております!

また株式会社ソリューションでは、2019年4月入社の新入社員様を対象に、3泊4日の合同合宿研修を実施しております。

一方的に「教える研修」ではなく、「気づかせる研修」を通して社会人として自分で考え、行動できる「自立型新入社員」への基礎作りを行っております。

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