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「顧客と戦えるエンジニア」を育てる ── キャリアパス勉強会の現場から
Photo by Lauren Mancke on Unsplash
こんにちは。SMHCの和田です。
私はこれまで25年以上、システム開発の現場に関わってきました。
この経験を通じて最近とくに感じるのは、若手エンジニアが“自分に合ったキャリア”を見つけるのは本当に難しいということです。
私自身、若い頃はとにかく自己流で学び、いろんなことに手を出しました。もちろん、それが無駄だったとは思っていません。でも、誰かから実践的なアドバイスをもらえていれば、もっと早く本質にたどり着けたのではないか──そう感じる場面が今でもあります。
そんな想いから、私は「キャリアパス勉強会」という活動を始めました。
月1回キャリア探しの場
この勉強会は現在、入社1年目から3年目までの若手が有志で参加、月に1回、Web形式で開催しています。
参加者は毎回5名ほど。私の失敗談も交えながら、リラックスした雰囲気で進めています。
勉強会を受ける前提で、まず私が作成したIT職種診断(アンケート形式)を使ってもらいます。
これは「自分の思考傾向や働き方の好み」などから、どんなIT職種に向いているかを探るツールです。
「自分は開発が向いてるのか?インフラ?マネジメント?」
そんな問いに答えながら、“仮のキャリア目標”を立ててみる。これが最初のステップです。
※ 外部に公開版は、SMHC/IT職種診断。こちらです。ぜひやってみてください。
技術だけじゃない。目指すのは「顧客と戦えるエンジニア」
勉強会で私が一番強調しているのは、「技術だけ学べばいいわけじゃない」ということです。
私たちが目指すのは、“顧客と戦えるエンジニア”です。
これは喧嘩するという意味ではありません。
顧客の要求をただ受け入れるのではなく、技術的に正しい選択肢を提案できること。
例を挙げれば、
- ✘ 顧客と戦わない:「言われた通りに正確に作ります!」
- ✔ 顧客と戦う:「その方法だと運用コストが増えるので、別の方法を提案してもいいですか?」
こうした姿勢こそが、本当に価値のあるエンジニア像だと私は考えています。
仮の目標→ITSSレベルで現在地を把握→足りないスキルを磨く
診断結果をもとに仮の目標を立てたあとは、ITSS(経済産業省が推進するITスキル標準)に照らして、そのIT職種での自分のレベルを自己評価します。
「今、自分はレベル2くらい。次のレベル3に行くには、何が足りない?」
そのギャップを埋めるには、現在参画しているプロジェクトにどんなふうに関わるべきか、どんなスキルを伸ばすべきか、今後どんな戦略で参画していくプロジェクトを選んでいくか ── そうしたことを考えていく。また、その一方で、ポータブルスキルの向上に注力していきます。
ChatGPTやCopilotで“自分レビュー”を始める
今の若手には、私の若い頃にはなかった強力なツール=AIがあります。
ChatGPTやGitHub Copilotを使えば、自分の書いたコードの意味や改善点を対話しながら確認することもできます。
私からの提案で、AIを使って、自分の状況を棚卸するように伝えています。
仕事で迷ったこと、工夫したこと、自分なりの成功体験 ──
そうしたことを毎週末、もしくは月1回でもいいので、振り返って記録することを習慣づけることを提案しています。
そして、エンジニア最大の武器である技術経歴書に反映させていく。
そのフローの習慣化が大事だと伝えています。
キャリアに正解はない。でも、仮説を立てて進めば迷いは減る
キャリアには“正解”があるわけではありません。
でも、“方法論”はあります。
「仮の目標を立てて、やってみて、振り返って、修正する」──この繰り返しが、迷いを力に変えてくれます。
この勉強会が、若手が自分の道を見つけるきっかけになれば。
そして、顧客と対等に話ができる“戦えるエンジニア”を育てる一助になれば。
そんな想いで、これからも続けていきたいと思います。