学歴や経験年数だけでは見えない、これからのキャリアのつくり方
「開発経験は積んできた。でも、この先どんなスキルを伸ばせばいいのだろう?」
「AIがコードを書く時代に、自分の経験はどう評価されるのだろう?」
そんな疑問を感じたことはありませんか。
生成AIの普及によって、エンジニアの仕事の進め方は変化しています。
コードを書くことだけでなく、何をつくるべきかを考え、技術を使って課題を解決する力が、これまで以上に重要になっています。
では、AI時代にエンジニアが自分の価値を高めるには、何が必要なのでしょうか。
学歴や経験年数は、能力のすべてを表しているのか
学歴や資格、経験年数は、その人が何を学び、どのような経験を積んできたかを知るための手がかりです。
しかし、それだけで実務能力のすべてを判断することはできません。
例えば、同じJava開発経験3年のエンジニアでも、担当してきた仕事は異なります。
- 仕様に沿って実装を担当してきた人
- 既存コードの問題を発見し、改善を提案してきた人
- 利用者の要望を理解し、設計から考えてきた人
どの経験にも価値があります。
そのうえで、次のキャリアを考えるときには「何年経験したか」だけでなく、「その経験を通じて何ができるようになったか」に目を向けることが大切です。
SMHC代表の李鉉道も、学歴と能力の関係について、これまでの評価のあり方を問い直しています。
重要なのは、肩書きや経歴だけではなく、その人が何を考え、何を実現してきたのかという視点です。
AIがコードを書く時代に、エンジニアに求められること
生成AIは、コードの作成や修正、テストケースの検討など、さまざまな開発業務を支援するようになっています。
ただし、AIが生成したコードが、必ずしも利用者の課題を解決するとは限りません。
例えば、社内の申請業務を効率化するシステムを開発する場合。
単に入力画面をつくるだけでなく、次のような視点が必要です。
- なぜ現在の業務に時間がかかっているのか
- どの作業を自動化すれば効果があるのか
- 既存システムとどう連携するのか
- セキュリティや運用上の問題はないか
- 導入後、本当に業務が改善されたのか
AIを活用して開発を効率化できても、こうした課題を理解し、解決方法を考える仕事は残ります。
技術を使えることと、技術によって価値を生み出せること。
この2つを結び付ける力が、エンジニアのキャリアを考えるうえで重要になります。
「何を担当したか」から「何を改善したか」へ
2026年7月に実施されたレバテックの企業担当者553人を対象とする調査では、66.4%がITエンジニアの採用難易度の上昇を実感したと紹介されています。
採用競争が続くなか、企業側にとっても、候補者の経験を正しく理解することが重要です。
一方、エンジニア自身も、自分の経験を振り返ることで、次のキャリアへの手がかりを見つけられます。
例えば、これまでの業務について、こんな問いを考えてみてください。
「自分が関わったことで、何が変わったのか?」
大きなプロジェクトを成功させた経験である必要はありません。
障害対応の手順を整理したこと。
テストの進め方を改善したこと。
チーム内で情報を共有し、作業を進めやすくしたこと。
日々の仕事の中にも、自分の価値を示す経験はあります。
今までの経験を捨てずに、その先へ
SMHCが大切にしている考え方の一つが、「今までの経験を捨てずに、その先へ」という視点です。
開発経験を積んできた人であれば、その知識を土台に、設計や要件定義、AI活用、顧客課題の解決へと役割を広げていく。
技術を深める道もあれば、プロジェクト全体を考える道もあります。
重要なのは、これまで積み重ねてきた経験を否定するのではなく、次に何を身に付け、どのような価値を生み出したいかを考えることです。
SMHCは、2030年に向けて「AI Native Company」を目指しています。
AIを単に導入するだけでなく、人の経験や知識と組み合わせ、実際の仕事や社会の課題解決につなげていくことを重視しています。
あなたは、これから何を実現したいですか?
学歴も、資格も、経験年数も、これまでの努力を表す大切な要素です。
ただ、それだけで自分の可能性を決める必要はありません。
これまで何を学び、何を考え、どのような仕事に向き合ってきたのか。
そして、これから何を実現したいのか。
AI時代のキャリアを考える第一歩は、自分の経験を、年数や肩書きではなく、そこから生まれた価値で捉え直すことかもしれません。
参考・出典
- 李鉉道「学歴は、もう『能力の証明』にならないのか?」(LinkedIn、2026年10月28日)
https://www.linkedin.com/pulse/%E5%AD%A6%E6%AD%B4%E3%81%AF%E3%82%82%E3%81%86%E8%83%BD%E5%8A%9B%E3%81%AE%E8%A8%BC%E6%98%8E%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B-%E9%89%89%E9%81%93-%E6%9D%8E-gvpoc/ - ITmedia掲載・レバテック調査紹介(2026年10月28日)
https://kn.itmedia.co.jp/kn/article/2610/28/2000002628/