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ある日「リードエンジニア」として未経験者3人を育てる立場になった。
自分の成果だけでなく、チーム全体の成長を考える日々。
**“教えることの難しさ”と“チームで成果を出す喜び”**を同時に味わった、
5年目エンジニアのリアルなマネジメントストーリーです。
目次
■ 上流工程に進むと決めた理由
■ SESエンジニアとして感じた“現場のリアル”
■ “変えたい”と思うなら、自分が動くしかない
■ リードエンジニアとしての挑戦
■ 想定外の“反発”
■ 他者貢献の危うさ
■ チームが変わり始めた瞬間
■ リードエンジニアを経験してよかったこと
■ “優しさ”から“責任”へ
■ 今後の目標
■ まとめ ─ マネジメントを通じて得た“気づき”
■ 上流工程に進むと決めた理由
IT業界に入って5年。
正直、上流工程の仕事は「面倒でストレスが多い」とわかっていた。
お客さんや上司と部下の板挟みになり、感情の間で苦労する。
成果を出しても評価されにくい。
そして何より、人の成長は一朝一夕では見えない。
だからこそ、やりたい人が少ない。
結果として、会社は給料を高くしてでも人を確保しようとするが、なかなか見つからない。
僕もそれを理解していた。
それでも、手を挙げた。
理由はひとつ。
「社員が幸せに働ける環境を作りたい。」
■ SESエンジニアとして感じた“現場のリアル”
SES(システムエンジニアリングサービス)という働き方は、
クライアントの現場で成果を出すことがすべて。
スキルやスピードが評価に直結する。
けれど、その裏側には見過ごせない現実もある。
- 未経験者が経歴を“盛られる”ことがある
- 残業が当たり前になっている
- プロジェクトの失敗をエンジニアのせいにされる
- 単価の半分以上が中抜きされる
そんな環境で、真面目に頑張り続ける仲間を何人も見てきた。
「本当にこのままでいいのか?」
気づけば、そう自問するようになっていた。
■ “変えたい”と思うなら、自分が動くしかない
文句を言っても、仕組みは変わらない。
だからこそ、上流工程に進んで自分の手で変える側に回ろうと思った。
案件を選べる立場になり、
正当な単価で、正当な評価ができるような仕組みを作りたい。
「エンジニアが無理なく、長く、誇りを持って働ける」
そんな環境を、現場から作りたかった。
■ リードエンジニアとしての挑戦
最初に任されたのは、未経験者3人を育てながらプロジェクトを進めるというミッション。
・サポートに時間がかかり、自分の仕事が止まる。
・教育のためにタスクを振れば、工数が余計にかかり、チーム全体のパフォーマンスが下がる。
・期日が迫っても相談がなく、タスクを忘れる。
課題はいくつかあるが事前に対策を打つことで正直上手くいった。
それでも、思いがけない壁にぶつかった。
■ 想定外の“反発”
ある日、期日を守れそうにない部下に、フォローを入れるため確認を取った。
「進捗どう?」
すると部下が反抗的な態度で
「ここの部分は不具合が起こる可能性があるので例外処理を追加してください。基本的には良いです。」
しかし返ってきたのは一言。
「結局、まだダメってことですよね。俺が書くより先輩が書いた方が早くないですか?」
期待しない一言でした。
あえてこの子のために時間をかける必要はない。
そう考えた自分に、少しショックを受けた。
■ 他者貢献の危うさ
相手のためと思って行動をしていると、相手の反応に疑問を持った時、
相手のためと思っての行動の継続が難しくなる。
ある人が言っていたことを思い出す。
お客さんのためと思って行動する経営者と、
自分のためと思って行動する経営者のどちらが行動を継続できるか
正解は自分のためと言われた。
今になって刺さる。。。
■ チームが変わり始めた瞬間
「リーダーの仮面」
という本を読み、自分がいい人であるために、
必要なことが出来ていなかったことに気が付く。
チームメンバーと距離を置く。
ルールを作り守らせる。
そうすることで、
部下の勤怠状況が改善の方向に向かった。
この本のすべてが正しいとは思えないが
自分の優しさが、モチベーションに左右される弱いチームを作ってることに気が付かされた。
■ リードエンジニアを経験してよかったこと
PM(プロジェクトマネージャー)から一部の業務を委任され、
お客さんとの折衝や工数見積もり、進捗管理を任されるようになった。
その結果、「お客さんが本当は何を求めているか」を知ることができ、
無理なスケジュールや認識のズレ等の問題が起こる前にすり合わせられるようになり、
プロジェクト全体として過度な残業を防ぐことができた。
それは単に効率化ではなく、
「現場を守る仕組みを作る」というマネジメントの成果に触れた瞬間だった。
■ “優しさ”から“責任”へ
以前の自分は、チームメンバーに嫌われたくなかった。
その結果、相手に合わせすぎて、言うべきことを言えなかった。
けれど今は、
「相手を成長させるために、あえて厳しい言葉を伝える」
ことが、本当の優しさだと思えるようになった。
マネジメントは「好かれること」ではなく、「信頼されること」。
その違いを実感できたのは、このリード経験があったからだ。
■ 今後の目標
リードエンジニアを経験したことで、
現場の課題・教育・工程管理──そのすべてが繋がっていると実感した。
これからは、**「上流工程から現場までを一貫して見渡せる人材」**として、
チームを支える側に回りたい。
誰かのミスを責めるのではなく、
そのミスが起こる構造を変える。
エンジニアが安心してチャレンジできる環境を作る。
「人が育つ現場は、プロジェクトも育つ。」
その信念を持って、これからもマネジメントに向き合っていきたい。
■ まとめ ─ マネジメントを通じて得た“気づき”
- 優しさだけではチームはまとまらない
- 教えることは、相手の成長と同じだけ自分を成長させる
- 現場を変えるには、まず自分の在り方を変える必要がある
マネジメントには正解がない。
でも、“自分とチームの成長を信じ続ける力”こそが、
リーダーの唯一の答えなのかもしれない。
まだまだ未熟な部分もあるけれど、
僕はこれからも“現場を良くするリーダー”を目指して進んでいきたい。