1
/
5

CMO×3児の母が目指す「育児を豊かにするビジネス」の展望|インタビュー#01

ポピンズシッターの創業期から携わり、現在はマーケティング責任者としてビジネス全体の舵取りをされている小栗さん。ベビーシッターサービスの価値と今後の展望についてや、3人の子育てと共に築いてきたキャリアについてお話しを聞きしました。

小栗 順子|株式会社ポピンズシッター CMO
東京都出身。上智大学理工学部卒業後、広告代理店や複数事業会社でマーケティングに従事。日本トイザらスでのベビーザらス日本市場へのローンチをはじめ、新規事業立ち上げや、ブランド再生に20年以上携わる。2019年よりポピンズシッターの前身であるスマートシッターへ社員3名の時に参画。現在、3人の子育てをしながら、CMOとして事業企画部と採用育成部を管掌。

自身の育児を支えてくれたベビーシッター。気軽に利用できる仕組みを作りたい

ーー 現在どういった業務を担当されていますか?

CMOとして、事業を軌道に乗せる仕組みづくりと、規模を拡大していく為の仕掛けづくりに携わっています。主に2つの部署を統括しており、ビジネスの課題を見つけ、会社の方向性を定めて戦略を考える事業企画部。ベビーシッターの採用と研修を企画運用している採用育成部をみています。会社を車で例えると、事業企画部はハンドルで、採用育成部はタイヤのような役割ですね。ハンドルが違う方向を向いてしまうと、一生懸命メンバーが動いてても、ビジネスの結果が大きく変わってしまうので、私の役割は、優先順位を見極め、有限なヒト・モノ・カネを組み合わせて、最適な方向に導いていくことをやっています。

ーー ポピンズシッターに入社されたきっかけを教えてください。

無類の子供好きなので、子供に関わる業界に携わっていたいという想いが根本にあります。幼い頃から子供が好きで、大学の時にはサッカーチームぐらい子供を産むって宣言していたほどです。前職の日本トイザらスでは、ベビーザらスの日本市場のローンチに携わりながらも、お店を手伝うのも大好きだったので、子供たちがサンプルでキャッキャと遊んでるのを見つけると、その子とずっと遊んじゃって怒られたりもしていました。

私自身、夫が単身赴任中でありながら、フルタイム勤務で子供3人を育てていくために、10人以上のベビーシッターさんに助けられてきました。シッターさんのおかげで、子供も私も楽しく笑いながら生活ができたので感謝しかありません。ですので、これからの子育て世帯が気軽にベビーシッターを利用できる仕組みを作って、私が助けていただいた恩返しをしたいと思い参画しました。

ーー 創業期の苦労などあれば教えてください。

入社当時は社員3人しかいなかったので、お金がなくて人が採用できず、WEBサービスなのに開発がうまく進まなかったり、やっと軌道に乗り始めたらコロナがはじまる…など様々苦労がありました。まずは、荒れ地にビジネスの種を植えられる環境にすること。どの種なら育つのかトライ&エラーを繰り返し成長の種を見つけること。種が育つ環境を整えることからはじめました。

その中で特に反響の大きかった施策の一つが、「シッター相談」という仕組みの導入でした。元々シッターは保護者からのご依頼を待つことしかできなかったのですが、この仕組みができたことで、保護者が依頼内容を掲示板に書き込むと近隣のシッターに通知がいき、シッターからもアプローチができるようになりました。まさにWEBサービスの可能性を感じましたね。

母になったら仕事への向き合い方をアップデート。自分がすべきことを明確にする

ーー 子育てしながら、なぜキャリアアップできたのですか?

仕事への取り組み方を変えたことが大きいです。私の場合、残業が絶対できなかったので、仕事で重要なことと、子育てで重要なことを明確に決めています。仕事は最短のルートでどう実施するか、最大の成果を出すためにどうやるかということだけを考えていました。

また、早く帰ることでチームにも部下にも迷惑をかけることも多かったのですが、とにかくそれを気にさせないぐらい成果を上げる。そうすれば、周りの理解も得られ、協力もしてくれるようになりました。そのためには、両立ではなく”切り捨てる”という考えをもって、何をすれば会社に貢献できるかを把握し、やるべきことをやり、やらなくてよいことは一切やらないということを心がけています。

ーー 自分しかできないことに集中する。ということですね!

子供を生んだ瞬間に自分の時間って本当になくなるんですよね。独身の時と同じ働き方をしてたら、まず潰れてしまうので、産休復帰をするメンバーには「仕事への向き合い方を変えないとどんどん疲弊していくので、考え方から変えていってね」と話しています。自分がどのように仕事をすれば成果が出せるかを考え、切り替えられるかがポイントだと思っています。

子育てをしてるから成果が出せないということが続いてくと、子育てしている親が働きづらくなってしまうので、会社としては、本人が希望する働き方は尊重しますし、特性を活かした業務の振り分けや配置をすることも大切にしています。そして、みんなが時間を無駄に使わないように、会社が向いてる方向はこっちだからこっちを見て仕事しよう!と明確に指針を発信することも意識しています。


ーー ポピンズシッターの社会的価値とは何だと思いますか。

ベビーシッターを社会基盤の一つにしていくことがポピンズシッターの役割です。保育園の集団保育ではカバーしきれない部分を、各家庭の状況に応じて対応できるのがベビーシッターだと思っています。昔はじぃじばぁばが担っていた子育ての一端をベビーシッターが受け持ち、多様な人や価値観に触れながら子育てをすることで、子供も保護者も豊かな心を育んでいけると考えています。

◉時間だけでなく心理的負荷を減らせる

子育ては本当に大変なことですが、必死になって仕事して、子供をお迎えに行って、家事をやっても、家庭というクローズドな空間では、その大変さを理解できる人は誰もいないんです。おそらくそういった悩みを持っている方は多いと思いますが、そんな中で、自分の味方になってくれる人がベビーシッターです。

帰宅すると「お母さん今日も大変だったね。頑張ったね。」って労ってくれる。子供が手のかかる時期も、「今こういう時期だから。こうなっちゃうものだよ。」って教えてくれる。もちろん時間的にもすごく助けらましたが、自分の心の支えになってくれたことが1番大きかったと思います。

◉教育虐待の防止にも繋がる

今の保護者さまは一生懸命すぎて、お子さまが窮屈になってしまっているご家庭もあります。近年ある教育虐待の例がまさにそうです。私自身、子供の発達で悩んでいた時、ベビーシッターさんが「お母さん大丈夫ですよ。お子さんは人の気配も感じられるし、言うこともちゃんと理解できていて、すごくいい子だと思いますよ。」って言ってくれた時、それだけで救われた気持ちになりました。きっとそれがなければ、できないことにフォーカスして、息子を辛い目に合わせてただろうなって思います。

良い意味で感情が入りすぎず、温かく見守ってあげられるというメリットがベビーシッターにはあります。ベビーシッターのお子さまへの接し方を見て、ご家族は子育てのバリエーションを知ることができ、近視眼的な子育てから脱することができるかもしれない。社会に開かれた子育てのためのツールがベビーシッターになれると思います。

ーー 事業の展望を教えて下さい。

現在、子育て世帯には自治体・企業・国の様々な支援が入っており、ベビーシッターの利用は拡大傾向にあります。また、お子さまを預かるセンシティブなサービスなので、業界参入が簡単でなく競合が少ないことも特徴です。サービス設計をする上で、ご家庭の価値観で100%囲われた環境にシッターは1人で入り、お子さまの命を預かるため安全を担保しなればならないので、そこはすごく気をつけなければなりません。

子供の安全と保護者へのサービスが重要となるので、シッター向けに実施している研修では”サービス業”としての知識を軸にしてるんです。お部屋の状況・ミルクの作り方1つとっても様々な中で、大切なお子さまを個人のご家庭の価値観に沿って預かることになるので、保育の一般常識を押しつけることのないよう、質の高い研修を実施し続けていく必要があります。

◉子育てのイメ-ジを変えたい

子供を産んで育てることって、大変・お金がかかる・時間がないとか、3K職業のようなネガティブイメージを持ってる方がまだまだ多いと思います。大変すぎる時期があるのも事実ですが、助けてもらえる手段がいくつもあれば、大変な時期も楽しく過ごすこともできます。子育てって本当に素敵でかけがえのない経験だと思っているので、数年後には、子育て=楽しいイメージが先行する世の中になると良いなと思っています。

◉保育業界を変える旗振り役になる

我々は保守的な保育業界に革新的なWEBサービスを組み込むことで、数年で業界NO.1になることができています。WEBサービスの特性を活かしてデータドリブンで判断でき、いわゆるブルーオーシャンなので、施策がダイレクトに売上改善につながり、会社の成長を直に感じられる面白いフェーズです。

今後は、保育業界の非効率な部分を変える旗振り役になることを目指しており、助成制度の運用において、非効率がゆえに保護者・自治体・事業者の手間になっている部分を、システムの改修含め、オペレーション改善に参画していきたいと考えています。また、ファミリーを軸とした事業展開も視野にいれています。

ーー 組織運営において気を付けていることは何ですか。

スタートアップの組織は変化が激しいので、組織を最適化し続ける必要があります。ビジネスの変化に応じて組織の形状も変わるため、従業員の意識も変化します。私が思うのは「人は変わらない」ということ。仕事の好き嫌いは大きく変化しないと思っていて、好きなことをしている時はうまく行くことが多い反面、嫌いなことはどうしても後手になってしまう。

だったらできる限り好きに近い仕事を割り当てることを考えます。また、方向性をはっきり示すことも大切にしています。それをしないとみんなが迷うんですよね。意味のないことに注力するとみんなの時間が無駄になるので「これをやるために&これを達成するために、あなたたちの仕事があるんだよ」ということを明確にする。それがあるから、多分みんなが同じ方向へ向けるんだろうなと思っています。

正解を求めすぎない。失敗が未来をつくる

ーー 社員には何を求めていますか?

  • 仕事の目的・KPIを意識すること
  • 失敗を恐れずすぐに行動すること
  • PDCAを回してラーニングして明日につなげること

基本的にどんどんやりなさいというスタンスは徹底していて、OKを出したということは会社がリスクを負うということなので、失敗を恐れずに行動することを促しています。ビジネスに正解なんてないので、やってみないとわからないことが多いんです。

計画に対して「これ達成できますか」と言われても、達成できるように努力するしかないと答えるしかないと思っていて。正解したいと思うがあまり行動ができないだったり、失敗して人に嫌われたくないという人もいますが、あなたが失敗しても誰も嫌わない。やってみて成長してくれることの方が会社としては大切なので、未来は自分で作るんだと思って取り組んでほしいと思っています。

ーー ポピンズシッターに興味をもっている方へメッセージをお願いします!

これまで、様々な会社で事業構築に携わってきましたが、ポピンズシッターの一番の魅力は、自分の行動がダイレクトに誰かを助けることに繋がることです。人生の中で仕事に費やす時間って長いので、その貴重な時間を誰かを助けることに使えるのって素敵じゃないですか?

ポピンズシッターで仕事をする上で、誰かの機嫌を伺ったり、書類の見え方に時間を割いたりなど、いわば仕事のための仕事もほとんどありません。裁量も大きいので、会社が良い方向に向かうことはどんどんチャレンジできます。とはいえ、スタートアップのアドレナリン出まくってる感はなく、おっとりしている社風なので、人間関係もとても穏やかです。仕事のやりがいと働きやすさを両立できている稀有な会社だと自負しているので、是非事業や考え方に共感をして頂ける方と一緒にお仕事ができればと思います。

Invitation from 株式会社ポピンズシッター
If this story triggered your interest, have a chat with the team?
株式会社ポピンズシッター's job postings
6 Likes
6 Likes

Weekly ranking

Show other rankings
Like 渋谷 勇磨's Story
Let 渋谷 勇磨's company know you're interested in their content