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ㅤ今西真也「かーーかかー」

Smappa!Groupにインターンに来ているSです。本日もアートに関する情報を発信していきます。

今西真也Shinya Imanishi
「かーーかかー」

会ㅤ場:nca| nichido contemporary art
会ㅤ期:2021年9月10日(金)ー10月16日(土)
営業時間:火ー土ㅤ11:00-19:00(日・月・祝日ㅤ休廊)
写真撮影:可能


今西真也の作品はキャンバスに油絵具を厚く塗り重ね、筆致の跡を力強く残し、削っていく行為を繰り返しながら描いている。1
今の時代ネットや本などで探せば多くの作品を観ることができる。しかし今西真也の作品は画像では伝わることのない生で見ることに意味のある作品である。
キャンバスに塗り重ねられた油絵の具の層を筆の逆側でえぐるようにして対象を描いていく。作品を遠くから観賞すると一つのイメージが描かれているようにみえる。

しかし近づいて作品を鑑賞すると筆で塗ることによって描かれているのではなく一つひとつ丁寧に上から塗り重ねた白色の絵の具を筆でえぐりだし下地として塗った色を点や線のようにしてイメージを描いていることがわかる。
それらは写真に収めることであるはずのマチエールや色調が失われてしまう。私の大学の教授が「作品は実際に見ることに意味がある」と言っていた意味を再確認することができた。
階段を降りギャラリーに足を踏み入れ作品を鑑賞した際その手法の面白さに目を引かれ描かれているイメージを認識する前に細かなディティールを鑑賞した。ㅤㅤ

遠くからみると均一に見える上の白の層も近づいて細かく鑑賞すると筆の筆跡の凹凸があり作品がうねりを打ち、まるでそのえぐれとそこからなる波のようなえぐった後を作り出している一種の生き物のようだった。
対象から離れ作品を遠くから改めて眺めた際に初めてその作品がただ層を重ね掘り出されているのではなくその掘り出された一つひとつが点として存在しそれらがつながりあって線になり私たち鑑賞者にイメージを見せているのだと気づいた。

一つひとつの点は関係なくともどこかで共通項が見つかりそれの繋がりが線となり一つの世界を作り出していく。

美術を作り出したのは宗教でその宗教には歴史がかかわっていて文字が生まれたのは歴史を記録するためで歴史を紐解けばその中には政治や哲学や数学が作用しあっている。

それぞれ別々のものと考えがちだが全てどこかで繋がっており私たちはこれまでを生きてきた人たちの紡いできた線を受け継ぎ新たに紡いでいく。

これまで積み上げてきた歴史を「掘り起こし」再び読み解くことで関係ないと思っていた点と点が繋がり新たな認識として生まれまた新たに生まれた認識が他のまだ見えていない点と結びつき隠されていたものを浮かび上がらせることで発展していくのだと思う。

そして繋がるまでの作り上げていく過程の重要性を明示しているように感じた。

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1今西真也:かー ―かかー-nca| nichido contemporary art

https://www.nca-g.com/exhi.../2021/shinya_imanishi_ka_ka_ka/ )2021/09/23アクセス

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